【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】 作:イナバの書き置き
なので完結から連載に戻しました。
が、しかし既に力尽きかかっててbouquet編をやっていた時ほど活力も残っていないので不定期更新とさせて下さい。
第1話「First Bullet」
戦士の拳が、異形の体殻に罅を刻む。
戦士が振るった斧が、体当たりを敢行せんとする異形を一刀両断に斬り伏せる。
戦士──仮面ライダーゼロワン シャイニングアサルトホッパーは、瓦礫の街に吹き荒れる暴風だった。
「畜生っ!どうしてこんな……!」
だが、足りない。
幾ら強烈無比な一撃を繰り出せようとも、幾ら射撃で肉を抉ろうとも、迫り来るヒュージを迎え撃つにはあまりにも手数が不足していた。
即ち、大侵攻である。
前代未聞の大南下である。
人を殺し、文化を滅却し、大地を抉る異形の軍勢──大小合わせて約120体にも及ぶヒュージの群れが、突如鎌倉の地に押し寄せたのだ。
百合ヶ丘女学院の精鋭レギオンはこれ迎え撃たんと市街地に展開し、異形の津波に今も抗っている。
仮面ライダーゼロワン──
レギオン「一柳隊」の一員であり、今回ややAZよりのTZに配置された彼は──しかし苔むした海沿いの道路で、一時間にも及ぶ終わりの見えない孤軍奮闘を余儀無くされていた。
「ああくそッ、そもそも此処何処だよ!?」
一斉に飛びかかってきたヒュージを纏めて斬り伏せながら、仮面の下で少年が吼える。
そう、少年は決して自らの意思で隊列から離脱したのではない。
一柳隊は大挙して押し寄せるヒュージの群れに流され、互いの位置が掴めぬ程引き離された場所で戦う事を強いられているのだ。
故にこそ──焦る。
大切な仲間の安否が分からぬこの事態が、少年の心をぎちぎちと締め上げた。
「────!」
射撃形態に変形させたオーソライズバスターを乱射しながら、アルトの思考は過去へと沈む。
「二水ちゃん……!」
思い出せ──
付近で狙撃を行っていた
「結梨ちゃん……!」
百合ヶ丘随一の対応力を持つ吉村・Thi・梅が側に付いている以上「余程の事」は絶対に起こらないだろう。
と言うより、そもそもからして一柳隊のリリィは総じてアルトより
変身前は勿論の事、変身後でも技術や戦術眼ではアルトなど遠く及ばない。
つまり、先ず心配すべきは────
「────俺自身、か」
八方をミドル級に囲まれながら、少年はそう呟いた。
撤退する訳にはいかない。
フライングファルコンを用いれば逃走は容易だろうが、もしこの場を放棄すれば百合ヶ丘を直接守護するリリィ達に大きな負担を掛ける事になる。
一柳隊に此方から合流する訳にもいかない。
頼れるなら頼ってしまい所であったが、居場所が分からない上に追い縋るミドル級を連れていけばその分被害が増えてしまう。
つまり、今ゼロワンに可能なのは「時間稼ぎ」だけだ。
「でやああああああああっ!」
紫電を纏った蹴撃がヒュージの集団を粉砕し、弾き飛ばされた個体を光の弾丸と化したシャインクリスタが貫く。
これで丁度30体目。
戦士はリリィからすれば反則級の殲滅力を最大限発揮し、たった1人で群れの25%を撃滅したのだ。
だが、しかし。
どれだけ強力なサポートがあっても、その肉体は未熟な少年のモノである事をアルトは失念していた。
「ぅ、ぐぅっ……!?」
突如として膝が折れ、制御を失ったゼロワンが砕けた路面を転がる。
慌てて立ち上がろうとするも──叶わない。
そう、1時間以上にも及ぶ激闘の疲労が今になって少年を襲ったのだ。
そしてそれは仮面ライダーゼロワンが最大の強みである「スピード」を失った事を如実に示している。
(ヤバい……!?)
