バトルフロンティアが廃人の施設とか言った奴出てこい   作:麦わらぼうし

22 / 34
金シンボルを全部集めると「もう十分」って気分になる……。


やり込み要素で『きんのたて』を手に入れた人はどれだけいるだろうか?

 何もない、真っ暗な場所に居た。

 

 本当に何もない、空っぽの無の空間。

 

 そこには自分以外に誰もいない。

 

 人も、ポケモンも、何もいなかった。

 

 それは、いつも見ている俺の夢。

 

 その真っ暗な空間に、真っ白な画面が現れて――

 

 

「あー! もー! 邪魔ッ!」

 

 

 俺は目の前に現れた画面に、さっさと触れることで消滅させる。

 

「何で、いつも一回消したら現れなくなるのに、今回は何度も出てくるんだよッ!?」

 

 そんな悪態を吐きながら。俺は、存在するのかも分からない出口を目指して闇の中を歩き続ける。

 

 今、自分が夢を見ている状態なのは分かっている。熱中症で気を失った後、気づいたらこの場所に居たんだし、間違いなく此処はいつもの夢の中だ。

 

 確か、自分が夢を見ている、と自覚している状態って「明晰夢」とか言うんだっけ?

 

 もう、本当に何回見たのか分からないほどの夢なので、この光景を見たらすぐに、自分が寝ているんだって分かった。

 

 だけど、いつも見ている夢の筈なのに、どういう訳か今回は、いつもと違った。

 

 

―――なんで、今回は身体が軽いんだろう?

 

 

 何故だか分からないけど。今回の夢は、ものすごく意識が明瞭で、以前までのような身体の重さが全くない。

 

 こんなこと、今まで一度も無かった筈なんだけど……。

 

 何故だか今回は、自由に体を動かすことができる。それこそ起きているのかと思うほど、現実と夢の区別がつかないくらい身体が自由だ。

 

 でも、ここが夢の中なのは確実であり、だからこそ今回は自由に動くことができるから、自分から起きることができないか試しているんだけど。

 

「頬を引っ張っても痛いだけ、ってどういうことッ!? 本当に、ここは夢の中ッ!? もしかして、またダークライに悪夢でも見せられてるッ!?」

 

 まるで現実のように手足が動かせるので、俺は目を覚ます為に頬を抓ったり、引っ張ったりしてみたが、未だに意識が覚醒しない。それほどまでに、眠りが深いのだろうか?

 

 なので俺は、この夢から脱出するための出口を探して歩きまわることにして、現在に至る。

 

 前までは、身体が重くて自由に動けなかったけど、そもそも俺自身が動こうともしていなかった。あの画面に映る光景を見ていたくて、夢から覚めることを拒否していたからだ。

 

 でも、今は一刻も早く目を覚ましたい。

 

 その為には、できることは何でも試してみる。それが、今まで進んだこともない、この闇の中を歩いている理由だ。

 

「早く目を覚まそう」

 

 熱中症で倒れたとはいえ、あれくらいで死ぬ筈がないのは、経験として分かっている。

 

 ならば、こんな夢の中で閉じ籠っていないで、早く現実に帰りたい。

 

 今の俺には、死ななくていい理由がある。なら、さっさと目を覚まして、生きる理由を探す為に動かなくてはいけない。

 

 

―――もう、こんな夢に構っている暇なんてないんだ。

 

 

「とはいえ、どうしたモノか……」

 

 ずっと歩き続けていたのに、まったく周りの景色が変わったようには見えない。

 

 ここは夢の中なのだ。

 

 おそらく、物理的な出口なんて存在しないのだろう。その割には、身体が現実のように動くし、視覚も、聴覚も、触覚も働くという意味不明な状態だけど。

 

 

 ………というか、明晰夢って、夢の内容をコントロールできるんじゃなかった、っけ?

 

 

 夢だと認識して、恐い夢を楽しい夢に変えたり、自由に空を飛ぶ夢にした、なんて話をどこかで聞いたことがあるんだけど?

 

 うーん……………………まぁ、モノは試しとして。

 

 

―――明るくなれー!

 

 

 ……………真っ暗なままだ

 

 

 いや、なんで?

 

 俺の夢だよね? なんで思い通りにならないの? 

 

 …………………………。

 

 あっはっはッ!

 

 まるで俺の人生みたいだねッ! こんチクショウッ!

