キャラクターや御三家周りは新しい情報が多々ありましたね。
取り敢えず「正のエネルギー=反転術式」の解釈いけそうで良かった。
「やっと一本目ゲットか。」
「ふふ、私としては外れの事件も追加報酬が期待できるから万々歳だけどね。」
祓った呪霊の中から出てきた宿儺の指を摘まむ。
交流会から二週間経ち、俺と守銭奴と伊地知さんのチームの指回収チームはようやく成果を得る事が出来た。
(取り敢えず、6月から発生している変死事件を危険度順に上から五件ピックアップして、一つは只の偶然でもう一つは呪術関係なしで、後は既に敵に回収されたのが二件とはね。)
どうやら相当遅れをとっているのは間違いないようだ。
いや、既に手遅れと見て間違い無いだろう。
敵が指を集める狙いは恐らく、一度に大量の宿儺指を虎杖に食べさせて肉体の主導権を強制的に宿難に移動させて、縛りによって永続的に主導権を奪わせる事だと俺は考えている。
最近の徒党を組んでるとされる特級呪霊の動きから恐らく今年中に事を起こす筈。
それなのに今から指を集めるのは流石に遅すぎる。
必要数はこの前の襲撃で揃っていると仮定すると、現在敵が回収しているのはあくまで保険の意味合いが強い可能性がある。
(一つ疑問なのは、宿儺は既に肉体を交換する縛りを設けていると向こうも知っている筈ってことだ。
ある意味呪術に素人な呪霊はともかく協力している呪詛師が気付かない筈がない。
現に交流会まで虎杖は死亡扱いだったしな。)
やはり、敵が何をしたいのか見えてこない。
特に協力している呪詛師の狙いが分からない。
宿難が復活したとして、その結果がどのような人間だろうと利益になる筈がない。
そう意味では呪霊が宿儺復活を狙いにしているのは分かる。
呪詛師に関しては仮に宿難をどうこうする算段が付いているなら、そもそも器を高専に預ける意図が分からない。
「それで、君は指をどっちに渡すんだい?」
どっちとは虎杖に喰わすかどうかの話だろう。
「普通に高専。
今の虎杖に喰わせるメリットが俺に無いし。」
昔なら強くなって俺が平らげるとか考えていたが、今の俺としては一方的に殴れない可能性のある強い存在は増えない方が良い。
そう言う意味では継ぎ接ぎの特級は即殺したい。
触れたら駄目とか魂の理解とか面倒にも程がある。
「守銭奴は敵の狙い何だと思う?」
「さあね。
個人的には日本の価値が下がるような事件は起こしてほしく無いね。
換金で手数料掛かるし。」
「お前土壇場でトンズラこくなよ。」
「リカバリー出来ない不利益を被らない限り逃げるつもりは無いよ。」
「…お前に質問した俺が馬鹿だった。」
取り敢えず、指を回収したので高専へと戻るために守銭奴と共に伊地知さんの車に乗り込む。
「お疲れ様です。
どうでしたか。」
「無事に回収出来たんで一度高専に戻ってください。」
「分かりました。」
移動中、一応責任者である五条先生にも連絡を入れておく。
『ヤッホー轟。
回収出来た?』
「出来ましたよ。
先生に渡す気無いですけど。」
『いーじゃん一本位。』
何がいーじゃんだ。
一応今回の任務で確保した指は全部高専で保管する事になっている。
五条先生が責任者だが、夜蛾学長から五条先生に渡すなと強く言われている。
「どうせ時期見て全部食べさすんでしょ。」
この人が本気になれば高専から指を奪うことは簡単だからな。
『まあね。』
五条先生との通話を終えて、改めて指を眺める。
取り敢えずガッツリ封をされているので暫くは呪力が漏れ出すことはない。
これで敵を釣る事って出来ないかな。
適当に曰くがある場所で封印を解除すれば回収しに来た奴を捕まえられるかもしれない。
(でも、万が一野良の呪霊で面倒なのが現れたら面倒か。)
まだそっち系の術式への対応策考えてないし、無理にリスクを背負う事はない。
取り敢えず、指の回収を優先しよう。
「あ、伊地知さん、今回の件で思ったんですけどあえて危険度は無視して6月から現在まで続いている案件をピックアップしてください。」
「おや、方針を変えるのかい?
私は今のままでも有効だと思うけど。」
「指回収を優先するなら危険度が高い目立つ事件よりも地味な方が良いでしょ。
情報のアドバンテージは一応此方にあるから生かす方針で。」
危険度優先で当たって2/3が既に回収されていたのだ。
恐らく向こうは同じ方針で指の回収に動いていると思う。
ということは危険度が低い事件に関しては向こうも後回しな筈だ。
「なら私に異論は無いよ。
それにしても、君は交流会以降随分変わったね。
前の君なら率先して危険な事件に関わると思ったのに。」
「自分を見つめ直して原点に戻ったんですよ。」
「その気持ち分かるよ。
私も原点である術式を見つめ直して必殺技を手に入れたからね。」
「それカラスに特攻させる技の事なら一緒にするな。」
守銭奴の必殺技とはカラスに自死の縛りを課せて、本来微弱なカラスの呪力制限を解除して突っ込ませる技だ。
命をかけた縛りは莫大な呪力を生み出すので、非常に強力な一撃をぶちかませる訳だ。
「特攻ではなく神風と呼んでくれ。」
「だまれ陸軍。」
自分を見つめ直して、本来の自分に戻った俺とカラスに自殺教唆させる発想を同列に扱われるのはどうかと思う。
「あはは……
冥冥さん、着きましたよ。」
冥冥が指定した場所で下ろす。
東京の最高級ホテルとは随分な事だ。
本人曰く、五条悟持ちだから存分に堪能してるらしい。
「ではリストの作成が終わったら連絡を頼むよ。」
「お姉さま!!」
「ああ、憂憂出迎えに来てくれたのかい。」
(ゲッ……)
「伊地知さん、早く出して。」
姉弟で仲良く抱き合ってる間に車を出すように伊地知さんを急かす。
あのクソガキは俺の守銭奴に対する態度が気に入らないらしくギャーギャー五月蝿いのだ。
「じゃあな、守銭奴。」
「貴様、何度言えば分かるのですか!
