【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】   作:イナバの書き置き

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思ったより早く書けたので更新です。


第8話「戦士 正義 そして夢」

「でやぁっ!」

「────」

 

 仮面ライダーアークゼロワンの剛腕と、仮面ライダーエデンの手刀が交錯する。

 煌々と輝く満月の下で拳と拳が激突し、足元の煉瓦が細かく砕ける。

 マギアの襲撃と特型の奇襲によって半ば瓦礫の山と化した百合ヶ丘女学院の一角は、この日3度目の戦場として完全に崩壊しようとしていた。

 

「っあ!」

「────!」

 

 戦いは一進一退──いや、アークゼロワンがやや優勢に見えた。

 幽鬼の拳が、合わせるように振るわれたエデンの拳を弾く。

 続いて間合いの内側に潜り込んだアークゼロワンは、その勢いのままラッシュを仕掛ける。

 超至近距離でのインファイトならばエデンはかなり分が悪いと、アルトは()()()()()のだ。

 

360:ご機嫌よう名無し様 ID:9GrroQM0E

 いいぞそのまま畳み掛けろ!

 反撃のチャンスを与えるな!

 

361:ご機嫌よう名無し様 ID:Yi7AGA5jU

 後ろの連中はまだ動いてないな

 監視は俺達やっとくから先ずはエデンに集中しろ!

 

 

「エデンの、弱点は────」

「何……?」

「能力が、ナノマシンに頼り切っている事!」

 

 まるで()()()()()()()()()()()()()叫びながら抉るようにして繰り出されたアッパーが、エデンの下顎を打ち抜く。

 血管が貼り付いた髑髏の面が空を仰ぎ──がら空きになった胴に拳が刺さる。

 だが、1発では到底届かない。

 エデンの装甲を砕く事はおろか有効打の1つにすらなれはしない。

 ならばどうするか。

 

「エデンの、弱点は……!」

「────!?」

「ナノマシンで体を構成しているから、リリィよりずっと脆い事!」

 

 1発でダメなら、2発で。

 2発でダメなら、3発で。

 3発でダメなら──100発で。

 そう言わんばかりに繰り出された百烈拳がエデンの胸部に火花を散らす。

 手甲が砕け、装甲の破片が飛び散っては地面に落ちる。

 その末に────

 

「だからこうなる」

「ガ────」

 

 渾身の右ストレートが、エデンの胸部を装甲ごと貫通した。

 あまりの凶行にリリィ達が悲鳴を上げるが、アークゼロワンは百合ヶ丘の地を冒した悪魔から目を逸らさない。

 敵から目を逸らす事、それ即ち死。

 少年がこの1年近くで学んだ経験とリリィ達からの教えだ。

 そして、その教え通りに致命傷を負った筈のエデンが幽鬼の腕をがっしりと掴む。

 

「アークが私の事を教えたか……?だが無意味だ。お前の力程度ではエデンを滅ぼす事など出来ない」

「アンタは全身がナノマシンで構成されてて、やられた側から再生するから……!」

「そうだ。アークによる弊害を克服した私と未だ囚われたままのお前では、格が違う……!」

 

 ずるりと幽鬼の腕を引き抜いたエデンの装甲が、()()()

 まるで逆再生したかのように、1秒も経たぬ内に元の赤黒い威容を取り戻したのだ。

 これこそが仮面ライダーエデン──否、その変身者が持つ最大の能力。

 

 ナノマシンによる自己再生である。

 

 全身をナノマシンに置換した「変身者」は、体の如何なる部分に如何なる攻撃を受けても致命傷とは成り得ない。

 彼を構成する全てが超小型の機械(本体)なのだから、手足を斬られようが首をもがれようが胸をぶち抜かれようが直ぐ様修復されてしまうのである。

 あまりにも反則で、冒涜的な能力。

 その規格外さにリリィ達は皆唖然として──ただ1人の例外が気付く。

 

「いや、でも……幾らナノマシンとは言っても、無限に再生出来るなんて事は無い筈です!」

 

 そう、二水は気付いた。

 ナノマシンの力は確かに凄まじい。

 かつて彼女が変身していた時のプレーンな状態とは違い、不死身に近い打たれ強さを手にしたのだから並大抵の相手には負けないだろう。

 それがヒュージであろうと、リリィであろうと、アークゼロワンだって変わらない。

 

370:ご機嫌よう名無し様 ID:9GrroQM0E

 二水ちゃん御名答!

