【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】   作:イナバの書き置き

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ラスバレストーリー更新したんで大慌てで書きました(なお更新分は関わらない模様)


第18話「E-X-A」

760:ご機嫌よう名無し様 ID:CFRmgbQ1X

 ……

 

761:ご機嫌よう名無し様 ID:dSc2aYlji

 ……はい

 

762:ご機嫌よう名無し様 ID:3gfQt2OXL

 ……あの、さ

 

763:ご機嫌よう名無し様 ID:io7i0+k7C

 いや待て

 それ以上はいい

 皆薄々思ってる事だから態々言わんでも伝わる

 

764:ご機嫌よう名無し様 ID:RzIxXnuLU

 安価は絶対だし俺らも悪乗りした部分はかなりあるよ

 これはイッチだけの責任じゃない

 

765:ご機嫌よう名無し様 ID:D/f2ABoDi

 そもそも安価を提案したのがイッチとは言えその、まぁ、何?

 ドンマイとでも言えばええんか?

 

766:ご機嫌よう名無し様 ID:diBjT/8xn

 ドンマイで片付けられるなら良かったんだがなぁ

 最善の1手を最悪のやり方で打った感凄い

 

767:ご機嫌よう名無し様 ID:Yb1sh8Xjn

 エリアディフェンス即落ち2コマとか虚無ニキ襲来とかでちょっと皆テンションが可笑しかったですね……

 

768:ご機嫌よう名無し様 ID:aCF6ne75e

 エデンの過去ちょっと重すぎない?

 とても茶化して良いような内容じゃないよコレ

 

769:ご機嫌よう名無し様 ID:YIxG76NSM

 言いやがった……

 

770:ご機嫌よう名無し様 ID:QAW98aqmf

 ホント仰る通りで……

 何やってたんだ俺ら……

 

771:ご機嫌よう名無し様 ID:uUJNn0w+r

 神ごっこでキャッキャするとかちょっと流石に失礼過ぎたわ

 イッチにも迷惑かけた

 

772:ご機嫌よう名無し様 ID:Mry9RokwU

 えーと、つまり要約すると

 

 ・一色理人(エデン)はちょっとG.E.H.E.N.A.寄りな株式会社MIRAIで不治の病に侵された妻(朱音さん)を治す為にナノマシンを研究していて←ゲヘナ関連以外原典通り

 ・ゼロワン計画に参加した企業としてデイブレイクタウンにもいて←原典通り

 ・よりにもよってG.E.H.E.N.A.が産業スパイを自分の研究チームに紛れ込ませていたせいでデイブレイクの決行が早まって←此処から原典と違う

 ・デイブレイク後の甲州撤退戦中に事故で朱音さんが亡くなって(デイブレイクとは無関係な事故死なので電脳世界にも行けない)

 ・株式会社MIRAIはデイブレイクの後処理中になし崩しでG.E.H.E.N.A.に吸収された上人生を捧げてきたナノマシン関連技術は一文字くんやその他のアークワン被験者の改造とかに使われて

 ・挙げ句シンクネットとか言う資金を調達する為だけに設立されたなんちゃって宗教のお飾り教祖に据えられて

 ・もう自分も含めた全部に絶望したからリリィと良い人だけ選別して電脳世界(楽園)に送った後残りは抹殺します

 ・ヒュージの掃討は自分とイッチのクローン詰め込んだアバドン軍団でやるから楽園行き決定した皆はゆっくり休んでてね

 

 って事ですかね

 

773:ご機嫌よう名無し様 ID:D39sZ2L7f

 改めて文字に起こされるといやーキツイッス……

 

774:ご機嫌よう名無し様 ID:ZsYbldrkS

 精神(こころ)がもう息苦しい!

