【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】   作:イナバの書き置き

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これにて守護天使の誓い編完結となります。

沢山の評価、感想ありがとうございました。


最終話「帰還」/「>>2」

150:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 寝て起きたら戦闘終わってたんだが?

 

151:ご機嫌よう名無し様 ID:4tUZePdlp

 草

 

152:ご機嫌よう名無し様 ID:D5XNSZhz3

 何やってんだお前……

 

153:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 いやマジで

 社長の背中で気絶したと思ったらもう帰りの電車に乗ってたんすわ

 〔車窓の外を流れる田園風景の動画〕

 

154:ご機嫌よう名無し様 ID:/SKQLXAtF

 コイツ肝心な所で役に立たねぇな

 

155:ご機嫌よう名無し様 ID:AHF0xzuZ2

 福井警視や橘さんのガッツを見習え

 

156:ご機嫌よう名無し様 ID:9fRZ7tkN4

 >>155

 照井です(半ギレ)

 

157:ご機嫌よう名無し様 ID:+h7Xh0wes

 >>156

 あんたは先ず裏風都どうにかしてもろて……

 

158:ご機嫌よう名無し様 ID:uXkaAx7Xe

 >>155

 申し訳ないが橘さんを見習ったら肝心な時以外全く役に立たなくなってしまうのでNG

 

159:ご機嫌よう名無し様 ID:NX9bzv6bg

 そもそも橘さんは途中までボドボドだったろ!?

 

160:ご機嫌よう名無し様 ID:881/S96PF

 序盤はゼブラアンデッドとかにボコボコにされてたもんな

 

161:ご機嫌よう名無し様 ID:OOXqnIAe5

 本来なら今のような無様な戦い方はしない!(大嘘)

 

162:ご機嫌よう名無し様 ID:p8oZWRwhW

 あれは橘の恐怖心が引き起こしたライダーシステムの弊害だ

 だが私は謝らない

 その恐怖心を克服して、必ず戦いに戻ってきてくれると信じているからな

 

163:ご機嫌よう名無し様 ID:HToohU0Tp

 所長まで湧いてくるのか

 

164:ご機嫌よう名無し様 ID:pT0SRJjsx

 それで結局特型はどうなったん?

 

165:ご機嫌よう名無し様 ID:NYzhmegp9

 それよそれ

 逃がしたりしてたら目も当てられん

 

166:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 >>164

 シャイニングアサルトホッパーに変身した二水ちゃんと梨璃ちゃんが2人がかりで瞬殺したらしいぞ

 予め皆が弱らせてたとは言え1分持たなかったってさ

 

167:ご機嫌よう名無し様 ID:NmK2GJqmv

 草草の草

 

168:ご機嫌よう名無し様 ID:kHjwk9NNL

 弱すぎィ!

 いや、二水ちゃん達が強すぎたのか

 

169:ご機嫌よう名無し様 ID:/B3QaeKPO

 まぁシャイニングアサルトならイッチが使うより絶対強いし……

 

170:ご機嫌よう名無し様 ID:r3tFsTlA3

 まぁねぇ……イッチは戦闘スタイル的にアークワン使ってた時のゴリ押しが最適解っぽいし

 

171:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 そうなの?

 実際どんなもんなのか分からん

 

172:ご機嫌よう名無し様 ID:aKH624pqP

 或人社長並に戦闘センスが無い場合は、戦術への理解が凄くて鷹の目が使える二水ちゃんじゃないとシャインシステムは使えんよ

 

173:ご機嫌よう名無し様 ID:IEfxLrXsg

 他に一柳隊で使えそうなのは実質司令塔のしぇんりんさん位だしな

 

174:ワケダ(ではない) ID:WKD2017+

 >>171

 要はサポート付きだけどファンネル操作しながら戦えるか?って話なワケダ

 

175:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 いや無理ッス

 突撃とか防御とかそう言うざっくりした指令しか出せなさそう

 

176:ご機嫌よう名無し様 ID:ldprL/KX9

 ワイも無理やな

 マルチタスク苦手やねん

 

177:ご機嫌よう名無し様 ID:9ku08hlWv

 こう言う時転生特典がニュータイプなら楽なんだけどな……

 

178:ご機嫌よう名無し様 ID:Cr7wSKEBW

 ニュータイプとか何も良い事無いゾ

 人類の革新とか地球の事情とかどうでもええのにロリコン大佐の部下なせいで逃げられんからな

 お前がホントは天パと戦いたいだけなのワイは知ってんのやぞ……!

