【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】 作:イナバの書き置き
普段とは大分趣向が異なります。
相澤一葉編「勇姿」
────正義とは、何か。
昔からずっと気になっていた。
騒がしいテレビの中で、勇ましい漫画の吹き出しで、硬質な小説の活字で、様々な媒体の中で「正義」が謳われていた。
しかし、その中で「正義とは何か」と疑問に思う人間がいったいどれ位いるのだろう。
少なくはない筈だ。
だって人は常に判断の指針として寄り掛かれる「正義」を欲しているのだから。
そう、正義とは固定の観念ではない。
例えば辞書で引いてみると、大概の場合其処には「倫理や法律、合理性等の道理に則った正しい行い」と言った文言が記されているだろう。
そして、そこに付随するのは正義論だ。
どのような行為が「正しい行い」なのか、どのような規則が「正しい基準」なのか、そして「そもそも正しさ」とは何なのか──最早哲学の領域にまで踏み込んだ論議が現に学問として存在している。
勿論、今回そこまで踏み入った話をしたい訳ではない。
如何にリリィと言えど私は未だ未熟で自分1人では誰かの命を守る事すら儘ならない、謂わばひよっこだ。
ただ──今でも鮮明に思い出せるのだ。
あの暗闇を。
あの熱を。
あの煙の匂いを。
『いま────』
何の罪も無い人々が逃げ惑い、為す術もなく蹂躙され、崩れた建物の瓦礫に埋められていく光景を私が忘れる事は決して無い。
何せ私も瓦礫の下敷きにされた民衆の1人だったのだから。
俗に言う「日の出町の惨劇」。
防衛出動したエレンスゲ女学院のリリィ達も圧倒的な物量に押し潰され、官民問わず前代未聞の大損害を出した──あの戦い。
私は「守られる側」として、惨劇の現場に居合わせていた。
『今、助けるから……!助けるから!お願い!生きてて……お願いだから!』
そして私は「正義」を見た。
噴煙が至る所から立ち上ぼり、一面が火の海と化した地獄にあって何よりも強く輝く、最も高潔な「正義」を見た。
傷だらけで、服もボロボロで──煤けた頬を涙で濡らしながら必死になって瓦礫に挟まれた私を救い出してくれたのだ。
そんな命の恩人である彼女の名前を、私は知らない。
彼女がどういう性格で、どこ出身で、何を好いているのか、何1つとして知らない。
『お姉さん、は……?』
『エレンスゲ女学院の……マディック。助けに来たの……あなたを』
私が彼女について知っているのは、エレンスゲ女学院のマディック──CHARMを起動するにはスキラー数値が足りず、さりとて全くマギを扱えない訳でもない者達で構成された戦闘員の1人である事。
そして指揮系統が混乱する最中戦略上見捨てられた地域に単身舞い戻った事。
誰も死なせない為に1人でラージ級ヒュージに挑んだ事。
その3つだけだ。
『やれるやれないじゃない……皆守る!私が守る!』
『────』
『誰の為でもない……それが私の正義だから!』
結局、マディックのお姉さんがどうなったのかすら私は知らないのだ。
震える手でライフルを構えて、走り出して、触手に切り伏せられて──そこまで。
生きているのか、それとも亡くなってしまったのか。
少なくともリリィとしてエレンスゲ女学院に入学してからあの人と出会った事は無い。
それでも──1度灯った憧れの火を消す事など絶対に出来はしない。
私はあの人のように、「誰かを守れる人間」になりたくてエレンスゲ女学院の門を叩いたのだ。
(文字を消しゴムで消した跡が何行かに渡って続いている)
……何故3年も前の憧憬を今更のように日記帳に記しているのかと言えば、きっとあの人の事を忘れて欲しくないからだ。
もし私に「何か」あった時に、誰かにあの人の勇姿を知っていて欲しいからだ。
勿論死ぬつもりなんて無いけれど、リリィとして戦う以上絶対は無い。
その時にマディックのお姉さんが忘れ去られてしまうのは、絶対に嫌だ。
誰か1人でも、例え与太話としてでも良いから忘れないで欲しい──そう思ったって悪くはない筈だ。
そして、もう1人。
今の私を形作る要因を与えてくれた人について書き残しておきたいと思う。
彼は言うなれば「師匠」──大切な事を教えてくれる人生の先達だった。
今はもうこの世界の何処にもいないけれど、マディックのお姉さんと同じ位絶対に忘れられない私の恩人。
彼について語るとなるとそこそこ長くなる上に、やたら堅苦しい文体になってしまうけれど、もしこれを読んでくれる人がいたらどうか────最後まで。