 イッチによればこの襲撃は想定よりかなり早いらしいし、勝ち目は全然ある!

 

371:ご機嫌よう名無し様 ID:Yi7AGA5jU

 オラオラもっと殴れー!

 殴れば殴るだけ勝利が近付くぞー!

 

 だが、部位を破壊されたのならば再生に必要な分のナノマシンを新たに調達しなければならない筈だ。

 幾ら小型で、幾らタブレット端末が骨董品扱いされる程技術が進歩したこの世界に於いてもオーパーツ扱い間違いなしのトンでも発明だったとしても、アークゼロワンと打ち合ったのならば必ず壊れる。

 つまり、壊れた部分を新たに補填する必要があるのだが──それは無限ではないだろう。

 

「おりゃぁぁぁぁぁっ!」

「────!」

 

 その推測を裏付けるかのように、幽鬼のラッシュが加速する。

 顔を、胸を、腹を、腕を──思い付く限りありとあらゆる部位を殴って蹴って、再生したその瞬間に更に殴り付ける。

 アークゼロワンが取った選択肢は単純だ。

 優勢に立ったその瞬間から絶え間無くラッシュを仕掛け、ナノマシンを限界まで消耗させて撤退に追い込む。

 ただそれだけ。

 戦術とは到底呼べぬ程幼稚で、信じられない位馬鹿らしい。

 

故にこそ有効

 

 確かに「仮面ライダーゼロワン」劇中に於いてエデンはゼロツーを倒した。

 しかしそれは、ナノマシンによる再生と言う所謂「初見殺し」が通用したからに過ぎない。

 事実2回目の戦闘ではゼロツーより戦闘能力で劣る形態に圧倒され、奥の手を切る事態にまで追い込まれていた。

 だから、掲示板を味方に付けた二川アルトに初見殺しは意味を為さない。

 知恵と言う武器を手にしたアークゼロワンにエデンは勝てない。

 

「くっ……ぉおおおおおっ!」

「────な、に」

 

 そして、今。

 反撃に繰り出された拳を受け止めた幽鬼が、背負い投げの要領でエデンの右腕を引き千切る。

 勢いのまま投げ捨てられた腕は一瞬の内に崩れ落ちると、靄のような形で切断面に帰還しようとするが──もう遅い。

 

「捕まえたぁっ!」

「────」

 

 咄嗟に後退したエデンに追い縋り、首を掴んだアークゼロワンが咆哮する。

 エデンがアークゼロワンに勝てないのと同じように、アークゼロワンもまたエデンには勝てない。

 アークゼロワンの圧倒的な火力を以てしても、エデンを完全に滅する事は出来ない。

 だが──少年は()()()()()()を手にしたのだ。

 

392:ご機嫌よう名無し様 ID:NCepRkGP7

 勝機を逃すな!

 掴み取れ!

 

393:ご機嫌よう名無し様 ID:hPm3h0CrY

 先輩、「隙」ッス!