 何やねんこの地獄みたいな経歴……元より悲惨な事になってるとかさぁ……

 

775:ご機嫌よう名無し様 ID:hHYC52SV4

 デイブレイクの決行が後少しでも遅ければ何かしらの成果がZAIAか飛電に残ってたっぽい辺りマジでエデン可哀想

 

776:ご機嫌よう名無し様 ID:NAiMm/9kD

 ゼロワンドライバーとかショットライザーの現物位手元に置いとけたかもしれないのにね……

 

777:ご機嫌よう名無し様 ID:3tSc7Bvnc

 これまでのイッチの話とかから考えると最初は甲斐聖山女子高等学校と連携して甲州撤退戦で性能テストする予定だったっぽいから、最早やらかしとかそう言う次元では済まないのがさぁ……

 

778:ご機嫌よう名無し様 ID:2IsI1fW18

 G.E.H.E.N.A.が産業スパイ送り込んでなければ美鈴様は死ななかったかもしれないし一文字くんは改造されなかったかもしれないし六角さんの家族が死ぬ事もなかったのかもしれないのか……

 

779:ご機嫌よう名無し様 ID:flvGDJfMX

 全部は防げないだろうけど誰か1人位は守れてたかもれないと思うと本当に辛い

 

780:ご機嫌よう名無し様 ID:Ab2dyukEP

 G.E.H.E.N.A.はさぁ……今度と言う今度こそ許されないよ?

 

781:ご機嫌よう名無し様 ID:BiTNsnUTB

 罪の上に大罪重ねていくスタイルはある意味尊敬する

 ここまで悪事働けるのはもう才能だろ

 

782:ご機嫌よう名無し様 ID:ovDP1HeRd

 そりゃ百合ヶ丘の皆からは親の仇のように嫌われるしLGロスヴァイゼみたいな対G.E.H.E.N.A.専門のレギオンも作られる訳だわ

 スレ見てるだけの俺でもドン引きする

 

783:ご機嫌よう名無し様 ID:qJG44m/su

 ゲヘカスがこれ以上にない位ゲヘカスしてる

 今すぐ潰せ

 

784:ご機嫌よう名無し様 ID:RXcxA2qJf

 しかも朱音さん電脳世界(楽園)にもいないんでしょ

 これエデン止められる奴おらんやろ

 

785:ご機嫌よう名無し様 ID:k0mztXj1p

 元の方だと全部朱音さんの為だしだからこそギリギリ説得出来てたけど此方は完全に無理そう

 

786:ご機嫌よう名無し様 ID:kXLAgSDJV

 ドウスッペ……(頭を抱える)

 

787:ご機嫌よう名無し様 ID:zNov5v3IV

 マジでどうにもならないんじゃないこれ?

 実力行使しかなさそう

 

788:ご機嫌よう名無し様 ID:nIHM7qxkz

 てか神の物真似した時点で既に何とも言えない表情してた夢結様が最終的に本当に何を言えば良いのか分からない感じの顔してるの草

 

 いや草じゃねぇよ笑えねぇよ

 

789:ご機嫌よう名無し様 ID:VzSp3ac6D

 ギリギリ美鈴様の仇になりそうな感じだし

 初代アールヴヘイム解散の間接的な原因だし

 でもリリィの事を考えて動いてるのも事実だし……

 

790:ご機嫌よう名無し様 ID:qQc3O3bux

 やってる事は間違いなくダメなんだけど心情的には分からんでもない

 ひたすらにお辛い

 

791:ご機嫌よう名無し様 ID:UIWuacYS1

 変身解いてないからハッキリとは分かんないけど社長も曇ってそうだし何なら特に無関係な百由様ですら曇ってる

 イッチも一文字くんの事考えると微妙な感じだし、ひょっとして全方位曇らせか?

 

792:ご機嫌よう名無し様 ID:XhRTjgWpe

 俺らみたいな部外者目線なら何とでも言えるけど当事者はね……

 

793:ご機嫌よう名無し様 ID:fuqh1aRea

 もうなるようになるしかないかぁ……

 

794:ご機嫌よう名無し様 ID:/HMzsvGkZ

 ……そう言えばさ

 

795:ご機嫌よう名無し様 ID:qUqoLBKfT

 はい

 

796:ご機嫌よう名無し様 ID:J2JGuqOhI

 何すか

 

797:ご機嫌よう名無し様 ID:874CyRzeh

 ゼロツーコア剥ぎ取られたしイッチの生体データも取られたし

 ひょっとしてこれ王手かかってるんじゃない?

 

798:ご機嫌よう名無し様 ID:D6AqP2nCa

 ……

 

799:ご機嫌よう名無し様 ID:hgHJadpio

 ……

 

800:ご機嫌よう名無し様 ID:lvBR261N7

 え?

 え、なに?

 何か可笑しい事言った?

 

801:ご機嫌よう名無し様 ID:u5BQHLSc8

 あああああああああ!!忘れてたああああ!