姉様を守銭奴呼ばわりするな!」
「聞いておくれ憂憂、今日は陸軍とも呼ばれたんだよ。」
「なあ……!?」
俺の新たな呼び方に固まってる隙に伊地知さんに車を走らせる。
高専に到着して指を提出したりリストの作成を手伝ったりし、寮に戻るとすっかり夜になっていた。
(しまった……
何もない。)
冷蔵庫にコーラしか無かった。
そういえば、今回の任務は遠征の連続なので冷蔵庫の中を整理したのを忘れていた。
両隣から貰うか。
取り敢えず、伏黒の部屋をノックする。
「何だ?」
「飯無いから何か頂戴。」
「カロリーバーしかない。」
というわけでカロリーバーを一本手に入れた。
足りる筈がなくそのまま、虎杖の部屋をノックする。
「どうした轟。」
「飯無いから何か頂戴。」
「悪い、賞味期限近くて全部鍋にして食べちゃった。」
まじか。
と言うわけで棘先輩の部屋をノックした。
「しゃけ?」
「飯無いから何か下さい。」
「ツナマヨ。」
コンビニのツナマヨおにぎりを渡された。
美味しいよねコンビニのツナマヨ。
でも足りないので女子寮へと向かい釘崎の部屋をノックした。
「ちょっと今何時だと思ってるのよ。」
「飯無いから何かくれ。」
「しょうがないわね、サンドイッチあげるわ。」
コンビニで買ったであろうサンドイッチを渡された。
朝食用をわざわざくれたのかと思ったが、よく見ると賞味期限が今日の朝までだった。
「助かる。」
カロリーバーにツナマヨおにぎり、サンドイッチ。
これだけあれば取り敢えず大丈夫だろう。
「なにしてんだお前。
あれか、野薔薇と逢い引きか。」
寮へと戻ろうと女子寮を歩いていると真希先輩と出くわした。
「何でアイツと逢い引きしなきゃいけないんですか。
冷蔵庫空なの忘れてて食料恵んで貰っただけですよ。」
両手に持った今日の夕食を見せてアピールする。
「ふーん、そういえばお前交流会の次の日真依と出掛けてたよな。
晩飯恵んでやるから姉として話聞かせろよ。」
ニヤリとした笑みで提案してくるが、絶対次あった時にからかうき満々だよな。
けど腹へったし話しちゃう。
「え、マジっすか行きます話します。」
真希先輩の部屋は物が少なかった。
実家周りの事情から元々倹約していたのだろうか。
レンジのチーンという音が鳴り響いて暫くすると真希先輩が料理を持ってきてくれた。
「米あるしこれでいいだろ。」
差し出されたのはフライドチキンだった。
取り敢えずフライドチキンをおかずにツナマヨおにぎりとサンドイッチを平らげる。
カロリーバーは後で食べよう。
「で、真依と何処行ったんだよ。」
交換条件だったので、服を選んで貰った話やイタリアンで食事をしたとか、友人へのお土産選びに付き合った事等、街でした事を話した。
「へぇー随分仲良くやってるみたいだな。」
ペラペラ話してから気付いたが、これはもしかしてやっちまったのではないだろうか。
妹とのデートの話を男から聞く姉というのはかなり俺が不味い状況なのでは?
「からかう時に真依先輩に俺が話したって言わないで下さいね。」
「からかった瞬間バレるだろ。」
「姉として心配だからツけてたとか。」
「ふざけんな。」
「じゃあ釘崎の出歯亀。」
「……野薔薇にはお前から何かしとけよ。」
サンドイッチの礼もかねて馬鹿みたいに高いバナナでもあげよう。
これで示談は終了した。
「そういえば、真依先輩って何が好きなんですか?」
「嫌いな物なら分かるぜ。
精進料理だ。
実家で散々食わされたからな。」
あー、実家嫌いだろうしあり得そう。
ということは懐石料理とかの歴史ある家が好きそうな類いは避けた方が良さそうだ。
「つーかお前、真依と付き合う気あるのか?」
「さあ、そういうの分かんないっていうか呪術師が恋人作るって逆に縁起悪い気するし。」
絶対片方死んで、呪詛師に堕ちたり死んだ方も呪霊になったりとかB級ホラーな映画みたいになりそう。
知り合いの呪術師皆独り身だし普通に恋愛するのは難しいのかも知れない。
「……まあ、あれだ。
嫌じゃないなら暫く頼む。」
個人的には伏黒パパの嫌いな物が結構な作品に影響与えそう。