【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】 作:イナバの書き置き
体調がガバだったり1章完結編の情報整理してたりしたらこんなに遅れてしまいました。
申し訳ないです。
「……?」
その違和感に最初に気付いたのは、黒煙漂う渋谷の市街を歩いて回っていた二川二水だった。
彼女──と言うか一柳梨璃と白井夢結、二川アルトを除く一柳隊の面々は先の特型ヒュージ討伐に伴う慰安旅行及び都内ガーデンの見学(と言う名目)で東京を訪れ、そしてエリアディフェンスの崩壊に巻き込まれた。
実に災難な話である。
それでも、リリィ達にとってすべき事は変わらない。
逃げ惑う市民の誘導をしてヒュージと戦う、単純だが失敗は許されない使命が最初から彼女達にはあった。
まぁ、今回は可能性を展開したゼロツーが片っ端から掃討したりだとか戦闘中に
そしてだからこそ──前線で戦い続けた彼女達だからこそ、気付ける
「……ん?」
先ず二水が違和感を感じたのは、異様に開けた視界だ。
通常、都市部での戦闘はヒュージによる破壊活動の結果として瓦礫の散乱や火災、建造物の倒壊等が非常に多いとされている。
つまり、荒廃している可能性が高い。
ところが、今小柄な少女の目の前に広がっているのは車両の破損や小火等は見受けられるものの、彼女の想定よりずっと「綺麗な」渋谷の街並みだった。
違和感に気付いた当初こそ人々の営みが汚されなかった事に胸を撫で下ろしたものの、やはり何かがおかしい。
とは言え、この程度なら「アルトくんがまた無茶したのかな」で済ませられるレベルの話だ。
何より両脇を固めて一切の勝手を許さない位の措置を講じなければ
そしてほんわかした雰囲気の梨璃と何だかんだ言って甘い夢結が少年の手綱をキチンと握れるとも思っておらず──まぁ、端的に言ってしまえばハナからある程度までは諦めていた。
だが、それ以上に「おかしな」部分がこの街には存在する。
「ヒュージの死体が、少ない……?」
そう、ヒュージの死骸がリリィ達の討伐数に対して明らかに少ない。
通常活動を停止したヒュージはマギによって形成されていた肉体を急速に腐敗させ、数日の内に一部の骨格や肉片を残して消滅してしまう。
彼らの体組織を保存するには専用の薬液に浸したりだとか複雑な手順を踏まなければいけないのだが──事の本質はそこではない。
「……どうして、でしょうか」
やはりどう考えたって、討伐した数と今転がっている死体の数が釣り合わないのだ。
幾ら腐敗速度が速いからと言ってたったの数時間で死骸が消滅するなど有り得ない話であり、本来なら通行の邪魔になるくらいでもおかしくない筈の道路も大部分でコンクリートを露出させている。
「ふ、二水さん!これは……」
「紅巴さんもおかしいと思いますか」
「は、はい……!戦闘の痕跡はあるのに、肝心のヒュージは全く見当たらない……これって、変ですよね?」
隣の通りを見回っていた青髪の少女──神庭女子藝術高校声楽学科所属1年生、土岐紅巴もまたその異常性に首を捻っている。
両者共に「リリィオタク」としてその手の界隈ではそれなりに名を馳せているのだが、如何な彼女らとて
そう、普通に考えれば。
「特型ヒュージ……でしょうか」
「かもしれませんね……ヒュージの生態は謎に満ちていますから、死体を貪るハイエナのような個体もいるのかもしれません」
「そ、そんな……!」
「い、いや、あくまで物の例えですよ紅巴さん!そんな怖がらないで下さい!」
あはは、とわざとらしく笑いながらも二水の思考は巡る。
紅巴の言う通り、最も現実的なのは未知なる特型ヒュージの出現だろう。
しかし死体を消す、或いは超短期間で消失する個体を生産可能な、言ってしまえば「プチネスト」とか渾名を付けても良いようなヒュージがこの都内に現れたとすれば、安全地帯は消失したのと同意義となる。
何せ、未だにそのヒュージの目撃が確認されていないのだ。
つい今しがたまで戦闘を行っていたにも関わらずもう死骸が消失していたと言う事は付近に「特型」がいたと事を意味している。
しかし紅巴はおろか鷹の目を使って索敵していた二水すらまるで気付けないとすれば、余程の隠蔽能力を保持しているに違いない。
その上ラジオや無線等を小まめにチェックしてもそれらしき個体についての情報はなく、ただ被害状況や戦況が混乱と共に流れてくるだけだ。
(かなりマズい、ですね……)