 

 

「確かに、俺はアンタには勝てない。エデンのナノマシンを完全に攻略する方法なんて持ち合わせてない!」

「それを知っていながら、まだ足掻くか」

「──けど、アンタを撤退させる手段なら持っている!」

「何だと……!?」

 

 エデンと組み合ったまま、少年がベルトに装填されたプログライズキーを押し込む。

 そう、そうだ。

 ライダーキック等ではなく、これが本来のアークゼロワンの必殺技なのだ。

 広範囲を破壊する為に手のひらから莫大なエネルギーを投射する、その技は────

 

「諸共吹き飛べ!」

 

『アーク ライジングインパクト』

 

 爆発的に広がった火球が、2人の戦士を呑み込んだ。

 

 

 

■■■

    

 

戦士 正義 そして夢

ᛏᚻᚱᛖᛖ ᚻᛖᚱᚩᛖᛋ ᚩᚠ ᛄᚢ ᛄᚢ ᛄᚢ ᛄᚢᛋᛏᛁᚳᛖ!

 

 

リリィの使命、仮面ライダーの使命

──×──

 "Kamen Rider will fight to protect humanity." 

■■■

 

 

 

 幾度となく重なり、歪に膨れ上がる火球と化した爆発の衝撃が少女達を打ちのめす。

 如何に強靭なリリィ達であろうと、周囲の地面を融解させる程の熱には物陰に隠れるしかなかったのだ。

 その一角、校舎の柱の裏側で桃色のツインテールにした少女──神庭女子藝術高校所属1年生、定盛姫歌(さだもりひめか)己のCHARM(デュランダル)を抱えながら理不尽に理不尽を重ねたような現実への不満を叫んだ。

 

「ちょっとどうなってんのよこれ!?」

「わかんない。て言うか大体の人が分かってないんじゃない?」

「でしょうね!」

 

 隣の柱に隠れている灯莉が何とも暢気な返事を返すが、それも尤もな話である。

 既に殆どのリリィがこの異常事態に付いていけていないが、特にグラン・エプレのリリィからすれば意味不明以外の何物でもない。

 ガトリングを両腕にくっ付けたとか言う阿呆みたいな特型ヒュージの対策をするべく意気揚々と合宿に参加してみたと思えば1泊すらしない内に百合ヶ丘に召集され、よく分からない流れのまま現れた特型ヒュージをよく分からない流れのまま倒したと思えば今度はコレ(エデン)だ。

 

「どうにか援護を──」

「ちょっ、ちょっと待ちなよ一葉!今出ていったら危ないって!」

「それにああも組み合っていられたら、正確に狙いを定められない。誤射するかも……」

「千香瑠、あつい」

「え、えぇ……そうね……取り敢えず今は隠れましょう……また、私は……

 

 端的に言ってしまえば、置いてけぼり。

 同じ流れに付いていけていない余所者でも、特型と1度交戦している分まだヘルヴォルの方がマトモなように姫歌には感じられた。

 飛び出そうとした一葉を恋花が取り押さえたり、あまりの熱量に汗をかき始めた藍の額を千香瑠がハンカチで拭ってやったりだとか戦場とは思えぬ珍事が発生しているがそれは気にしてはいけない。

 

「何か……こう、誰か話分かる人いないの?状況が分からないんじゃ何も出来ないわ」

「た、多分一柳隊の皆さんなら状況も把握しているかと……」

 

 灯莉の更に向こう、他の物より少々細い柱の裏で縮こまっている少女──神庭女子藝術高校所属1年生、土岐紅巴(ときくれは)が爆発音に掻き消されそうな小声で打開策を示す。

 成る程、一柳隊に事情を訊くのは悪くない。

 百合ヶ丘の見知らぬリリィに会話を挑むよりかは合宿でそれなりに仲を深めた相手の方が手っ取り早いだろうし、二水はエデンについて知っているような素振りを見せていたのだから彼女達に尋ねるのが堅実だ。

 が、しかし。

 

「いや、ちょっと……彼処まで行くのは無理じゃない……?」

「……だねぇ」

「そ、そうですね……今は行かない方が良いかと……」

 

 遠い。

 姫歌からは遠すぎて、爆心地からは近すぎる。

 二水と結梨が身を潜めている花壇は普段であれば歩いて15歩程度の距離なのに、今では這って行く事すら儘ならないのだ。

 これには自由奔放な灯莉も、慎重で臆病な性格の紅巴も口を揃えて姫歌を止める始末であった。

 

