バフデバフ   作:ボリビア

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遊戯王の世界に転生したけど、デッキがデュエルリンクスで40枚ないからデュエル出来ないっていう話を思い付いたから誰か書いて。



桜の季節が間近ですが北海道なう。

「北海道で一級呪霊を退治してもらいまーす!」

 

 春休み最終日、俺は北海道に連れてかれた。

 まだ日も昇らない時刻にピンポン連打で先生に呼び出されて珍しく制服に着替えてと言われたと思ったらこれだ。

 恐らくこの為だけに呼び出された伊地知さんの運転で空港に向かい、飛行機で新千歳空港へと旅立った。

 今はロビーにて迎えを待っているところだ。

 

「そろそろ概要位話してくれません?」

 

「まあまあ、取り敢えず迎えを待とうよ。

 今日はちょっとシビアな授業だからね。」

 

 シビアな授業か…

 何時もよりちょっと真面目な先生に気味悪さを覚えながら迎えを待っていると、二人組のスーツの男が此方に歩いてきた。

 

「失礼、呪術高専の方でしょうか。

 私北海道警察刑事部巡査の二見と申します。

 此方は同僚の二階堂です。」

 

「どうも、呪術高専から来ました特級呪術師の五条悟です。

 こっちは僕の助手の轟悟、ダブル悟なんでよろしく。」

 

「では早速移動しましょう。

 着いてきてください。」

 

 先生の言う迎えとは警察だった。

 真面目な刑事と言った感じの二人は先生の挨拶を軽くスルーして移動を促してくる。

 反応を示さないから五条先生に慣れてると一瞬考えたが、一緒にいた俺にも目もくれない辺り単純に関わりたく無いようだ。

 一応、呪術師は公務員である為警察の要請があれば現場に赴く事もあるが、歓迎されないと聞いた事はある。

 まあ、一般人からしたら理解不能な存在であるため仕方ないだろう、呪力も見えない一般人が下手に関わる方が危険だし。

 警察の車で移動し、裏口から警察署に通され、人目につかないように案内された扉には「死体安置所」と書かれている。

 刑事二人は入り口への案内までが仕事の様で既に立ち去っている。

 

「さて、轟君、今から見てもらうのは呪霊の被害を受けた人の死体だよ。

 厳密には被害を受けたとされる人だけど。

 …覚悟はあるかい?」

 

 恐らく、呪霊による仕業の可能性が高い死体が発見されたからその調査が任務、ということだろうがそれも建前だろう。

 五条先生は鑑定するまでもなく一級呪霊の仕業と考えているなら直接発見現場に赴き、残穢を辿れば良い。

 俺への授業と死体を見る覚悟を先生として確認したかったのだろうと勝手に推測する。

 答えは考えるまでもない。

 

「俺にとって、呪霊は存在するだけで力を振るう理由になります。

 ついでに元一般人として、被害者がいるなら敵討ちもしてやりたいし、道民のこれからの安眠の為に働こうって感性もちゃんと有りますよ。」

 

 俺の呪術師を目指す理由は変わらない。

 俺の全力を振るいたい、それだけだ。

 それとは別に真っ当な感性として、死人の敵討ちをしてやりたいし、被害を防ぎたい。

 俺にとってこの二つは全く別な話であり、混線することは多分無いだろう。

 

「そっか、しっかりイカれてて良かったよ。

 よし、じゃあ早速確認しようか!」

 

 覚悟の確認も終わり、中へと進む。

 既に解剖台には四つの遺体袋が並んでおり、二人で合掌をし、遺体を確認していく。

 取り敢えず分かる事は死体は全て皮を剥ぎ取られていること。所々皮膚が残っており見た感じ無理矢理剥ぎ取ったように見える。

 

「死体は全部山で狩りを行っていた猟師で、全員一週間前に発見された。

 ここ見て。」

 

「…噛んだ跡みたいなのが有りますね。」

 

 先生が一人の遺体の首を指差すので確認すると、確かに犬か何かの噛み跡らしきものがある。

 

「鑑識の結果を見たけど、噛み跡は生前のモノで死後に皮を剥いだみたい。

 だから発見当時は熊による獣害かと思われたけど、熊はわざわざ人の皮を剥がないし、遺体を綺麗に残すなんてあり得ない。

 だから僕らに呪霊の仕業か確認の依頼が来たんだ。

 さて、轟君、北海道で犬みたいな歯形とくれば何を想像する?」

 

「…オオカミですか。

 けど、オオカミって既に絶滅してますよね。」

 

 そう、日本において野生のオオカミは既に絶滅している。

 特に北海道に生息していたと言われる蝦夷オオカミは100年前に絶滅したとテレビでみた記憶がある。

 

「うん、確かにここ北海道でオオカミは絶滅している。

 仮にもし生きていてもオオカミは臆病だから人を襲うなんて先ずあり得ないし先に家畜を襲うよ。」

 

「普通にサイコパスの殺人では?」

 

 精神異常者が狼のフリして殺して皮を剥いだとか。

 

「アメドラの見すぎだね。

 北海道ってね、結構呪力が集まるんだよ。

 オオカミ絶滅なんて結構な人が知ってるし、アイヌ民族のカムイ信仰とか、新撰組とか色々とね。

 被害だけを見ると、僕以外の人間なら二級呪霊として処理するけど、確実に一級呪霊の仕業だよ。」

 

 確か、地方の呪霊は都会に比べて弱い場合が多いが、土着信仰があると話は別らしい。

 偶然か必然か、生まれた呪霊に信仰による畏れが加わり、とんでもない強さを手に入れる場合がある。

 今回の場合、オオカミ絶滅に対する負の感情による呪力と、カムイ信仰による畏れから来る呪力が合わさった一級呪霊が生まれていると五条先生は推測している。

 一級呪霊とは術式を持った呪霊が当て嵌まる等級であり、とてつもなく強い。

 本来なら一級呪術師が相手にするが、それを俺にやらせるというのは、それだけ信頼されているということなのか、無茶振りなのか。

 

「先生の言う通りだとして、皮を剥ぐのは自分達のやった行いが自分に返ってくるという恐怖とかそういう呪いを含んでる呪霊って感じですか。」

 

「間違ってないけど、死んでから皮を剥いでるから、多分皮を剥ぐような術式は持っていない。

 今は猟師を襲った程度だけど、この事件をきっかけに新しい恐怖が生まれるから下手したら特級になっちゃうかもね。」

 

「それを俺にやれと?」

 

「うん♪」

 

 うん、じゃねえよ。

 

「じゃ、取り敢えず被害者が見つかった山に行こうか。

 かなり山奥らしいけど移動は手伝うから。」

 

 …移動は手伝うってどういうこと?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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