機動戦士ガンダムSEEDeffectを読んでいただきありがとうございました!
まさか完結させるまで約一年かかるとは思っていませんでした。本当、進歩もない私の作品に付き合って頂き、感謝しかありません。
1)ストーリー
正直これが一番頭を抱えました。causeおけるオリジナル部分と原作のすり合わせをどうするか。
さらには月で誕生させたテタルトスを絡ませる必要もあり、最終決戦においては四陣営による泥沼状態。正直私のようなド素人にはレベルが高過ぎました。
それでも結末は一応想定通りの地点に着地できたので、まだ良かったかなと。
2)キャラクター
主人公[シン、マユ、アオイ]
この作品では三人程主人公という形をとっていましたが、マユは半分くらいヒロインでしたので実質はシン、アオイの二人でしょうか。
アオイは王道主人公ということで実に書きやすかったです。彼は本編でも書きましたが、デスティニープランを否定するキャラクターとして考えました。
シンとはライバル関係にしようかとも思いましたが、それは前作でやっていましたので、今回は別の形にしました。
マユのアストに対する感情はどうしようかと思いましたが、前作の経緯とか考えると何の感情も抱かないと言うのはおかしいかなと思って、告白させる事にしました。彼女の立場はガンダムOOのフェルトをイメージしています。
[セリス]
彼女は前作でも少しだけ登場していましたが、元々はアストと同じくスカンジナビアの惨劇を経験した彼の幼馴染というのが初期案でした。
色々考えてシンのヒロインに決め、彼が戦う理由であると同時に現状に疑問を抱く切っ掛けとなる人物として描きました。
[ジェイル]
立場的に原作シンです。ある意味彼もまた主人公でした。単純に同じでは意味無いかなと思い、彼にも現状に疑問を持たせ、デュランダルに盲目的に従うようにはしませんでした。
彼の原点は本編で書かれている通り、シンの予備です。原作を見ていた時に一番思ったのは、もしもシンが戦死したら、ミネルバが沈んだらどうするつもりだったのだろうという疑問からでした。デュランダルのような慎重な人物が何の対策も取っていなかったとは思えなかったので。
[キラとアスト]
前作主人公二人については初めから片方をザフトに向かわせ、もう一人をデュランダルを探る裏方に回そうと思っていました。まあキラが潜入なんて想像できなかったので、必然的にアストという事になりましたけど。
[特務隊]
前作の特務隊がまあ酷いものでしたので、今回はまともにしようと思って考えたんですけど、デュルクとヴィートはともかくリースは……なぁ、何故かヤンデレになってた。最初はレティシアのライバル的なキャラクターにするつもりだったのに。ただこれでもかなりマシにしたんです。当初はもっと酷く、正直書いてる私も怖かったくらいでしたから。
[ヘレン]
この作品における黒い部分の大半を受け止めてくれたキャラです。初期では議長に作られたクロードの同類といった設定でした。
[ユリウス、アスラン、セレネ]
テタルトス組はどう絡ませようかと悩んだのですが、あまり出しゃばらないようにしました。というかユリウスは最強のパイロットなので、彼が出るとそれだけで勝負が決まってしまうし。
3)機体
これも前作同様苦労しました。本当に名前が思いつかないんです。
ただ今回は色々な人からアイディアをいただき、非常に助かりました。
アイディアを下さった皆さん、本当にありがとうございました。
一番初めに決めたのがI.S.システムに関する事でした。同盟軍、地球軍、テタルトス軍も強い奴ばかりでこのままではザフト側が圧倒的に不利になり対等には戦えなかったので。
ただそうすると今度は味方側の機体がって事になり、考えたのがC.S.システムを搭載したマユの機体トワイライトフリーダムでした。
その後でシンの機体リヴォルトデスティニーを決めました。名前は最後まで決まりませんでしたが。
そして対SEEDモビルスーツ。名前を見れば分かると思いますが、アルカンシェルを除き名前は悪魔から取っています。搭載されたシステムの凶悪さとリスクから考えました。
アルカンシェルだけは初めからアオイの搭乗機になる事を決めていましたので、悪魔の名前をつけていません。
4)最後に
色々とありましたが、この作品を最後まで書き切る事が出来たのは、アイディアや感想を下さった皆さんのおかげです。