 

802:ご機嫌よう名無し様 ID:vJOfjXA9A

 ちょっ──ちょっとヤバいって!

 これ止めないとREAL×TIMEしちゃうって!

 しかもメタルクラスタ完成してないっぽいから絶対に止められないヤツ!

 

803:ご機嫌よう名無し様 ID:daT4MGclJ

 いやああああああああ世界滅亡の60分始まっちゃううううううううう

 

804:ご機嫌よう名無し様 ID:ONcpvVtAt

 イッチぃぃぃぃぃぃ今ココ見てるのか分かんないけどそいつ止めてええええええ!!!

 

805:ご機嫌よう名無し様 ID:qnWp9osxA

 此処で逃がしたらどう足掻いてもロクな事になんねーぞマジで!

 

806:ご機嫌よう名無し様 ID:wV/puds+M

 固まってる今がチャンスだー!

 

807:ご機嫌よう名無し様 ID:+HXLpN/E2

 やれー!死なない程度に殺せー!

 

808:ご機嫌よう名無し様 ID:ZoG0Hrc2u

 いきなり皆蛮族になってて草

 しんみりした空気はどこ行った

 

809:ご機嫌よう名無し様 ID:6Eml/HDzy

 まぁ此処で止めないとガチで詰むからね

 仕方ないね

 

 

 

■■■

  18  

 

E-X-A

ᛖᛉᚳᛁᛏᛁᚾᚷ × ᚪᛏᛏᛁᛏᚢᛞᛖ

 

 

君が選んだ道の先には

──×──

"The winds are at his command."

■■■

 

 

 

「────」

 

 何も、言える筈がなかった。

 寧ろ間違いであって欲しいとすら思いもした。

 されど現実は変わらない。

 息を荒らげ肩を上下させるアークゼロワンも、機械か何かのように硬直するエデンも、渋面を隠せていない百由も、項垂れるゼロワンも──そして、未だに唖然としたままの夢結自身も。

 二川アルトが語った一色理人の真実は、夢結からマトモな思考能力を奪うには十分過ぎたのだ。

 

(────私、は)

 

 ドス黒くて、濁っていて、ヘドロのような粘性を持った意思が少女の脳内に雪崩れ込んでくる。

 この2年は何だったのかと、自分の中の誰かが囁いてくる。

 

(────私は、何の為に)

 

 由比ヶ浜ネストに取り込まれたダインスレイフに起因するヒュージの時もそうだ。

 もう振り切ったと思った筈の過去が、今更のように追いかけてきては伸し掛かってくるのだ。

 嫌がらせにしたってあまりにも酷い。

 運命の巡り合わせだとするならばもっと酷い。

 神はどうしてこのような試練を与えるのかと、心の傷口を抉り返された少女は苦痛に呻く。

 

「────」

 

 髑髏の悪鬼──仮面ライダーエデンは、相も変わらず静止している。

 異様な気迫と共に「真実」を暴露した少年を阻止しようと1歩踏み出した姿勢のまま、彫像のように凍り付いたままだ。

 つまりは、隙だらけ。

 足元に転がっているブリューナクを拾い上げ、呆けているエデンに突き刺す程度ならばあまりにも容易い。

 梨璃のみならず一葉と叶星まで不意討ちによって気絶させられ、少年をもボロ雑巾にされた事で復讐心に近いモノを抱く夢結にとっては絶好の機会と言える。

 

(なん、で……!?こんな時ばかり……!)

 

 だが、少女の足は動かなかった。

 それどころか、どれだけ下肢に力を込めようと不甲斐ない己を心の中で叱責しようと、ローファーの靴底をアスファルトから引き剥がす事すら叶わない。

 ただ傍目にはぼんやりと突っ立っているようにしか見えない姿勢で、沈黙を守る事しか出来ないのだ。

 

 だって、「リリィは()と戦えない」。

 仮面ライダーエデンは──否、その変身者である一色理人は人間だ。

 せめて百合ヶ丘を襲った時の様な弁護の余地が無い悪鬼であれば、見掛け通り血も涙もない悪魔であれば、意思を持たぬただのナノマシンの塊であれば、一切容赦なくCHARMを振るう事が出来た。

 敵意をぶつける事も斬って捨てる事も躊躇いなく、それこそヒュージにするのと全く同じように出来ただろう。

 