 

 うーん? 考えられると可能性としては、俺が無意識に「夢から出られない」と思っているとか?

 

 うわぁ……ありそう。

 

 というか、それだったら絶対に出られないじゃんッ!

 

「どうしよう?」

 

 仮に予想が正解だとして、今の俺は「ここから出られるか?」と聞かれたら、たぶん「分からない」と答えるだろう。

 

 いや、だって今まで早く目を覚ましたい、なんて思ったことないんだもん。

 

 自分でも、この真っ暗な空間を「当たり前」と思っている部分があるし、ホントにどうすればいいんだよッ!?

 

「う~ん……逆に考えてみるべきかな?」

 

 俺が「夢から出られる」って思うようになるには、どうすればいいだろう?

 

 単純に、自分で「俺はその気になればいつでも出られるッ!」って思いこむのは……無理かなぁ。

 

 基本的に俺はネガティブ思考なので、本当に好きなことでもないと、ポジティブにはなれない。

 

 ……いやさ。

 

 自分の意思とは関係なく、勝手に死のうとする身体を持って生まれて、11年間を過ごしていれば、ネガティブ思考にもなるよ……。

 

 俺、自身は「両親に会いたい」って思いはあっても、だからって「死にたい」なんて思ったことは一度も無いんだよ?

 

 なのに俺の身体は勝手に死のうとして大怪我を繰り返すんだから、本当に頭おかしくなる……。

 

 ラティアスに治してもらっているからって、怪我したら痛いんだよ? もう慣れたけどさ……。

 

 とにかく。俺の身体は、俺の意思を反映させてくれないんだよなぁ……。

 

 

―――そうなると、先輩がしてくれたみたいに、自分ではない誰かに指摘されないと無理かも

 

 

 長い間。ず~と、死のうとしていた俺を止めることができそうになったのは、間違いなく先輩のおかげだ。本当に、あの約束に俺は救われたのだ。

 

 つまり俺の身体は、俺ではない他人の言葉なら、反映してくれるということなのだろう。

 

 

 ……………………。

 

 

「痛いッ! 痛いよッ! 自分で、自分の精神性を分析するとか痛すぎるよッ!」

 

 そして何より、それが事実という現実が痛いッ! いや、ここは夢だけどね?

 

 恥ずかしさで悶えて、転げ回ってもいいかなッ!? やらないけどさッ!

 

 ……………よし。これ以上、冷静に自分を見つめ直すのは止めよう! そうしないと俺が羞恥心で死ぬ!

 

 とにかく結論としては、俺はこの夢から、自力で脱出することはできないということだ。

 

 そして此処は夢の中、俺以外の存在は居ない………………詰んでね?

 

 

 ……………………。

 

 

「誰かーッ!? 誰かいませんかーッ!?」

 

 そう叫んでみるモノの。頭では、答えが返ってくることは無いということを理解しているので、ただただ虚しさだけを感じる。

 

 ほんと、この闇の空間って、居るだけで精神がゴリゴリ削られていく感じがして嫌なんだよ……。

 

 最悪、目を覚まさなくてもいいから、誰か話し相手になってくれるような都合の良い存在は居ないだろうか……。

 

「―――だから娘を助けてくださいッ!」

 

「アァッ!!! もうッ! 何度もしつこいよッ!」

 

 また、あの真っ白な画面が現れて、いつもの声が聞こえてくる。

 

 本当に、なんで今回は消しても、また現れるのッ!?

 

 というか、今まで「夢のことだから」って、全く気にしてなかったけどさッ!

 

『娘』って何ッ!? 俺は、前世も今世も『男』だよッ!

 

 今世の姿ならともかく、前世の俺は『女』に間違われる容姿はしてないだろッ!

 

「そんなことは些細な問題です」

 

「全然、些細じゃねえ―――――――――!」

 

 この世界に転生して、自分が男のままだと知った時、どれだけ安心したと思っているんだッ!?

 

 仮に女になっていたら、性同一性障害になっていたかもしれないとか怖すぎるわッ!