ぬるり、と影が差す。
自らの限界に気付いた時には既に遅く、シャイニングストームインパクトから逃れたミドル級が未だ4つに這うアルトを無機質に見下ろしていた。
咄嗟にオーソライズバスターを構えたその手を、鞭のようにしなった触手が打ち落とす。
「ぐぅ、クソっ……ぎぃっ!?」
ならば、とシャインクリスタを操作しようとするゼロワンだったが、間髪入れずに振り下ろされたヒュージの「足」に蹴り飛ばされる。
無様に地面を転がり、コンクリートの壁に背中を打ち付けられた少年の前に──またしてもヒュージ。
「ぁ……く、そ……!」
何とか拳を握り抵抗する姿勢を見せようとするが、今や変身は解け震える小さな手は装甲に覆われてすらいない。
動きたくて、動かなければいけなくて──しかし、全身が鉛のように重い。
そんな少年の眼前で、球状のヒュージが「口」を開け──
「やらせないっ!」
「■■■■!?」
気迫の籠った叫びと共に飛来した弾丸の雨が、少年を捕食せんとするヒュージを穿つ。
次いで少年を庇うように割り込んだ「リリィ」が、その手に握った剣でヒュージを裂く。
「はぁぁぁぁっ!」
正に鎧袖一触。
あれほど強固に感じられたヒュージの外殻を、少女の剣はまるでバターにでもするかのように切り捨てる。
手負いのミドル級など勇猛果敢な「リリィ」の敵ではなかったのだ。
そして────
「大丈夫、ですか!?」
──僅か45秒でヒュージを一掃した
130:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
助けてくれ
131:ご機嫌よう名無し様 ID:PpFG++iLg
何や
132:ご機嫌よう名無し様 ID:1LbjB5HLB
どうした?
133:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
朝っぱらから凄まじき百合を見せ付けられている
〔梨璃と夢結が指を絡めて見詰め合っている画像〕
134:ご機嫌よう名無し様 ID:5yT8zU1HA
オアーッ!?
135:ご機嫌よう名無し様 ID:3fY0dMr4J
アッ(尊死)
136:ご機嫌よう名無し様 ID:tEtvNOVK2
これはいけない
137:ご機嫌よう名無し様 ID:2pe7PooTF
尊 死 不 可 避
138:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
普段通り一柳隊の控室に入ろうとした途端これだから参るね……
139:ご機嫌よう名無し様 ID:u+zIogEFU
入らなかった所は偉いぞイッチ
140:ご機嫌よう名無し様 ID:eK7qTdBGu
珍しく自制出来てるじゃん
141:ご機嫌よう名無し様 ID:VV3KzQKn0
て言うか何をどうしたら朝一番からこんな百合百合してるのよ
142:ご機嫌よう名無し様 ID:s8XimIclG
それは気になる
非常に気になる
143:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
あーまぁ……これは推測混じりな上に結構ガチな話になるんだけどさ
良い?
144:ご機嫌よう名無し様 ID:1F3cjAmim
良いよ、じゃんじゃん来い
145:ご機嫌よう名無し様 ID:F1K4q4YCP
その為のスレなんだしネットリジックリ話してくれや……ええやろ……?
146:ご機嫌よう名無し様 ID:EZXK4T95P
(絶句)
147:ご機嫌よう名無し様 ID:nO2p1Xmpt
これから話が始まるって時に強烈な個性を丸出しにするんじゃないよ
148:ご機嫌よう名無し様 ID:CIVKJuFOG
で?結局何があったん?
149:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
昨日さ
久々に結構な規模の迎撃戦があったんだわ
150:ご機嫌よう名無し様 ID:DyaQxQvOs
あったらしいねそう言えば
151:ご機嫌よう名無し様 ID:u1b0UazZS
確か甲州方面から南下して来た群れだろ?
