【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】   作:イナバの書き置き

22 / 68
花粉症にやられていました。


第4話「ライジングユートピア」

「……っ、ぐ」

 

 歩く。

 ただひたすらに真っ直ぐ、朧気な月の光だけを頼りに夜の山を歩き続ける。

 

「待ってろ梨璃ちゃん、梅先輩、二水ちゃん……!」

 

 少年──二川アルトは満身創痍の体を引き摺って、先行したリリィ達を追いかけようとしていた。

 肉体も精神も不意討ちで放たれた悪意の波動によって弛緩を余儀なくされていたが、最早その程度では止まらない。

「仲間を守る」という究極の使命を帯びた魂が肉体を無理矢理動かし、少年が歩く事を可能にしているのだ。

 

798:ご機嫌よう名無し様 ID:FSWKDMfXw

 つってもこの速度じゃなぁ

 

799:ご機嫌よう名無し様 ID:W5g8PW7Ux

 もっと疾く走れー!

 

 

「うる、せぇ……!」

 

 だが────そこまでだ。

 この鉛みたいに重い体を引き摺り歩けはしても、走るまでは至らない。

 先にも述べた通りアルトは満身創痍であり、1歩踏み出すだけでもフルマラソンを走り終えたような疲労に襲われる。

 その原因は何か。

 

「これが『力の前借り』ってヤツか……?」

 

 仮面ライダーだ。

 仮面ライダーがアルトの肉体に異常とも言える程の負担を蓄積させたのだ。

 と言うのもシャイニングホッパーの額に設置された演算装置「シャイニングアリスマテック」は敵の行動をラーニングし0.01秒間に25000通りの対処パターンを導き出す機能を備えており、これによって状況に対し効率的かつ最適な解決策を得られるが──この25000通りは、所謂「火事場の馬鹿力」を始めとして変身者がそのポテンシャルを全て発揮する事を前提とした予測なのだ。

 

「ぐ、ぅ……!」

 

800:ご機嫌よう名無し様 ID:ZL0g0KsHU

 辛そうだな……

 

801:ご機嫌よう名無し様 ID:3SClfnkDv

 イッチのショタボディじゃそうなるよ……

 

 

 その結果として生まれたのが「力の前借り」である。

 シャイニングホッパーのパワードスーツには変身者の潜在能力を限界以上に引き出す機能が装備された代償として、疲労などの強烈な負担に襲われる可能性を秘めているのだ。

 流石に初めから変身者を使い潰す事を想定しているアークワン程苛烈ではないが、その「負担」は軽くない。

()()飛電或人ですら初変身後は酷い筋肉痛に苛まれたのだから、誰が使ったとてタダでは済まないだろう。

 

「ごめんなアルトくん……今君の体滅茶酷使してる……」

 

802:ご機嫌よう名無し様 ID:NY7cH7muV

 今更じゃね?

 

803:ご機嫌よう名無し様 ID:FJ4CSSU0m

 そもそも人間時代の肉体は蒸発してるじゃん……

 

804:ご機嫌よう名無し様 ID:1gHSVhd07

 あの時はそれしかなかったとは言え……ねぇ?

 

 

「そう言えばそうじゃん。俺、とびきりの屑野郎だったわ……」

 

 況してこの世界での変身者は中学生ですらない「二川アルト」なのだ。

 幾ら2年前まで健全なサッカー少年だったとしても、幼い肉体が強烈な負荷に晒されて無事でいられる筈がない。

 現在彼の体はヒュージ細胞を起源としているが、それを考慮した上でも殆ど誤差の範囲だろう。

 

「て言うか……アレだな。普段すぐ回収に来てくれる楓さんは神だわ」

 

805:ご機嫌よう名無し様 ID:IpZrcFw2J

 ・J・の偉大さを思い知ったかこの無鉄砲偽ショタ野郎

 

806:ご機嫌よう名無し様 ID:q9aBvhLbS

 ジョアンを崇め奉れ

 

 

 近くの樹木に手を突き、ぜいぜいと息を荒げながらアルトは頼れる仲間の存在を思い出す。

 そう、今思い返せば彼がシャイニングホッパーを使うのはカバーに入れる者──特に楓がいる時だけであった。

 普段の言動こそ()()だが、いざ戦場に出てみれば楓ほど頼りになる人間はいないだろう。

 射撃、格闘、補助と言ったおよそ戦闘に求められる全てを何でもないかのようにこなす彼女は、万能と評するのが正確だ。

 

(ちょっと、無茶し過ぎたか……)

 

