「ヒュゥゥゥ!!」
全力で呼吸をし【血流操作】による高速化を行い強化、更に【月食】による身体強化
「【シャルル】第一形態」
『了、第一形態【血烈刀】への変形をします』
右手の首輪が外れ刀身が赤黒くどこか吸い込まれそうな刀に変形する。
そして、目の前のモンスター(狼)の内臓のみを狙って殺して行く。
窒息などで死んで行くモンスター達。
何故、こんな戦いをしているのかは簡単に言えば小遣い稼ぎだ。
ちょっと、屋台で食べ過ぎたので運動がてら小遣い稼ぎに来たのだ。
「うん、これくらいで止めておこう」
【異空間】に入った狼の数を見ながらそう呟く。
ちょうど良い温度で昼寝が気持ち良さそうだったので私はハジメ達が冒険者ギルドから帰ってくるまで待つことにした。
◆◇◆◇
「……ここはどこだ?」
まるで水の中に居るが如く体が重い。
しかし、服や髪は一切濡れてない事から水中ではないことが理解できる。
下を見ると──赤子の死体の山の上に立っていることが分かった。
「……これは、お前か?」
振り向きながらそこに居る者に殺気を飛ばす。
そこにはこの世のものとは考えたくない憎悪の塊のようなどす黒いオーラを放つ人の形をした何かが居た。
「愛している」
「……ハァ?」
「愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛して──「辞書で百回調べてこい中身もない呪いが」」
次の瞬間、世界が割れた。
……確かに、脅威だろう。
しかし、
私はその化け物の心臓を貫手で貫いた。
「……元、主人格がこんなことになっていて良いかな? ねぇ、〈吸血鬼〉様」
「あら? いつから気がついていたのかしら?」
「気づいてはないけど居るだろうなとは思っていた」
そこのは今までに見たことの無い絶世の美女が居た。
出るところはしっかり出ており心配になるくらい細い所もある。
正しく、大半の人が目指す理想形の形だろう。
「で? 何のよう?」
「あら? BLEACH見たいに力を引き出す訓練でもすると思った?」
「いや、何であんたが知ってるんだよ」
「フフフ」
どうやら答える気は無いようだ。
「わざわざ、呪いの集合体破壊させて表に出てきたと言うことは何かあるんじゃねえのか」
「まあ、無いわけじゃないんだけど久しぶりにお話出来るからね」
そう言うと、指を鳴らし死体の上にお茶会セット? みたいなものが一式そろって出てきた。
「まあ、話は聞くよ」
「嬉しいわぁ~」
◇◆◇◆
「……普通に旨いのが腹立つ」
「フフフ、嬉しいわぁ。あっ、クッキーもいる?」
モグモグ…………あれ? 何か話したっけ?
「……本題に入らねぇのか?」
「フフフ、もう少し後にしましょう?」
「いや、ギルドからハジメ兄達が出てくるまでは戻りたいんだけど?」
「え~、仕方がないわね~」
そう言うと、雰囲気が一気に変わる
「貴方に【魔眼】を教えるわ」
「【魔眼】? なにそれ」
「【魔眼】とは祝福にして呪いの眼
私が生前に持っていたのは【色欲之魔眼】でも呪いになってしまったせいで【狂気之魔眼】になってしまったけどね」
「で? 何で俺は使えない?」
「使えるけど私が封印しているのよ」
「何故?」
「制御出来ないから【魔眼】のせいで村一つを崩壊させたこともあるから制御が必須条件なのよ」
そう言うと立ち上がり
「だから、貴方を殺すわ」
「ッ!」
いつの間にか持っていた槍で私の左腕を切り捨てられる。
しかも【血力操作】による回復強化も出来ない。
「クソ! 流石に分が悪い」
【月食】による強化は出来るようなので強化して突っ込む。
しかし、上手く先読をされ中々近づけない。
「これで終わりです」
次の瞬間、心臓が槍で貫かれ絶命した。
◆◇◆◇
「ハッ!」
「あら? 起きたかしら」
槍の柄でペチペチ叩かれ意識が覚醒する。
すぐさま、飛び起き間合いを取る。
「……確実に死んだよな?」
「ええ、死んだわよ?」
体を見るが異常は──ほんの少しあった。
「これは……ヒビ?」
真っ黒なヒビが指先に入っている。
「貴方はここで死にはしないけど、どんどん呪いに支配されるわ……あの、呪いの塊みたいになるわよ」
「そうか……大体、五十回以内には出なきゃならなそうだ」
また、構えを作り相手をまっすぐ見る。
「……諦めないの」
「可能性は片っ端から取っていくし、そんな泣きそうな奴見てこのまま帰えったら自分に嘘ついたようなものなんだよ!!」
そう、叫び吸血鬼に突っ込む。
そうすると吸血鬼は少し嬉しそうな顔をした。
◇◆◇◆
何回死んだだろうか?
