【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】   作:イナバの書き置き

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ストーリーとは特に関係ありませんが、それはそれとしてぴりりっとおさらいでASMRに嵌まりそうです。


第3話「憎悪侵撃」

610:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 あーもう

 あーもう!

 

611:ご機嫌よう名無し様 ID:MB5X5yr1w

 なんやねんいきなり

 

612:ご機嫌よう名無し様 ID:ZPBc2no3b

 まーた誰か何かやらかしたんか……

 

613:ご機嫌よう名無し様 ID:5dZ1juYwx

 割と皆抱え込みがちなのでイッチだけがやらかしたとは言い辛くなってきた今日この頃

 

614:ご機嫌よう名無し様 ID:rulV/N0lL

 だからと言って百合の間に挟まった罪が軽くなる訳じゃないがな!

 

615:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 何でこう結梨ちゃんと言い梨璃ちゃんと言い夢結様と言いさぁ……

 他人に相談もしないでさぁ……

 

616:ご機嫌よう名無し様 ID:UtdPSAmsQ

 ブーメラン乙

 

617:ご機嫌よう名無し様 ID:2Lxf5aGqt

 それイッチにも思いっきり当て嵌まるからな?

 

618:ご機嫌よう名無し様 ID:iqViDrR36

 て事はあれか

 状況的に今回は梨璃ちゃんがやったんか?

 

619:ご機嫌よう名無し様 ID:2wkxvc+kc

 まぁ梨璃ちゃんなら色々と黙ってそうだしな

 

620:ご機嫌よう名無し様 ID:bAbLMua+3

 何だかんだ言って滅茶苦茶芯が強いしそれ故に夢結様と合わせてやらかし筆頭候補ではある

 

621:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 >>618

 いや夢結様

 

622:ご機嫌よう名無し様 ID:QtRuKwgUn

 あのさぁ……

 

623:ご機嫌よう名無し様 ID:KSIsBgxyq

 また夢結様ですか

 

624:ご機嫌よう名無し様 ID:T/L/j8a25

 この前の決戦でも相談せずに1人で挑もうとしてましたよね

 超カッコ良かったから流してたけどよく考えると問題行動過ぎる

 

625:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 いやさぁ……ちょっと今回は洒落にならないわ

 せめて誰かに相談とかしてよ……

 

626:ご機嫌よう名無し様 ID:cGgZM8z40

 イッチは人の事言えんぞ

 間違いなく

 

627:ご機嫌よう名無し様 ID:9sJdXGKig

 そう言えば掲示板以外の誰にも相談せずに突撃して死んだ人がいましたね

 

628:ご機嫌よう名無し様 ID:pEsSa1Lg7

 >>627

 言い方ァ!

 

629:ご機嫌よう名無し様 ID:k0OWZVx0c

 まるで前のマコト兄ちゃんみたいだ……

 

630:ご機嫌よう名無し様 ID:1zA2WMN7N

 >>629

 なんて事を言うんだ……と思ったけど割とそんな感じある

 

631:ご機嫌よう名無し様 ID:c7FCFV6eO

 >>629

 流石に言って良い事と悪い事があるけど、イッチに関してはちょっと否定も肯定も出来ないな……

 

632:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 え、そんなに?

 

633:ご機嫌よう名無し様 ID:BJstEAXbt

 うん

 

634:ご機嫌よう名無し様 ID:0j1u5ybK5

 そうだよ(全便乗)

 

635:ご機嫌よう名無し様 ID:SLzdyMXVs

 まぁイッチは一柳隊に相談しなさ過ぎなんでもうちょっと信頼してもろて……

 いやこれ信頼してるから相談してないのか

 

636:ご機嫌よう名無し様 ID:vGdJPqzQD

 絶対に止められるもんな

 

637:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 そんなぶっとんだ事してないし……

 

638:ご機嫌よう名無し様 ID:XK44Y2QSo

 イッチの問題行動一覧

 ・肉体ボロボロなのに変身(2回)

 ・ノインヴェルト戦術を用いるヒュージに正面から突撃(1回)

 ・結梨ちゃんを庇って蒸発(1回)

 ・百合の間に挟まる(n回)

 

639:ご機嫌よう名無し様 ID:MSM+KDU4a

 草

 

640:ご機嫌よう名無し様 ID:7FC7IqadA

 罪が多すぎる

 

641:ご機嫌よう名無し様 ID:tixkKZqLb

 こりゃ止められるわ

 俺だったら百合ヶ丘から出さんもん

 なんだったらいつぞやの地下監禁生活でも全然許される

 

642:ご機嫌よう名無し様 ID:CkbvUbP/T

 1回ガチで死んでるから単独行動とか絶対に許されなさそう

 

643:ご機嫌よう名無し様 ID:djvHR+ZgF

 >>641

 ショタを地下に監禁……?