 でも、人だ。

 彼は自分達と同じように苦しみを抱え、どうにかしようと思って抗った末にへし折れてしまっただけの「普通の人」なのだ。

 リリィたる彼女が「普通の人」にCHARMを向けるなどどうしてできようか。

 そうして全てが明らかになった今、当人の自覚が無くとも夢結に武器を手に取るだけの意思は残されていない。

 平たく言ってしまえば、彼女は完全に戦意喪失していた。

 

「────」

 

 そしてそれは飛電或人、真島百由の両名にも当てはまる。

 デイブレイク当時は社長ではなかったとは言えゼロワン計画を復活させた者としての責任が、CHARMとヒュージの研究に携わる者として感じてしまう同情が、彼等から行動すると言う選択肢を奪い取っていた。

 故に────動けるのは二川アルトただ1人。

 

「もう終わりだよ、一色理人さん」

「終わり……?」

「ああ、終わりだ……貴方の計画が全部露見した以上、もう続ける意味はない。そうでしょう?」

 

 楽園に意味は無いと、少年は言う。

 そう、リリィと善人の為の救済は他ならぬリリィの存在によって最初から否定されているのだ。

 50年前から戦い続け数多の死体の上で未だ抗い続ける彼女達にとって、楽園に送られるのは背負ってきた責任と願い全てを投げ捨てる事を意味している。

 そんなモノは到底受け入れられる筈が無い。

 今ある世界を守るために戦ってきたのに、善意からとは言えそれを奪われる等少女達が許容する筈もなかった。

 

「……まだ何も終わっていない。始まってすらいない」

 

 だが、エデンにも楽園を諦めると言う選択肢は無い。

 1度事態が動き出してしまった以上、例え一色理人の意思がどうあろうと計画が止まる事はないのだ。

 その証拠としてシンクネットの信者達は今この瞬間にもナノマシンを生産しているだろうし、エデンの体内には奪取したゼロツーコアが、左手にはゼロツープログライズキーが収まっている。

 計画は万事順調だ──少年に全貌を把握されたと言う一点を除いては。

 

「此処でお前達全員を始末すれば計画には何の支障もない。予定通り選ばれし者は皆楽園へと導かれるだろう」

「────ぇ?」

 

 硬直していたエデンがぬるりと姿勢を正し──その右手に、かつて二水が振るっていたのと同じ黄金の剣(サウザンドジャッカー)が生成された。

 何故エデンがそのようなモノを持っているのか、と百由は疑問を覚えていたが今はそれどころではない。

 血管がへばついた髑髏のような形状をしたマスクが持ち上がり、立ち竦むリリィ達と戦士を睥睨する。

 

「そんな物言いをして……!貴方は一色理人でしょうが!」

「違う。私は楽園ガーディアの創造主、Sだ。一色理人等と言う惰弱で無力な男は既に死んでいる……!」

「そうやって自分を誤魔化すのを止めろって言ってるんですよ!」

 

 彼女らを庇うように1歩踏み出したアークゼロワンは、しかし拳を構えようとしなかった。

 ゆらゆらと幽鬼のように歩み始めたエデンを言葉で迎え撃つ。

 勿論アルトも説得が通じる等と甘い考えは抱いていない。

 百合ヶ丘を襲ったマギアによって祀が負傷した事への恨みは相当根深い。

 だが、少しでも──覗き見した彼の情動が欺瞞ではなく本当に見た通りなのだとしたら、リリィを守りたいと思う心に嘘が無いとするならば止まって欲しいと願わずにはいられないのだ。

 

「大体貴方は……あんたは!まだリリィとゼロワン計画に抱いた希望を捨てちゃいないだろうに!」

「なんだと……!?」

「本気だったら態々俺達の前に立ったりしない!百合ヶ丘に宣戦布告みたいな真似だってする必要もない!俺のデータが欲しいんだったら適当な所で変身前に奇襲をかけて終わりの筈だ!」

 

 少年まで残りほんの数メートルの所まで接近したエデンの足が、再び止まる。

 それどころか、今やナノマシンの集合体で疲労とは無縁な筈の体にまるで力が入らない。

 仮面の中に潜んだ「彼」の意識は、突然思い通りにならなくなった己に困惑した。

 その様子を見咎めた少年の攻勢は更に加速する。

 

