「ねえ、天龍ちゃん、明日ってなにか用事はあるかしらぁ?」
「ん?明日は1日休みを貰ってたはずだぜ。特にやることもねぇし、チビッ子どもの面倒でも見てやるかと思ってたが、なんかあるのか?」
「なら明日は一緒に街にお出掛けしない?せっかくのお休みだから、天龍ちゃんとお出掛けしたいなぁ~」
「ああ、良いぜ!たまには俺達も羽を伸ばさねぇとな!!」
「せっかく街にお出掛けするんだから、しっかりお洒落してね。」
「分かったよ。」
龍田のやつも凄いご機嫌だな。久しぶりに龍田とのお出掛けか。へっ、そんなに楽しみにしてるなら、こっちも気合い入れて行かねぇとなぁ!!
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「って思ってたのによぉ!!なんで提督もいるんだよ!?」
「なんだ?龍田から聞いてなかったのか?私は龍田から天龍も一緒に出掛けたいと聞いていたのだが?」
「おい!龍田!?どうなってんだよ!?」
「あらぁ?私と提督と三人一緒にって意味だったんだけどちゃんと伝わってなかったのかなぁ?」
「提督の名前なんか出してねぇだろ!!ってかちょっとこっち来い!!」
そう言って龍田を強引に引っ張って提督から引き離す。提督が怪訝な顔をしているが今は後回しだ。
「そもそもこれって、この前約束していたその、デートってやつじゃねぇのか?提督にエスコートして貰うとか言ってただろ?なんで俺まで呼んだんだよ?」
「ええ~天龍ちゃんも一緒のほうが楽しいかなぁって思ったからよ?」
「本当は?」
「やだもう天龍ちゃんったら!本当にそれだけよ?」
そう言う割には顔が少し赤くなってるし、目線がちょっと泳いでるじゃねぇか・・・普段はほとんど表情を変えずに、怒ってる時でもニコニコしてるクセに、そんな表情が崩れるくらいには動揺してるじゃねぇか・・・
「はぁ・・・もういい。本当に一緒について行って良いんだな?」
「勿論よ。一緒に楽しみましょうねぇ♪」
いったい何を考えているのかは分からねえが、一緒に来て欲しいって言うならついて行ってやるか。
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提督が運転する車に乗ってやって来たのは地域の商店街だった。深海棲艦が現れる前はかなり寂れていたらしいが、深海棲艦の影響で大きな店が潰れてしまい、こういう商店街が活気を取り戻したらしい。詳しい話はよく知らねぇが、深海棲艦のおかげで活気を取り戻すなんて不思議な話だ。
「それで?龍田はどこに行きたいんだよ?」
「そうねぇ・・・特に決めてないけど、お店を見て回るのって楽しいじゃない?提督も付き合ってくれますよね?」
「ああ、構わない。今日は龍田のやりたい事をやれば良いさ。」
「やったぁ!それじゃ天龍ちゃん、はぐれないように手を繋ぐ?」
龍田がニコニコ笑顔で手を差し出して来やがった。絶対にからかってるだけだろこれ!!
「繋がねぇよ!!俺は子供じゃねぇよ!!」
「でも天龍ちゃんすぐに居なくなっちゃいそうだし?お姉ちゃん心配だなぁ~」
「ちょっと待てよ!!俺のほうが姉だろ!?」
「そうだったかしらぁ?私のほうが在籍年数長いからつい忘れてしまってたわぁ~」
「絶対にわざとだろうが!!」
「まあまあ、そう怒らないでぇ~はい、ちゃんと手を繋ぎましょうねぇ♪」
一度断ったのにニコニコ笑顔で圧をかけて来やがる。どうやら譲る気は無いようだな・・・何を考えてるのかさっぱりわかんねぇぜ・・・
「わかった、わかった。繋げば良いんだろ?」
「ふふふ、ありがとう。じゃ、じゃあ提督も、ちゃんとエスコートして下さいね?」
そっちが目的かよ!?提督と手を繋ぎたいだけなら俺に話を振る必要ねぇだろ!?
「ん?エスコートと言われても良く分からないのだが?」
「なら形だけでもやってくれたら良いんじゃないですかぁ?せっかくのお出掛けなのよ?」
「はぁ・・・それで満足するなら構わん。」
「やったぁ♪」
チッ、なんだよ手を繋いで貰っただけで顔を真っ赤にしやがって。そういうのは二人でやれよ。
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「おいおいおいおい!!なんだよこれは!?超かっけぇじゃねえか!?銀に輝く刀とそれに巻き付く龍とか、まさに俺の為にあるデザインじゃねぇかよ!!こっちの黄金の西洋剣と龍の組み合わせも悪くねぇが、やっぱりこっちの銀のやつが一番かっけぇぜ!!てかこの刀ちゃんと抜けるのかよ!?くぅぅ!!たまんねぇな!!」
天龍と龍田と共に服屋や甘味処を回って、帰りがけに寄った骨董品や土産物を置いているお店で天龍が大興奮していた。たしかあれは男の子に人気なキーホルダーだったか?
「あらあら、天龍ちゃんはしゃいじゃって~もうこっちの事見えて無いみたいねぇ~」
「まあせっかくだからあれくらい買ってやるさ。龍田も何か好きな物を探してきたらどうだ?」
「そうねぇ?あら?この髪飾りなんて素敵じゃない?提督はどれが似合うと思います?」
「この串が髪飾りなのか?生憎この手の物には疎いのでな・・・」
「そうなんですか?これはかんざしって言うもので、髪を纏める時に使うものなんですよ?」
「なるほど。だが選ぶとなると、どれが似合うかなんて分からんぞ?」
「まあまあ、提督が気に入ったのを選んで下されば良いんですよ?」
うーむ、そこまで言うのなら仕方ない。龍田はわりと意見を押し通すタイプだしな。別にセンスを求められないのであれば問題無いか。
「ではこの赤いやつにしよう。これで構わないだろうか?」
「はい、それで良いですよ♪」
「分かったなら買ってくる。後は鎮守府の連中にも土産を買っておくか・・・天龍、それ買ってやるから持って来い。」
「おお!!マジかよ提督!!これ超かっけぇから欲しかったんだよ!!ありがとな!!」
別に高いものでもないのだが、気に入ったならそれが一番か。
「うふふ、提督、ずっと私を守って下さいね。」
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部屋に戻って提督から買って貰った銀の刀と龍を改めて見てみるが、やっぱり超かっけぇデザインだぜ!!
「天龍ちゃん、それ本当に気に入ったのねぇ~」
「おうよ!超かっけぇだろ!?」
「そうねぇ~カッコいいわよ天龍ちゃん。」
「そういう龍田もご機嫌じゃねぇか。提督に何を買って貰ったんだよ?」
「私?私はこの簪よ?」
「へぇ~そんなのも置いてあったのか。」
「提督が選んでくれたのよぉ~うふふ。」
まあ、俺にはよく分からねぇけど、龍田が気に入ったのなら良いか。それにしても簪なんてなかなか渋いものを選んだな。龍田のやつ、うっとりした顔で眺めやがって・・・あんな顔見たのは初めてだ。
龍田Ifですが、ほとんど天龍視点という内容でした。龍田の可愛い所とヤバい所がしっかりと書けていれば良いのですが・・・
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