 

 

 ………………………………ちょっと待て

 

 

「今の声は、誰?」

 

 母親の声ではなかった。

 

 父親の声でもなかった。

 

 今の声は、まるで―――

 

 

「俺?」

 

 

「いえ、私です」

 

 

 その呟きが、何も映っていない真っ白な画面から、声が聞こえてくる。

 

 そこから聞こえてくるのは、紛れもなく俺の声だった。

 

「え? 普通に怖いんだけど……夢って、こんなこともありなの?」

 

「ありです。怖いと言いながらも、会話する相手が居たことに、ちょっぴり安心している可哀想な泣き虫さん」

 

「なんか憐れまれたッ!? と言うか、泣いてはいないよッ!?」

 

 なんだろう。口調は丁寧なのに、この声すっごい性格が悪いよッ!?

 

「ブーメラン、って言葉を知ってますか?」

 

「なにが言いたいのかなッ!? というか、あなたは誰ですかッ?」

 

「私は私です。あなたが「ここから出たい」と思ったから、都合よく脱出する方法を教えるために現れた謎の声です」

 

 なんと、この謎の声は、俺を助けてくれる為に現れてくれたらしい。もしかしたら、これが夢の内容をコントロールするということなのだろうか? 案外、お願いしてみるモノだね。

 

「なので、要望に応えて声を掛けた私に感涙し、跪いてください。鼻で笑ってあげます」

 

「すっごく偉そうッ!? もはや何様だよッ!?」

 

私様(わたしさま)です。えらい訳ではなく、単にイラついているだけですよ。いつまでもウジウジしている あなたを見ていると本当にイライラします。死ね」

 

「ド直球に酷いッ!?」

 

 いくら何でも「死ね」は言い過ぎじゃないッ!?

 

 死ぬのはヤダッ! 断固拒否するッ!

 

「あれ? あなたは、誰かに指摘して欲しかったのでは? 私の言葉は「都合がいい」筈です」

 

「ただの罵倒だったよねッ!? 指摘じゃなかったよねッ!?」

 

 どうやら謎の声は、人の心が分からないらしい……。

 

「そんなことは、どうでもいいです。さっさと頭を垂れて、私に助けを乞いなさい。全力で断らせてもらいますから」

 

「断るのッ!? 意地悪しないで、脱出方法を教えてよっ!」

 

「えー……人に頼むときは、それ相応の態度があるでしょう?」

 

「俺、そんなに態度悪かったかなぁッ!?」

 

 なんなのだろうか、この謎の声さんは……自由過ぎる。

 

 というか、この状況は本当に何……?

 

 突然に現れた、というか聞こえてきた謎の声に罵倒される。言葉にすると意味が分からない……。

 

「あなたがポンコツだと、会話している私までポンコツに見られるんです。なのに、こうして出てきてあげたんですから、せめて感謝ぐらいしてくださいよ……」

 

「ありがとうごさいます! 謎の声さま! どうか、あなた様の助言をいただけないでしょうか!?」

 

「そう言って、私を「都合の良い声」扱いするんですね! 最低です!」

 

「どうしろってんだッ!?」

 

 そう叫ぶ俺に、謎の声は「はぁ……」と溜息をついた。

 

「もういいです。このままだと話が進みませんので、さっさと脱出方法を教えます」

 

「なんで俺が悪いみたいになってんのッ!?」

 

「そうやって自分の悪いところを認めないから、あなたはいつまで経っても成長しないんですよ」

 

「納得いかない!」

 

 本当に、この状況は何なのだろうか? 

 

 なんで俺は、自分の夢の中だと言うのに、自分と同じ声に罵倒されなくてはならないのだろうか?

 

 俺、ストレス溜まっているのかなぁ……。

 

「それで、脱出方法ですが……簡単に言えば、切っ掛けを得れば出ることができます。いいですか? 私の言う通りにしてください」

 

「はいはい分かりました。それで、何をすればいいんですか?」

 

「……私は今の態度に深く傷つきました。さようならです」

 

「生意気言ってすみませんでしたッ!」

 

 俺は、画面に向けて土下座した。

 

「四つん這いになっていないで、さっさと立って言われた通りにしてください」

 

 理不尽! と叫びそうなところを、グッと我慢する。多分これを言ったら、また弄られると思ったから。

 

 という訳で、俺は言われた通りに立った。

 

「この画面に手を伸ばしなさい」

 

「え? でも画面に触れたら……」

 

 さっきまで何度も触れて画面を消しているが、それで脱出できるようになるとは思えない。むしろ、この謎の声さんの画面が、霧散して消えてしまうのではないか?