 だが、そんな彼女を含め梅以外の一柳隊は置いてきてしまった。

 共に飛び出した梅にしても大分先行しており、仲間思いな彼女が梨璃を戻って来ていないという事はつまり()()()()()なのだ。

 少女達の戦いは未だ終わっておらず、少年の戦いも続いている。

 

「今ヒュージが来たら……死ぬよな」

 

807:ご機嫌よう名無し様 ID:x5nlXzJK4

 間違いなく死ぬな

 

808:ご機嫌よう名無し様 ID:OI6wQiV7z

 孤立無援だぜ

 

809:ご機嫌よう名無し様 ID:tultuls47

 変身してもどっかでくたばるよなぁ

 

 

 そう、死ぬ。

 幾ら梅が強力なリリィだったとしても梨璃の救出を優先している以上討ち漏らしが存在するだろうし、もし生き残ったヒュージに襲撃されれば生身のアルトに抗うだけの力は残されていない。

 フォースライザーを用いて「変身」すればその場を切り抜けられるだろうが、その先はどうにもならないのだ。

 本来人間が使うモノでは無いとされるそれを使えばその強烈な負担に曝され、少年は二水に追い付く前に力尽きる。

 だがこのまま歩き続けたとしても、どうにかなる話ではない。

 

「ヤバい……ヤバいぞこのままだと……!」

 

 もし。

 もし暴走した二川が既にヒュージと接敵していたら、一貫の終わりだ。

 背後から一撃で意識を刈り取られたアルトは二水が()になったのか知る由もないが、どのような形にしてもアークの影響下にあるのなら絶大な力が与えられている筈だ。

 理性の箍が外れた彼女は、その力を存分に振るって特型諸共ヒュージの群れを殲滅するだろう。

 それは良い。

 特型の撃破が今回の任務なのだからそこまでは何も問題が無い。

 だが────その後はどうなる?

 

「今止めないと、()()()()()……!」

 

810:ご機嫌よう名無し様 ID:XJTaJ3IqZ

 だろうなぁ

 

811:ご機嫌よう名無し様 ID:ecemYL2w2

 アークに手を出しちゃった以上一柳隊に戻ってくるとは思えん

 

 

 逃げると言うのは少々語弊がある。

 二川二水は逃げるのではなく、戦いに行ってしまうのだ。

 ヒュージに対する憎悪を募らせた彼女が今更ガーデンに縛られよう等と考える筈もなく、特型の殲滅が終わった後は立ち塞がる敵を力任せに粉砕しネストの破壊に心血を注ぐだけの殺戮機械になる事は容易に想像出来た。

 だから、「今」止めねばならないのはアルトも重々承知している。

 かつてアークワンに変身していたのだからその恐ろしさは誰より理解しているし、二水に自分の後を追わせるつもりもなかった。

 

「────!」

 

 それでも体が動かない。

 逸る気持ちに疲弊した手足が追従してくれない。

 動けと念じる程に動作の1つ1つが鈍重になる。

 しかし、それは足を進めない理由にはならないのだ。

 此処で止まる事だけは、あってはならない。

 

「まだ……まだ歩けるぞ……!気張れよ俺……!」

 

812:ご機嫌よう名無し様 ID:GkEO2kJFo

 おい本当に大丈夫かよ

 

813:ご機嫌よう名無し様 ID:3IAI0QltZ

 止まるんじゃねぇぞ……

 

814:ご機嫌よう名無し様 ID:XL12GAr4d

 戻るだけの体力も無いし進んでも追い付けないし変身しても駄目

 控え目に言って詰んでない?

 

 

 今アルトを突き動かしているのは、不甲斐ない自身に対する怒りでだった。

 己の無鉄砲な行いが他の誰より大切な人を心配させ、心を砕かせ、その果てに道を踏み外させたと言うのに、自分は「コレ」なのか。

 仮面ライダー以前に、人として最低だ。

 こんな──こんな何も無い夜の山中で何も為せずに力尽きるなど、焦りから置いてきてしまった一柳隊の皆に顔向け出来ない。

 

「っ、はぁっ……!はぁっ────ぁ?」

 

 そして苦痛と後悔の果てに存在する悲惨な「結末」を幻視し始めた少年の前に──新たな絶望が立ち塞がった。

 

 

 

 

 

「■■■■■?」

「は、はは……いやマジで言ってんのそれ……?」

 

 いつから其処にいたのか、ラッパのような胴体に粗末な手足をくっ付けた出来の悪いオブジェ(怪物)が此方をじっと見詰めている。

 それは、梅か梨璃が討ち漏らしたと考えられるスモール級ヒュージだ。

 サイズとしては人より少し小さく、人間が携行可能な火器でも「ギリギリ」対処出来るとされるその個体と少年は5m程の距離から睨み合う羽目になっているのだ。

 

「────」

 

815:ご機嫌よう名無し様 ID:AQdlYRtRI

 逃げろ!

