アークナイツ 『アナタがいないと』トロフィー獲得RTA 作:野口さん
ロドスに彼がついてから、頭が痛い。
彼の目を見ると、心が痛くなる。
彼が戦っている姿を見ると、記憶が揺さぶられる。
彼が怪我をしている姿を見ると、動悸が激しくなる。
思い出してしまうのだ。
それもこれも全部、彼の瞳のせいだ。
こんなことなら、あの時彼を見捨てればよかった。
たかが色が同じなだけ、少し性格が似ていて、声色が似ていて、
それだけ。
それなのに、どうしても、彼女と重なる。
気分が悪い。
何回彼を殺そうとしただろうか
何回彼を燃やそうとしただろうか
何回彼をアーツで襲おうとしただろうか
しかし、できなかった。
彼が私の名前を呼ぶから。
モスティマ
そうだ、私はモスティマだ。
なるべく早く、ロドスから出よう。
それで、どこか遠くの方に。
頭が痛い。
今日も薬を使った。
ドクターが偶に使っている精神剤。
最初は妙な味と、体が塗り替えられる気分に吐き気を催したが、それももう慣れた。
1日に5回も使えばなれる。適量なんて足りなかった。
こうしてなんとか、平穏を保ってきた。
しかし、彼が扉を叩いた、
額の傷を残して。
あの時私が撃ち抜いた。
それとそっくりな傷を残して。
私が撃った
私が殺した
・・・?
彼女・・・彼・・・
あぁ、最近頭が変だ。
私の目の前にいて、この瞳の人は彼女しかいないだろう?
扉を開けた彼女は、なんと言っていたんだっけ?
もう覚えていない。
でもいつの間にか私は甲板に来ていた。
太陽が眩しい。彼女の目には辛いだろう。
・・・なんで辛いんだっけ?
確か彼女は倉庫に閉じ込められて・・・
なんだそれは?そんなことあったっけ?
なんで彼女は私のコートを着ているんだっけ?
頭が痛い。
まぁいいか。
彼女の額には傷跡がある。
あの時撃ち抜いた時とそっくりだ。
吐き気がする。
頭が痛い。
だめだ、耐えれない。
6回目の薬を使う。
呼吸が落ち着いてくる。
あれ?
なぜ、彼女が生きているんだ?
なんで、彼女のことを思い出していたんだっけ。
頭が冷えてきた。
・・・あぁ、私はなんて勘違いをしていたんだろう。
瞳が似ているだけじゃないか。私としたことが、なんてことだ。
私の目の前にいるのは、彼・・・
その時、風が吹いた。
アーツでもなんでもない、ただの自然現象
その風は、私たちに向かって吹いてきて、
彼の前髪をめくった。
そこには、あの時の彼女がいた。
隊長
頭が痛い。
体が、気分が悪い。
薬・・・割ってしまった。
彼女を見る。
あぁ、そこにいたのか、
いたなら、声をかけてくれればいいのに。
私の、最高の戦友
モスティマ!
「ひさしぶり」
私は彼女に手を伸ばした。
もう働いてるの?
-
学生です
-
社会人です
-
定年退職しました
-
学生でも社会人でもないです・・・