つまり少女達は何時何処から襲ってくるか見当も付かないヒュージの脅威を警戒し、実在するかも不明な影に怯えなければならないのだ。
今も23区全域で奮闘するリリィ達にとって、これ以上の凶報は無いだろう。
「……取り敢えず司令部に報告しましょう。早く全体に情報を共有しないと、被害が増えるかも……!」
「で、でしたら私に任せて下さい!基地局がやられてしまったのか電波が不安定ですけど、神庭女子になら私の端末で繋がるかもしれませんので!」
「分かりました。では私は周囲を警戒しますのでお願いします」
ポケットから携帯を取り出しボタンをプッシュし始めた紅巴を視界の隅に留めつつ、二水は周囲を見回す。
彼女は自己肯定感の低さから一柳隊、ヘルヴォル、グラン・エプレの全員の中で一番戦闘能力で劣っていると己を卑下しているが、だからと言って手を抜くような人間ではないのだ。
そしてそんな二水だからこそ、真っ先に気付ける事もある。
「……雪?」
ふと見上げた空から、白い「何か」がはらはらと降ってくる。
粉のような、粒のようなそれは瞬く間に地上へと到達し、しかし何の痕跡も残さず消えてしまう。
それどころかほんの十数秒前まで晴天と言って何ら差し支えない程澄み渡っていた都内の空は灰色の雲に覆われ、まるで夜間の如き様相を呈していた。
だが、突然降り始めたそれは断じて雪ではない。
季節も天候も何もかも外れているこの時期に、雪など降る筈もない。
「違う、これは……マギ?」
そう、この白い「何か」はマギの粒子である。
高濃度のマギが凝集する事で、雪のような形で現出しているのだ。
しかしこのような事態に前例はなく、二水は通話していた携帯から耳を離した紅巴共々呆然と空を見上げるだけだった。
そして──偶々少し視線を下ろした2人は、「ソレ」を目撃した。
「……じゃああれは、繭?」
そう呟いたのはどちらだったか。
CHARMを構える事も忘れただ立ち竦む少女達の目線の先にあったのは──東京都庁の上部にへばりついた、巨大な生物の繭であった。
850:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
暇
〔添付:エデンとデュランダルが高速戦闘を繰り広げている動画〕
851:ご機嫌よう名無し様 ID:u/mTEBm6l
暇……!?
852:ご機嫌よう名無し様 ID:EXUWYHBTJ
いや暇じゃないが
853:ご機嫌よう名無し様 ID:0qdX59csB
ひめひめに加勢しろ百仮面ライダー合
854:ご機嫌よう名無し様 ID:hrJfcddVR
働け百仮面ライダー合
855:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
何か当たりキツくない……?
俺もうボロボロなんよ……?
856:ご機嫌よう名無し様 ID:Jq8II2Gw6
関係ない
行け
857:ご機嫌よう名無し様 ID:cjxxLN29a
ひめひめ1人に戦わせるとか恥ずかしくないんか?
858:ご機嫌よう名無し様 ID:Zb1cbnfDZ
今は互角だから良いけど崩れたら終わりやぞ
859:ご機嫌よう名無し様 ID:r0uvwxpx1
戦え……戦え……
860:ご機嫌よう名無し様 ID:Vg4XkXFVD
戦って♡
861:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
無理です……
862:ご機嫌よう名無し様 ID:qUF3O+5/L
なんで?(殺意)
863:ご機嫌よう名無し様 ID:IU5WgLavz
は?
864:ご機嫌よう名無し様 ID:hvFYK6JnW
無理って言っても戦うんだよ今から!
865:ご機嫌よう名無し様 ID:V5f2+SGEe
てか無理ってどういう事やねんまだ変身しとるやろが
866:ご機嫌よう名無し様 ID:4oZlikcBM
ぶっ壊れる位で行けや
867:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
いや、その、夢結様と百由様に両脇固められてる……
868:ご機嫌よう名無し様 ID:SJszDVtKY
は?
は?
869:ご機嫌よう名無し様 ID:3dgE9KfUB
あのさぁ……
870:ご機嫌よう名無し様 ID:UYnR9ep+q
隙あらば百合の間に挟まるとは……おぞましいヤツだな!!!