「……あーもう!やっとアイツの力になってやれると思ったのに!」

「定盛、そこそこの頻度でイッチーの話してたもんね」

「そりゃするわよ。ひめかにとって唯一の未練だもの」

「未練ってあの、アルトくん?と何かあったの……?」

 

 それでも姫歌には、動く理由(未練)がある。

 学園を代表し、雑誌の取材等を受ける人気リリィ──即ちアイドルリリィを目指す姫歌にとって、未練は自身を縛る呪いでしかないのだ。

 況してやその内容が内容だ。

 

「1回会って、ちょっと話しただけよ」

「え?」

「1年半位前に、新宿でね。10歳にもならない子供がふらふらしてたら誰だって心配するでしょ?」

 

 当時中等部生だった姫歌は、ある日偶々少年と出会った。

 本当に何の因果もなく、ただ路地裏で蹲る一文字アルトを保護し()()()を捜すべく新宿御苑へと連れて行った──それだけの話なのである。

 

「甲州撤退戦とか御台場迎撃戦の後だったから孤児なのかもしれないって、ちょっとでも考えればすぐ分かる筈だったのに……バカみたいに親御さんを捜し回って、へとへとになって自販機で飲み物を買って……それでアイツらが来た」

「アイツら……?」

「新宿御苑には親G.E.H.E.N.A.派ガーデンが──ルドビコ女学院がある。リリィオタクのアンタなら中身も知ってるんじゃない?」

「────!」

 

 新宿御苑にキャンパスを構える私立ルドビコ女学院は、東京西部から南部を守護するミッション系の古豪ガーデンだ。

 ヒュージとの一対一(タイマン)を重視するデュエル戦術への適応を掲げかつては都内最強を誇って()()そのガーデンは、その強さ以上とは別の意味で有名であった。

 そう、G.E.H.E.N.A.との関係性である。

 両者は親密と言うより最早ベッタリとすら表現しても良い程深い関係にあり、学舎の隣に大型研究施設が併設されるような始末だ。

 必然的にルドビコの生徒には強化リリィが多く、新入生も研究所に勤める科学者の子女が相当の数を占めるなど関東に於ける親G.E.H.E.N.A.の代表と呼ばれるのも致し方ない有り様だった。

 

「私は……ひめかは姉か友人が迎えに来たものだと思って、疑問1つ持たずにアルトを引き渡しちゃった。ホントに、ちょっと考えれば分かる話だったのに……!」

「……」

 

 アークワンは、並大抵の変身システムではない。

 当時の日本国内に於ける技術の最先端を結集させた、文字通り夢のマシンへと繋がる試験機であり、G.E.H.E.N.A.が持つそこそこの施設で解析出来るような代物ではなかったのだ。

 故に設備では関東最大規模を誇るルドビコ女学院でアークワンを改造するのは必然であり──その後の実験に使()()()()被験者が其処にいるのもまた当然の話だった。

 

「定盛が悪いってワケじゃないとボクは思うけどなぁ」

「そうかもね。でも、これは気持ちの問題。例え誰が許したとしても、私が自分を許せない。だから今度は──今度は絶対に見捨てない」

 

 そう思ってたのに、と姫歌が呟くと同時に一際大きな爆発が花開く。

 慌てて頭を抱える少女達の横を爆風と瓦礫が通り抜け、押し寄せる熱波が肌を焼き──黒い()()が姫歌の眼前に落ちてきた。

 

「え……」

 

 それは人のような形をしていた。

 それは焼け焦げたベルトを装着していた。

 それは仮面ライダーだった。

 それは、それは────

 

「アルト!」

 

 何も考えられなかった。

 立ち上がる時間すら惜しいとばかりに這い寄り、炭化した装甲に触れようとして──戦士の変身が解ける。

 残されたのは、意識を失い脱力した少年のみ。

 