その日、中途半端に破壊され奇怪なオブジェと化したビルの隙間から、日没直前の昏い陽光が射し込んでいたのを私──
「はっ……!はぁっ……!」
日の出町の惨劇から早2週間──端的に言ってしまえば、あの頃の私は途方に暮れていた。
リリィになる事を志したは良いが、先ず何を始めれば良いのかすらハッキリしない。
いつ試験があって、そこで何を問われて、それを凌ぐ為にはどういう努力をすれば良いのか、まだ12歳の私には何も分からなかったのだ。
調べようにもこの時代ではタブレット端末など廃れて久しいし、図書館だってヒュージによって瓦礫の山に変えられてしまった。
「はっ……!うぅっ……!」
つまり、お手上げだ。
それだけならまだしも、なまじ中途半端な壊れ方をしたせいで両親は未だローンの返済が終わらぬ自宅を捨てる事が出来ず、祖父母を頼らず電気と水道が復旧するまで窮屈な避難所に押し込められていたのだからもうどうしようもない。
地方に帰る者や瓦礫の撤去を行う業者など人は絶えず行き来しているのに、偶々私が望んだ情報だけが完全にシャットアウトされていた。
「はっ、はっ、はぁっ……!」
────だから、走る。
そう、ヒュージと戦う為には武器を振るう筋力が、攻撃を掻い潜る柔軟性が、走り続けられる持久力が求められる。
ガーデンに入学する為に必要な技能が分からなくとも、鍛え上げられた壮健な肉体が必要な事くらいは幼い私とて理解していたのだ。
とは言え未だ人で溢れかえる避難所の中で本格的な筋トレなどしようものなら顰蹙を買う事は先ず間違いなく、それ故に仕方なく瓦礫の撤去が進む市街をランニングしていたのである。
まぁ、この決断そのものは間違っていないと思う。
その時の私なりに精一杯考えた結果導き出した答えなのだし、これによって現在何か不都合が生じている訳でもない。
ただ、
自分自身への虐めと言い換えても良い。
本来トレーニングとは年齢や己の限界、周囲の環境と言った様々な要素を確認した上でキチンと計画を立てて行うモノであり、目的やペースを設定しない闇雲な鍛練では体を壊してしまうだけだ。
それを当時の私は理解していなかった。
やればやるだけ還ってくるのだと思い込んで、無闇矢鱈に自分を追い込んでいた。
「はーっ……!はぁっ……!ごほっ、けほっ」
当然、ペース配分など一切考慮していない全力投球のランニングを終えた後は息も絶え絶えな有り様を晒す事になる。
両手を膝に当ててぜいぜいと呼吸を荒げ、ぽたぽたと大粒の汗が顎の先から滴り落ちて地面に吸い込まれる様を眺めるのが私の日課になっていたが──そんな私に、隠しきれない凄味を帯びた低い声が降りかかる。
「──よぉ。今日もやってるな、一葉」
「ふぅ……は、はい。こんにちは────」
首からトイカメラをぶら下げた長身の「彼」は、きっとそんな私の醜態を見ていられなかったのだ。
無知から生まれた試みを知って、それをどうにか諫めたくて、しかし他人の努力を否定するのがどうしようもない位に嫌で──結局ランニングが終わる頃にスポーツドリンクを差し出す事で自分を無理矢理納得させた優しい人。
唯我独尊な態度の隙間から時折寂しさを覗かせる、どこか悪ぶった大人の人。
そう──────
「────士さん」
「ああ、こんにちは」
ぶっきらぼうで無愛想な、
彼こそが私にとって何より忘れ難いもう1人の恩人だった。
「────」
「────」
ランニング後に腰を落ち着けるのは、ヒュージ汚染の立ち入り禁止区域に程近いベンチだと決まっていた。
理由は簡潔、私がマディックのお姉さんに救われたあの瓦礫の山が近く惨劇と勇姿の爪痕が消えていくのを一番目に焼き付けられるからだ。
士さんはそう言った事情を何も知らなかった筈だが、ただ隣に座り私がスポーツドリンクを飲んでいる間は静かに待ってくれる。
そうして喉が潤ってきた頃になると、決まってこう言うのだ──「落ち着いたか」と。
それは「あの日」も変わらなかった。
「落ち着いたか?」
「ぷはっ……!はい!ありがとうございます!」
「そうか」
士さんは自分から聞いた割に無関心で、返事を返した私を見る事もなくトイカメラを弄っている。
そういうルーチンと言われればそれっきりなのだが、本当に不思議な人だ。
そもそも私が──いや、避難所の誰も士さんについて知っている事は殆ど無かった筈だ。
精々ヒュージ襲来の翌日から日の出町に現れ、「世界を巡る写真家」を自称している癖に高そうな二眼のカメラを構える事すらせず黙々とボランティア活動に従事していた事くらいだろう。