 

179:ご機嫌よう名無し様 ID:CGP7NAVIf

 宇宙世紀とかいつ何処にいても辛そう

 

180:ご機嫌よう名無し様 ID:WwseFART0

 ネオジオン兄貴は強く生きて……

 

181:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 ……ワイ全身ヒュージ細胞由来の強化人間みたいなモンやし何かそう言う適性ないかな

 

182:ご機嫌よう名無し様 ID:i8NKNDTci

 ねぇよボケ

 

183:ご機嫌よう名無し様 ID:OIbR0vk1J

 あってたまるか

 

184:ご機嫌よう名無し様 ID:DFdgeerot

 あってもイッチのポンコツ具合じゃ使いこなせる気がしない

 

185:ご機嫌よう名無し様 ID:/uMeiNkhs

 マジで耐久性以外一般人のポンコツ偽造ショタだからな……まぁその耐久性が異常過ぎるのが問題だが

 

186:ご機嫌よう名無し様 ID:qN//VLO5T

 2、3時間前まで腰から血をドバドバ垂れ流してたのにもうピンピンしてるの普通に考えてヤバいでしょ

 

187:ご機嫌よう名無し様 ID:16MASmdva

 そういやフォースライザー食い込んでましたね……大丈夫?

 

188:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 まぁ平気っちゃ平気

 結構痛いけど死ぬ程って訳じゃないし誰か(多分二水ちゃん)が止血してくれたから出血多量で死ぬなんて事もない

 平和だ。

 

189:ご機嫌よう名無し様 ID:q31Bh0iqf

 平和かー?

 

190:ご機嫌よう名無し様 ID:8HTbjZT/r

 それなりに重傷なのに電車で帰宅してるのも気になりますね

 こう言うのって普通救急車とか呼んで病院に搬送してもらう筈では?

 

191:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 あぁ、そこはほら……今のワイは全身ヒュージ由来やろ?

 だから一般の病院には連れてけないし、何が起こるか分からんから万が一に備えてガーデンで診てもらうしかないんや

 

192:ご機嫌よう名無し様 ID:C+haKf5Of

 リリィ同伴じゃないと百合ヶ丘の敷地から出る事すら出来ない辺りイッチも中々不便な生活してるよな

 

193:ご機嫌よう名無し様 ID:Ps4ZjUI93

 まぁそこはしゃーない

 ホントはギガント級に特攻した時点で死んでた訳だし生きてるだけでも充分有難いわ

 

194:ご機嫌よう名無し様 ID:5zKzRqaYa

 生きているからラッキーじゃん!

 

195:ワケダ(ではない) ID:WKD2017+

 >>194

 葉っぱ1枚は流石に御免蒙るワケダ

 

196:ご機嫌よう名無し様 ID:ubUwxiPeA

 年齢バレるぞ

 

197:ご機嫌よう名無し様 ID:DV5mm3vbR

 古すぎて最近の子はもう分かんないだろそれ

 

198:ワケダ(ではない) ID:WKD2017+

 うっせぇ!

 こちとら錬金術師様だぞ!

 年齢の事とかもう言われ慣れてんだよ!

 

199:ご機嫌よう名無し様 ID:USVlQgWoG

 転生前の素が出てるぞおばさ……いやおっさん?

 

200:ご機嫌よう名無し様 ID:PGGPFFcSG

(そう言えばどっちなんだろ……)

 

201:ご機嫌よう名無し様 ID:UCbALKPvG

 どっちだろうな……

 

202:ご機嫌よう名無し様 ID:5uJr8l7DC

 どっちにしても蛙のぬいぐるみ抱えた低身長眼鏡美少女(中身は野郎)とか属性が変な方向に盛られてるからどうにかしてもろて……

 

203:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 ……え、何?

 そう言う感じの人だったんですか……?

 

204:ワケダ(ではない) ID:WKD2017+

 イッチ!?

 

205:ご機嫌よう名無し様 ID:oDXaQcD62

 んん?

 

206:ご機嫌よう名無し様 ID:IOplGwEV5

 そうかイッチはシンフォギア知らないのか

 

207:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 ……女装癖のあるオッサンとかちょっと流石に目も当てられませんよ?

 

208:ご機嫌よう名無し様 ID:KvM9rNrMt

 シンプルに草

 

209:ご機嫌よう名無し様 ID:pb/87QYLa

 よりにもよって最悪な方向に誤解してて草

 

210:ご機嫌よう名無し様 ID:4QGvsnPBa

 普段はあんなにふざけ倒してるイッチが敬語になるとか相当だぞコレ

 

211:ご機嫌よう名無し様 ID:c5V0+MEAd

 普段ドン引きされる側のイッチがドン引きする側に回るとか珍しいですね……

 

212:ワケダ(ではない) ID:WKD2017+

 違う!!!