「定盛!」

「生きてる……生きてるわ。死んでない」

 

 シャツの襟を掴み、引き摺るようにして柱の裏に引き込んだ姫歌は少年の胸に手を当て──浅く上下している事に安堵の溜め息を漏らす。

 表面上に目立った傷は無いものの、重傷である事は間違いない。

 しかし、生きている。

 自滅覚悟の必殺技連続使用に少年は耐え、エデンを打ち倒したのだ。

 その証拠として数分前まで2人が組み合っていた学院の中庭は、赤熱化したクレーターがポッカリと口を開けているだけだった。

 

「幾ら全身ナノマシンって言ったって、あんな攻撃食らえばそりゃ消し飛ぶでしょうよ。それより紅巴、救護班を呼んで────」

 

 

 

 

 

 

「誰が消し飛んだのか教えて貰おうか」

 

 ────だが、絶望は終わらなかった。

 

「は……?」

「抵抗は無駄だと、言った筈だが?」

 

 煙のような白い靄──即ち無数のナノマシンが爆心地に渦巻いたかと思うと、再びエデンが形成される。

 爪先から順に踝が、膝が、腰が、胴が、首が、頭が──ものの10秒もしない内に完全に復元され、髑髏のようなマスクが姫歌と彼女の抱える少年に向けられた。

 

「随分と手こずらせてくれたがこれで終わりだな」

「────!」

「楽園を侵す可能性のある者はこの私が排除する」

 

 ゆっくりと、まるで近所を散歩でもするかのような余裕に満ちた足取りでエデンが歩き出す。

 姫歌は、退がれない。

 走った所で逃げる場所など何処にもなく、少年を置いて逃げる選択肢も存在しないのだ。

 なればこそ────1歩踏み出す。

 

「もしアルトを殺したいのなら、ひめかを殺してからにする事ね」

「……何のつもりだ」

「……決まってるでしょ?アンタと戦うのよ」

 

 自信満々に言い切ったつもりではあったが──その声は震えていた。

 いや、声だけではない。

 地面を踏み締めた気になっている両足も、射撃形態のデュランダルを握るその手も、睨み付ける事すら儘ならない瞳も、何もかもが恐怖に震えていた。

 当然だ。

 これだけの戦いを見せられてまだ自分がエデンに勝てるとは、如何な姫歌とて思いはしない。

 剣を振るったとて、銃を撃ったとて一瞬の内に扼殺されるのは目に見えている。

 だが、それが何だと言うのだ。

 

「無駄な事を……そうまでして死にたいのか」

「そんな訳ないじゃない。ひめかにはアイドルリリィになるって夢があるの。その為に後悔するような生き方はしたくない、ただそれだけ」

 

 夢の為に死ぬなら本望──いや、違う。

 真の勝者は命が燃え尽きるその一瞬まで夢の為に生きた者だ。

 故にナノマシン等と言う肉体の代替品に身を貶め、人としての生を棄てたエデンに定盛姫歌は負けはしない。

 夢の為に戦い、夢の為に勝つのだ。

 

「精々足掻いてやるから──来るなら来い!」

 

 そしてそんな少女にこそ、勝利の女神は微笑むモノである。

 

「!」

 

「────よく言った!」

「後は私達に任せろ!」

 

 ずけずけと姫歌に詰め寄らんとするエデンの足元に、突如降り注いだ銃弾が線を引く。

 それは真横から差し込まれた正確な狙撃、既存のどのCHARMとも規格が合わない大口径の()()()

 即ち────

 

 

『 R E A D Y G O ! 』

『ASSAULT WOLF』

『"No chance of surviving."』

 

「ヒュージから人を守る為のゼロワン計画をこうも悪用しやがるとは──楽園の創造主ってのは随分と姑息な真似が好きらしいな」

 

 1人。

 堅牢な装甲にその身を包んだ孤高の狼、仮面ライダーバルカン アサルトウルフが深青のスーツから過剰なエネルギーを電撃として放出させつつ立ち上がる。

 