何処から何のために来て何処に帰るのかすら誰も知らず、嫌われている訳でもないのに不思議と居場所が無い──まるで世界が彼を拒絶しているみたいだった。
「それで?今日も何か訊きたいことがあるんじゃないのか」
「あっ、はい!」
そんな不思議な人とベンチに座って会話するのが、何故か私の日課になっていた。
私が始めたのか、彼が気を遣ってくれたのかは覚えていない。
しかし日没直前、ランニングを終えてから、士さんが飲み物を持参していたら────問答を行うのだ。
例えば好きな食べ物は何か、得意な科目は何か、今一番欲しい物は何かなど本当にとりとめのない、ふわふわとした言葉のやり取りを太陽が沈むまで繰り返す。
「士さんに『夢』ってありますか?」
「……夢?」
「はい、夢です!」
「────っ」
故に、「夢」について問いかけてしまったのも本当に偶然だ。
ただ、何でも良いから行動指針の参考となる意見が欲しかっただけなのだ。
しかし────
「……夢、か」
しまった、と思った時にはもう遅い。
士さんは僅かに表情を強張らせ、言葉を詰まらせていた。
「え、あ……その、ごめんなさい」
「何故謝る」
「嫌な事を、聞いてしまったのかなって」
「別に嫌じゃない。懐かしい思い出に浸っていただけだ」
「そう、ですか……」
士さんは自身の手に余る夢に敗れてしまったのだろうか、と当時の私は思った筈だ。
だって思い出に浸るという行為は過ぎ去った時間を思い起こす事であり、正否については分からずとも夢が終わってしまった事の証左なのだから。
そうして己の失態を恥じていると──不意に、士さんがカメラを構える。
「まぁ見てろ」
「?」
この2週間で初めて見せた写真家らしさ。
幼い私でも思わずドキッとしてしまう位堂に入った姿勢を取るや否や、小さなシャッター音が瓦礫の町に消えていく。
ただそれだけ。
それだけなのに、士さんは悲しげな顔をしていた。
「……フン、
「え、と。写真がどうかしたんですか?」
「あぁ、多分ちゃんと撮れてない」
「はい?」
「ちゃんと撮れてないと言ったんだ。現像してみればすぐに分かる。それも最初の内は俺の腕が悪いとかカメラの故障とかを疑ったんだが、どうも違うらしくてな」
「それは……」
「『世界が撮られたがってない』ってヤツだ」
世界が撮られたがってない。
そんな突拍子も無い事があるものなのか。
ただそこに横たわっているだけで数多の生物が繁栄した大地が、あらゆる生物が生まれては還る海原が、誰のモノでもない大空が彼だけを拒絶するなど、そんな残酷な事が本当にあるものなのか。
冗談みたいな話だが──士さんは真剣だった。
「どんな場所でも、どんなカメラでも俺が撮れば歪んで映る。あの避難所も同じだ」
「……」
「根本的に、この世界の何処にも居場所が無いんだよ。仲良く出来るヤツはいるし、上手い飯を食わせてくれるヤツらもいるが──何故だか馴染めない」
「……」
「だから、俺は帰るべき所を探している。今も昔も、ずっと……」
居場所が無い。
ただ其処に存在する事も許されず、1つの場所に留まる事すら儘ならない──孤独を背負い続ける旅人。
今ならハッキリと分かる、それが士さんの正体だ。
私は挫折しそうな己をどうにかしたいが為に、彼の心の傷を抉ってしまったのだ。
しかし、致命的なミスを犯した私の方を向く事なく沈みかけの夕陽を眺めたまま士さんは呟く。
「……まぁ、大体分かった」
「はい?」
「一葉は自分の夢が行き詰まりそうだから、先人の知恵を借りようとした……違うか?」
「そう、です……」
図星だった──いや、きっと最初から見抜いていたのだろう。
ペースも計画性もなくがむしゃらに走っていた私を見咎めたその時から気付いていたが、此方を気遣い敢えて何も言わなかったのだ。
手の内でカメラを弄びながら、士さんは尚も問う。
「リリィになりたいんじゃないのか、これも推測だが」
「……よく分かりますね」
「似たような奴を見た事があってな。まぁ、
「……その人は、挫折しそうになった時にどうしていましたか」
「ソイツは『夢が人を動かす力になる』事を知っていたし、約束の意味を知っていた。だからそもそも折れなかった。どんな逆境にも立ち向かい続けた」
「……」
「お前はどうだ、一葉。何に憧れて、何になりたいと思った」
「……私、は」
何に憧れたか──決まっている。
あの名前も知らない、マディックのお姉さんだ。
迫り来る強大な絶望に屈しなかった、皆を守ると言う高潔な「正義」だ。