流石に三桁には至ってないだろうが左腕と右腕はもう真っ黒に染まっている。
死んでいって分かったことがある。
私は【神眼】と言う技能により敏捷が高い相手にも攻撃を相手が来るだろうと言う位置にあらかじめ配置することにより敏捷の差を埋めている。
だか、目の前の化け物は差が大き過ぎるのだ。
どうしても追いつかず、あちらも長年生きた戦闘経験から技量もかなり高い。
だが、観察し体に覚えさせる。
私は肉体のことを熟知している存在だ。
どこまで間接を外せるか、どこまで威力を伝える動きを出きるか、心拍数、呼吸の回数、その全てを生まれた時から知っている。
ならば、見た技術も行える。
もう、その技術は見飽きた。
「ありがとう、
「え?」
槍を弾き貫手で腹を貫く。
化け物は私の言葉にびっくりした表情を浮かべ
泣きそうな声で次の言葉を言った。
「あの時、守れなくてごめんなざい。最後に
「……お母さんは優しい人だって私はずっと覚えているからさ、楽になって、私が私である限りお母さんは私の中で生き続けるからさ」
伝えたいことが纏まらず、おかしな言葉になってしまったが化け物──お母さんは優しい顔をしながらキスをしてくれた。
次の瞬間、体から呪いは出ていき眼に模様が浮かび上がる。
それは幾度の魂を重ねたが如く底の見えない引きずり込まれそうになる紋章。
「また、会えるかな?」
「会えるわ、その眼が
「じゃあ、またね」
さようならは言わない。
呪いに囚われた化け物になろうがその心は子供への愛情に注がれているのだから
◆◇◆◇
「行っちゃったかー……お母さん……エヘヘ」
死体の上に立ちながらニヤニヤ笑う様子はかなりシュールだ。
「さて、待ち続けよう──お母さんはいつも見守っているよ「ズゥゥン」──何かしら?」
地震など起きないはずのこの世界に軽い振動が起きた。
すると死体が天へ飛んで行く
「……王が変わったからかしら?」
この世界は元々絶望した私が作り出したものだ。
しかしこの中心に立っているものが初命になったことで変わろうとしている。
全ての死体が消えると次から次へとガラクタが落っこちてくる。
器用にガラクタを避けながら一つのガラスの破片を拾う。
すると、ガラスは手元から離れどこかへ引き寄せられて行く。
試しに追って見ると──
「……あの人の家?」
そこには我が家があった。
映像の逆再生の如くガラクタから組上がっていく。
中に入ってみるとそこには慣れ親しんだ風景が広がっていた。
最早、忘れかけていた当たり前だった風景。
暖炉の上には子供の為の遊び道具が、木の柱には身長を記録した線が、よく子供が散らかしていた本棚が──昔の風景がそこにはあった。
いや、一つだけ違う点がある。
夫の机の上にまだ完成させられなかった木のアーチが完成してあり「お母さんいつもありがとう」と彫られてある。
恐らく、夫だったら数十分もあれば作れる代物であり所々、ミスがあることから子供が作ってくれたことが分かる。
お母さんは生まれて初めて、この空間に誰も居ないことを感謝して大泣きした。
生前、一回も泣かなかった吸血鬼は初めて泣いた。
初命はハジメの家族になる前は【狂気の吸血鬼】との家族でした。
お母さんは初命が呪いに殺される可能性を考え器(毛皮)へほとんどの呪いが行くようにしたからどうにか安定していました。
今回の事で元の主であるお母さんを殺したことにより呪いを完全制御出来るようになりました。