『 S H O T R I S E 』

『LIGHTNING HORNET』

『"Piercing needle with incredible force."』

 

「政府の犬だ何だと笑われてきたが……ようやくそれが役に立ったな。少なくともお前達シンクネットの逮捕命令を出す程度には上もまだ腐っていないし、この世界も捨てたモノじゃない」

 

 2人。

 純白のスーツにハニカム構造の装甲を重ねた蜂の戦士、仮面ライダーバルキリー ライトニングホーネットが背中の羽で煙を散らす。

 

「君は休んでて。後は俺達がやるから」

 

「後は、頼み、ま────」

「イ、イッチー!……と誰?」

 

 そして、3人目。

 デュランダルを構えたまま装甲の戦士達(仮面ライダー)に瞠目する姫歌の背後、灯莉の献身的な介抱によって直ぐ様意識を取り戻した少年がゆらりと腕を掲げ──その手に握られたゼロワンドライバーと()()が、何時からか其処に佇んでいた青年へと手渡された。

 

「俺?」

「うん」

「そうだなぁ……」

 

 興味津々と言った様子の灯莉に曖昧な返事を返しながら青年がベルトを装着する。

 そう、青年──飛電或人は見るまでもなく戦士であった。

 二川アルトと正義感を同じくしながらより洗練された意志と決意を以て悪を砕く、理想にして()()()()姿。

 つまり────

 

 

 

「通りすがりの仮面ライダー、とか?」

 

『 H Y B R I D R I S E 』

『SHINING ASSAULTHOPPER』

『"No chance of surviving this shot."』

 

 仮面ライダーゼロワン シャイニングアサルトホッパーが百合ヶ丘の地に再誕した瞬間である。

 

「だからどうした……!仮面ライダーが幾ら束になろうが私を倒す事は出来ない……」

 

 それでもエデンの余裕は崩れない。

 全身をナノマシンで構成された骸骨を打ち崩す術などないと、無駄に手こずらせるだけの障害物が増えた事に苛立ちを見せ────

 

「それはどうだろうな」

 

「何?」

 

 バルカンの言葉に、凍り付く。

 エデンの完全性は既に崩れ去っていると、無敵は無いのだと宣うのだ。

 俄には信じがたい、ハッタリをかましているだけなのだと思考を巡らすエデンは、しかし気付いていなかった。

 

「右手の指先、欠けてるよ」

 

「────!?」

 

 仮面ライダーエデンの、右手の指先が──ほんの少しだけ、消失していた。

 まるで使い古した軍手に空いた穴のような、小さな欠落。

 それは髑髏の再生能力が限界を迎えた事を意味する。

 

「どうやら予備のナノマシンは使い果たしたようだな」

 

「まさか、馬鹿な……!」

 

 爆心地の反対側に佇む白フードの集団にも動揺が広がる。

 二川アルトが敢行した自爆同然の攻撃は、決して無意味ではなかった。

 能力の要たるナノマシンを喪失したエデンなど、最早少し性能が高いだけで目に見える強みを持たない強化スーツに過ぎないのだ。

 そんな骸骨に向かって、仮面ライダーゼロワンが1歩踏み出す。

 

「アンタが何を思ってこんな事をしたのかは分からない」

 

「────」

 

 対するエデンは己の弱さを隠すように右手を握り締め、殺意を籠めた拳を作る。

 

「もしかしたら、こうでもしなきゃいけない理由があるのかもしれない」

 

「────」

 

「けど────」

 

 和解の為の対話は、()()無意味だ。

 どちらの戦士にも会話では止まれぬ理由がある。

 だからこそ、飛電或人は伝えねばならない。

 

 

 

 

「リリィの皆を巻き込むって言うのなら、俺はアンタを許さない……!」

 

「────!」

 

