バフデバフ   作:ボリビア

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今回短いです。


停学なう

 停学から五日目、流石に暇になってくる。

 学内の施設は使えるため停学初日は死闘で身に付けた技の振り返りやら他にも思い付いた試せそうな内容を色々と試していたが直ぐに終わり、先輩方や恵に絡もうかと思ったが先輩方は任務で恵は五条先生に拉致られ京都に行った。

 なので暇である。

 

ピンポーン

 

「おーす、差し入れ持ってきたぞ~。」

 

 パンダ先輩が部屋にやって来た。

 どうやら任務は終わったらしい。

 

「あれ、一人とか珍しいですね。」

 

「棘と真希は少し立て込んでるが俺は一つ任務少なくてな

 ほら俺パンダじゃん?」

 

 パンダが理由になるのか分からないけど納得しておこう。

 多分だがパンダだとやり辛い任務とかあったんだろう。

 

「何か筋トレアイテム多くね?」

 

 パンダ先輩が部屋を見渡して一言。

 学校の施設から借りてきた筋トレアイテムの事だろう、まあ暇でやる事が無いし、停学中に校内ウロウロするのも違うよなと思い室内筋トレに明け暮れてたりする。

 

「暇だけどだらけて脂肪付けたくないし、術式的に殆ど誤差ですけど筋肉多い方がいいんですよね。」

 

 一応筋トレの意味はある。

 筋肉が太くない分には良いが脂肪が付くのは少し不味い。

 脂肪はエネルギータンクとしては有用だが運動時には重りにしかならない。

 いざとなれば術式でどうとでも出来るが、術式頼りでは万が一があるし此処に来てからは脂肪が付かないように努力している。

 

「ふーん、にしても入学早々に停学で準一級とか中々ヤバイよなお前も。」

 

「あれは事故ですよ、事故。

 全部東堂が悪い。」

 

「でも、京都校の敷地ぶっ壊したの轟らしいじゃん?」

 

「いや、まあ、そうなんですけど。

 術式による強化を制限した状態で戦うとああするしかなかったというか…。」

 

 術式での強化に制限がある状態で東堂を越える手段の一つとして術式反転を使ったのだが、初めてという事で少し力み過ぎたのだ。

 

「俺の術式を反転させる、つまりは『弱体化』なんですけど、それで色々やってたら敷地が液状化したんですよね。」

 

『術式反転 裸苦大』

 

 効果は単純でパラメーターの低下。

 術式反転を利用して地面を液状にした時に周囲の建物が沈んだり、術式を乗せた衝撃波で建物が崩れたりしちゃったのである。

 因みにこれを使いこなせたお陰で東堂をぶちのめす事が出来た。

 

「え、待って。

 その前に反転術式使えんの?」

 

「あ、はい。

 京都行く前に家入先生の術式を、脳と目を強化して観察してたんですよ。

 それで強化状態に限り使えるようになりました。」 

 

 そういえば先輩方に使えるって話をして無かった。

 因みに術式を回してない状態なら、正の呪力を作り出すのに時間がかかり、骨折位までしか治せないと思う。

 ただまあ今は24時間術式回しているから素の状態とか、分かんないけど。

 

「すげーなおい、今年の交流会も安泰だな!

 今年は乙骨がいないから厳しいと思ってたけど轟がいるなら何とかなりそうだし。

 いやー良かったー、アイツら性格悪いから負けたくないんだよ。」

 

 交流会、真希先輩も言っていたが殺さなければ何でもありの生徒同士のバトルらしい。

 要するに合法的な死闘、交流会なら俺も停学にならなかった。

 

「あ、そういえば真希先輩って何時頃戻ります?

 何か、学長から準一級になると呪具の貸し出しの融通効くらしくて意見欲しいんですけど。」

 

 メイン武器は木刀和重があるが、これ以外にも使えそうなのがあれば持っておきたい、というか色々と試したい。

 正直、武器を選ぶ必要がないというか殴った方が早い領域まで強くなってる自覚はあるが、東堂との一件で制限下での工夫という楽しさに少し嵌まっている自分がいる。

 

「真希なら明日には帰ってくると思うぞ。

 後、俺も少しは詳しいから力になるぞ。」

 

「マジですか、ありがとうございます。」

 

 パンダ先輩と呪具のあれやこれやを話したり、パンダ先輩と差し入れという名の据え置き機でゲームしたりしていると、携帯が鳴った。

 番号のみが表示されているから俺が知らない奴からの番号だ。

 

「知らない番号から電話来たんですけど、心当たりあります?」

 

「うーん、知らんな。

 呪言とか電話越しでも通用するから出ない方が良いぞ、後、轟のターン。」

 

 パンダ先輩も心当たりがないらしいし、万が一に備えて放置した。

 暫くシカトすると諦めたのか鳴り止んだと思ったらメールが来た。

 

『from:東堂

 件名 何故出ないブラザー

 本文 ブラザー、電話に出ないとは何事だ!

 緊急時だから手短に話すぞ!

 後、五分で高田ちゃんが出る番組が始まるから見るんだ!』

 

(…着拒しとこ。)

 

「誰からだったんだ?」

 

「東堂からです。

 番号もアドレスも教えた覚え無いんですけどね。

 とりあえず着拒しときました。」

 

 多分、補助監督脅したな。

 いや、五条先生が教えたかもしれない。

 

「そっか、次100年桃鉄やろうぜー。」

 

「二人でやるゲームじゃないでしょ。」

 

 こうして、夜は更けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、少し時間が飛ぶかもしれない。

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