 そうじゃない!!!!!

 そうだけどそうじゃない!!!!!

 

213:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 じゃあどういう事なんだよ!?

 

214:ワケダ(ではない) ID:WKD2017+

 TSしたんだよ!

 分かるか!?TS!

 転生特典で!精神が!女に!なっちゃったワケなんだよ!!!

 それを理解しろこのおたんちん!!!

 

215:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 ……あ、はい。ソウデスネー

 

216:ご機嫌よう名無し様 ID:9dFYWZfi9

 え、でもシンフォギアのワケダさんって完全な肉体を得る為に女になったんであって元は……

 

217:ワケダ(ではない) ID:WKD2017+

 シャラップ!

 

218:ご機嫌よう名無し様 ID:TEnN4WsHZ

 >>215

 絶対理解してないだろこれ

 

219:ご機嫌よう名無し様 ID:oCMyEq9B+

 草しか生えない

 

220:ご機嫌よう名無し様 ID:cts9Gd94Y

 あーもう(話の流れが)滅茶苦茶だよ

 

221:ご機嫌よう名無し様 ID:TGixmKdfa

 まぁ毎回こんなだし二水ちゃんも戻ってきたし、これはこれで良いんじゃないですかね……

 

222:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 ウワーッ二水ちゃんヤメロォ(建前)ナイスゥ(本音)!?

〔少々の怒りを表情に滲ませた二水が少年の頭を掴んでこめかみをぐりぐりしている画像〕

 

223:ご機嫌よう名無し様 ID:7vUKjAiKB

 だーかーらー!

 何イチャイチャしてんだテメェ!

 

224:ご機嫌よう名無し様 ID:9+DMhJV4p

 >>222許さねぇ!倒すしかない!

 

 

 

312:ご機嫌よう名無し様 ID:vTfGMZYFU

 そう言えばエデンのユニットとキーはどうしたん?

 

313:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02

 或人社長が回収したらしい

 飛電製作所で厳重に保管するって

 

314:ご機嫌よう名無し様 ID:oLKbodbc4

 ほーん

 なら安心か

 

 

 

 

■■■

{ 最  話 }

 

帰 還

Return to base

 

 

振り向けばいつも

──×──

"A long way to home"

■■■

 

 

 

 眩しい。

 突き抜けるように澄んだ青空が、びっくりする位に燦々とした陽射しが、どうしようもなく目に沁みる。

 たった1日山の中にいただけなのに変だなぁ、と後ろ髪を三つ編みに結った少女──二川二水は心の中で呟いた。

 

「────」

 

 彼女は今、何をするでもなくガタゴトと揺れる古びた電車に身を任せていた。

 そう、「何か」が違うのだ。

 昨日までとは、これまでとは何かしらが決定的に違う。

 そんな風にして些細な興奮と少々のバツの悪さ、胸が高鳴るような感覚、そして隠しきれない程の安堵が一緒くたに押し寄せた結果──二水は寝る機会を失っていた。

 

「────」

 

 周囲を見れば一柳隊の面々は皆座席に背を預け、各々思い思いの寝顔を晒している。

 顔を俯けながらもどこか姿勢は正しい夢結と楓と神琳、そんな神琳の肩に頭を預け穏やかな寝息を立てる雨嘉、CHARMを収納したケースを抱えるミリアムと鶴紗がいたかと思えば完全に力が抜けきりふにゃふにゃした梅と結梨の姿もある。

 アルトだって二水の二の腕に頭を押し付けて脱力しており、今この場で意識を保っているのは()()()()だった。

 そう──────

 

「……二水ちゃんは寝ないの?」

「ええ。今は何て言うか、その……そう言う気分じゃなくて」

「そっか」

 

 丁度二水の反対側に腰掛けた桃髪の少女──一柳梨璃が、二水の返答にくすりと微笑む。

 

「梨璃さんこそ、良いんですか?」

「何が?」

「負のマギが除去されて根元も絶たれたからと言って、疲労まで消えた訳じゃない筈です。疲れてるなら──」

「ううん、今はいいの」

 