ラージ級は少ないけどミドル級の数がかなりヤバいとかイッチが言ってた気がする
152:ご機嫌よう名無し様 ID:pUgxg5+Xz
真面目にやるから戦闘終了まではスレ断ちするって宣言してたが、ここに来てるって事はもう終わったんか
153:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
>>152
せや
他のガーデンから増援が来てくれたのもあって思ってた程時間は掛からずに殲滅出来たし、軽傷者はいるけど死者及び重傷者はゼロ
154:ご機嫌よう名無し様 ID:Myw2U0DNw
やったやん
155:ご機嫌よう名無し様 ID:dz5n3v2Le
結構な激戦になるってスレでも予想されてたのに重傷者ゼロとはめでたいなぁ
156:ご機嫌よう名無し様 ID:AlKWOKN3n
アールヴヘイムが外征してて水夕会も半分はまだCHARMの修復が終わってないとかなりピンチだったのに上手く捌けたみたいでホッとしたわ
157:情報ニキ ID:nGM0WRjAT
百合ケ丘の代表的なレギオンの動向(イッチの発言から推定)
・一柳隊
迎撃戦に参加、鎌倉市より東側を警戒
・LGアールヴヘイム
尋常じゃない位強い人達
外征中
・LGレギンレイヴ(水夕会)
イッチと仲が良い六角さんのいるレギオン
CHARM修復中の為活動停止
・LGブリュンヒルデライン
エッチで厨二病なお姉さん生徒会の出江史房さんがリーダーやってるレギオン
迎撃戦に参加、鎌倉市内に展開
・LGエイル(秦祀隊)
迎撃戦に参加、鎌倉市の北方を警戒
直接ヒュージ群に激突するとイッチは推測
・LGローエングリン
CHARM修復の為活動停止
・LGシュバルツグレイル
梨璃ちゃんのルームメイトが主将やってるレギオン
外征中
・LGシグルドリーヴァ
迎撃戦に参加(強行偵察のみ)
・LGシュヴェルトライテ
学院を直接守護(最終防衛ラインの為積極的に戦闘には参加せず)
その他複数のレギオンが戦闘に参加
158:ご機嫌よう名無し様 ID:OtiimTA2Z
ファッ!?
159:ご機嫌よう名無し様 ID:j9at+tqqL
めっちゃ詳しくて草
160:ご機嫌よう名無し様 ID:4DoesVkJA
イッチの書き込みは正直かなりふわふわしてるからなぁ……こうして纏めてくれると非常に助かる
161:ご機嫌よう名無し様 ID:K7G03Yufq
>>159
色々気になるのに窓口がイッチが1人しかないのが悪い
もう1人位転生してくれ
162:ご機嫌よう名無し様 ID:4+bCFmNn/
しかしここまでだと何の問題も無いように見えるが……
163:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
いやまぁ当初は全然良かったんだ
大体は祀様の所が受け持ってくれたから流れてきたのを処理するだけだしね
ただ何か、途中から群れが俺達の方に迂回し始めて……
164:ご機嫌よう名無し様 ID:bEYkNHchh
一柳隊がいきなり最前線になっちゃったと
165:ご機嫌よう名無し様 ID:IHgX3NSUt
あー……
166:ご機嫌よう名無し様 ID:OoVXKlIAP
まぁありそうな話だな
167:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
それでも増援が来るまでは持ちこたえたんだけど、梨璃ちゃんは最後の方で気絶しちゃったみたいでな
大分落ち込んでた
168:ご機嫌よう名無し様 ID:9IeJadTZi
なんで?
169:ご機嫌よう名無し様 ID:+RbpoVLGI
緊張の糸が切れたんでしょ
170:ご機嫌よう名無し様 ID:OykSCYIMA
まぁ要するに
戦闘を終え、家路へ向かうリリィ達
疲れからか、幸運にも黒髪のお姉様に寄りかかって気絶してしまう
後輩を庇い全ての責任を負った三浦に対し車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは……
って事でしょ
171:ご機嫌よう名無し様 ID:mwSbikTBR
なるほど
172:ご機嫌よう名無し様 ID:u9afTjW9U
まぁ仕方無いんじゃない
梨璃ちゃんもよくやったよ
173:ご機嫌よう名無し様 ID:SEW6OyyMG
せやね
終わってみれば軽傷者しか出てないんだし上手くやれてたと思うで
174:ご機嫌よう名無し様 ID:FGcKocCVz
でも其処で気に病んじゃうのが梨璃ちゃんだからな……
175:ご機嫌よう名無し様 ID:UwgCxJqii
責任感が強すぎるっピ!
