どうも皆さん。
ハジメ兄が来たので先に地上へ帰ったのですが……
「ハジメくん! どういうことなの!? 本当にハジメくんの子なの!? 誰に産ませたの!? ユエさん!? シアさん!? それとも、そっちの黒髪の人!? まさか、他にもいるの!? 一体、何人孕ませたの!? 答えて! ハジメくん!」
……修羅場です。我が兄ながらこれは酷い。
「何だあれ? 修羅場?」
「何でも、女がいるのに別の女との間に子供作ってたらしいぜ?」
「一人や二人じゃないってよ」
「五人同時に孕ませたらしいぞ?」
「いや、俺は、ハーレム作って何十人も孕ませたって聞いたけど?」
「でも、妻には隠し通していたんだってよ」
「なるほど……それが今日バレたってことか」
「ハーレムとか……羨ましい」
「漢だな……死ねばいいのに」
うん、周りの方達も少し黙ろうか……最近、私が一番のまともな人な気がしてきた(迷宮の階層を丸ごと破壊する時点でおかしい)
「まあ、落ち着いてね?」
「何よ! 貴女! と言うか、貴女はハジメくんと同じ気配? がするけどハジメくんの何なのよ!」
「死に別れの妹です」
「…………」(チコチコ……チーン)
あっオーバーヒートした。
◆◇◆◇
香織が、顔を真っ赤にして雫の胸に顔を埋めている姿は、まさに穴があったら入りたいというものだった。冷静さを取り戻して、自分がありえない事を本気で叫んでいた事に気がつき、羞恥心がマッハだった。「大丈夫だからね~、よしよし」と慰める雫の姿は、完全にお母さん……いや、止めておこう。
とか思いながら初命も参加して慰めていたので雫と仲が合うのかもしれない。
香織が立ち直った後はギルドに戻ろうと歩き出したのだけどユエ姉が牽制するもんだから……般若が見えた気がするのだけど気のせいかな?
……なんだろう? 吸血鬼のお母さんもこんな風な気配を出していた気がする。確か、お父さんがお菓子つまみ食いして怒られたんだっけ?
『お許し下さい。無惨様ァァァ!』
とか言っていた気がする。……あれ? そもそも、何でこんなこのネタを知ってるの? お父さん。
あっ愚か者が現れたよ。
多分、仲間がやられたから復讐に来たんだろうけど──相手が悪すぎるな。
プレッシャーだけで人を殺せるかのような殺気を放つ。
生物としてもレベルとしても次元が違うからね。
「また、容赦なくやったのぉ~。流石、ご主人様じゃ。女の敵とはいえ、少々同情の念が湧いたぞ?」
「はぁ、まともな奴はもうこの中に居ないのか」
「いつになく怒ってましたね~。やっぱり、ミュウちゃんが原因ですか? 過保護に磨きがかかっているような」
「……ん、それもあるけど……シアのことでも怒ってた」
「えっ!? 私のために怒ってくれたんですか? えへへ、ハジメさんったら……有難うございますぅ~」
「……ユエには直ぐに見透かされるな」
「んっ……当然。ハジメのこといつも見てるから」
「ユエ……」
「ハジメ……」
「いちゃつくのは夜か、デート時間のみでお願いします」
はぁ、子煩悩になっちゃったよ……この死体(まだ生きてるよぉ~)は修復しておくか……回復魔法とかと違って死ぬ程痛いだろうけど。
そして、香織の告白が始まった。
「ハジメくん、私もハジメくんに付いて行かせてくれないかな? ……ううん、絶対、付いて行くから、よろしくね?」
「………………は?」
おー、久々にハジメ兄の呆けた顔見たな
「……お前にそんな資格はない」
「資格って何かな? ハジメくんをどれだけ想っているかってこと? だったら、誰にも負けないよ?」
……綺麗な魂だなぁ。
「貴方が好きです」
「……白崎」
うん、カッコいい。
だが、ちょっと修羅場が続きそうなので胃薬飲んでおこっと。
◆◇◆◇
フフ、耐えきってやったったぜ。
ようやくこの空気から抜けられ──
「香織。行ってはダメだ。これは、香織のために言っているんだ。見てくれ、あの南雲を。女の子を何人も侍らして、あんな小さな子まで……しかも兎人族の女の子は奴隷の首輪まで付けさせられている。黒髪の女性もさっき南雲の事を『ご主人様』って呼んでいた。きっと、そう呼ぶように強制されたんだ。南雲は、女性をコレクションか何かと勘違いしている。最低だ。人だって簡単に殺せるし、強力な武器を持っているのに、仲間である俺達に協力しようともしない。香織、あいつに付いて行っても不幸になるだけだ。だから、ここに残った方がいい。いや、残るんだ。例え恨まれても、君のために俺は君を止めるぞ。絶対に行かせはしない!」
フフ、私を殺す気かな?
ん? どうしたの? シア姉? 恐怖の顔を浮かべて。
「君達もだ。これ以上、その男の元にいるべきじゃない。俺と一緒に行こう! 君達ほどの実力なら歓迎するよ。共に、人々を救うんだ。シア、だったかな? 安心してくれ。俺と共に来てくれるなら直ぐに奴隷から解放する。ティオも、もうご主人様なんて呼ばなくていいんだ」
……吐いて~吸って~。
「南雲ハジメ! 俺と決闘しろ! 武器を捨てて素手で勝負だ! 俺が勝ったら、二度と香織には近寄らないでもらう! そして、そこの彼女達も全員解放してもらう!」
「……イタタタ、やべぇよ。勇者が予想以上にイタイ。何かもう見てられないんだけど」
「何をごちゃごちゃ言っている! 怖気づいたか!」
「愚痴愚痴うるせぇぇ!!」
周りが驚いたかの表情を浮かべる。
「こっちはなー、新たな我が兄の嫁候補が増えて……まともだと思っていた人は時に変態に、時に魔改造され……私も化け物だけどさぁ。もう、これ以上面倒事を増やさないでね? ね?」
初命が虚ろな目で淡々と言うとハジメ達も少し申し訳なさそうにしていた。
「さて、勇者君? 私は「『
「ッ! どう言うことだ!」
「言葉道理だ。私は色々な魂を見られるだけど、そこの雫さん? が一番、勇者にふさわしいと私は思うよ」
「ッ! だが、俺は勇者だ!」
「は?
初命の影から人? の形をしたものが現れる。
「ゴルグウギャナルゴオ」
「え? 喋れないの? ……やっぱり発声器官の発達が甘かったかな?」
「グルギヤァ!」
持っていた杖を振り回し、いかにも怒ってるぞ! と言いたいようだ。
その謎の人? に対して勇者(笑)は
「なっなんだ?」
「さぁ? 教えないよ?」
そう言うと謎の人(次からは影人と呼ぶ)が魔力弾を放つ。
それにはもちろん、勇者(笑)も反応し聖剣で切る。
しかし、影は焦りもせず
「ギュルガラア」
次の瞬間、
勇者(笑)は驚きの表情を浮かべるが影人は気にもせずに本をペラペラとめくり
「ゴルギュルア」
ハジメのシュラークが影人の手元にあった。
「「「「は?」」」」
ハジメ達と勇者(笑)が思わず疑問の声を出した。
ハジメはシュラークを取りだそうとすると”宝物庫”に無いことを理解する。
勇者はそのまま、シュラークで撃ち抜かれ気絶した。
その時、影人は少し嬉しそうだった。
勇者(笑)……まあ、良い奴だったよ。