 今はいいって、何がいいんでしょう。

 疑問を感じつつも二水は口に出さなかった。

 おしゃべりでつい余計な事を口走りがちだが、それ以上に他人を気遣える優しい心を彼女は持っているのだ。

 だが、それは今最も重要な話題ではない。

 2人とも寝るつもりが無い以上、体の状態など謂わば前座────話を本題に移す為の枕詞に過ぎない。

 

「あんまり2人で話す事って無かったね……」

「そうですね……ひょっとしたら一柳隊を結成してから初めてかもしれませんよ?」

「そっか、そっか……」

 

 何とも奇妙な縁だ。

 確かに二水は梨璃と百合ヶ丘に編入した初日から面識があって、何やかんやあった末に一柳隊に誘われて、共に戦う仲間として戦場を駆け抜けてきた。

 今日だって、あの特型ヒュージを倒すために息の合った連携を見せたばかりである。

 だが思い返してみれば、誰も間に挟まず2人だけで落ち着いて話すのは今回が初めてではないだろうか。

 大抵はどちらか──主に二水がリリィ新聞のネタではしゃいでいるか共通の話題で盛り上がるかで落ち着く事は少ないし、話すにしたって教室だとかテラスだとか部隊の控室だとか誰かが同席している場合が殆どだ。

 であるが故に、会話は長く続かない。

 不思議とギクシャクしてしまう。

 

「────えっと、そのぅ」

「────ふふっ」

 

 それなりの期間一緒にやってきた筈なのに面と向かって話すのが初めてで、その挙句に言葉のキャッチボールすら満足に出来ないとは────普段はよく回る癖に肝心な時は何故だか役に立たない己の舌を二水は恥じた。

 一方の梨璃は、そんな二水の様子を妨げる事なくニコニコと笑っている。

 全く以て不思議だ。

 人がしどろもどろになっている所を見て何が面白いのか。

 そんな非難混じりの視線を二水が向ければ、梨璃は至極簡潔な返答で以て打ち返してきた。

 

「やっぱり二水ちゃんだなぁ、って思ったんだ」

「こうって────」

「だって、最近無理してたでしょ?」

「────!」

 

 見抜いていた。

 あまりにもあっさりと、当然のように梨璃は追い詰められた二水の精神状況を見抜いていたのだ。

 そしてそれは恐らくではあるものの梨璃に限った話ではない。

 程度の差こそあれ、一柳隊のメンバーは誰もが二水の異常に気付いていたのだ。

 

「気付いてたんですね……」

「うん、まあ、なんとなくだけど」

「そう、でしたか……」

「だから私が何とかしなきゃって思って──結局何も出てこなかった」

 

 それ故に、梨璃は膝に乗せた拳を固く握り締める。

 先ほどまでの笑みはいつの間にか消え失せ、伏せられた瞳が寂寥に揺れている。

 

「話そうと思っても上手く出来なかった。特型ヒュージを倒さなきゃ何も始まらないって……!」

「それは……」

「私が何とかしなきゃって、でも私だけが足を引っ張って、レギオンのリーダーなのに何やってるんだろうって────」

 

 それは懺悔だ。

 梨璃の、心からの懺悔だ。

 仲間とは頼り頼られるものだと知っているのに、絆を紡いできたレギオンなのに、何故自分1人で抱え込んでしまったのか。

 自分で何もかも出来る人間など1人としていないのに、何故自分1人でどうにかしよう等と考えてしまったのか。

 そう言う後悔と悲哀を込めて、梨璃は静かに嗚咽する。

 

「ごめんね、二水ちゃん。ごめん……!」

「────」

 

 確かに、梨璃の言っている事は正しいのかもしれない。

 彼女が色々と抱え込んで、1人で突撃してしまったのは事実だ。

 だが────

 

「──それは私も同じですよ、梨璃さん」

「え……」

「同じなんですよ、私も。そしてアルトくんも、夢結様も、梅様も」

 

 そう、同じなんだと二水は心の中で呟いた。

 誰が悪いとか、何が良くなかったとか事の本質はそういう話ではないのだ。

 

「だって、皆ちゃんと話してなかったんですから……!」

「────」

 

 強いて言うなら、今回の1件で独断先行した者()()()()()

 仲間を信頼しているのに、その信頼に甘えてしっかりと話し合わなかった誰もが悪い。

 

「帰ったらちゃんと話し合いましょうよ。いつもの控え室で、いつものようにお茶菓子を摘まんで、いつものように楽しく──良いも悪いも、全部話してスッキリするんです!」

「二水ちゃん……!」

 