176:ご機嫌よう名無し様 ID:GgBFSUvCc
そんな梨璃ちゃんのメンタルを夢結様が癒している訳なんすねぇ
177:ご機嫌よう名無し様 ID:mPVmBI23a
マジでよくぞ挟まらなかった
偉いぞイッチ
178:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
いいや、実はもっと酷い事をしたんだ(自白)
今日はその懺悔も兼ねてる
179:ご機嫌よう名無し様 ID:DxDlfZJEd
え?
180:ご機嫌よう名無し様 ID:EKjl9h1zX
まーた罪を重ねたのか
181:ご機嫌よう名無し様 ID:EXLEbDSbg
やらかし癖ついてない?
大丈夫?
182:ご機嫌よう名無し様 ID:9UsFLujwL
で、何したん?
怒らないから言うてみ?
183:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
実は……
増援に来てくれたお姉さん達と一緒に出歯亀してます☆
〔困惑した様子の濃緑髪少女と微笑を浮かべる銀髪少女の間で身を縮こまらせている少年の写真〕
184:ご機嫌よう名無し様 ID:WA1wArkGn
だーかーらー!!!
185:ご機嫌よう名無し様 ID:ZxseRiuAR
百合の間に挟まるなっていつも言ってるダルルォ!?
186:ご機嫌よう名無し様 ID:XsnRJ1iIN
イケメン美少女と!清純お姉さんの間に!野郎が挟まるんじゃない!
187:ご機嫌よう名無し様 ID:B1I87ISjY
到底許されるべき行為ではないと思う
188:ご機嫌よう名無し様 ID:BQ9lqN3Mo
て言うか見た事無い制服だけどこの人達誰!?誰なのぉ!?
189:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
えー此方イケメン美少女の方がエレンスゲ女学院の相澤一葉さん
で、銀髪清純お姉さんの方が神庭女子藝術高校の
どっちもレギオンのリーダーやってるゾ!
190:ご機嫌よう名無し様 ID:q7OoxBMh9
はえー、常々百合ヶ丘は美少女揃いだと思ってたけど他の学校も美少女ばっかなんすねぇ
191:ご機嫌よう名無し様 ID:BH9lF7kc5
あーあーいいなぁ、美少女に囲まれちゃってさぁ
192:ご機嫌よう名無し様 ID:wcdKiPL9S
アークワン持たされてた事以外はマジで羨ましい
193:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
まぁそれもあるんだけど
戦いが終わった後から一葉さんが凄いチラチラ見てきたんだよね
何かやっちゃったかなと思って予め懺悔しておこうと考えた次第です。
194:ご機嫌よう名無し様 ID:WAM4cBfIc
まぁリリィからすればイッチは色々と反則気味だし……
1回死んだのに生き返ったとか、普段死と隣り合わせだとやるせない部分があるんじゃない
195:ご機嫌よう名無し様 ID:cuG0gArC4
しゃーない、切り替えてけ
196:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
そうするわ
チチ、と小鳥の囀りが窓の外から微かに聞こえる。
度重なるヒュージの襲撃により住民が避難し交通も殆ど途絶えた百合ヶ丘は、山奥の高原にも劣らない済んだ空気を朝靄の中に漂わせているのだ。
そんな朝陽が降り注ぐ一柳隊の控室で──その主たる
「私、一柳隊のリーダーなのにかっこ悪い所見せちゃいましたね。お姉様にも言われていたのに結局無茶して、倒れて……」
「梨璃……」
もっとやれた筈だ、訓練を活かせた筈だ、と言外に自身を詰る一方で、隠しきれない悔しさが言葉の端々から滲み出す。
そう、昨日の迎撃戦の顛末は梨璃にとって到底納得出来るようなモノではなかった。
突然流れてくるヒュージの数が増加し、仲間と分断されてしまったのにはまだ納得出来る。そんな事予測出来る訳が無いし、仮に出来たとしても防衛線を放棄する理由にはならないからだ。
増援が来るまでは無理をしてでも持ちこたえる必要に迫られたのにも納得は出来る。リリィが、それも
(もっと、出来た筈なのに……!)
だが──気絶してしまうとは!