 お前ホモかよぉ!?(歓喜)

 

644:ご機嫌よう名無し様 ID:cO0ddxFye

 ショタコンホモはちょっと業が深すぎますね……

 

645:ご機嫌よう名無し様 ID:F3XICpN8x

 それで、結局夢結様が何したん?

 特型ヒュージを追い掛けて行方不明にでもなった?

 

646:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 いや

 倒れた

 

647:ご機嫌よう名無し様 ID:NhLLIYYn5

 え?

 

648:ご機嫌よう名無し様 ID:LbfTLNnyb

 は?

 何で?

 倒れる要素ある?

 

649:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 本来行うべきなのは梨璃ちゃんに自分のマギを流し込んで負のマギを中和する「マギ交感」なんだけど

 

650:ご機嫌よう名無し様 ID:s4sdNQLJo

 うん

 

651:ご機嫌よう名無し様 ID:eGxvO5rmH

 昨日も聞いたな

 

652:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 何と夢結様はマギの操作が上手いので皆に黙って梨璃ちゃんの分まで汚染を肩代わりしてました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホントさぁ……

 

653:ご機嫌よう名無し様 ID:3xtDLUd/e

 あー、成る程ねぇ

 

654:ご機嫌よう名無し様 ID:f0hXFpa2A

 これは夢結様が悪いわ

 いやマジで

 

655:ご機嫌よう名無し様 ID:45goo3+1n

 報連相はしっかりしろとあれほど……

 

656:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 事情が事情だっただから百由様がやり方を教えたみたいなんだけど、まさか死にかけるまでやるとは思ってなかったらしい

 先に倒れる可能性があるから極力止めとけって念押しまでしてたっぽいのに……

 

657:ご機嫌よう名無し様 ID:XW4Z1RfQC

 まぁ……夢結様ならやるよなぁ……

 

658:ご機嫌よう名無し様 ID:sS8GON2T2

 何か自分の命だけ軽く見てる節あるし梨璃ちゃんの事になると形振り構わなくなるからなぁ……

 

659:ご機嫌よう名無し様 ID:goZxZfBKB

 だからってこんな重要な事黙ってなくても……

 

660:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 取り敢えず近くの廃村で休んでるけど、結構近くに特型を含むヒュージの群れがいるっぽいんだよな

 このままだと動き出すのは明日になりそうだ

 

661:ご機嫌よう名無し様 ID:jFayN1njC

 マ?

 いよいよ面倒臭い状況になってきたな……

 

662:ご機嫌よう名無し様 ID:953VRIxY1

 梨璃ちゃんも責任感じて夢結様に付きっきりだし

 何かこう……危ないよなぁ

 

663:ご機嫌よう名無し様 ID:QzpluiEGn

 単独行動に走りそうな気がする

 

664:ご機嫌よう名無し様 ID:R8L9htW9W

 梨璃ちゃんならやりかねない

 

665:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 取り敢えず見張っとくわ

 

 

700:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 ほらやっぱりこうなるー!

 〔添付:小型ヒュージの群れが押し寄せる動画〕

 

701:ご機嫌よう名無し様 ID:5ENRtgFp/

 うわ何だよいきなり

 

702:ご機嫌よう名無し様 ID:M4OBtUHJb

 あれ、明日動くんじゃなかったの?

 

703:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 責任感でいっぱいいっぱいになった梨璃ちゃんが皆に黙って突撃しちゃったからワイと梅先輩で追いかけてんのー!

 〔添付:シャイニングホッパーが迫り来るヒュージをアタッシュカリバーで迎撃している動画〕

 

704:ご機嫌よう名無し様 ID:WY63rq5yz

 ……正直やるんじゃないかと思ってたよ

 

705:ご機嫌よう名無し様 ID:g3ZNhZ5Zh

 突撃に定評のある梨璃ちゃんだからな……

 

706:ご機嫌よう名無し様 ID:OrDVC3sAM

 このシュッツエンゲルにしてこのシルトありって感じですね……

 

707:ご機嫌よう名無し様 ID:S2dRHK10Y

 責任感が強いのは悪い事じゃないけど仲間を置いてっちゃうのはNG

 

708:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 てか梅先輩滅茶苦茶速くないか……!?