 故にこれから話す。

 しかしそこでは誰かが責任を問う事も、過剰な自己批判も存在しない。

 必要なのは「納得」だ。

 皆が納得するまで何時間でも、何度でも腰を落ち着けて部隊全体の改善点について議論を交わす必要が一柳隊にはあるのだ。

 

「別に、少し位ゆっくりしてもバチは当たりませんよ。特型ヒュージはちゃんと討伐されたんですから」

「そうかな……」

「そうですよ」

 

 幸いにも、本当に不安定な綱渡りの連続を乗り越えた末に、一柳隊は死傷者を出す事なく目的の特型ヒュージ殲滅に成功している。

 怪我人はアルト1人だし、それにしたって二水とのいざこざで起きた事故みたいなモノだ。

 勿論その事について彼女が何の呵責も感じていない訳ではないが────

 

「……アルトくん、起きてますよね?」

「げ、バレたか」

 

 バツの悪そうな返事と共にひょっこりと二水の二の腕から頭を起こした二川アルトは、ポリポリと後頭部を掻いた。

 何をしていたのかと言われれば、言葉からも察せる通り盗み聞きである。

 忌憚無い物言いをしてしまえば、二水の事が気になってしまったのだ。

 

「盗み聞きって……趣味悪いですよ?」

「自覚はあるから良いんだ」

「良くないです。寧ろもっと悪いです」

 

(────あれ?アルトくんも二水ちゃんも、こんなだったかなぁ)

 

 気安い。

 たった2、3回のやり取りからでもハッキリと分かる位に、2人の距離感が気安く角の取れたモノとなっている。

 梨璃の記憶の中では、「四苦八苦しながら何とか優しい姉になろうとする二水」と「破天荒ながらどうにか行儀の良い弟になろうとするアルト」が普通だったのに──今のこの関係性をどう表現すれば良いのか。

 

「反省しない悪い子には、こうですっ!」

「ちょっ、待っ、痛い痛い痛い!頭グリグリするのは止めろって!僕怪我してんだよ!?」

「それは腰の話でしょう!腰と頭が何か関係ありますかー?」

「煽っ……煽ってんだろそれ!僕は仮面ライダーだぞ!」

「なぁーにが仮面ライダーですか!アルトくんなんてベルト巻いてなきゃただの男の子です!弱々なアルトくんがリリィに勝てるとは思わない事ですね!」

「卑怯だ……!姑息だ……!それでも姉かよ!」

「折檻に卑怯もラッキョウも無いんですよ!」

「それっ……痛った!さっきの……意趣返しだろぉ……!」

 

(────自然?)

 

 そう、自然と言うのがしっくりくる。

 拾ってしまった責任だとか守るべき対象だとかそう言った厳ついしがらみから解き放たれた、無理のない自然な姉弟関係が2人の間に構築されているのだ。

 今眼前で繰り広げられているのは「じゃれあい」であり、それならばアルトが負った怪我に関しても「ヒートアップし過ぎた喧嘩中の事故」に過ぎない。

 事故でしかないのだから喧嘩が終われば全部水に流すのが当然であり、そこに双方が良心の呵責を感じる必要もない──姉弟ならば、ごく普通の話だった。

 

「────良かった」

 

 これなら帰っても悪いようにはならない筈だ、と梨璃は安堵した。

 自分の事にしろ、アルトの事にしろ、或いは二水の事にしろちゃんと話し合えばきっと解決出来るに違いない。

 だってそれが人間と言う生き物だから。

 ヒュージとの戦闘とは違って、対話で解決出来ない問題など存在しない──そう思ったのだ。

 

「──二水ちゃん、その辺りにしてあげたら?アルトくんが可哀想だよ」

「ほらー!梨璃さんもそう言ってるじゃんか!」

「えー、でもアルトくんの盗み聞きは癖になる前に治しといた方が良いと思うんですよね」

「うーん、じゃあ帰ってから沢山すれば良いよ」

「梨璃さん!?」

「……まぁ、そうですね。取り敢えず百合ヶ丘に戻るまでは絶対に離しませんよ」

「ヤメロー!ヤメロー!」

 

 清々しい程の晴天の下、二両編成の古びた電車がガタゴト揺れながら山中を往く。

 明るい未来に向かって、或いは次なる戦いに向かって────どこまでも。

 

 

 

■■■

 

 

 

『────』

 

「ソレ」は揺られていた。

 飛電製作所が所有する社用車の中、更に社長秘書が抱えたアタッシュケースの中でただ揺られていた。

 

『────』

 

「ソレ」はゼロワンドライバーから取り外されても尚活動を停止していなかった。

 ただ冷静に、冷徹に、冷酷に己のミスを解析していた。

 

