原作で明らかになったら修正します。
「取り敢えず、頭良くなって。」
「意図は分かるけど言い方ぁ!」
こいつこれでアラサーなんだよなぁ。
言われた通りに術式で自身の脳を強化、そして五感を呪力に焦点を合わせて強化していく。
五条先生のやりたい事は分かった。
術式によって強化された俺の頭脳で反転術式を観察させて覚えさせようとしているのだ。
恐らく俺にしか出来ないやり方だろう。
「出来ましたよ。
じゃあ、家入先生治癒をお願いします。」
「悟から聞いていたが脳の強化か。
脳と呪力の関係はブラックボックスだから後でMRIとか色々撮らせてね。」
さっきの癌発言といい、さらっと怖いこと言いながら家入先生は俺の傷に対して反転術式による治療を行う。
俺は知覚の全てを総動員して傷口周辺の呪力の観察を行う。
(これが、プラス、いや正の呪力か。
掛け合わせるというよりは、呪力同士を衝突させている様に感じる。)
本来、呪力同士をぶつける事は不可能というか凄く難しい。
単純な話、水同士がぶつかっても弾けるだけであるように、呪力の塊がぶつかっても正の呪力は取り出せない。
だが家入先生は原子単位とも言うべき恐らく最小の呪力同士をぶつけて正の呪力を生み出している。
更に恐るべきは正の呪力は呪力として操作出来ない筈だが、ぶつける角度をコントロールする事で、発生する正の呪力に指向性を与えている。
(ここまでは観察によって得た俺のイメージから成り立つ推測、家入先生本人からしてみれば違う感覚だろうな。)
俺は傷口が治る数秒間、観察を続けた。
「はい、終わったよ。
じゃ血液検査するからじっとしてね。」
採血も終わり、片腕が自由になった。
「どう?学べた?」
「イメージは掴みました。
試してみても?」
「どうぞどうぞ。」
何度も俺を切り刻んだメスで再び傷口を作る。
『反転術式』
呪力を傷口に集中させて、俺の中の最小の呪力同士をその場で衝突させる。
(正の呪力発生率、100%)
今の俺なら原子単位の操作なんてお茶の子さいさいだ。
傷口は巻き戻る様に塞がり、痕すら残らなかった。
「やっぱり、脳を強化した轟なら無理矢理習得出来ると思っていたよ!
いやー、僕なんか死にかけて漸く習得出来たのにムカつくなー。」
教師が生徒の成果に嫉妬するんじゃない。
「で、次は正の呪力による術式の反転ですか?」
「それはちょっと早いかな。
先ずは素の状態で反転術式使える様になってから。
だから術式反転は試験中の課題。
後、黒閃も打てるようになっといてね。」
黒閃というのは確か、打撃との誤差0.000001秒で呪力が衝突すると発生する現象で空間が歪むとかで威力が2.5乗になるとか。
説明されても訳わかめだったのを覚えている。
「轟の場合、使えなくても全く問題ないけど使えたら単純に一撃が重くなるからね。」
黒閃の方は多分秒で出来る。
要するに打撃と呪力を合わせれば良いのだ。
何時もの神級で更に呪力コントロールしやすいようにパラメーターを調整すれば良い。
それに、今の家入先生の呪力操作を観察して呪力の流し方のコツは分かった。
今までは腹から全身に流して呪力を留める形で全身に纏っていたが、全身から呪力を発生させれば良い。
そうすれば、打撃の瞬間に呪力を発生させて黒閃が打てる。
「じゃ、早速何処かで黒閃の練習してきますね。」
「いや待て、君はこれから出発まで検査だ。
ついでに健康診断一式もやるから。」
意気揚々と安置室を出ていこうとしたら呼び止められた。
「え、いや東京観光したいです。
春休み中、景色しか見れてないです!」
春休み中の呪霊退治行脚は伊地知さんに配慮して寄り道無しでやっていたから東京観光してないのだ。
「君これから京都に一月行くんでしょ、学生は5月までに健康診断やる義務だから無理。」
五条先生に抗議しようとしたらあの野郎、既に消えてる。
「はい、患者衣。」
要するに最小単位の呪力同士をぶつければ正の呪力が生まれるよ!という理論。
放射線かな?
黒閃に関しては主人公は強化された脳ミソで呪力コントロール出来るから必要ないけど打撃の威力がこれから2.5乗になります。
前回の話、家入カナって名前のキャラって別の作品にいたような気がしてごっちゃになって間違えました。