871:ご機嫌よう名無し様 ID:X9m0et1WO
肝心な時に役に立たない男じゃんこんなの……
872:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
しかも後ろにシャイニングアサルト社長がいる
無理
抜け出せない
873:ご機嫌よう名無し様 ID:m8Fnv6i1v
草
874:ご機嫌よう名無し様 ID:cq8uHAHrG
シャイニングアサルトホッパーに怖じ気づくとかアークライダーの恥やろ
875:ご機嫌よう名無し様 ID:8bOqnc1JU
幾ら相手が社長とは言え弱気過ぎますね……
メタクラを警戒するならまだ分からんでもないけど
876:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
でも社長は素のライジングホッパーでシャイニングアサルト俺をボコれるし……それも此方は手も足も出せない位
877:ご機嫌よう名無し様 ID:tEY/DPuDV
?????
878:ご機嫌よう名無し様 ID:hAO+BPX+n
えぇ……(困惑)
879:ご機嫌よう名無し様 ID:QTGtLA6kY
ちょっと待って初耳なんだけど
いつの間に社長と戦ってたの?
880:ご機嫌よう名無し様 ID:4xLB9xnTP
そう言えば聞き覚えないですね
881:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
甲州から帰ってきたちょっと後に1回
あまりにボコされ過ぎて恥ずかしいから黙ってたけど
882:ご機嫌よう名無し様 ID:tZ025ox77
いやそりゃ恥ずかしいでしょうよ……
俺だったら生きていられなくなって切腹する
883:ご機嫌よう名無し様 ID:3/MteOmw3
>>882
介錯しもす!
884:ご機嫌よう名無し様 ID:23P+dllKv
でもそれなら社長にビビる理由も分かるわ
明らかにゼロワン本編より強い
885:ご機嫌よう名無し様 ID:RyZZxoj+z
ライジングホッパーでサウザー+バトルレイダー2人を翻弄してる回あったけど常時あれ位の強さ発揮してそう
886:ご機嫌よう名無し様 ID:o2YmrYTa7
まぁこう言っちゃアレだけどアークライダーじゃない時のイッチ大した事ないしね
あーあ、またイッチのアークワンみたいなー
887:ご機嫌よう名無し様 ID:gi/PCosAd
止め止めろ!
888:ご機嫌よう名無し様 ID:D6MS9RVIU
それは洒落にならんて
889:ご機嫌よう名無し様 ID:8q2UjecXb
変身する度にどっかが動かなくなるのはエグいからNG
890:ご機嫌よう名無し様 ID:zgtD7BSUU
何よりリリィの皆が悲しむんだよなぁ
891:ご機嫌よう名無し様 ID:MDqBxzq/I
イッチが監禁生活エンジョイしてた時の生徒会とか精神的にかなりヤバかったらしいし……
892:ご機嫌よう名無し様 ID:Rcew5TXOG
祀様の顔面蒼白っぷりは此方が心配になるレベルでしたね……
893:ご機嫌よう名無し様 ID:KQBkucPKr
当の本人は味覚ないけど飯うめーとかマジカルリリィ面白れーとかやってたけどな!
894:ご機嫌よう名無し様 ID:hpCfgv+Xo
図太過ぎるッピ……
895:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
あ、そうだ
896:ご機嫌よう名無し様 ID:ewnjNd1ei
おいKMRァ
897:ご機嫌よう名無し様 ID:E1l/2V/Ry
よせイッチ
イッチの「あ、そうだ」は大抵ロクな事にならん
898:ご機嫌よう名無し様 ID:sKb4ipRJ5
どうせまだ特型ヒュージが出たとかでしょ
899:一般転生ゼロツー ID:Rider01+02
ご希望に応えてアークワンに変身するチャンスが来そうだゾ
〔添付:都庁に貼り付いた巨大な繭の画像〕
900:ご機嫌よう名無し様 ID:8QpWjdDF5
……
901:ご機嫌よう名無し様 ID:RuF4TR7zP
……?