『────』

 

「ソレ」は未だ健在だ。

 人間に悪意が存在する限り消滅する事は無い。

 そして──────

 

 

 

Zetsumerisekey reboot…

 

01%

 

 

 

 エデンゼツメライズキーは新たなアップデート(自己進化)を始めようとしていた。




◯二川アルト
身長:142cm
スキラー数値:60
レアスキル:不明(未覚醒の可能性が非常に高い)
身体能力に関しては持久力以外特段秀でた所は見られず、殆どが年齢相応かそれ以下である。
元々リリィとしての素養を持った人間ではないからか、マギの扱いに関しても適性は低い。
しかしながら学習意欲と向上心は非常に高く、読書を欠かさず不明な点は教導官や周囲のリリィに尋ねるなど知識を吸収する気概に満ち溢れている他、厳しい訓練にも音を上げる様子は無い(ただしこれに関しては自由時間に二川二水に対して愚痴を言う場面が目撃されているので単に場を弁えているだけの可能性アリ)
また、人々を守ろうとする意識は非常に高い。
・総評:(ガーデン最高峰の百合ヶ丘基準では)やや見劣りするが、精神性や忍耐力については年不相応に大人びた人間である。

悪意だ善意だと言った視点を無視して単純に戦闘スタイルとの組み合わせで考えるならアークワンが一番マッチしている。
次点でゼロツーorシャイニングホッパー。
特殊能力で変幻自在に攻めるよりかは素のスペックでゴリラ戦法したいタイプ。
なのでぶっちゃけ(シャインシステムをフル活用するのが前提の)シャイニングアサルトホッパーとアルトが噛み合っているのかと言うとあまり良くない。
ただし二水ちゃんがセコンドについていると尋常じゃない位強くなる。

◯二川二水/仮面ライダーゼロワン シャイニングアサルトホッパー
かわいい。
戦闘に関してはマジで語る事が無い位アッサリと終わった。
シャインクリスタを突撃させながら梨璃と一緒に斬りかかったらもう相手は死んでたとかそう言うレベル。
取り敢えずガーデンに帰って皆で話そう…!

◯一柳梨璃
かわいい。
自分のやった事に責任を感じているけれど、ゆっくり休んでしっかり話せば必ず解決する。

◯ワケダ(ではない)
今回からコテハン付いたクッソ哀れな転生者。
転生前の実年齢も微妙だし転生した後の時間軸もシンフォギア本編が始まる20年位前と何もかも微妙な人。

◯エデンゼツメライズキー
またロクでもない事をしようとしている。
でもラスバレ編に突入たとしてもしばらくは出番が無いと思われる。



と言う訳で、番外編にお付き合い頂き本当にありがとうございました。
特型との決着を含む戦闘シーンについては文章のクオリティが低下するのを防ぎたかったのと「今回重要なのはリリィとアルトの関係性であってヒュージではないのでは?」と言う思いからカット致しました。
ご理解頂けるとありがたいです。
また、戦闘描写をカットしたのでお詫びとして前回(嘘)予告した番外短編をちゃんと書く事を約束致します。

今後の更新予定については未定と言う事にさせて下さい。
ラスバレのイベントストーリーは完成度が非常に高く執筆意欲もあるのですが、最近忙しくなってきたりアサルトリリィへの理解度を深める必要を痛感したりしたので現状は事が落ち着いたら改めて再開したいと考えております。
また、週一(Bouquet放送時は週二)更新と言うのは私にとって非常にハイペースであり、正直もうヘトヘトなので1回お休みしたいと思います。

しかし前述した番外短編の投稿は今月中に必ず行う他、ラスバレメインストーリーの進み具合によってはかなり早期に復帰しますのでまぁあまり期待せずにお待ち頂けると助かります…。
取り敢えず戻ってくるのは確実なんでそこだけは安心して下さい。

最後に、この思い付きから書き始めて勢いで突っ走ったこの作品を応援して下さった事、心より御礼申し上げます。
ここまでやってこれたのは読者の皆様の評価や感想があればこそです。
本当に、ありがとうございました。



それではまた更新する時まで、ごきげんよう。

正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)

  • 二水
  • 結梨&梨璃&夢結
  • ぐろっぴ&百由様
  • 一葉
  • 恋花&瑶
  • 千香瑠&藍
  • 灯莉
  • ひめひめ&灯莉&紅巴
  • 叶星&高嶺
  • その他一柳隊メンバーなど
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