バフデバフ   作:ボリビア

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お久しぶりです


醜悪な空間

たすけて いたい ここどこ まま たつや あしたしごと いたい くるしい やめて おかね きらい こんでる ぎゅうぎゅう いたい いたいよ なんだこれ だれだ ちかんがいる きもちわるい くるしい おさけ たすけて いたい なんで いたいよ いみわからない くるしい しにたい こわい いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい…

 

(うるせぇ…)

 

 不愉快な雑音で目が覚めた。

 目の前に広がる、否。

 自分を包み込むように満たされている肉の塊が視界を埋め尽くす。

 無数の手が、大人の手や子供の手老人の手、ネイルや綺麗に整った爪の生えた手や不揃いで不健康な手が轟を取り込もうと藻掻き伸ばしながら無数の老若男女の口が苦しみを四方八方から囁いてくる。

 

(なるほど、真人とかいう呪霊の術式か。

 結界内に取り込んだ人間を一つの肉塊にするって感じか。

 多分、本体は五条先生に集中していると考えると、術式を行使する最低限だけを結界に残して、夏油が用意した呪霊から呪力を絞り出して自動発動していると。

 肉塊の中に意識が一応ある感じからして、生存の縛りも設けているとなると目的は俺の無力化だよなやっぱり。)

 

 結界という敷地の縛りと結界内での生存保証による術式の安定と呪霊操術による呪霊への縛りによる呪力出力による供給による自動捕食封印結界。

 ただ、人間をくっつけて一つの塊にするだけの結界。

 無下限には届かず、呪いの王の逆鱗に触れてしまうが残念ながら轟はどちらでも無い。

 

「さて、後数分で呪力が尽きるがどうするか。」

 

 既に手足の感覚は無い。

 結界へと踏み入れた際に魂への干渉に対して呪力で防御をしようとしたが、呪力量的に全体を守ると呪力が保たないと判断して咄嗟に四肢の守りを弱めたのだ。

 その為、轟の四肢は形こそ残っているが既に末端は肉塊に癒着する様に絡め取られている。

 頭と腹は何とか守られているが、並の術師程度の呪力しか保たない轟の守りは閃光花火の様に何時破られても可笑しくはない。

 完全に取り込まれれば、結界内で唯苦しみながら喘ぐ肉塊の一部と成る。

 死ぬことも無く、術式を使えず、無能以下の何かに呆気なく成り下がる。

 完全な敗北を与える為に、そしてその姿を見下す為に生まれた結界はその本懐を成そうとしている。

 

「やっぱり俺を舐めているって事だよなぁ?」

 

 呆れの感情。

 既に轟は3度の機会に恵まれていた。

 一つ目は肉体の変形に耐えられずに死亡した改造人間達。

 二つ目は無為転変を受けた七海一級の体を観察した時。

 そして三度目は釘崎野薔薇の術式を受けた時。

 そして今、轟の手足は無為転変の影響下にある。

 術式を受けて死んだ存在。

 術式を受けて生き残った存在。

 肉体の強度を無視して存在を攻撃する似た系統の術式。

 そして、今現在己の魂に干渉する無為転変。

 ごく僅かな情報だろうと単一では意味が無かろうと、同じ事象に関する情報が此れだけ揃えば轟に刻まれた術式により強化された頭脳には充分だった。

 故に呆れた。

 確かに辛辣な結界だ。

 取り込まれたら轟悟は肉塊としての余生を送り、屈辱の中で死を待ち続けるだろう。

 だがそれは取り込まれればの話だ。

 

『加点呪法』

 

 魂に術式が駆け巡り、輪郭のはっきりとした魂の強さに耐えきれず肉塊が弾け飛んだ。

 爆心地の中心に轟悟、唯一人。

 己の四肢の感覚を確かめる様に全身を観察している。

 

「成程ね、魂を強化すれば肉体もそれに応じて勝手に強くなる訳か。」

 

 魂の強化に全ての呪力が集中している轟の体には呪力は一切流れてない。

 だが肉体は魂の強度に比例する様に筋肉も内臓も神経も強靭に成っている。

 

「しかも、肉体を強化するより更に呪力と術式の効率が良いと来た!」

 

 ごく僅かな呪力でも十分な強化を得られている。

 余りの効率の良さに轟自身のテンションは術式に目覚めた幼少期の頃の如く高まり呪力が湧いてくる。

 

(これで勝てる相手が増えた!!)

 

 最早、真人等という呪霊風情は敵ではない。

 今の自分なら五条悟を除くあらゆる存在に対して優位に一方的に勝てるという自信に満ち溢れていた。

 これで好きな時に好きなだけ殴れるサンドバックが増えたのだ。

 早く試したい。

 その為には結界を脱出しなければならない。

 弾けた肉塊はいつの間にか一つに纏まり、再び轟悟を取り込もうとするが、物理的に触れるだけで無為転変で同化する事が出来ず、ただ纏わりつくだけであった。

 本体である真人が全身全霊を賭けて干渉出来るかどうか。

 

「じゃ出ますか。

 悪いがお前達を戻すのは無理だから、一瞬で結界事消し飛ばすよ。」

 

 白と黒の二重螺旋が脚に向かう。

 魂の強化により一段階上の怪物と成った轟にとってこの技で自壊する事は全力でも無い限り有り得ないだろう。

 絶対破壊の一撃を轟は床の調子を確かめる様に軽く足で叩いた。

 

『虚閃』

 

  

 

 

 

 




魂の強化で此奴の強化は終了です。
技名は思いつかない。
劇場版普通に良かった。
シンジからちゃんと乙骨に成ってたのは声優凄い。
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