「……七割くらいかな?」
身体を起こし回復具合を確認する。
指先や内臓の一部が回復仕切ってないがいつの間にか持っていた【影魔法】で補強すれば動ける。
「さて……今更だけどここって洞窟じゃないよね?」
壁等を確認して人工の物だと分かった。
しかも、普通に殴ってもヒビも入らない程の強度だ。
こんなものがあるとすれば──
「……大迷宮?」
とりあえず、進むことにした。
しばらく歩くと石の長方形の看板が中心に置かれている部屋を見つけた。
内容は──
“おい出ませ! ミレディ・ライセンのドキドキ大迷宮へ♪ ”
……うざい。
そう考えていると文字が変わり
”いやー、まさか洞窟と勘違いされるなんてミレディちゃん悲しいなー”
「……ご……めん……なさい」
【魔力操作】を全力で使用しミレディ?が居る場所を確認する。
そして終着点目指して一直線に──
バゴォォォ!!
破壊し続ける。
“え? エエェェェ! 何で? 何で破壊できるの? オスカーの特別製だよ? しかも魔法使っていないよね? え? 身体能力のみ? 止めてぇぇ!! 私たちの迷宮を壊さないでぇぇぇ!! 何で、壁の再生もしないのよぉぉぉ! ”
そりゃそうだ。
【破壊権限】で破壊されたものは自己再生出来ない。
聖属性とか錬成なら復元出来るかも知れないが基本的に自己再生は不可能。
~三十分後~
目の前に文字が浮き出る。
“グズ、もう止めてください。普通に道を開けるから”
すると無理やり掘った階段が最新部まで繋がる。
「……」カキカキ『ごめんね』
「……生身なら本気で泣いていたよ」
そこには人形──ミレディ・ライセンが居た。
「……確かに、“魔法の使えない時の対処”はクリアしているけど破壊しないでよぉぉ!」
「……」カキカキ『面倒になって』
「そんな理由で壊さないで?!」
~しばらく、ミレディちゃんによるお説教のお時間です~
「ハァハァ」
「……グズ」カキカキ『迷宮破壊してごめんなさい』
「……泣かれると私が罪悪感を感じるんだけど」
初命は一応、精神年齢がかなり低い。
〈狂気の吸血鬼〉の記憶の一部を受け継いだとは言え人間の言葉を喋れないし怒られれば泣きもする。
暴れない理由は迷宮が崩壊する可能性があると理解しているからだ。
「ハァ、とりあえず重力魔法あげるね」
すると魔方陣が浮かび上がり脳に直接術式が入ってくる。
次の瞬間、【破界之鉄槌】【月食】に変化が生まれる。
まず、【破界之鉄槌】の更に派生が生まれた……強力過ぎて被害が尋常ではなくなるが。
◇◆◇◆
「……」『そう言えば、オスカーのことはどう思っていたの?』
「ん? 大事な仲間だよ♪」
「……」『いや、男として』
「ブッ!! なに言ってるの、いきなり!」
私は迷宮の復旧を手伝っていた。
まあ、アーティファクト使うから魔力消費するだけでそこまでキツくないけど。
「……」『で? どうなの?』
「ウグ!」
「……」(無言の圧力)
「……少し……『死んでるんだから、本音言え』この子グイグイ来すぎじゃない!?」
「……」(拳構えて──)
「止めてぇ~! 分かった言うから! かなり慕っていましたよ~。これでいい?」
声を荒げながら恥ずかしそうにそう言う。
何故、恋の話に興味を持っているのかは単純に『貴方は私達の愛の結晶なのよ~』と母親が言っていたので物凄く興味があるのだ。
「……」『思い出話とかは?』
「……本当にグイグイ来るね。まあ、話すけど」
なんやかんや、話が出来ることがとても嬉しく一晩中作業しながら女子会? をやった。
そして──ハジメ達が迷宮にやって来た。
ミレディちゃんの断末魔が響き渡りましたね(笑)
スキル説明
【影魔法】
影を媒体に実体物質を構成する。
手のように使ったり色々便利。
光に弱いが魔力を込めればある程度、光関係無く使える
ミレディちゃんも話が出来て楽しかったらしいです