疑心暗鬼提督 If   作:ライadgj1248

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 いつの間にか10月になってしまいました。本当は夏に書くつもりが・・・まあ、想定外の事はよくあるので、夏の気分で読んで貰えたらありがたいです。


白露if 中編

「それじゃあ白露型姉妹と行くバカンスツアー出港しまーす!!」

 

「「いえ~い♪」」

 

「「い、いえ~い?」」

 

 白露型と海で遊ぶ為に乗り込んだ小型船に元気な声が響き渡る。掛け声をかけたのは小型船の操縦をする白露で、それにノリノリで応える村雨と夕立、微妙に恥ずかしがっているのが時雨と春雨で、白露型姉妹のわりと良く見る光景だ。

 

「ほらほら、提督もせっかくの休日なんだからテンション上げてこうよ!!」

 

「はぁ・・・すまないがそういうノリは苦手だから、私に構わずに楽しむと良い。」

 

「それじゃ提督を連れてきた意味ないよ!?せっかく一緒に海で遊ぶんだから、もっとテンション上げようよ!?」

 

「まあまあ、姉さん落ち着いて。提督は日頃から激務で疲れてるんだから、今日はゆっくりと過ごして貰うのも悪くないと思うよ?」

 

「甘い!!時雨は甘いよ!!普段激務でストレスが溜まっているんだから、遊ぶ時は思いっきり遊んでストレス発散するべきだ!!」

 

「夕立も提督といっぱい遊びたいっぽい!!」

 

「村雨も提督でいっぱい遊びたいな~」

 

「夕立に村雨まで・・・ん?村雨はちょっとおかしくなかったかい?」

 

「気のせいじゃないかな~」

 

「時雨、とにかくこれで3対1だよ。春雨を味方に付けても・・・春雨は?」

 

 白露達がキョロキョロしていると、春雨はどこかで飲み物を準備してくれたらしく、椅子に座っている私の元へと持って来てくれた。

 

「あの、お飲み物をお持ちしました、はい。」

 

「ありがとう。助かる。」

 

「えへへ、何かして欲しい事があればなんでも言って下さいね♪」

 

 気配りの出来る春雨に礼を言うと、春雨なんだか嬉しそうにはにかむ。他の姉妹達が騒がしいなかで一人だけこちらへの配慮を感じて、少し雰囲気を柔らかくしてくれているような気がする。

 

「ッ!?春雨・・・恐ろしい娘!!」

 

「姉さん・・・そろそろ出発しようよ?ずっと船の中で過ごすつもりかい?」

 

「早くビーチで遊びたいっぽい!!」

 

「白露姉さんいっちばんおっそ~い♪」

 

「ぐぬぬ・・・出港するけど、村雨は後でお姉ちゃんとお話があるからね。」

 

 ようやく白露が小型船を出港させる。目的は鎮守府から船で20分くらいで到着する砂浜だ。本当ならば白露達だけで荷物を持って海上を航行するつもりだったらしいが、私が参加するので小型船を用意した。ついでとばかりに砂浜で使えそうな荷物も多めに詰め込んだので、遊びには困らないだろう。

 

――――――――――――――――――

 

「到着!!」

 

「一番のりは夕立っぽい!!」

 

 船を停める所に着いたとたん、夕立が走り出して外へと飛び出す。よほど楽しみにしていたのだろうか?夕立は改二になってから、より本能的に動いている気がする。船から飛び降りるのは本来危険なのだが・・・艦娘の身体能力なら問題ないか?

 

「あ!?こら!!一番のりはお姉ちゃんのはずだったのに!!」

 

「怒るとこはそこなのかい?夕立、ロープ投げるよ。」

 

「任せるっぽい!!」

 

 時雨が夕立に係留用のロープを投げて、それを受け取った夕立は手際よくロープを結ぶ。軍艦の魂を宿した艦娘達はこういった船に関する作業はお手の物だ。そこからは白露達と荷物を降ろしてビーチパラソル等の設営を行い、遊ぶ為の拠点を構築する。

 

「よぉし!!じゃあなにして遊ぼうか?」

 

「う~ん?とりあえず泳ぐ?」

 

「ビーチバレーがやりたいっぽい!!」

 

「提督に日焼け止めを塗って貰うとか?」

 

「村雨!!え、えっちぃのは禁止!!」

 

「ええ~日焼け止めのどこがえっちぃの?村雨わかんな~い♪詳しく教えて~白露姉さん?」

 

「い、いや、どこと言われると困るけど・・・日焼け止めは自分で塗りなさい!!お姉ちゃん命令です!!」

 

「もう・・・しょうがないなぁ~」

 

 そう言って村雨は日焼け止めを取り出して足元から塗り始める。チラチラとこちらに目線を向けて、まるで踊るように身体を見せ付けながら日焼け止めを塗っているのはなんなのだろうか?というかそもそも艦娘は日焼けするのだろうか?炎天下の中で海面からの照り返しがある海上で行動しているが、今まで艦娘が日焼けした事はなかったはずだが?