902:ご機嫌よう名無し様 ID:zxyBg/1db
(絶句)
903:ご機嫌よう名無し様 ID:j21a7EhLX
おいマジかよ
904:ご機嫌よう名無し様 ID:Qn7QFFdte
ホントにロクでもない事来ちゃったよ……
「馬鹿な」
この場──六本木から少し離れた市街地に集った誰もが思った事を真っ先に代弁したのは、よりにもよって仮面ライダーエデンだった。
その血管がへばりついた髑髏のようなマスクは相対する剣士ではなくただならぬ雰囲気を漂わせる都庁に向けられ、決闘の最中であるにも関わらずサウザンドジャッカーの切っ先は地面に向けられている。
しかし、このような状況に陥っているのは彼1人ではない。
今しがたまでエデンと剣を打ち合わせていた仮面ライダーデュランダル──定盛姫歌も、隙を見て彼女に加勢しようとしていた飛電或人も、戦うリリィとして最高峰の能力を持つ夢結も、本来ならばこう言った異常に真っ先に飛び付く筈の真島百由も、たった1人を除いて須く呆然と立ち尽くしていた。
それでも百由が絞り出した一言には、全員の疑問が籠められている
「──繭?何の?」
彼女らが視線を向ける先には、繭としか呼べない「何か」があった。
都庁に半ば覆い被さるようにして脈動する様は最早怪獣映画のそれだ。
尤もこれが映画であれば繭から出てくるのが蛾だか蝶だか今一ハッキリしない「あの」怪獣で島に帰るか人類に力を貸してくれるのだが、
「……っ」
「何ておぞましい……これは殺気、よね……」
数値に出来ない、言葉では正確に表現出来ない意思──即ち猛烈な殺意が繭から発せられていた。
何kmも離れている筈なのに重圧を感じる程の敵意が全方位に向けて放たれているのだ。
時を同じくして、曇天より降り注ぐはマギの粒子。
雪のようにはらはらと、されど背筋を凍らせる不吉な予感を伴って戦士達を威圧する。
「……ふぅん、
だが──少年だけは怯みもしなければ、恐れもしていなかった。
変身を解除し、ズタボロになった制服のポケットに手を突っ込んでただ繭を睥睨していた。
それどころか「どうにでもなる」とでも言わんばかりの表情で、かつてない異形を見ていたのである。
「待ちなさい──!?」
そして、それを見逃す夢結ではない。
咄嗟に少年の腕を掴んで──べったりと付いた血に、動きを止めてしまう。
(……お姉様?)
脳裏を過ったのは、2年前のあの感触。
甲州撤退戦の最中、
こじつけかもしれない、思い込みかもしれない。
それでも──夢結には、少年が死に向かって歩いているように見えてしかたなかった。
「アルト、まさかまた無茶をするつもり?」
「ハハ、そんな事する訳ないじゃないですか。痛いのも苦しいのももう懲り懲りです」
「嘘ね。貴方は痛くても苦しくても、それを我慢してしまうでしょう。出来る出来ないは関係無しに」
「……そんなに信用無いです?」
「信用出来るし信頼しているから言っているの」
「そうですか……それより一色さん、アンタ大丈夫ですか」
やはり、少年は夢結を見ていない。
それどころかエデンの方に向き直るや否や手を差し伸べる始末。
一体何を──本当に何を考えているのか。
大切な仲間の筈なのに、守るべき子供の筈なのに少年が何か別のモノに見えてくる。
「……何のつもりだ」
「あれ一色さんの予定に無いヤツでしょ」
「……」
「黙ってても無駄ですよ。アンタの考えは全部見ちゃったんだから今更誤魔化したって何の意味も無い事位分かるでしょうに」
そう、予定に無い。
エデンの計画にあの個体──G.E.H.E.N.A.が調整した特型ヒュージの投入は全く想定されていなかったのだ。
G.E.H.E.N.A.の部隊がエリアディフェンスを破壊し、レアスキル「ラプラス」の推定保有者──即ち一柳梨璃の能力を測る作戦に便乗してゼロツードライバーを奪取する、ただそれだけの話だった。
ついでに梨璃を気絶させてG.E.H.E.N.A.の妨害もしておこう、程度で全てが済む予定にあった。
ところが、何だ。
梨璃がエデンに気絶させられてしまった以上計画は破綻している筈なのに、何故G.E.H.E.N.A.は
エデンも夢結も思い付かないような事を少年は知っていて、その上で余裕を崩さないのだから2人からすれば不気味な事この上ない。
「あれ、一色さん殺しに来たんですよ」
「は?」
そして事も無げに少年が言い放った言葉は、戦士達を凍り付かせた。