 何したらあんなスピード出るんだよ

 〔添付:梅が瞬間移動のような挙動で遠ざかっていく動画〕

 

709:ご機嫌よう名無し様 ID:KJQ2zufHU

 縮地使ってるにしてもシャイニングホッパーより速いとかヤバくない?

 

710:ご機嫌よう名無し様 ID:5Sh1JFPfF

 普段あんなだし訓練もサボってるらしいから実感無かったけど、やっぱり元アールヴヘイムってやべーんだな

 

711:ご機嫌よう名無し様 ID:cJGcobLLu

 まぁでもアレじゃん

 イッチも付け焼き刃にしてはよく動けてるんじゃね?

 

712:ご機嫌よう名無し様 ID:zV2OYkFbo

 たしかに

 徹夜で特訓した甲斐があったみたいですね……

 

713:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 そう、言って、くれると嬉しい、けどっ!

 戦いながらっ、書き込むの難しい……!

 

714:ご機嫌よう名無し様 ID:Sq6yTl3Om

 こっちに構わなくても良いからはよ梨璃ちゃんを救出しろ

 

715:ご機嫌よう名無し様 ID:0saAN9tln

 こんな所で梨璃ちゃん死なせたら洒落にならんぞ

 梅先輩に追い付け

 

716:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 そうす────!?

 〔激しいブレと振動、そして暗転〕

 

717:ご機嫌よう名無し様 ID:umoFxJxm6

 イッチ!?

 

718:ご機嫌よう名無し様 ID:CCMGtqAJ3

 おいどうした

 

719:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 〔闇夜に沈んだ森と、力無く投げ出された少年の手が映っている〕

 

720:ご機嫌よう名無し様 ID:QOt5RIfQF

 おい

 おい起きろイッチ

 寝てる場合じゃないぞ

 

721:ご機嫌よう名無し様 ID:4SZE/NjKX

 不意打ちか?

 兎に角ヤバ────

 

722:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 〔添付:           

 

723:ご機嫌よう名無し様 ID:n5nNnW4l1

 ────二水ちゃん?

 

 

 

 

■■■

{ 第  話 }

 

憎 悪 侵 撃

HATRED IMPACT

 

 

私がアークで仮面ライダー

──×──

"The creator who charges forward believing in paradise."

■■■

 

 

 

 いつから、二水の中に「それ」があったのかは定かではない。

 二水自身「それ」の存在に気付いたのはごく最近の事だったし、気付いた時には「いつからあったのか」等と無駄な事を考えようとは思わなかったからだ。

 

『ごめんなさい、二水さん……貴女の気持ちは分かるけど、今はコレしか──』

『いえ、良いんです。仕方ない事ですから……』

『でも────』

()()、仕方ないんですよ。百合ヶ丘の為にアルトくんが死んだ事も!なのに私がのうのうと生きている事も!今話したって何にもならない事位、百由様だって分かっている筈です……!』

『二水さんは、それで良いの……?』

『良いも悪いもありませんよ。アルトくんが命を懸けた意味を考えれば、此処で死ねる訳ないですから』

 

 だが────確かにあった。

 約2ヶ月前、二川アルトが遺した数少ない遺品の1つであるアークワンの破片を百由から受け取った後の何処かで、二川二水の冷えきった心には悪意の種が植え付けられていたのだ。

 そして少年が少女に遺した願いが、まだ殻に被われた状態の悪意の種に水をやった。

 

『ふふ、これじゃあ呪いじゃないですか……キッツいなぁ、アルトくんは……』

 

 その日の間、見上げる空はずっと土砂降りの涙で曇っていた。

 大切な人を守るどころか逆に守られて、その挙げ句に年端もいかない少年を死なせて、なのに自分は自死を選ぶ事すら許されない。

 理由は簡単だ。

 自惚れでなければ──二水もアルトが守りたかった「百合ヶ丘の皆」に含まれているのだ。

 だからどれだけ苦しくとも、もしそれ(自殺)を実行してしまえば本当の意味で二水は人でなしになってしまう。

 故人の願いすら守れない最低最悪の人間に、何より少年の想いを裏切るような人間になど成りたくなかった。

 