本当にありがとうございました。少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
まあ不満な部分もたくさんありますし、今後日常シーンなど加筆して、色々手直しするつもりです。
次はどうしようかと悩んでいますが、せっかくここまでやったのでもう少しガンダムSEEDやろうかなと思っています。
ただそれは続編ではなく外伝という形になるかと。続編は―――書いて欲しいという声が多かったら考えます。あれから先を書くとなると悲劇にしか書けなさそうな気もしますが。
そして最後に非常に短いですが、この先はこんな感じになるかなというイメージを書いてみました。まあ出てくるのは二人だけですけどね。
C.E.76 『ブレイク・ザ・ワールド』と呼ばれた事件をきっかけに地球、プラント間において始まった武力衝突『ユニウス戦役』と呼ばれた戦争から二年。地球は混迷を極めていた。
強硬派による内戦誘発を切っ掛けにマクリーン派は勢力を分断、隔離され実権を失っていた。
さらにテタルトス月面連邦国の地球進出。それを良しとしない連合強硬派との開戦と同時に起こったテタルトスによるスカンジナビア襲撃。それらを静観しながら機を窺うプラント。
その戦いは地球だけではなく、宇宙にまで拡大、大きな戦争に発展していった。
そこは酷い惨状であった。周囲に破片が散乱し、視界も悪い。散らばっているのは破壊された宇宙要塞の残骸だ。
四方に散乱する岩盤が、事の凄惨さを物語っている。周辺には未だに戦闘の光が散光しており、弾けては消えていく。
そんな破片が散らばり、今なお火を吹いているその場所で二つの影が光を発し、交錯している姿が確認できた。
「奴は……」
狭いモビルスーツのコックピットの中で息荒く、パイロットであるアスト・サガミは操縦桿を強く握っていた。度重なる戦闘でパイロットスーツの中はすでに汗だくである。
逃げた訳であるまい。他の奴に遅れをとるとも思えない。の技量の高さは誰よりも知っている。それこそ『ヤキン・ドゥーエ戦役』からの宿敵なのだから。
少しも気は抜けず、アストは周囲を確認しながら破片に紛れた、相手の姿を左右に視線を滑らせて探していく。
どこに行った?
その瞬間、コックピットに鳴り響く警戒音。それに合わせフットペダルを踏み込むと背中のスラスターが噴射され、機体が一気に上昇する。
歯を食いしばって圧し掛かるGに耐え、ビームが今までいた空間を通過していくのを確認すると、設置されているスコープを引き出した。
視界に映ったのは―――奴が、アスラン・ザラが駆る紅い機体『ソル・エクィテスガンダム』だった。
ビームライフルを構えソルエクィテスをロックし、トリガーを引くと撃ち出されたビームが敵機を撃ち抜かんと迫る。しかし敵は左手のビームシールドを前に突き出し、一直線に向かっていたビームが弾くと同時に突っ込んでくる。
「今日こそ決着をつけてやる!」
「チッ!」
突き出されたビームサーベルを捌き、すれ違い様に背中に装備されたビームソード『ワイバーン』を放出した。
「その武装には何度も痛い目に遭わされたからな、もう通用すると思わない事だ!!」
巧みな動きで翼のような刃をかわし、敵機の背中に向けてライフルを叩き込んだ。
「何故、俺にそこまでこだわる?」
「貴様という存在がすべてを狂わせた!! 貴様さえ、居なければ!! だからこそ、必ずを決着をつける!!」
「何度も言わせるな! 身勝手な事を言うんじゃない!!」
連続で撃ち込まれるビームをワイバーンで弾くとライフルで牽制しながら瓦礫に身を隠した。
「戦闘は未だに継続中か」
要塞攻略は上手く行ったが、周辺の味方部隊の戦闘は続いているようだ。何時までもこいつの相手はしていられない。
残った武装を把握しながら、乗機である『アーク・イノセントガンダム』の状態を確認した。
味方部隊の援護に向かう為にも、ここを切り抜ける。
スラスターを吹かして破片の陰から飛び出すと、装備された斬艦刀をバルムンクを抜き、ソル・エクィテスガンダムに斬りかかった。
「はああああああ!!!!」
気合と共に刃を叩きつける。
そしてアスランもまた仲間の仇を討つ為に両手に握ったビームサーベルを振るった。
「お前は俺がァァ!!!」
白と紅。二機のガンダムが加速しながら光刃を掲げ―――
「アスト・サガミィィィィィ!!」
「アスラン・ザラァァァァァ!!」
同時に振り降ろした。
激闘は続く。
二人の決着がつくその時まで―――