 

 そんなことを考えていると、また「はぁ……」と溜息が聞こえてきた。

 

「それでいいんです。そして、霧散した光を掴んでください。あとは外に出るまで引っ張ってくれますから」

 

「引っ張ってくれる? ………謎の声さんがですか?」

 

「私じゃないです。あなたを守っているのは、いつだってあの子たちですよ。精神が安定しているなら、私に出番はありません。さっさと出ていってください」

 

「…………あなたは、本当に何なのですか?」

 

 いくら夢の中だとは言え、いい加減に、この謎の声の正体が気になってきた。

 

 というか、この声は本当に何なのだろうか? どうにも、俺の夢の産物ではないように感じる……。

 

「良いからさっさと行くッ! 消えてもいいんですかッ!?」

 

「はいッ! 分かりましたッ!」

 

 その怒鳴り声を聞くと、反射的に返事をしてしまった。

 

 その声を聞いた途端、身体が俺の意思に関係なく従わなくてはならないような感覚に陥ったのだ。

 

 そして俺は、何の躊躇もなく手を画面に伸ばして光の粒子に変える。すると、その手を掴まれて引っ張られるような感じがした。

 

 それと同時に、この闇の空間から自分が乖離していくような感覚に包まれる。

 

「そうです。あなたが望めば、あの子たちは必ず連れて行ってくれます。願わくば、もう二度とここに来ないでください」

 

 そんな謎の声が聞こえたような気がして、俺の意識は暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

―――と、そんな感じの夢を先程まで見ていた。

 

 いや、本当に俺、どんな夢を見てるんだよ……。

 

 意識が明瞭だったとは言ったけど、あくまで夢の中での明瞭だから、そこまで深く考えている訳ではなかった。こうして目を覚ましてから冷静に考えると、ツッコミどころが多すぎる。

 

 夢の中で、空想の相手とコントしているとか、マジで俺 悲し過ぎるだろ……。

 

「ここは……バトルピラミッドの救護室かな?」

 

 目を覚まして見知らない部屋に居た。

 

 たしか、ジンダイさんとのバトルの後で、熱中症を起こして倒れた筈だから、一番近い治療施設であるバトルピラミッドの救護室に運ばれたのだろう。

 

 バトルピラミッドは、強力な野生ポケモンが縄張り争いをしている中を進むという性質上、どうしても怪我をしやすい。

 

 その為に、このような救急用の部屋が用意されているのは知っていた。そして、俺が利用することになるのも予想できていた。

 

 まぁ、バトルに集中していたから、あんまり気にしていなかったけど。あの部屋、見渡す限りマグマだらけの火の海とかいう、とんでもない惨状になっていたからね?

 

 倒れて当然の結果だろう。それでも、伝説のポケモンより被害は格段に少なかったけど……。

 

 いや。こう言うとジンダイさんのポケモンが、伝説と戦えるほど強くなさそうに見えるかもしれないけど……そんなの当たり前だからね?

 

 あくまでポケモンバトルという形式で戦っているんだから、トレーナーが余波で死ぬような威力では使ってこないよ。もちろん、直撃したら死ぬけど。

 

 仮に野生の伝説のポケモンと同等の威力で技を使ったら、この前のバトルアリーナみたいに施設、というか島が消し飛ぶからね? ダツラさん曰く、頻繁に壊れてるらしいけどさ……。

 

 だから別に、ジンダイさんのポケモンが弱い訳じゃないよ?

 

 ただ、どのフロンティアブレーンも、トレーナーが死なない程度までは、伝説のポケモンたちに力を制限させているだけだ。それでも俺は、ぶっ倒れたけど……。

 

 要するに、ポケモンバトルという形式を成立させる以上、技として出すことができる威力に、上限のようなモノがあるのだ。

 

 あくまで、それは各々の裁量に任せられているから、正式に決まっている訳ではないけど、フロンティアブレーンはそこを配慮しないような暴君ではない。

 

 ……ないよね?

 

 つまり、ポケモンバトルという形式において、単純な技の強さだけで言えば、一般のポケモンでも、野生ではない伝説と渡り合うことはできる。尤も、その技の強さは相当高いところに設定されているけどね。

 

 具体的に言うと、普通のLv100のポケモンが最大威力の技を使ったところで、伝説のポケモンの手加減した技にすら届かない。

 

 もっと分かりやすく言おうか?