増援が到着した事にホッとして、分断された仲間達の安否すら確認せずに気絶してしまうとは何たる無様なのか。
隊長としてあまりにも不出来だ、と責任感の強い梨璃は心の中で己を叱責した。
「梨璃……こっちにいらっしゃい」
「あ……」
そんな少女の頬に、シュッツエンゲルたる
籠められたのは純粋な心配と、心からの励まし。
やれるだけの事をやったのだと、その上で弱音を吐く事は何も間違っていないと手のひらの熱を介して梨璃に伝達する。
そしてそれは、言葉でも。
「私の前ではどんなにかっこ悪くても、いくら弱音を吐いても構わないわ」
「────」
「貴女の全てを私は受け入れる。貴女は一柳隊のリーダーであると同時に私のシルトなのだから」
「お姉様……」
「だけど──お願いだから私を独りにしないでね。もう、大切な人を失いたくないの」
それは少女の切なる願い。
強さが人の全てではないのだと、どれだけみっともなくても生きている事が大切なのだと。
数ヶ月前までの夢結ならまず出来なかったであろう言葉を口に出す事で、その切実さを知らしめる。
「私はいなくなったりしません!ずっと、お姉様の側にいます!」
「梨璃……」
「お姉様の笑顔は、私が守ってみせます!」
故にこそ、梨璃も誠意を以て返答する。
誠実な言葉に、強固な決意──百合ヶ丘のリリィとして何ら恥じる事は無い、立派な宣誓だ。
が、しかし。
「うわぁ、またイチャついてるよあの2人……」
「え、いつもあんな感じなんですか?」
「仲睦まじいのは良い事だと思いますよ?」
その尊いやり取りを、僅かに開かれた扉の隙間から覗き見る少年少女の姿があった。
上から順に二川アルト、相澤一葉、今叶星の3名が今、何をしているのかと言われれば、見て分かる通り出歯亀だ。
昨日の戦闘に駆け付けた彼女達は理事長代行への報告等も兼ねて1泊滞在した後、梨璃に挨拶をして帰ろうと考えていたのだが──こんなやり取りを見せられては出るに出られないのである。
「割と毎日こんなだからこっちも胸焼けしてきますよ……って聞いてます一葉さん?」
「えーっ、あ、指を絡めて、そんな……」
「……聞いてないみたいね」
「聞いてますよ?」
「今更そんなキリッとされても……」
それはそれとして、エレンスゲや神庭女子藝術高校にはない
疑似姉妹とはどのような関係性なのか、どこまで親しくなり、どこまで触れ合うのか──その答えが扉1枚挟んだ向こう側で披露されているのだとすれば、盗み聞きも已む無しと言った所だろうか。
アルトからしても所謂百合展開を見ていて悪い気はしないので、好きなようにやらせているが────
(やっぱり見られてる気がするんだよなぁ……)
一葉の碧眼が一瞬此方を捉えたかと思うと、また室内に移される。
妙に湿った、言葉にし難い視線だ。
(絶対何かやらかしてるよなコレ……いや寧ろ誕生罪ってヤツか?)
成る程、他校のリリィからすればアルトは奇怪な「何か」に映るのだろうし、仮面ライダーなど胡散臭いにも程がある。
況してや一葉には変身解除した所を助けられた訳で、「この役立たずは一体何なんだろう」と思われているのは殆ど確定しているのではないだろうか。
全く以て儘ならない、とアルトは小さく嘆息した。
何しろ問題は山積みなのだ。
(やっぱ二水ちゃんにシャインクリスタの特訓をつけてもらうか……?いやでも二水ちゃんに頼むと絶対はしゃぐよな……そんで滅茶スパルタになるよな……何なら百由様のメカ、メカ……何だっけ?ヒュージロボ持ち出すよな……1000%くたばるわコレ)
あーヤダヤダ、と心の中でアルトはぼやいた。
穏やかで優しいが1度スイッチが入るととことんまでやる二水に特訓を頼めば、それはもうはしゃぐに違いない。
が、今回の一件で己の力不足を痛感してしまった以上頼まない選択肢も無い。
故に──アルトはやけくそだった。
「取り敢えず、覗くか……」
「ええ、まぁ。そうしましょう」
「あの、挨拶は……?」
どうせ後数十分後には満面の笑みを浮かべる二水によって訓練所に連行されるのは目に見えているからこそ、それまでは最大限自由を謳歌してふざけ倒すし、昨日知り合ったばかりの美少女を巻き込んだってバチは当たらない筈だ。
きっと、多分、恐らく。
(あれが、仮面ライダーゼロワン────)
だが────
(カッコ良かった……!)