何になりたいと思ったか──決まっている。
この世界で数少ないヒュージに抗える存在だ。
誰かの命を守る事が出来る
そうだ。
やりたい事も、やるべき事も最初から全部理解していたじゃないか。
焦りが瞳を曇らせていただけで、道はいつだって私の目の前に続いていたのだ。
そんな私を士さんはチラ、と横目で見て──鼻で笑った。
「ま、精々悩むんだな。それが若者の特権ってヤツだ」
「……ひょっとして、子供扱いしてます?」
「そりゃしてるに決まってるだろ。12歳はまだまだ青臭いガキだぜ?」
「なぁっ……!ガ、ガキですか……ッ!?」
弄ばれていた。
純情とか憧れとか淡い感情とか、その他諸々全部ひっくるめて弄ばれていた。
士さんはそういう、やたら自意識は高い癖に女心が分からない「アレ」な男性なのだ。
「そうやって顔を赤くしてる辺りがガキなんだよ。出来る大人はそう言うのをスルーするもんだ」
「くっ……!?むぅ……!」
「素直過ぎるのもな。一葉は大人をやるにはバカ正直なんだよ」
「くぅぅぅぅぅ……!人参も食べられない大人が言う事ですか!」
「……ちょっと待て、それを何処で知った」
そうして一頻り弄ばれて、悔しがって、笑って──気付けば、スッキリしていた。
そう、そうだ。
もし忸怩たる思いがあるのなら、こうやって吐き出してしまえば良いのだ。
1人で抱え込むのではなく、大人か友人に相談すれば何かがきっと見えてくる。
それを、漸く悟って────
「それなら、この世界での俺の役目は終わりだな」
「え────?」
「来るぞ」
相変わらず此方を見ないまま、士さんが立ち上がる。
その視線の先に、「ヒュージ」。
瓦礫の下から、ビルの裏側から
それも1体や2体ではなく、数にして2桁に届くかと思われる程の集団が私と士さんを捕捉しているのだ。
「ヒュージ!?どうして此処に……!」
「……」
警報は鳴っていない。
誰もこの異常事態に気付いてすらいない──いや、そもそもからして可笑しいのだ。
この2週間ずっと撤去作業は行われていたにも関わらず、今になって瓦礫の下敷きになった個体と遭遇するなど、普通に考えて有り得ない。
奇怪だ。
奇妙だ。
誰がどう見たって、何かが変だった。
しかし、そんな事を疑問に思っている暇は無い。
「──士さん!早くこの場を離れましょう!」
これまでの歴史が証明しているように、「市民」はヒュージに対して殆ど無力だ。
成人男性の背丈程も無いスモール級ですら私達を殺すには十分な力を備えているのだから、丸腰の男性と12歳が立ち向かってとしてもミンチに変えられるのが関の山。
それどころかミドル級が混在する集団に睨まれているのだから、もし「事」が起きれば髪の毛1本すら残るか怪しかった。
それでも、逃げなければならない。
それでも、生き延びねばならない。
まだ何も成していないのに、救われた命を散らしたくない。
だが──────
「いや、此処から先は俺が引き受ける」
「!?」
士さんはヒュージの群れから目を離さない。
寧ろそうするのが当然と言わんばかりに、異形と対峙する。
その右手にはタブレットの様な端末が、その腰には奇妙な形状のバックルを備えたベルトがいつの間にか装着されていた。
「な──ダメですよ!死んでしまいます!」
「死なないさ。俺の旅はまだ終わらない」
「何を、言って…!」
「お前の人生もだ。こんな所で終わるもんじゃない」
「だから、何を…!」
勝手に1人で悟ったような事を言って、彼は此方に見向きもしない。
だが、何かが起こる。
私の想像を超えた何かが発生するのだと、絶対に見逃してはならないと全身の細胞が訴えている。
「士さんは……士さんは、何ですか。何者なんですか……!?」
「よく訊かれるんだがな────」
脳のキャパシティを超えるような異常事態の連続に堪えきれず叫んだ私を一瞥した士さんは、ニッと笑った。
理由は分からない。
本当に分からない事だらけだった。
「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」
思わず立ち上がった私の前で、士さんは満面の笑みを浮かべて宣言する。
世界に、世界中に蠢く理不尽に向かって己が何たるかを突き付ける。
そう、今から「変わる」のだと。
その言葉通りに、士さんの姿は眩い光の中に飲み込まれ──
2人で1人、
いつかの明日を掴んだ
友情を掲げ、
全ての涙を宝石に変える、
数多の戦乱を超え、
揺るぎなき正義で加速の世界を進む
人間が持つ
究極の救済を、人の命を救う
