バフデバフ   作:ボリビア

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ウマ娘楽しいですね。(投稿遅れて申し訳ないです。)


三度目の原宿と荒野のダイヤモンド

 交流会が行われる二日目、全員が集合時間に集まったところで五条先生が全員に交流会を続けるか確認し、野球をやることに決まった。

 何で野球なんだよ。

 

「Play ball!!」

 

 馬鹿みたいに元気な五条先生の開始の合図と共に東京対京都の野球対決が始まった。

 外野は人数が足りないので外野一名のみの術式ありで行っている。

 

(わざわざ球場借りて帳降ろしてまでやる事かな。)

 

 ちなみに、人数差を調整する為に多数決の結果、満場一致で俺がメカ丸の代わりとして京都チームに入れられたのはちょっと解せない。

 ポジションは虎杖と戦いたいという理由で東堂がピッチャー、そして東堂からの指名で俺がキャッチャーになった。

 術式禁止の時点で俺のやる気はゼロだし、相手チームのピッチャーが真希先輩の時点で打てる気も勝てる気もしない。

 というか京都チームで野球にノリノリなのは東堂と歌姫先生だけである。

 

「轟!

 あんたは本来向こうのチームだけど、今はこっちのチームとして全力でやりなさい!

 いい、内角に抉るようなボールを投げさせるのよ!」

 

 素人に内角攻めとか大人気ないにも程がある。

 一回の表、京都校の攻撃から始まる為、ベンチで待機していると打席待ちしている三輪先輩を見てあることを思い出した。

 

「あ、そういえば三輪先輩、五条先生にザラメ渡しました?」

 

「はい!

 写真撮って貰うついでに渡しました!」

 

「あれ嘘です。

 甘いものが好きなのは本当ですけど。」

 

「なぁ……!?」

 

 三輪先輩を見て、そういえば五条先生が『京都の子にザラメ貰ったんだけど、あれかな、何か京都風の遠回しな何かかな?』とか首をかしげていたのを思い出したので、確認ついでに情報を修正しとく。

 というかマジでやったんだ。

 三輪先輩は余程ショックだったのか棒立ちのまま三振して歌姫先生にどやされていた。

 

「ちょっと貴方、三輪に何言ったのよ。」

 

 真依先輩が呆れた顔をしてくる。

 

「間違えた情報教えたの思い出したんで、修正してました。」

 

 しれっと嘘をつくと西宮先輩が冷たい目を向けてくる。

 

「あんまりからかわないでね、あの娘純粋だから。」

 

 純粋でもザラメは疑うべきだろう。

 

「ちょっと、轟君!

 このメモ、何処まで本当何ですか!!」

 

「半分嘘。」

 

 棒立ち三振した三輪先輩が戻ってきて何時かのメモの真偽を確かめてくるので正直に答えたら、メモ帳を睨み付けながら、どれが本当か考え始めた。

 加茂先輩も何か虎杖に話しかけてて三振して2アウトからの東堂が顔にデッドボールを喰らい加茂先輩が代走して、2アウト一塁二塁で俺の番が回ってきた。

 

「五番、キャッチャー、轟君。」

 

 ウグイス嬢も五条先生が担当するらしい。

 

「チャンスだぞ轟!!

 打てー!!!」

 

「何か、京都の先生凄いな。」

 

「五条先生の先輩だからな。」

 

 キャッチャーの虎杖と適当に会話しつつバットを構える。

 真希先輩の第一投はど真中にストレート。

 うん、ベンチで見て知ってたけど普通に140は出てるな多分。

 変化球は無いとして虎杖も素人だし、タイミング合わせればバットに当てる位は出来そうだ。

 続く二球目に何とかバットを当ててファール。

 やはり、ど真中に投げてくるので後はタイミングだけだ。

 そして、真希先輩の三投目を何とか打ち返して満塁にしたが普通に真依先輩が三振して終わった。

 うん、勝てる気はしないわ。

 そして2対0で普通に負けて、来年の交流会も東京で行われる事が決定した。

 次の日、約束していた真依先輩とのデートなのだが、待ち合わせ場所の原宿に制服で行ったら速攻で服屋に連行された。

 

「信じられない。

 何で制服なのかしら。」

 

「ごめんなさい、着れる服が無かったです。」

 

 日々の筋トレと成長期のお陰か持っていた私服がパンパンだったりツンツルてんだったりでマシな服が制服しか無かったのだ。

 これは本当に申し訳ないと思った。

 一応誰かに借りようとしたのだが、虎杖のはサイズが合わないし、伏黒の服は俺の目からみてもデートに着ていく服じゃなかったので諦めた。

 

「まあ、男子の服を選ぶのも面白そうだから良いけど。

 じゃあ次はコレとコレよ。」

 

 メンズの服屋で更衣室に放り込まれて1時間、未だに服を渡されています。

 服に関しては全く知識は無いし、お洒落に関しては真依先輩が多分正しいだろう。

 待ち合わせの時の真依さん目茶苦茶美人だったし、彼女のセンスならおかしな格好には成らないだろう。

 

