破壊の熊は家族の元へ   作:悪魔野郎

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二千文字ですが許して下さい。


心臓の音

「アッ────ーなのじゃああああ────ー!!!」

 

「……どうゆう状況?」

「……何であの状況で爆睡出来るのですか?」

「……何かごめんなさい」

 

 何か、目の前には……尻におっきい杭が刺さった黒龍が喚いている。

 えーと、確か愛子先生達が着いてきて狭いからシア姉の頭で寝ていたんだ。

 周りを確認する。

 目的の人は見つけられてあの黒龍に邪魔されたと言ったところかな? 

 ……ハジメ兄……尻に杭を刺すとか……それは無いよ。

 

「ぬ、抜いてたもぉ~、お尻のそれ抜いてたもぉ~」

「お前……まさか、竜人族なのか?」

「いや、そんなことよりお尻のそれを……魔力残量がもうほとんど……ってアッ、止めるのじゃ! ツンツンはダメじゃ! 刺激がっ! 刺激がっ~!」

「滅んだはずの竜人族が何故こんなところで、一介の冒険者なんぞ襲っていたのか……俺も気になるな。本来なら、このまま尻からぶち抜いてやるところを、話を聞く間くらいは猶予してやるんだ。さぁ、きりきり吐け」

「あっ、くっ、ぐりぐりはらめぇ~なのじゃ~。は、話すから! 

 妾は、操られておったのじゃ。お主等を襲ったのも本意ではない。仮初の主、あの男にそこの青年と仲間達を見つけて殺せと命じられたのじゃ」

「どういうことだ?」

「うむ、順番に話す。妾は……」

 

 要約すると調査に来た隠れ里に住んでいた竜人族の姫らしい。

 それで召還された強力な存在(勇者一行)に気がついて調べるためにやって来た。

 しかし、長時間の飛行で疲れ竜状態で休んでいると洗脳されたらしい。……丸1日掛けて。

 

「「お前の自業自得じゃねぇか」」

「グハァ、ありがとうございます」

「じゃあ、ハジメ兄。先に戻ってる」

「は? 何で」

「ハジメ兄の面倒事に関わりたくないからだよ!!」

 

 私は疾走する“重力魔法×パワー“で音速のスピードに近い速さで駆け抜ける。

 途中で木にぶつかったりするが“破壊権限“で減速は起きない。

 実はさっきハジメに言ったことは本音だがもう一つある。

 それは孤児院があるからだ。

 呪い──お母さんの影響により子供の事が頭から離れないのだ

 その上で命の危険があるとすれば──その心境は言わなくても分かるだろう。

 ハジメ兄より速く戻りギルドに伝えた。

(金ランクに近い実績を得ていたからすぐに動いてくれた)

 

 ◇◆◇◆

 

「……もう、居たのか」

「どうせ、折れると思っていたしね」

 

 私は孤児院のある南側に立っていた。

 

「後、色々イラついているのと知らしめ♪ こっちの敵は殺るから残りよろしく」

「……分かった」

 

 少し心を見透かされたことにイラッとしたのかさっさと姉ちゃん達の所に走っていた。

 

「さて、少し派手に殺ろう」

 

 首に付いている【シャルル】の核が少し光った気がした。

 

 ◆◇◆◇

 

「……来たね」

 

 目の前には万を越える大群

 想定より少し多いが()()()()()

 

 二つの腕輪の【シャルル】が外れ片方は【血烈刀】へもう一つは()へ変形する。

 

「起きろ。そして轟かせ」

『了、血流機関をフル起動』

 

 命令を下すと()()()()が大地に響く。

 ここに我ありと表すが如くどんどんその音は大きくなっていく。

【血烈刀】を鞘に納める。

 

「お前達に恨みは無いが私の糧になってもらう」

 

 ”月食“による強化を行い更に【血烈刀】に黒い線が現れる。

 心臓の音は()()()()()()()()()()()()

 

「今ここに、産声をあげろ」

 

 ──音はどんどん強く鼓動する。

 

 ──初めて、動き出したかのように激しく生きていると表すが如く

 

 ──そして音は重なった。

 

 ハジメ達と戦闘経験のあるの一部は自身が切られたと錯覚──理解する。

 

「……流石に血を使いすぎた」

 

 そう、愚痴をこぼすが当たり前だろう。

 何せ、()()()()()()のだから。

 

 まず、心臓の音のネタばらしだがこれは【シャルル】の技能である。

 え? 人やモンスターじゃないだろだって? 

 それは違う。

【シャルル】は言わば()()()()だ。

 ヒュドラの心臓に初命の”変成魔法“を使って魔物化させたものである。

 技能に戻るがその技能の名前は”竜心機臓“である。

 名前を聞くと普通の心臓と変わらないと思うだろうが少し違う。

 五つの心臓による血流加速を行う技能だ。

 ただの生物に使えば肉体が耐えられずに血が肉を突き破って出てくるだろう。

 しかし、初命には”血流操作“があり完全に使いこなせる。

 初命は今回、圧倒的な加速を得た血を抜刀の加速に変換。

 抜刀時に刀身を血液で伸ばし間合いを延長。

 威力が強すぎるが故に町まで切ったが”破壊権限“による対象選択によりモンスターのみを切った。

 

 その残上は……血の花を咲かせるモンスターが出来た。

 そもそも、心臓の音のみでも初命の周りにヒビが入る程の衝撃波を生み出すのだ。

 この結果は当たり前だろう。

 

「……神速・血流抜刀って言うところかな?」

 

 呑気に技名を考えながら”影魔法“による相手の血肉の回収をする。

 この時点で”竜心機臓“による肉体ダメージと刀身延長に使った血は全て“血力操作”によって回復している。

 恐らく、ハジメでも「……やりすぎだ」と言うレベルの一撃。

 下手をすれば町の者が全滅する一撃。

 もちろん、ユエ姉に怒られたのは言うまでもない。

 

「さて、疲れたしハジメ兄達が終わるまで寝ていよう」

 

 ”永遠之魔眼“によって”破壊権限“の選択を行っていたので正直めっちゃ頭が痛い。

 そのまましばらく眠りについた。

 

 

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