ローターを入れたまま戦うFate/stay night 作:エロスはせがわ
短いですが、オマケです♪
「――――こりゃ桜! ライダーをいじめてはイカン!」
間桐家のリビングに、お爺ちゃんの雷が落ちた。
「たしかに間桐の魔術は、こういう物ではあるが……それでも“人の道”という物があるのじゃ」
床に正座させられ、ショボーンと俯いている桜。そのすぐ前に立ち、間桐臓硯が孫への説教をおこなう。
「無抵抗の者を拷問したり……! 思うがままに操ったり……!
挙句の果てに、他人を犠牲にしてまで生き延びようとするなど、もっての他じゃ!
――――そんなの鬼畜の所業じゃ!! 吐き気がするッ!!」
なぜか慎二の脳裏に「お前が言うな」という言葉が浮かんだが、口を出す事なく静かに見守っていく。
「いくら魔術師とはいえ……良識や思いやりという物を、決して忘れてはならんぞ?
良いな桜?」
「はい……おじい様の言う通りです。ごめんなさいおじい様……」
あのセイバーとの戦いの後、慎二に叱られたばかりか、臓硯にまで怒られる。
いま桜は、これまでライダーにしてきた所業が全てバレてしまい、お説教を受けているのだった。
「お主に悪気が無かった事は、この爺も分かっておるんじゃよ。
お主はとても頑張り屋さんじゃし、自分なりに精一杯、聖杯戦争を戦っておったという事もの。
しかし、今回は少しだけ……やりすぎてしまったの?
これを良き教訓とし、これからもライダーと共に、頑張るんじゃぞ?」
「はい、ありがとうございますおじい様♪ 私これからもがんばります♪」
優しく言って聞かせ、暖かな笑みで見つめる。
桜もニッコリと笑顔を返し、素直に納得してくれた事が伺えた。
そもそも桜は、本来とても良い子なのだ。
こうしてしっかりと言い聞かせれば、ちゃんと理解出来る賢さも持ち合わせている。
過剰に怒鳴りつけたりしなくても、この子は分かってくれる。心配はいらないのだ。
それを知っている間桐臓硯も、親としての愛と信頼をもって、桜と接している。
「ライダーや? 此度の聖杯戦争は、今までとは比べ物にならぬ程、過酷な条件の物じゃ。
だがこれも、冬木市の皆様の平穏の為。何より命を守る為。
辛いじゃろうがそう理解し、これからも励めよ?」
「承知しましたゾウケン。おまかせ下ささささい」
語尾は怪しくなったものの、ライダーもしっかりと頷きを返し、まっすぐに臓硯を見つめる。
内股で、膝はガクガクしているけれど、それは今は見ない事としよう。
「慎二もすまんかったの。ありがとうの。
聖杯戦争の事はともかくとしても……これからも良き兄として、桜を支えてやっておくれ」
「分かってるよ爺さん。何とかやってくさ。
これでも桜の兄貴なんだ。魔術回路なんか無くてもね」
そう締めくくって、間桐家の面々は食堂へと移動する。
今日の晩御飯は、桜&慎二特製のビーフシチューだ。
この話し合いの間もしっかり煮込んでいたので、さぞとんでもなく美味しい事だろう。今から楽しみである。
「……でも爺さんさ? それ入れたまま説教するのって、どうなのかな?」
「いやいや慎二よ、他人に使おうという以上、こうして己で試してみるのも大切じゃぞ?」
「正直、説得力が皆無だよ。
コイツそんなの入れながら何いってんだ? って話なんだよ」
~おわり~
【ご挨拶】
これにて、いったい当作品は休載いたします♪
これは元々が短編の予定(一発ネタとも言う)であった事、そして作者がこれから忙しい時期に入り、今後の活動の予定が分からない事などが理由です。
……まぁそもそも、この作品や私のアカウント自体が、運営さまに削除されちゃう可能性もありますからネw
よって当作品は、ここでひと段落。……私も普通の男の子に戻ろうと思います(白目)
みんな! 俺は信念をつらぬいて書いたぞ!
でもアタイの事、いやらしい子だなんて……思わないでね……?
短い作品ではありましたが、最後まで読んでくれた貴方に感謝を♪
こんな作品を最後まで読めた貴方は、まごう事無く“猛者”です。
……そして、ちょっとだけ変態さんかもしれませんね(笑)
ではではっ! お読み頂きありがとうございましたっ!
心からの感謝を♪
エロスはせがわこと、hasegawaより