まあ、殆ど原作の焼き回しだししゃあないけど。
前作で感想返し必ずやってたら疲れたので今回は気になった部分だけ返すようにしてますが、ちゃんと全部目を通してます。
釘崎合流から数日経ち。
(正の呪力で術式打ち消せないかな。)
釘崎の術式の様な呪術に対する手段を考えている時にふと思い付いた。
正の呪力とは、通常の呪力を負として見た場合に負の呪力を掛け合わせて作る呪力で効果としては反転術式で回復に生かせたり、術式によっては術式反転により第二の術式を行使出来る。
要するに、正の呪力とは通常の呪力と逆向きのベクトル、或いはスカラー?を持った呪力という事である。
使い道は一般的に上で述べた通り、反転術式と術式反転位しか知られていない。
ただでさえ、貴重かつ優秀な回復手段を持つ人材であるため研究が盛んではないのだ。
「という事で、Let's try。」
高専が管理している蠅頭という四級以下のカス呪霊で試してみる事にした。
取り敢えず手のひらにちょこっと正の呪力を集めて、蠅頭を触ってみると、触れられた所がごっそり消滅した。
汚れが落ちるみたいで気持ちいい。
取り敢えず、呪霊特効はありそう。
次に、正の呪力をちょびっと流し込んでみる。
「ギィイイイィイ!?」
蠅頭は苦しみながら、溶けるように消滅した。
(呪霊は呪力の塊、観察した感じは呪力と正の呪力が打ち消し合っている様に見える。
それと効率だけ見れば普通の呪力よりも簡単に祓える。)
取り敢えず、成果としては呪力を打ち消す力がある事がわかった。
呪力を消すという事は、術式を消せる可能性も高い。
試してみたいが釘崎の術式は観察が難しいし、伏黒の場合は最悪、式神を構成する術式を消す事になるのでヤバい。
術式を持ってない虎杖も論外。
…という事は五条先生しかいないなー!
五条先生なら実験台として申し分ないし、実験が上手く行けば合法的に殴れる事になっちゃうけどしょうがないなー!
確か、今日は出張とか無かった筈だし!
ウキウキしながら五条先生を探しに行くと、途中で家入先生に会った。
「あ、家入せんせー!
五条先生知りませんかー?」
「あいつなら急な出張が入って居ないよ。」
まじか、せっかくの実験台が…。
「せっかく、合法的に殴れると思ったのに。」
「返り討ちに合うのがオチだろ。」
「いや、正の呪力なら五条先生の術式を打ち消せないかなと。」
俺のやろうとしている事を話すと、家入先生は顎に手を添えて考えだした。
そういえば、家入先生も反転術式の使い手であり、その道の専門家と言って過言ではない。
「…学生時代に試しに呪霊に流したら消滅したし、可能かも知れないが。
実践的では無いんじゃない?」
「え、拳の表面を纏う様にすれば良いじゃないですか?」
術式で強化した拳の上から正の呪力を纏えば簡単である。
「それ出来るの多分、この世で君だけだよ。」
「…確かに。」
家入先生がドン引きするという、とても貴重な姿があった。
「というか、自分で試せば良いじゃない。」
「え、それだと五条先生殴れないじゃないですか。」
何を言っているんだろうか。
「…あっそ。
じゃ、結果だけ一応教えてね。」
スタスタと早足で去っていく家入先生。
何か逃げている様に見えるが、多分忙しいんだろう。
忙しい中、わざわざ時間を割いてくれた家入先生の為にも五条先生を殴らなくては。
気分は王様の噂を聞いたメロスである。
しかし、五条先生は今いない。
仕方ないので、自分で試してみるか。
一応、何があるか分かんないのでグラウンドまで移動する。
右腕を術式で強化して、左手に正の呪力を纏う。
(はい、拍手。
…おお、上手くいった。)
結論から言うと上手くいった。
手のひらを合わせると、合わせた部分の呪力が打ち消されて術式が消えた。
そのまま、左手から正の呪力を流し込むと、流し込まれた右腕の術式も打ち消されると同時に肌が綺麗になった。
どうやら、術式を打ち消した上で、反転術式として機能してるらしい。
自分相手にやったから肌が綺麗になったけど、他人だと調整ミスって大変な事になりそう。
術式を打ち消せるが流し過ぎない方がいい。
ということは、一瞬だけぶつければ良い。
相手の展開する術式を打ち消す分だけ流せば、相手を回復させずにダメージを与えられる。
(あ、呪力であるなら黒閃も行けるのでは?)
試しに地面に向かって黒閃と同じ要領で正の呪力を纏ってぶつけると、呪力が白く染まり、地面に小さいクレーターが出来た。
黒閃同様に、威力は2.5乗になっているみたいだ。
白閃と名付けよう。
多分、これならどんな呪霊も一撃必殺だし五条先生みたいな術式で防御出来る奴も殴れる筈。
(あ、黒閃と白閃を同時に放ってみよう。)
イメージは二重螺旋。
インパクトの瞬間に正と負の呪力で二重螺旋を描いて拳に纏えば良い。
強化された俺の頭脳なら問題なく実現出来る。
威力がどうなるか、分からないから腕に術式は使用せずに普通に殴る。
コツンで良いだろう。
(えい。)
意識が飛んだ。
気付いたらグラウンドの端で倒れていた。
起き上がると俺がいた場所には大きなクレーターが出来ている。
どうやら、反動に耐えきれず吹き飛んだみたいだ。
右腕に違和感を感じて見てみると、肘から先が無い。
吹き飛んだらしい。
とっさに術式を無意識に発動したのか被害は右腕以外に無い。
しかも、術式反転も併用して痛みを誤魔化している。
俺の無意識は優秀だ。
右腕を反転術式で治しながらボーッと考える。
今回の失敗は、ちょっと楽しすぎて術式で耐久力を強化するのを忘れていた事だろう。
吹き飛んだのは単純に黒閃と白閃の同時打ちが成功した結果だろう。
(けど、これ使えないな。)
コツンでこれだ。
真面目にやったら、どうなっていたか分からないし威力が強すぎて反動で絶対吹き飛ぶ。
(うん、封印しよう。)
どうせ俺しか出来ないし。
その後、生やした右腕の調子を見てもらうついでに家入先生に話をしたら、またドン引きされた。
今回の話は14巻で判明した正の呪力は呪霊の弱点であるという事から書いて見ました。
呪霊=呪力の塊
なら、術式に対しても有効ではないか?
と解釈。
ただ、原作の今後次第で無かった事にするかもしれません。
打ち消すのではなく、「正と負の呪力がぶつかると第三のエネルギーが放出される。」とかの可能性もありますし。
拍手した時点で手の平さよならしちゃう。
一応その場合の設定を考えてはいますが。
後、主人公の呪力コントロールは術式で頭脳を強化したから出来る変態技術です。
どれくらい変態かと言うと、血界戦線のザップの師匠並みに変態です。
最後の黒閃と白閃の同時打ちは2.5乗×2.5乗になるのかな?