『えーっと、結梨ちゃん』

『なに?』

『その、ゼロツー某を────』

『ゼロツードライバーだって』

『────ゼロツードライバーをアルトくんの魂入りヒュージにくっつければ、元のアルトくんに戻ると?』

『らしいよ』

『────は』

 

 ──故に、アルトが生き返るかもしれないと聞かされて、そして実際生き返った時少女は心の底から嬉しかったのだ。

 だって、それは奇跡なのだから。

 半ば反則染みた手法ではあったが「1度死んだ人間が生き返る事は絶対に無い」というこの世界に於ける不変の法則が覆され、もう2度と言葉を交わす事が出来ないと思っていた相手と再び話せたのだから。

 それどころか手を繋ぐ事も、一緒に風呂に入る事も、ご飯を食べる事も、それこそ何だって出来るのだから浮かれてしまうのも致し方無かった。

 そうしてはしゃいで、騒いで、有頂天の日々を送った末に──二水は2つ目の絶望に直面する。

 

『ど、どうして────!?』

『誰かを救えるなら僕はまだ戦うよ。その為のゼロワンドライバーだろ?』

 

 赤いアークワンとの決戦からおよそ2週間程経ったある日、事もなさげに二川アルトは絶望を宣告した。

 戦うと、ヒュージとの戦いに再び身を晒すと言ったのだ。

 そのあまりにも「酷い」発言に二水は己の耳を疑ったが──現実は覆らない。

 

『そんな事、誰も望みませんよ────!』

『二水ちゃんの気持ちは分かる。リリィの皆だってそうだ』

『だったら!』

『それでも、()は戦わないといけない。それが「二川アルト」の選んだ道で、()が引き継いだ使命なんだ』

『何を言ってるのか、分かりませんよ……!』

 

 それはアルトからすれば誠実な、自身が転生者という異物である事を露見させる危険性すら許容した告白だ。

 だが二水からすれば──突然何かを悟り出して、折角起きた奇跡を棄てようとしているに過ぎない。

 絶望はそれだけに留まらなかった。

 

『どっちにしろ、他の選択肢なんて無いんだ』

『え?』

『G.E.H.E.N.Aが僕を逃がしてくれる?ヒュージが僕を逃がしてくれるか?百合ヶ丘の屋上で皆が戦っているのを見れば、何か変わる?』

『生きていけますよぉ!アルトくんが、また……っ、助かったのに戦わなくたって……っ!』

『かもね。でも、それだと二水ちゃんは守れない』

『────っ!』

 

 苦しかった。

 少年は心の底から二水を心配しているからこそ、何があっても傷付いて欲しくないからこそ守ろうとしている。

 しかし──それでは駄目なのだ。

 アルトが何としてでも二水を守ろうとするように、二水が如何なる手段を用いてでも守りたいのもアルトだった。

 

『……わか、りました。でも、でも──約束して下さい。絶対に危険な事はしないと。何かあったら私達を頼るって、今此処で約束して下さい!』

『分かった。困ったら、先ず二水ちゃんを頼るよ』

 

 結局、先に折れたのは二水だった。

 弟が頑固なら姉が責任を持って面倒を見る。

 今までも、これからも、ずっと──そんな風に彼女は自分を納得させていた。

 

『はっ……!はぁっ……!あと少し……!』

 

最後の絶望は、ほんの数時間前に訪れた。

 電波が不安定な中、山中で夢結が倒れた事を伝えるべく走って、走って──アルト達が待つ麓の駅舎に駆け込もうとした時、偶々()()()()が耳に飛び込んで来たのだ。

 

『安藤さんはさぁ……成人したら何になりたい?』

『……何の話?』

『リリィのマギって大人になる頃には衰えるんだろ?そしたらいつまでもリリィって訳にはいかないじゃん』

『まぁ……そうね』

『だから、その後はどうしたいのかなって』

 

 後詰めとして残っていた4人が、昼過ぎの緩やかな空気の漂う待合室で「将来」について話し合っている。

 将来──そう、将来だ。

 それは人であろうが無かろうが、ヒュージ以外の生物全てが持ち得る未来の話だ。

 

『二水ちゃんもきっとワールドリリィグラフィックの編集長になる。才能あるしね』

『……アルト、くん』

 