 

816:ご機嫌よう名無し様 ID:mWkHzriVh

 此処で変身したらダメだ

 

817:ご機嫌よう名無し様 ID:CzlzHGnDc

 いや、今からだと……!

 

 

 逃げるべきだ、と掲示板が騒ぎ立てる。

 彼らの言う通り、決して浅くない傷を刻まれ至る所から青い体液を垂れ流す満身創痍のスモール級から逃げる事はそう難しくない──()()()()

 

(──無理、だな)

 

 そう、満身創痍なのはアルトも同じだ。

 直接的な怪我は無くとも、全身を倦怠感に苛まれ歩くのがやっとの少年が生身で窮地を切り抜ける術など存在しない。

 残された可能性は右手で握り締めたフォースライザーのみだが、もし変身すればそれは二水の救出を放棄する事と同意義だ。

 

(どうする……!?)

 

 変身しなければ死、変身しても失神は免れず使命に背く事になる。

 スモール級がそのラッパのような()をゆっくりと開くその最中、極限の選択に少年は迷った。

 

「■■■■■」

 

 今にも飛びかからんとばかりに、ヒュージが姿勢を低くする。

 この初撃を外すという限り無く低い可能性に賭けて、変身しないのか。

 

818:ご機嫌よう名無し様 ID:SREQD6/QC

 兎に角走れ!

 

819:ご機嫌よう名無し様 ID:HmaduOddK

 >>818

 走れねぇよ今のイッチじゃ!

 変身しろ!

 

820:ご機嫌よう名無し様 ID:9rrs4/egi

 駄目だ完全に詰んでる……

 

 

 不可能だと知りつつ、二水の下に辿り着くまで意識を保っていられると信じて変身するのか。

 迷って、迷って、迷った末に────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「伏せろアルト!」

 

「!」

 

 突如背後から届いた安藤鶴紗の鋭い叫びが、行動を強制させた。

 今のアルトは緩慢な動作しか出来ないが、それでも「転ぶ」事は出来るのだ。

 

「はぁぁっ!」

「■■■■■!?」

 

 そうしてつんのめるように地面に倒れこんだ少年の頭上を空気を裂いて黒銀のCHARM(ティルフィング)が飛翔し、スモール級の顔面に突き刺さった。

 ヒュージと少年の間に割って入るのでは間に合わないと判断した鶴紗は、リリィとしての身体能力を遺憾無く発揮してチャームを投擲したのである。

 そして──

 

「このぉっ!」

「■■■■■■■!」

 

 下段から上段への逆一刀両断。

 土に塗れた少年を飛び越した金髪の少女がCHARMの柄を逆手で掴み、力任せに斬り上げる。

 抵抗すら許されずに胴を真っ二つに裂かれたヒュージが、体液を撒き散らしながら弾け飛ぶ。

 

「よし、終わり……っと」

 

821:ご機嫌よう名無し様 ID:nkLMBW+OS

 すんげぇ……

 

822:ご機嫌よう名無し様 ID:j8kOppEyD

 安藤さん目茶苦茶強いじゃん……

 

 

 少年が、掲示板が、青黒い血液の華を地面に咲かせた金髪少女以外誰もが呆然としていた。

 何と戦闘開始から僅か8秒、アルトに決死の覚悟をさせたスモール級ヒュージは呆気なく駆逐されたのだ。

 

 

 

■■■

{ 第  話 }

 

ラ イ ジ ン グ ユ ー ト ピ ア

RISING UTOPIA

 

想いはテクノロジーを超える

──×──

"A jump to the sky turns to a rider kick. Break Down."