愛と正義を体現した
偉大な
新時代を切り開く、
彼らの中に埋もれた士さんと同じく、ただ迫り来る敵だけを見据えて。
「あっ──────!」
彼らの名前すら知らないのに、何処からか流れ込んでくる戦いの軌跡が頭を痺れさせる。
正義とは斯くあるべしと、その上で私だけの正義を探せと伝えてくる。
そして、幻影が収束し────新たな戦士が生まれる。
それは冗談みたいな、本当の戦士。
それは脈々と受け継がれる、
全身に無数の「カード」を貼り付け、マゼンタ色のマントをたなびかせた無敵の勇姿。
即ち──私が知る限りこの世界で唯一の「仮面ライダー」が、誕生した瞬間だった。
結局、それからどうなったのかは覚えていない。
我に返った時には「仮面ライダー」の姿はなく、私はただ真っ二つに割れたベンチの前でぼんやりと突っ立っていた。
……いや、正直こんな突拍子も無い話を読んで信じてもらえるのは到底無理だろう。
私だって、あれから3年経った今でさえあの不可解な現象について上手く整理出来ていないし、妄想だったのではないかとすら思う日もある。
だけど、別に妄想でも構わない。
妄想が人を動かす活力になる時だって────
ごめんなさい、そろそろ始業式が始まってしまう。
書き記しておきたい事はまだ沢山あるけれど、今の私には為さねばならない使命があるのです。
だから今回はここまでにさせて下さい。
続きはいつ書けるかは分かりませんが、その時に…。
もしこれを読んでいる貴方がリリィだったら、1つアドバイスを。
どうか、折れないで。
自分が信じる正義を、どうか─────
◯門矢士(をやらせてもらっている者)/仮面ライダーディケイド コンプリートフォーム21
大層な物言いだが、実は本人ではなく転生者。
ワケダ(ではない)と同様転生特典で門矢士に「されてしまった」人間。
転生当初はアイデンティティ喪失の危機にあったが「本物の士が行けない世界に代理として自分が行っている」と考える事で自分を納得させている。
セイバーの世界巡回済み。
コンプリートフォーム21への変身シークエンスは大体本来のモノと同一だが、最初に出てくる各ライダーの紋章がそれぞれ最強(究極)フォームの幻影に置き変わっている。
◯相澤一葉
エレンスゲ女学院の序列1位にして同学院が誇るトップレギオン「ヘルヴォル」のリーダー。
格好いいし真面目だし健康的だし仲間の意見はしっかり聞いてくれるしで、高等部1年にして理想の上司疑惑が発生している。
「日の出町の惨劇」に被害者と言う形で巻き込まれ命の危機に瀕するも、名前も知らぬマディックの女性(エレンスゲ所属)に救われリリィになる事を決意した。
今回は彼女の日記と言う形式になったが、妙にカチカチした文体なのは他人に読ませる気があるのか無いのか当人もハッキリしない為。
──奇妙な体験から帰還した彼女のポケットには、いつの間にか「白紙のカード」が入っていた。
※今後カードに出番があるかは分かりません。
正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)
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二水
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結梨&梨璃&夢結
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ぐろっぴ&百由様
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一葉
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恋花&瑶
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千香瑠&藍
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灯莉
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ひめひめ&灯莉&紅巴
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叶星&高嶺
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その他一柳隊メンバーなど