 夢うつつといった様子の一言に、少女は立ち止まってしまった。

 僅か一瞬、ほんの一瞬、穏やかな空気に割り込む事を躊躇ってしまった。

 そしてそれが──運命の分かれ目だった。

 

『──多分、()はずっと仮面ライダー(このまま)だと思う』

『な、何で……?』

『ごめんな、結梨ちゃん』

 

『────!』

 

 声にならない、悲鳴が漏れた。

 そうだ、そうなのだ。

 何れアルトは1人ぼっちになる。

 彼が()()()()()()()()()()()、一柳隊の皆は卒業しても1人だけ取り残されるしかないという事実に彼女は気付いてしまった。

 

『仮面、ライダー……』

 

 待合室のドアノブを握ったまま、少女がその名を呟く。

 仮面ライダーがアルトを苦しめているのか。

 仮面ライダーがアルトを戦わせるのか。

 仮面ライダーがアルト一人の手に収まらない夢(正義の味方)を魅せたのか。

 もし、そうだとするならば──赦さない。

 

『仮面ライダー……!』

 

 二川二水は仮面ライダー(ゼロワン計画)を絶対に赦さない──いや、それだけでは駄目だ。

 少年から仮面ライダーの柵を取り払った所で、ヒュージの脅威は何時だって何処だって付き纏う。

 梨璃を傷付け、アルトを戦いに駆り立てる()()()を消さない限り安息は訪れない。

 ならばどうするのか──決まっている。

 

『────お姉ちゃんが滅ぼします、ね?』

 

()()()()()()()()()()()()()の破片が少女の心に植え付けた悪意の種は、いつの間にか成長して見事な憎悪の花を咲かせていた。

 

 

 

■■■

 

 

 

「アルトくんに、こんなモノはいらない……」

 

 屈んだ少女の細い指が、仰向けに倒れ意識を失った少年からゼロワンドライバーを引き剥がす。

 彼女の胸元では、悪意の蓄積を終えて臨界状態へと至った悪意の破片が赤黒い光を放っていた。

 何を隠そう、この破片から放出された波動が瞬時にアルトの意識を刈り取ったのだ。

 

「……もう大丈夫ですから、後は私に全部任せてゆっくり休んでて下さいね」

 

 ぽつりぽつりと独り言を呟きながら、二水は少年を近くの木に寄りかからせる。

 完全に不意を討った形になるが、決して彼を傷付けようとしている訳ではないのだ。

 寧ろその逆──守らなければならないという使命に少女は満ちていた。

 そして────

 

 

 

 

 

『E D E N』

 

 悪意の破片が一際強く輝いた次の瞬間コルク瓶が砕け、赤黒いヘドロを垂れ流す断面から赤黒い新たなキーが()()()

 

 

エデンゼツメライズキー

 

 

 それが旧約聖書に於ける楽園の名を冠し、同時に其処から放逐された「人間」の情報を内包したキーの名称であった。

 加えて、彼女が拾い上げたゼロワンドライバーにもいつの間にか血管を模したようなパーツが装着されている。

 二水は「仮面ライダー」の資格を手に入れたのだ。

 

「っふ、くふふ……!」

 

『EDEN DRIVER』

 

 伸ばし続けた己の手が、漸く()()()事実に二川二水は歓喜した。

 なにせ彼女が知る中では絶対無敵の比類なき存在(仮面ライダーゼロツー)に唯一太刀打ち出来る「力」(アーク)が、その手に収まったのである。

 これでもう、彼女は何にも負けない。

 

「そう、そうですよね!楽園を造りましょう!誰も脅かされない、誰も戦わない、誰も傷付かない究極の楽園(エデン)を!だから────」

 

 だが、アークが顕現した事の意味を狂ったように謳い続ける少女は知らない。

 大切な人を守る事と鳥籠の中に羽をむしった小鳥を閉じ込める事を取り違えた己にすら、楽園を造る等という突拍子の無い発想に至った異常にすら()()()()()

 アークの意思が聡明な二水の思考を徹底的にねじ曲げているのだ。

 

「私が、皆を守るんです」

 

「悪を憎む」という人の善意が、時として最低最悪の悪意となる。

 戦争が、闘争が、競争がこの理論によって幾度となく繰り返された。

 その現実をアークによって()()()()()()()少女が、満面の笑みを浮かべ──────

 

「変身」

 

