破壊の熊は家族の元へ   作:悪魔野郎

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あっ……


あっ死んだ?

「……良かったの?」

 

 死体だらけの世界からガラクタの世界へと変貌を遂げた世界で吸血鬼は問う。

 

「ええ、悔いは無いですよ……私と同じような存在でしたしね」

「あの時は滑稽だったなぁ。ハッハハ!」

「笑わないで下さい。私にとっての黒歴史なのですから」

 

 そう言って苦笑いをこぼす男の名前はカレイス・ドーマンと言う男だ。

 吸血鬼の中でも英雄と呼ばれ()()()()()()()()者と一緒に戦った罪人の吸血鬼だ。(人間にとって)

 

「貴方にボコボコにされたのは私にとって幸運でしたよ。なんだって血を分けて下さり“影魔法“を習得出来たのですから」

「なぁに、面白い拾い物をしたと喜んだよ。しかも私より上の階級の位貰えそうになった時、わざわざ私に向かって「私は一生貴方の下僕ですからそんな位は貰えません!!」と言ってきた時は少し背筋が凍ったぞ」

「今でも、貴方の下僕ですよ。ですからあの人間と付き合い始めた時はマジで殺してやろうかと──」

「その時は私が殺しただろうなぁ」

「……それならそれで──」

「……」(何言っているだこいつと言う顔)

「……コホン、あの人間は結構いい奴でしたから何も首を突っ込みませんでしたがね──あの王族だけは未だに四肢を1ヶ月かけて粉砕し続けたとしても生ぬるいくらいのイラつきはありますよ」

「……そうね。でもそれでは前に進まない愚か者と同じなのよ」

「……分かっております。ですが頭で分かっていても感情がそれを否定してくるのですから……」

「私達は繋げられた。この力を……力と呼ぶには不恰好だけどね」

 

 呪いの塊を見る。

 この世界が変わったとしても呪いは存在している。

 でも呪いとは決して害のあるだけではない。

 

「……呪いとは意思の力」

「いつか誰かに継がれ永遠に続く力」

「高貴な思いだって見方を変えれば呪いなのかも知れない」

「だから呪いは終わらない。呪い呪われどちらの意思が強いかが勝負を決める」

「だから」

 

「「そこのみでは誰しもが勇者だ」」

 

「フフ、懐かしいねぇ。こうやって軍の士気をよく上げたねぇ」

「私は結構好きでしたよこの掛け声」

「じゃあ」

「ええ」

「「次の者達を見守ろう」」

 

 ガラクタだらけの世界で二人は笑いあった。

 

 ◆◇◆◇

 

「……ありゃ、駄目だったかー」

 

 力に耐えきれずに()()()()()()のだろう。

 ……いや、進化するために肉体が壊れたのかな? しばらくは()の中で肉体を少しづつ作っているのだろう。

 

 だが、果ての世界に干渉していない周りにとっては肉体すら残さずに消え去ったように見えるだろう。

 

「……どうして?」

 

 愛子先生にそう言われたけど果ての世界の説明は難しいしなぁと困っていると

 

「敵だからな」

 

 ハジメ兄が助け舟を出してくれた。

 多分、死んだと思っているからか自分の責任とするとハジメ兄から”念話“が飛んできた。

 

「そんな! 清水君は……」

「改心したって? 悪いけど、それを信じられるほど俺はお人好しではないし、何より自分の眼が曇っているとも思わない。そもそも初命の呪いに負けた時点で完全に腐っていた」

「だからって殺す事なんて! 王宮で預かってもらって、一緒に日本に帰れば、もしかしたら……可能性はいくらだって!」

「……どんな理由を並べても、先生が納得しないことは分かっている。俺は、先生の大事な生徒を俺の意思で殺したんだ。俺を、どうしたいのかは先生が決めればいい」

「……そんなこと」

「〝寂しい生き方〟。先生の言葉には色々考えさせられたよ。でも、人の命が酷く軽いこの世界で、敵対した者には容赦しないという考えは……変えられそうもない。変えたいとも思わない。俺に、そんな余裕はないんだ」

「南雲君……」

「これからも俺は、同じことをする。必要だと思ったその時は……いくらでも、何度でも引き金を引くよ。それが間違っていると思うなら……先生も自分の思った通りにすればいい……ただ、覚えておいてくれ。例え先生でも、クラスメイトでも……敵対するなら、俺は引き金を引けるんだってことを……」

 

 ……やっぱり兄は優しいよ。

 

 ◇◆◇◆

 

 さて、今は魔力駆動四輪に乗って移動中なので清水幸利の状態を確認しよう。

 えーと……認めた英雄は五人……その内最も相性のよいカレイス・ドーマンと言う吸血鬼の英雄の力が引き継いだらしい。

 ……そりゃあ、肉体も崩れるわな。

 幸利の肉体は私が”変成魔法”で肉体を作り直している。

 元の肉体じゃあ強度が足りないから魔物の肉体も使って作るしかないかな? 

 さて、自身にかける”変成魔法”しか使った事がないから試行錯誤しながら頑張ろう。

 

「あっ!」

「? どうしました? 初命ちゃん」

「あっああ、大丈夫……多分」

 

 ……ミスって変になっちゃった。

 ……どこからか清水の断末魔が聞こえた気がするけど……気のせいだよね! (現実逃避)

 

 後、皆には清水が生きていることは秘密にしている。

 だってさぁ……実は”変成魔法”だけじゃあ肉体が完成しないんだよねぇ。

 何か、別の魔法が必要な気がするんだよなぁ。

 あっでも私の影から攻撃とかは出きるみたい。

 補助よろしく! 

 ……清水がこいつぶっ殺してやる! と言った気がするけど気のせいだよね! (悪魔)

 ……【シャルル】の小さなパーツ影から投げないでくれ……痛い。

 分かった。必要な魔法が見つかったらしっかり蘇生するから許してくれ。




……一応、生きてますよ?清水。
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