 戦士が飛び出し、戦士が迎え撃つ。

 そう、この戦いは人と人との争いだ。

 純真無垢たるリリィを巻き込むなど、人道から考えてもゼロワン計画の主旨から考えても言語道断の極みである。

 

 信念に固められた拳と拳がぶつかり合う。

 咄嗟に繰り出した蹴撃が互いの腹部に突き刺さる。

 そして────────

 

 

 

■■■

 

 

 

 この世界に、もう()()()()()()は存在しない。

 

 この世界でかつて聖剣を振るった剣士達は、100年以上前に傍流すら途絶え歴史から姿を消した。

 

 北極と南極に存在した寄る辺は打ち捨てられ、残骸はヒュージによって破片すら残さず破壊された。

 

 だが──────

 

 

 

 

 

 

 

『 無 銘 剣 虚 無 』

 

 

 

 

 

 

 

 

 たった1つの例外が、仄暗い海の底から蘇ろうとしていた。




◯二川アルト/仮面ライダーアークゼロワン
個人としては最初から負けが決まってたけど全体的な目線で見れば勝ちを拾った百仮面ライダー合。
エデンが出てきた瞬間に勝てない事を悟っていたので予備のナノマシンを消費させてから退場すると言う百合の間に挟まる男らしからぬ有能ムーブを披露した。

(本物のライダーが来るまで)お前を止められるのはただ1人、俺だ!

◯ひめひめ
アイドルリリィを目指すカッコいいリリィ。
ギャグも主人公も雨に濡れる美少女もこなせるって凄いと思う。

◯灯莉ちゃん
有能ムーブに定評がある個性派リリィ。
一見電波っぽいキャラに見えるけど常識はあるし察する能力が滅茶苦茶高いしもうホントすき。

◯紅巴ちゃん
本作では初登場。
書いてる時「ひめひめとかにも敬語使ってたっけ…」ってなってた。
二水ちゃんと渡り合うレベルのリリィオタクなのでルドビコについても当然知ってる。

◯仮面ライダーエデン
長引けば長引く程ジリ貧と判断されてめっちゃ焼かれてナノマシン使い果たすわゼロワンとかが増援に来るわで散々。
でも顔見せと(可能ならば)ゼロツープログライズキー奪取が目的なので勝ってると言えば勝ってる。

エデンゼツメライスキーは飛電に回収された時点では停止しておらず、ZAIAにハッキングを仕掛けてシンクネットに横流しするわメタルクラスタのデータ盗むわゼロワンドライバー奪取の手引きするわやりたい放題してた。

◯飛電或人/仮面ライダーゼロワン
シンクネットに自分用のゼロワンドライバーを奪われるもアルトからゼロワンドライバーを受け取って再度変身。
この世界の或人は強い。
絶対に強い。
具体的に言うと素のライジングホッパーでサウザーにやや不利(=シャイニングアサルト)になる位強い。
でも目安なので今後変わるかもしれない。

◯不破さん/仮面ライダーバルカン
ゴリ…狼。
アサルトウルフで登場したけど最初はオルトロスバルカンで登場する予定だった。

◯刃さん/仮面ライダーバルキリー
前回登場した時は政府の犬辞めたいって言ってたけど結局辞めてない社畜。
最初はジャッカルレイダーで登場する予定だったけど仮面ライダー縛りなのでライトニングホーネットで登場。
ほんへでも全然強化無かったから原作再現だな!(クソみたいな言い訳)

◯一柳隊
アークゼロワンが必殺技を終え次第助太刀に入るつもりで近くに身を隠してたら爆発に吹き飛ばされた。
かなしい。

◯一般封印解除無銘剣
世界を滅ぼしに来そう(小並感)

正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)

  • 二水
  • 結梨&梨璃&夢結
  • ぐろっぴ&百由様
  • 一葉
  • 恋花&瑶
  • 千香瑠&藍
  • 灯莉
  • ひめひめ&灯莉&紅巴
  • 叶星&高嶺
  • その他一柳隊メンバーなど
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