■■■

 

 

「……で」

「はい」

 

 楓・J・ヌーベルの碧眼と、二川アルトの黒い瞳が真っ向からぶつかり合う。

 2人は問う者と問われる者であった。

 その姿勢、真剣そのもの。

 その挙動、重々しくも誠実。

 だが──────

 

「何か申し開きはありまして?」

「はい、ありません」

「アルト、そんな自信満々に言うような事じゃないと思うよ……」

 

 少年はあまりにも真っ直ぐだった。

 もう馬鹿なのではないかと思われる程に潔かった。

 説教中だと言うのに、漫画か何かのように瞳を輝かせてすらいた。

 何故か、と言われたら極めて簡単である。

 

 嬉しいのだ。

 

 正直に白状してしまえば、アルトは己が無鉄砲である事をそれなりに自覚していた。

 アークワンへの変身然り、ヒュージへの特攻然り、今回の突撃にしたってあまりにも後先考えない行動である事には気付いていたのだ。

 そんな風に親しい者の窮地にはすぐカッとなってしまうきらいがあったが、掲示板以外で明確に咎められたのは初めてだった。

 雨嘉や楓からすれば堪ったものではないだろうが、少年としても嬉しくて堪らないのだ。

 

「以前から何かあれば先ず相談と言っているでしょう!なのになーんでこのちんちくりんはそれを守れないんですの!?」

「けど、梅先輩には────」

「一柳隊全体に問題を共有すべきと言ってるんですよ、アルトくん」

「……はい」

「梨璃さんを想う気持ちは分かりますし、夢結様の窮状に居ても立ってもいられなかった事も理解はします。けれど、それは私達も同じなんですよ?」

 

 いよいよ眉を吊り上げ始めた楓に代わって、神琳が少年への説教を引き継ぐ。

 彼女も物腰こそ柔らかいが端々から隠しきれない怒りと思い遣りが滲み出しており、アルトは背筋を正さずにはいられなかった。

 それだけ心配されているのだ。

 

「正直梅様まで先走るとは思わなかったけど……私達、仲間じゃなかったのか?」

「それは、まぁ、そうなんだけど……」

「じゃあ何で言ってくれなかった」

「それは……」

「口答えは聞きとうないぞ」

 

 ティルフィングを担いだまま此方を見下ろす鶴紗と、ニョルニールに背を預けたミリアムも固い口調で問い詰める。

 言い訳も、開き直りも今は許されない。

 

「──僕のせいだと思った」

「うん」

「シャイニングホッパーの力を使いこなせていれば、梨璃ちゃんは傷付かずに済んだ」

「そう」

「夢結様が負のマギを肩代わりなんてしなくても済んだし、態々甲州に外征する必要も無かった」

「かもしれない」

「当然梨璃ちゃんが1人で飛び出す事も無かっただろうし、梅先輩がそれを追う事も無かった。況してや二水ちゃんがアークに精神を汚染される事も無かったんだ」

「まぁ、その可能性も有り得るな」

 

 それは懺悔だ。

 力不足な己を恥じ、恨み、呪い、それでも仲間を救わんと奔走した挙げ句に自分自身を追い詰めた少年の罪の告白であった。

 で、あるが故に────幾分か顔色の良くなった夢結がくすりと微笑む。

 

「なら、それは一柳隊全体の責任ね」

「は……?」

 

 少女達は、その罪を分かち合ったのだ。

 1人背負ったならば潰れてしまいそうな重さでも皆で支えれば歩く事が出来る。

 そう、今此処に白井夢結が立っているのは彼女に蓄積された負のマギを「マギ交感」で全員に分配したからだ。

 そして其処に小さな罪が1つ増えたからと言って、一柳隊が崩れる事など有り得ない。

 繋いだ絆は、それだけ強固なのだ。

 

前衛(AZ)は貴方だけじゃない。私と鶴紗さんがいて、それを中衛(TZ)後衛(BZ)が支援するのが一柳隊のやり方でしょう?」

「────」

「あまり、他人の事を言えたモノではないけれど……1人で抱え込むのは止めなさい。分かったわね?」

「────」

「それに説教はもう終わりだから……そろそろ立ちなさい。折角の制服が汚れてしまうわ」

 

 呆然とする少年に手が差し伸べられる。

 それも1つではなく──この場に集った皆が、孤独の道を進みかけた少年と手を繋ごうとしているのだ。

 

「あっ、ぁ────!」

 

 信じられない、とアルトは心の中で呟いた。

 こんな、こんな幸せな事があって良いのだろうか。

 この世界に訳も分からないまま放り出されて、色々な人に散々迷惑をかけて、命まで救われて。

 それなのにまだ頼って良いのか。

 心まで救ってもらえるのか。

 

「捕まえた!」

「結梨、ちゃん……」

 

 そうして恐る恐る伸ばした手を──一柳結梨が掴んで引き寄せる。

 孤独に震える少年と、しっかり指を絡める。

 

「大丈夫だよ。ちょっと前にも言ったけど、アルトは1人じゃない。わたし達がいる。相手がヒュージでも、誰かの心でも、皆で一緒に戦うよ」

 