 見よう見真似。

 かつて少年がそうしたように、キーをベルトに叩き込む。

 

『Progrise Ark』

 

 二水の全身を血管のようなラインが覆い尽くし、そして────

 

『Imagine Ideal Illusion』

『EDEN the KAMEN RIDER』

 

「────あ、は」

 

『"The creator who charges forward believing in paradise."』

 

 赤く発光する血管が貼り付いた骸骨としか形容出来ない、異形の戦士が甲州の闇夜に顕現した。

 

 

 

■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────」

 

 意識を失ってから、何れ程の時間が経ったのか等分かりはしない。

 1分、10分、1時間、或いは────いや、今それを考えた所で何が変わる訳でもない。

 ゼロワンドライバーは持ち去られ、辺りには役目を果たせぬプログライズキーが散乱している。

 

「────」

 

 付け加えるなら、体調も最悪だ。

 突如背後から放たれた悪意の波動は未だ体内に残留し、少年から活動する気力を奪い続けているのだ。

 何もかもが億劫で、再び眠りに落ちてしまいたかった。

 

「────っ、ぐ」

 

 だが、立つ。

 よろめきながら、ぜいぜいと息を荒げながら小鹿のように震える足で立ち上がる。

 ──まだ、少年の戦いは終わっていない。

 

「────使う事になるなんて、思ってなかったんだけどな」

 

820:ご機嫌よう名無し様 ID:DbkxMxbJg

 ん?

 

821:ご機嫌よう名無し様 ID:i8Zk5HqXy

 え?

 

 

 二水の誤算を1つ挙げるとするならば、それは少年の苦痛に対する辛抱強さを見誤った事だ。

 あの幼い肉体でアークワンの負担を幾度も受け止めた二川アルトが、悪意の波動程度で折れる筈が無い。

 何より「二水を守りたい」という意思が崩れる事など絶対に有り得ない。

 だからこそ、緩慢な動作で立ち上がった少年が特注制服の内ポケットに手を突っ込み────

 

824:ご機嫌よう名無し様 ID:SZr9W69z4

 フォースライザー!?

 

825:ご機嫌よう名無し様 ID:RH2KNd+JK

 ……マジで?

 

 

 

「急場凌ぎの、フォームってヤツ……!」

 

 密かに隠し持っていた「滅亡迅雷フォースライザー」を月光に翳した。




◯二川アルト/仮面ライダーゼロワン
不意討ち喰らって変身解除とか恥ずかしくないのかよ(辛辣)
シャイニングホッパーを使ってる癖に梅様より遅れてるのは、考え方の違い(周囲を一掃して安全を確保しようとしたアルトに対し梅は梨璃を最速で救出して帰還しようとしている)に起因するモノなので特にどちらが優れているとか劣っているとかそういう話ではない。
皆に黙ってフォースライザーを造ってたやべー奴

◯二川二水/仮面ライダーエデン
悪意に思考を狂わされている。
「誰かを守りたい」という善意はひっくり返せば誰かを傷付ける悪意になる、そういう仮面ライダー。
誰が悪いかって言うと思考を悪意に固定するアークの破片が悪い、つまり元々の持ち主である百仮面ライダー合が悪い。
絶望と無力感と焦燥と羨望と仲間を守りたい気持ちをミキサーにかけてぶちまけたような心境なので「今何考えてるの?」って聞いても当人すら答えられない。
しかし誰よりも他者の機敏を感じとる事に長けているので迷惑をかけないようにそう言った考えをひた隠しにしてきたが、今回大爆発した。

※エデンゼツメライズキーは精製経緯が特殊なのでエスの変身みたいにライダモデルは出てこない仕様となっています。

◯梅先輩
梨璃ちゃんの救出に急ぐ強い先輩
後ろで何があったかにはまだ気付いていない。
訓練はサボりがちだけどそもそもコミュ力が高いのでアルトのような戦闘ド素人にもコツを教えるのが上手い。

◯梨璃ちゃん
責任を感じたりすると一人で抱え込みがちなのはやっぱり夢結様のシルトだと思うよ…。





次回


ライジングユートピア

正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)

  • 二水
  • 結梨&梨璃&夢結
  • ぐろっぴ&百由様
  • 一葉
  • 恋花&瑶
  • 千香瑠&藍
  • 灯莉
  • ひめひめ&灯莉&紅巴
  • 叶星&高嶺
  • その他一柳隊メンバーなど
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