「一通り分かったし行きましょうか。」 

 

「あれ、ここで買わないんですか?」

 

 試着した服は新しいのを着ている間に真依先輩が綺麗に畳んでいるから、大丈夫なのかも知れないが流石に買わないのはアリなのだろうか。

 

「ここは安くて種類が多いから大丈夫よ。

 貴方に合うタイプが分からなかったから幾つかの系統を着て貰ったの。」

 

 はえー、そういう使い方って在るんだ。

 いや普通無いか。

 その後、幾つかの専門店を回って、真依先輩に時折、服の好みを聞かれながら指示された通りに服を購入して着替えた。

 

「ふふ、完璧ね。」

 

 着飾った俺を見て真依先輩が満足そうな笑みを浮かべる。

 俺としても動きやすいし悪くはない。

 多分、そこら辺も考えて選んでくれたんだろう。

 今着ている服以外にも2パターン程別に買ったし、暫くは似た系統の服を買えば問題ないだろう。

 

「これなら隣に立っても構いませんか?」

 

「ええ、勿論よ。」

 

「じゃあ、次は真依先輩の番ですね。

 何処へでもお付き合いします。」

 

「その前に食事にしましょう。」

 

 真依先輩の提案で連れてこられたのは、イタリアンの店だった。

 足取りは淀み無かったがたまに視線が迷っていたので事前に調べてくれたのだと想像がつく。

 店ではお互いパスタを食べながら色々な話をした。

 

「ああ、やっぱり虎杖暗殺に動いてたんですね。」

 

「ええ、加茂先輩も乗り気だったし禪院の人間としては反対出来ないでしょ。

 …軽蔑した?」

 

「いいえ、現状虎杖が生きてる方がおかしいのは事実ですからね。

 そこら辺、分かった上で五条先生も交流会で御披露目した訳ですし。」

 

 呪術師として虎杖を即刻殺すべきって意見も分かるし、指を全部喰わせてから殺そうって意見もわかる。

 俺個人の今の意見としては心底どうでもいい。

 虎杖が死のうが生きようが他人に害をなさなければ放置だし、害を成せば呪詛師として扱うだけだ。

 

「…貴方って結構冷たいのね。」

 

「友人の虎杖と宿難の器を別々に考えているだけですよ。」

 

 嘘である。

 実際は虎杖そのものに関心が殆ど無い。

 良い奴だけど、多分虎杖が死んでも泣かないし普通に次の日ステーキとか食べれる自信がある。

 ちょっと前の俺なら早く宿難に乗っ取られてしまわないかなとか考えていたが、今は面倒な敵が増えるのは御免なので宿難が自由にならなきゃどうでもいい。

 

「そういえば、真希先輩とは仲直り出来たんですか?

 釘崎狙撃した後に戦ったでしょ。」

 

 あの時の位置関係から真希先輩の耳なら発砲音便りに真依先輩の元に行くだろうし。

 

「ええ、負けたけど言いたい事を言ってやったわ。」

 

「ああ、だから少しスッキリした顔してるんだ。

 俺の頬にキスした時より良い顔してますよ。」

 

「あら、なら後で上書きしてあげるわ。」

 

 からかいをさらっと流して挑戦的な事言う辺り、本当に姉妹そっくりだと思う。

 そしてそれを指摘すると絶対不機嫌になるのが真依先輩で少し嬉しそうにするのが真希先輩って感じだ。

 そんなことを考えたりしながら、昼時の一時は過ぎていき、夕方へと差し掛かった。

 

「それじゃあ、またメールしますね。」

 

「ええ、待ってるわ。」

 

 東京駅のホームにて真依先輩と別れる。

 真依先輩の手には三輪先輩や西宮先輩がリクエストしたお土産が入っている。

 西宮先輩のリクエストはかわいい系の洋服で少し入るのに躊躇していたら、笑みを浮かべた真依先輩に引っ張られてしまった。

 本来、京都校は襲撃事件があった関係で午前中には京都へ戻る予定だったが、真依先輩だけどうやったのか知らないが今日一杯の滞在が認められたのだ。 

 

「そういえば忘れ物があったわ。」

 

 新幹線に乗る直前、俺の前まで戻ってきて、前より長く頬にキスをしてきたので取り敢えずキスを仕返してみた。

 

「ちょっと!?」

 

 俺の行動は予想外なのか、ちょっと距離を取ってきた。

 頬を押さえて、顔を少し赤らめて睨み付けて来るので笑みを浮かべてしまう。

 多分、今日一番の笑顔だと思う。

 

「やっと慌てた顔が見えた♪」

 

「……覚えてなさい。」

 

「バイバーイ。」

 

 真依先輩が乗った新幹線を見送る。

 ホーム側の窓側の席で頬杖をついて不機嫌にしてるから、新幹線に並走して驚かそうとか思ったけど流石に止めておいた。

 

 

 

 

 

 

 




野球とデート回
最後の主人公の行動は純粋な悪戯心。

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