「ほれ見ろ!本当は止めて欲しいから足を止めるんだ!自分や世界に絶望していてもまだ信じられるモノがあるから、そうやって躊躇ってるんだ!違うか!」

「私は既に人間ではない……!」

「ふざけんなこの野郎!俺に考えてる事見られておいてまだそんな言い訳すんのかよ!」

 

 アルトの言う通り──なのかもしれない。

 実際エデンはリリィであるならば間違いなく楽園に送るつもりではあったし、()()()()()()()()()()()としてゼロワン計画の産物を活用するつもりでいた。

 

「お前の言う通りだとして……だから何だと言うのだ。ピースはもう全て揃っている……!」

 

 だが、それを認める能力はもうエデンにはない。

 人としての形を捨てシンクネットの教祖として振る舞う内に、自分の意思を騙して揉み潰すのがすっかり上手くなってしまったのだ。

 虚構を本音に、本音を虚構に。

 リリィと善良な人々を楽園に送ると言う目的だけをそのままに、残りの全てを「楽園の創造主」に作り替えてしまった空っぽのナノマシンが一色理人の正体だ。

 

「……安心すると良い。次に目覚めた時、お前達は楽園にいるだろう。今一時の辛抱だ」

「ふざ、けんなよ……!」

 

 だからこそ夢結達と違って、踏み出せる。

 目的の為なら、自分()を殺せる。

 そして──遂に少年の眼前に辿り着いたエデンは、サウザンドジャッカーの切っ先を天に向かって力強く掲げた。

 一瞬でも芽生えた迷いを振り切るように。

 或いは、己の選択に恥じぬ行動を見せ付けるように。

 

「アルトくん……!」

「アルト……っ!」

 

 ゼロワンが飛び出す。

 夢結が駆け出す。

 間違いなく間に合う距離で、その気になれば無力化する事だって可能な距離で──しかし2人の中には、エデンが()()()()だろうと言う不思議な確証があった。

 そう、その領域に至った覚悟を持つ者(川添美鈴)を彼らは知っているのだ。

 

「やれるものならやってみろよこの大馬鹿野郎が────!」

 

 それでも少年は動かない。

 リリィの為を思う者に悪人などいないと、説得が全くの無駄ではないと、()()()()()()()()()()()()()()と、信じている。

 

「────!」

 

 そして、今。

 超硬鋼「ZIA-1000」によって形成されたサウザンドジャッカーの刃がアークゼロワンの仮面に向かって振り下ろされ────

 

 

 

 

 

「させるかっての!」

 

 

 

 

 

 突如背後から飛来した弾丸が柄の部分に直撃し、手からすっぽぬけた剣は少年の頬を掠めて瓦礫の向こうに飛んで行った。

 覚悟の一撃を妨害されたエデンが、緩慢な動作で振り向いた先に──桃髪の少女。

 

 

840:ご機嫌よう名無し様 ID:B31EEbgPd

 ひ……ひ……!

 

841:ご機嫌よう名無し様 ID:R8KaV26sC

 ひめひめだーっ!

 

 

 

「定盛、姫歌……!?」

「アンタも灯莉と同じで定盛呼ばわりするのね……次からはひめひめって呼びなさい」

 

 神庭女子藝術高校声学学科1年生、定盛姫歌。

 アイドルリリィを自称し夢に向かって邁進する不屈のリリィが、その左手1本で構えた射撃形態のデュランダルでサウザンドジャッカーを狙撃したのだ。

 

「遅い!」

「ぐっ……!?」

 

 続けて、もう1発。

 放たれた弾丸は防御姿勢を取ろうとしたエデンの左手に直撃し、握られていたゼロツープログライズキーを百由の足元まで弾き飛ばす。

 ベクトルを把握出来るレアスキル「この世の理」によって動きを読んだ上で針の穴に糸を通すような正確無比な射撃が揃って初めて為せる技だ。

 

「貴様……!」

「悪いわね。()()()()()は弟分のピンチを黙って見過ごせる程薄情じゃないのよ──それよりアルト、大丈夫?」

「え、あ、はい。でもお姉ちゃんって一体どういう……」

「今は二水さんも千香瑠様もいないでしょ。だから私が代わりってワケ」

「ちょっと待って姫歌さんの中で俺どういう扱いになってんの」

 

 声色に怒りを滲ませるエデンを一顧だにせず、その向こう側のアルトと姫歌は言葉を交わす。

 浮かべる表情は余裕そのもの。

 如何に武器を弾けどエデンはリリィ1人で相対するにはあまりにも強大なのに、勝利の確信は揺るがない。

 

「そりゃあ、ねぇ……姉がいないと暴走する子?」

「酷い!」

 

 これこそ彼女の本領発揮。

 理性的な自信家である定盛姫歌は、自らのペースを保っている時に限って他の誰より強いのだ。

 戦術立案と突破力なら夢結のような歴戦の2年生にも匹敵する──と言えば分かるだろうか。

 では、その根源は何か。

 何が彼女に自信を与えているのか。

 

 そう──────

 

 

845:ご機嫌よう名無し様 ID:81srm0EHC

 あれ時国剣じゃね?

