「殺してやる」
ハジメは自身の宿敵ではある“爪熊“を倒し自身の意思を言葉にした。
「ッ!!」
ふと、振り向くと
「……爪熊?」
恐らく子供だろう。
生物に対する鑑定は持っていない為、同種かは分からない。
この爪熊(この先は小熊と呼ぶ)はハジメの倒した爪熊に近づくと
「……グゥ?」
……動かない爪熊に感謝するように頭を下げた。
そして、ハジメの方を向くと警戒しながら去って行った。
……ハジメは先程の決意のように小熊を殺すべきだっただろう。
だが、ハジメは故郷の家族を思いだし──小熊を捕まえた。
「グゥ!?」
ハジメの腕の中でジタバタし噛んでくる小熊を見ながらハジメは自身の行動に疑問を持ちつつも爪熊を食べる準備を始めた。
◆◇◆◇
「グゥゥゥゥ」(ぐぅぅ)
……腹の音と警戒音が混ざった声を出す小熊。
ハジメは小熊を錬成により作り出した檻に閉じ込めていた。
そして──何の気まぐれか爪熊の肉を少しだけ小熊に分けた。
「……グゥ?」
不思議そうにハジメを見つめる小熊。
実際、ハジメ自身にも何故こんなことをしているのか不思議である。
しばらく見つめ合うと観念したのか小熊が一口食べ味を確認すると勢い良く残りの肉も食べた。
その後、小熊を解放したが小熊はハジメに襲いかからず去った。
ハジメは知らなかったが小熊はハジメが寝た時に近くに行って一緒に寝ていた。
◇小熊視点
私に自我が生まれたのはいつかは知らない。
なんとなく、そこら辺の未熟のモンスターより強く頭の良いだけだ。
そして調子に乗っていた時に爪熊──親とあった。
何故かは分からないが戦い続け瀕死状態の私を拾いご飯を持ってきたりして世話をしてくれたのだ。
何故かは分からないが生まれた時からあった変な知識の中からこの爪熊は親代わり見たいのような者だろうか? と考えた。
しかしあの怪物に倒された時、悲しみは感じなかった。
だが、感謝はすべきだろう。
親──爪熊の死体に近づき頭を下げる。
そして、怪物の動きを警戒しつつ逃げようとすると──捕まった。
……観察したところ無駄な戦いはしないように感じたのだが間違いだったらしい。
まあ、この世は弱肉強食。
死んでしまうのは仕方がない。
と思っていた時期が私にありました。
何故か肉を分けてくれたのです。
……どこか、安らぎを欲している表情をしながら。
旨かった。
今まで、どれだけ食べても満たされない何かが満たされたような気がした。
そして、一緒に寝た時の温もりも気持ちの良いものだった。
何かしら謎の記憶に関係しているのだろうか?
まあ、三日の付き合いだったがとても良いものだった。
怪物は私も連れていこうとしてくれたが何か行ったら消滅するという本能から来る危機感を感じ全力で断った。
……どこか寂しそうな顔をしていたので申し訳なかった。
置き土産なのか小さい私の手に入る金属の爪を残して行った。
◇◆◇◆
あれから1ヶ月程たった。
いつものように
あれから知能も上がり肉を焼いたり煮たりする術を得た。
「グゥ?」
料理しながら色々試して見ると自身に違和感を感じた。
なんとなく認識したものを
すると自身にかけられた消滅の呪いが消えた。
これが私の能力【破壊権限】である。
【破壊権限】
筋力以下の認識したものを破壊する。
その力は神にすら届く
今回は呪いを認識したため破壊出来た。
そもそも、呪いの強度が筋力以下で良かった。
これで──
「死に場所を探せる」
私は筋力以外のステータスがあまり上がらない。
まあ、この辺りのモンスターよりは高いが
速さや固さは低いので技術で戦ってきたのだ。
私は強い相手と戦いたい。
格上を倒したいのだ。
その戦いで死ぬのなら文句は無い。
「さて、どんな戦いがあるのかな」
そして、私の迷宮攻略が始まった
注意点です。
まだ小熊は人の言葉を喋れません。
口に出したことを言葉に変形しているだけです。
他人とあったら少し変化すると思います。