 

「ちょ!?村雨!?えっちぃのは禁止って言ったでしょ!?」

 

「なんの話?言われた通りにちゃんと自分で塗ってるよ~?」

 

「ぐぬぬ・・・というかよく考えたら私達日焼けしないじゃん!!それいらないじゃん!!」

 

「え~?必要は無いけどせっかくだから雰囲気を楽しみたいし?あ、届かないから誰か背中に塗ってくれないかなぁ?」

 

 ふむ、やはり必要ではなかったか。つまりは食事等と一緒で絶対に必要なわけではないが、人間と同じ行動をする事で精神的に良い影響を与えるのだろう。そして村雨がまたチラチラとこちらに目線を向けているが、これは自分に背中の日焼け止めを塗って欲しいと言っているのか?

 

「あはは・・・僕が塗ってあげるから貸して。」

 

「う~ん、じゃあお願~い。はい、手出して?」

 

 そう言って村雨は時雨の手の上に日焼け止めを出す。

 

「わっ、ちょっと出し過ぎじゃないかい?それにしても意外とさらさらしてて・・・ちょっと独特な匂いもするね。」

 

「時雨ちゃんや~ら~し~い♪」

 

「ええ!?なんでさ!?」

 

「時雨~早くしないと遊べないっぽい!!早くビーチバレーで遊びたいっぽい!!」

 

「あ、すぐ行くから先に準備しててよ。」

 

――――――――――――――――――

 

「第一回!!白露型ビーチバレー大会開催!!」

 

「「イエーイ!!」」

 

「優勝したいかぁ!!」

 

「「オー!!」」

 

「でもいっちばんは譲らないぞ!!」

 

「村雨!!勝負っぽい!!」

 

「ええ、受けてたつわ!!」

 

「お姉ちゃんを無視するなぁ!!」

 

 あの三人は相変わらずテンション高い・・・自分も人数合わせで参加する事になったが、戦力差的にはどうなのだろうか?基本的にバレーボールは背が高いほうが有利なので、一見自分が有利なように見えるが、艦娘の身体能力は艤装を使用していない状態でも人間より高い。とりあえず組み合わせはくじ引きの結果白露と自分のペア・時雨と夕立ペア・村雨と春雨ペアとなっている。ちなみに白露型姉妹の中では村雨が一番身長が高く有利だと思うが、夕立の身体能力も侮れないし、時雨も実は夕立に匹敵するくらい能力が高い。そして春雨は深海棲艦化の影響でずば抜けた身体能力を持っているが・・・あの性格だから流石に自重するだろう。白露は・・・まあ、長女の意地に期待かな?

 

――――――――――――――――――

 

「バカな・・・お姉ちゃんが・・・お姉ちゃんが負けるなんて・・・」

 

「いや・・・流石に私にあいつらの相手は荷が重い。白露だけのせいじゃない。」

 

 結論から言えば全く勝負にならなかった。時雨と夕立ペアは息の合ったスピード感のあるプレイで、人間である自分には追い付けない速度で攻撃してくる。白露も善戦したが2対1では勝ち目は無い。村雨と春雨ペアは村雨の高い打点からの強烈なスパイクと、春雨の威力は抑えているもののライン上を正確に狙う攻撃の前に一方的に敗北した。うん、艦娘にスポーツで勝つのは無理だ。ちなみに時雨と夕立ペア対村雨と春雨ペアの試合結果は、壮絶な戦いの末に時雨と夕立ペアが勝利した。

 

「ぐぬぬ・・・もう一回!!次こそは絶対に勝つからもう一回!!」

 

「勘弁してくれ・・・私ではお前達についていけない。私は少し休んでいるから、ペアを変えてやってくれ。」

 

「うーん・・・身体能力の差が大きかったから仕方ないかなぁ・・・分かった。提督はちょっと休んでてよ!!提督の敵討ちは任せて!!」

 

「ああ、ほどほどに頑張って来い。」

 

 やる気満々の白露を適当に送り出してまずは一休みしよう。それから食事の準備でもしておこうかな?




 なんか白露はお姉ちゃんしてるのに弄られキャラなイメージです。すまん、白露。
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