 

846:ご機嫌よう名無し様 ID:uLeAg09VF

 ホントだ

 なんでひめひめが持ってるんだ?

 

 

 

「あれ、その剣────」

「……ちょっと、色々あってね。託されただけよ」

 

 右手に構えた時国剣界時が彼女に勇気を与えている。

 折れない使命と、進むべき道を示し続けている。

 だからこそ、彼女は──デュランダルをアスファルトの地面に突き刺し、鋭い目線でエデンを睨む。

 

「リリィに対して思う所があるみたいだけど、随分好き放題やってくれたじゃない」

「────」

 

 代わりにポケットから取り出したのは──黒白の小さな本。

 即ち、オーシャンヒストリーワンダーライドブック。

 その表紙が今、開かれる。

 

『この群青に沈んだ命が』

『今をも紡ぐ刻まれた歴史──』

 

 少女の耳に飛び込むは物語の粗筋。

 積み重ねた成長を、進化を、命を軌跡を記した()()の一節。

 聞き終えるなり姫歌はそれを時国剣の鍔に当たるカイジシェルフへと装填し、()()()()()()()

 

「良い?アルト。この手の言って聞かない輩には──」

 

 不可解極まる行動に身構えるエデンを真っ直ぐに見据えながら、少女は腕を回す。

 右手に握った刀身を上に、左手に握った柄を下に円を描くように回転させ────

 

 

 

「ぶつかり合って分からせるのよ!」

 

 

 

『 界 時 逆 回 』

 

 上下が反転した刀身を叩き込む。

 そう、それは変身の起動シークエンス。

 

『 時 は 』

 

 リリィたる定盛姫歌を、()()()()()()に変化させるプロセスの1つ。

 

『 時 は 』

『 時 は 』

『 時 は 』

『 時 は 』

『 時は──── 』

 

 何処からともなく現れた魚群が、水の奔流が瞬く間に彼女を包み隠す。

 そして────

 

「変身……!」

 

『 我 な り ! 』

『オ ー シ ャ ン ヒ ス ト リ ー』

 

 渦巻く海流を引き裂いて現れるは、大海の剣士。

 名を、仮面ライダーデュランダルと呼ぶ。




◯二川アルト/仮面ライダーアークゼロワン
最近ボコられ続けてるけど一応主人公。
エデンは止めたいし止めるだけの理由もあるけど止まってくれそうにない。

◯仮面ライダーエデン/一色理人
可哀想な人。
大体纏められている通りの経歴。
今作でも彼は妻(遠野朱音)を救うべくナノマシンを研究していたが、実はナノマシンを用いてリリィの強化手術の成功率を上げるもう1つ目的があった。
と言うのも予てより彼は強化リリィの強さを認めつつも強化手術の非人道性に難色を示しており、どうにか改善出来ないかと考えていた。
其処で研究中のナノマシンを転用し強化手術の成功率を格段に上げると共に副作用を含むリリィへの苦痛、風評被害を和らげる本当の意味での「誰でも受けられる安心安全な強化手術」を目指していたが──その末路はお察しである。
自分のやる事為す事全てが裏目に出てしまった一色理人は、最早この世界には何一つとして期待していない。
ただ、リリィと仮面ライダーには期待している、のかもしれない。
最早その感情を自覚する事すら、彼は不要なモノとして断じている。

◯定盛姫歌/仮面ライダーデュランダル
これずっと書きたかった。

正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)

  • 二水
  • 結梨&梨璃&夢結
  • ぐろっぴ&百由様
  • 一葉
  • 恋花&瑶
  • 千香瑠&藍
  • 灯莉
  • ひめひめ&灯莉&紅巴
  • 叶星&高嶺
  • その他一柳隊メンバーなど
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