相澤一葉はアルトが想像しているような事など、一切考えていなかった。
寧ろ内心ではヒーローショーに訪れた子供のようにはしゃいですらいた。
何しろ「仮面ライダー」だ。
3年前に出会った
(梨璃さんと夢結様の絆も見れて、アルトくんと知り合う事も出来るなんて!)
梨璃達のいちゃつきも合わせてもうワクワクが止まらない。
アルトにチラチラと視線を送っていたのも「より長く記憶に焼き付けたい」己と「梨璃と夢結の絡みをみたい」己がせめぎあったからであり、最早好意的を超えてファンガールの域に到達した彼女なりの自己アピールである。
なのでアルトには多大な誤解を与えているのだが、全く気付かずチラ見を繰り返している辺りからも一葉のしゃぎっぷりが窺えた。
そんな風に、何も知らない叶星を巻き込んでわちゃわちゃしているのだから────
「あ……アルトくん!?それに一葉さんに、叶星様も!?」
「……ひょっとして、見ていたのかしら」
──梨璃と夢結に気付かれるのも、已む無しと言えるだろう。
暗い、カーテン下ろしたままの部屋に少女──
相澤一葉が率いるエレンスゲ女学園トップレギオン「ヘルヴォル」の一員である彼女に、ベッドから起き上がる程の余力は残されていなかった。
「────嘘」
嘘だ、と思いたかったからだ。
全神経を使ってその事実を否定しなければ、千香瑠は潰れてしまう。
信じられる訳が──いや、信じているからこそどうにかなってしまいそうだった。
だってそうだろう。
喪ったと思った者が生きていた。
もう2度と会えぬと思っていた人が其処にいた。
「────嘘、嘘嘘嘘……嘘よ……!」
だが、何故だ。
何故今になって現れた。
何で漸く諦められそうになった今、その姿を見せてしまったのだ。
ガーデンから処方された「安定剤」など幾ら飲んでも効果を発揮せず、混濁した思考を更に掻き乱すだけ。
心構えをする猶予すら与えられず、千香瑠は地獄に引き戻されたのだ。
「ごめんなさい、ご、ごめんな……あぁぁあぁああ……!?」
がりがりと頭を掻きむしるが、泥のようにへばりついた記憶が脳内から消える事は無かった。
事故だったと、細やかなすれ違いだったと言い訳をしても、千香瑠にとってそれが悲劇の根源であった事は間違いない。
だって────
「
──3年前、甲州から避難する際
◯二川アルト
シャインクリスタルを取りこぼしの掃除とかに特化させればこの百仮面ライダー合もまぁまぁ戦えるけど中身がショタなので持久戦は出来ない。
今回は正真正銘百合の間に挟まっている。
◯相澤一葉
わー本物の仮面ライダーだー!(小並感)
自分が救援に駆け付けなければやられてた辺り何か弱くない?と思っていたりもするが、中身がショタなのを見て察したし寧ろその年でよく戦ってると直ぐ様ファンガールに移行した。
今の目標はアルトに特訓をつけて最強の仮面ライダーにすること。
即ち一葉トレーナー。
◯今叶星
ガチのマジで常識人だし今は高嶺ちゃんを連れていないのでウェットな空気を醸し出したりもしない。
アルトと一葉については何かあるんだろうな、程度には察している。
◯芹沢千香瑠
彼女は悪くない。
◯怪しいキー
Over the EDENしようとしている怪しいキー。
◯情報ニキ
今回初出
クッソふわふわした言い回しと説明しかしないアルトの発言を纏めてくれたり過去の発言から色々整理してくれたりする良い人。
推しは史房様。
正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)
-
二水
-
結梨&梨璃&夢結
-
ぐろっぴ&百由様
-
一葉
-
恋花&瑶
-
千香瑠&藍
-
灯莉
-
ひめひめ&灯莉&紅巴
-
叶星&高嶺
-
その他一柳隊メンバーなど