「だからアルトの心も────」

 

 

 

 

 

 

 

 

「『変身』、しよ?」

 

 

 

■■■

 

 

 

 そして、今。

 

「■■■■■■?」

「夢結様!皆……来てくれたんですね!」

「夢結、大丈夫なのか……!?」

「アルト、くん……!?何でまた……!」

 

 夜明け前の薄明を背負って、運命の少年少女が横一列に並んで戦場に現れた。

 それはレギオンとしての戦術を無視した──全員が等しい使命を見付け出した証だ。

 故に誰が先走る事も、遅れる事も無い。

 

「それじゃあ、後は手筈通りに」

「ええ、()()()は任せるわ」

 

 夢結と交わす言葉も最小限だが、何ら不足は無い。

 そしてエデンも、リリィも、ヒュージでさえ戦いの手を止めて状況を見守る中──少年が懐から取り出したベルトを腰に当てる。

 

『フォースライザー』

 

「ぐっ、ぎぃ……!」

「ま、待って……!」

 

 装着した瞬間に展開されたリストレントバンド(結合バンド)が少年の細い腰を締め付け、その内側に敷き詰められた集合ケーブルが肉を突き破って食い込むが──そんなモノでは止まらない。

 無機質な仮面越しでも分かる程ハッキリと動揺した二水を見据え、右手に握ったプログライズキーを起動する。

 

『JUMP!』

 

 跳ぶ。

 夢に向かって、少年が跳ぶ。

 その為に作られたライジングホッパープログライズキーをフォースライザーに装填し──トリガーを引き絞る。

 

「変身!」

 

『フォースライズ』

『RISING HOPPER!』

 

 エクスパンドジャッキを用いて強制的に展開されたプログライズキーから、黒い飛蝗が──限界までブーストされ、オーバーロードに至ったライダモデルが出現し、()()()

 仮面ライダーゼロワンのように変換されるのではなく、ライダモデルが直接装甲に変形したのだ。

 それと同時にベルトから溢れ出した小型の飛蝗群がアルトの全身に取り付き────()()

 

『"A jump to the sky turns to a rider kick──"』

 

「二水ちゃん、君を止めるのは────」

 

 形成されたベースアーマーから伸びたケーブルが頭上旋回する装甲を捕らえるや否や、半ば縛り付けるようにして少年の体に接合されたのだ。

 最早其処に立っているのは軟弱な少年でも、思い詰めた末に先走った転生者でもない。

 それは文字通り規格外の変身にして、道理を無理で押し通した()()()()

 

『"Break down"』

 

「俺達だ!」

 

 

 

 

 

 その名は、仮面ライダー001(ゼロゼロワン)

 継ぎ接ぎの有り合わせになってもなお未来へ進む、戦士の象徴である。




◯仮面ライダー001/二川アルト
格好いいか格好悪いかで言えば間違いなく格好悪いけど、そういう格好悪さが美徳にもなるかもしれない凡人。
凡人が突然強大な力を手にしたが故に「自分がやらないといけない」という考えに固執する傾向があった。
でも一柳隊の皆に諭されて少しはマシになった…のかもしれない。
少なくとも001に変身したのは全員が納得する作戦を立てたからである。

◯楓・J・ヌーベル
あまりにも人格が出来すぎているやべーやつ。
梨璃以外が相手ならマトモだし説教もする。

◯王雨嘉
(一柳隊無鉄砲な人ばっかりだな…しっかりしないと…)と内心考えている。
常識的に良い人。

◯郭神琳
実は一柳隊で起こらせると一番ヤバいらしい人。
物腰は柔らかいけど内心滅茶苦茶怒ってる。
でも皆も怒ってるから自制している。

◯安藤鶴紗
ちょっと距離感が縮まった人。
クールを装ってるけど内心本気で心配してた。

◯ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス
真っ当に心配してる人
実は……?

◯白井夢結
皆とマギ交感したので復調した人
アルトとか梨璃とか見て少し自省している。
少し。

◯一柳結梨
救いの手を差し伸べる人。
救われたのだから救うし、仲間なのだから救う。
まだ生まれて1年も経っていないのにあまりにも良い人。

正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)

  • 二水
  • 結梨&梨璃&夢結
  • ぐろっぴ&百由様
  • 一葉
  • 恋花&瑶
  • 千香瑠&藍
  • 灯莉
  • ひめひめ&灯莉&紅巴
  • 叶星&高嶺
  • その他一柳隊メンバーなど
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。