 

 仮に、野生のLv100のガブリアスと、トレーナーが所持しているLv1のジガルデ(10%)が居たとしよう。

 

 ガブリアスが『げきりん』でジガルデを攻撃し、それに対してジガルデが体力満タンで『きしかいせい』の迎撃をしたら、ガブリアスが押し負けて『ひんし』になる。

 

 伝説のポケモン自体のスペックが高いから、手加減していても、全ての技が『いちげきひっさつ』ぐらいの火力があるのだ。

 

 それぐらい理不尽な存在なんだよ……伝説のポケモンって……。

 

 準伝説でも幻でも、それは一緒。

 

 ポケモンバトルとして使うことができる威力の上限には、両方とも普通に技として出すことができる。

 

 だからラティアスたちと競り合える時点で、ジンダイさんのポケモンは、規格外以外の何物でもない……。

 

 お互いにラス1にまで持って来られたのは、レッドさん以外では、ジンダイさんが初めてだよ……。

 

 そして、もう一つ、伝説のポケモンはバトルに於いて理不尽な部分がある。

 

 それは攻撃面ではなく、防御面……要するに耐久力だ。

 

 多分、一度ボールに戻して休ませれば、1ターンでもHPの半分は回復するのではないだろうか?

 

 バトル中でも毎ターンHPが少しずつ回復するぐらい、伝説のポケモンの治癒能力は高いのだ。

 

 身体自体も頑丈なのに、少しでも攻撃の手を止めると、次の瞬間には全快するという悪夢のような継戦能力を、伝説のポケモンは標準装備として持っている。

 

 ほんと……ここの人たちは、どうやってあんなに伝説のポケモンをゲットすることができたのか不思議でならない。

 

 聞いた話だけど、この世界ではマスターボールでも、伝説のポケモンは一度『ひんし』にしないと、そもそもボールに入らないらしいし……。

 

 で、ジンダイさんは防御面も、絆による根性耐えが無制限という。ゲームで言うところの『きあいのハチマキ』が確定で発動するという状態だ。

 

 ポケモンバトルという形式ではバランス崩壊もいいところだろう……。

 

 今までみたいに、ラティアスたちのスペックに頼ったバトルでは勝てず、搦め手による方法じゃないと突破できないとか、本当にいい加減にしてくれ……。

 

 まぁ……それぐらいしないと、力をセーブした状態でも、伝説のポケモンには対抗できないんだろうなぁ……。

 

 いろいろ思い出して気疲れしてきた。

 

 まだ身体も怠いし、誰か来るまで寝ててもいいかな? 

 

 

 ……………それはそれとして。

 

 

「なにやってんの? ラティアス」

 

「ひゅあんッ!?」

 

 俺は、隣で寝ていた、先輩の姿をしたラティアスに話しかける。

 

 するとラティアスは、寝たふりをしていたのがバレた為か、驚いたような声を上げた。

 

『目を覚ましたら、知らない部屋でラティアスに手を握られて添い寝されていた件について』

 

 状況を一言で表すとそんな感じだろうか?

 

 というか。ラティアスが添い寝しているのは、いつものことだけど、なんでその姿に擬態しているのだろうか?

 

 本来の姿の方が、かわいいのに……。

 




あったかもしれない裏話


ガラル主人公「うん。ウツロイド も カミツルギ も落ち着いて? ピラミッドでのアレは、シロちゃんをイジメていた訳じゃないから……」

ウツロイド「(どうする? 私は神経毒で、言われたことしかできない人形にしてみようと思うんだけど?)」

カミツルギ「(本音としては、両手足の切断ぐらいが妥当だと思うが、それだと主が悲しむしな……)」

ウツロイド「(……………………今回だけは、見逃そうか。一応、助けられたのは事実だし……『メテオビーム』一発で勘弁してあげよう)」

カミツルギ「(………そうだな。拙者も、首に『ハサミギロチン』するだけで我慢する)」

ガラル主人公「いや待ってッ! なんで『仕方ないなぁ』的な雰囲気を感じるのに、攻撃態勢に入ってるのッ!? 私、シロちゃんの先輩だからねッ! もう少し優しくしてくれてもいいんじゃないかなぁッ!?」

ウツロイド「(………カミツルギ、やっぱりバラバラにしよ? 先輩なんだからサイコロステーキにしてあげるべきだった)」

カミツルギ「(了解した。賽の目状に刻んで、海に捨てるとしよう)」

ガラル主人公「ちょッ! まッ!? 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬッ! 本当に死んじゃうからぁああああああああああああああああああああッ!!!!?」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。