「普通に考えて、今の一色さんはG.E.H.E.N.A.からすればこれ以上にない位不愉快な存在でしょう。自分達の計画に乗っかってやりたい放題して、その上邪魔までしてくる」
「……」
「しかも似非宗教のお飾り教祖様がですよ?完全に管理していた筈の下部組織が適当に用意した思想を本気にした挙げ句G.E.H.E.N.A.の名前を使ってそれを進めようってんだから、彼らからすれば堪ったもんじゃない」
「……」
「操り人形でしかないシンクネットが自分の意思を持って動き始めた以上、何れはこうなる話です」
言われてみれば──いや、言われずとも最初から分かっていた事だった。
表向きの目的である「選ばれし者」による楽園創造も、一色理人が望む「善き人」の為の楽園もG.E.H.E.N.A.の目的とは全く一致しない。
彼らはヒュージの研究をしたいのであって人類滅亡も電脳化も望んでいないのだから、シンクネットなど目の上の瘤でしかなかった。
しかし彼らは圧倒的なカリスマを持つ「エデン」と言う教祖の存在によって、初めて宗教組織としての形を保つ事が出来るのだ。
幾ら数がいようと終末思想に囚われ直接顔を合わせた事もない烏合の衆が自ら纏まりを作れる筈はなく、エデンを抹殺すれば無力な一般市民に回帰する。
だから今送り込んだ。
二川アルトと争い消耗したこの瞬間こそシンクネットを一網打尽にする最大の好機なのだと考え、予定外の事象を利用しようとしているのだ。
「助けて下さい」
「……何?」
こうなってしまうと、最早誰の手にも計画は無い。
予定外に予定外を重ね、誰の筋書きからも離れた物語は勝手に結末へと加速し始める。
それを知ってか知らずか、少年は誰にとっても得しかない助力を直球でエデンに求めた。
「私にどうしろと?」
「力貸して下さい、今だけで良いんで」
「……具体的には」
「アンタが持ってるアークワンの欠片、全部出せ」
「……良いだろう」
断る理由は1つも無かった。
故に、あっさりと──夢結からすれば信じられない位、さも当然のように少年と悪鬼は手を結ぶ。
それどころかエデンの体内からポロポロと零れ落ちた白い「破片」が一人でに浮遊したかと思うと、少年の左手に握られたアークゼロワンプログライズキーに取り付き──数ヶ月前に砕け散った筈の、あの
「あーっ、そう言う事だったのね!」
「どういう事なの百由ちゃん」
「だってほら、変身者の差があるにしたって二水ちゃんが変身してたエデンと色々違い過ぎるでしょう?何かおかしくないかしらってこの1週間ずっと思ったんですけど……アークワンの破片で能力を底上げしてたんですよあの人!」
「成る程、だからここまで……」
「見た感じ全体の7割位しかないみたいですけど……充分なんでしょうね、あの2人には」
どこか合点が行った様子の或人と百由の会話も、夢結の耳にはまるで入らなかった。
(ま、待って────)
置いて行かれている。
訳の分からない敵が出現して、敵だった者が味方になって、もう2度と見る事は無いと思っていた悪夢が少年の手に戻って──混乱する夢結だけそのままに、他の誰もが己の役割を悟って動き出している。
「よーし、行く────」
「ひめかも付いて行くわ」
「俺もだ。アルトを1人で戦わせる訳にはいかないだろ?」
「私は後ろから応援するしかないけど……はい、これ持ってってアルトくん!」
「うわっ、何これ……ってマギディヴァイダーじゃないですか!俺に使えるんです?」
「んー、使えると思うわよ。多分」
「多分!?」
「ま、諸経費は学院持ちだから景気よくぶっ壊してきなさいな!」
気付けば、夢結の隣には誰もいなかった。
真島百由が、飛電或人が、定盛姫歌が、そして蠢く不定形と化したエデンを体内に取り込みつつある少年が──悉く膝を突いた彼女の前で、勇ましい背中を見せ付けている。
「おー、ぉ?何かもう攻撃しかけてる人がいるっぽいじゃん。アレ誰ですかね、或人社長知りません?」
「いや……でも姫歌ちゃんが変身したのに何処か似ているような……?」
おいアレセイバーじゃん
何してんの千香瑠様
921:ご機嫌よう名無し様 ID:Qn7QFFdte
一人で挑んでるみたいだけどちょっと無謀ですね……
「ま、待って……ねぇ、待って。お願いだから……!」
勝手に話が進み、勝手に結束が生まれていく。
なのに夢結は動けない。
戦闘の疲労ではなく、何でも無いように因縁を振り切る彼らに理解が及ばないのだ。
敵だったのに、殺しあったのにどうして、と。
そしてその果てに──ゼロツーユニットがどろりと溶け落ち、続けざまに取り付いたナノマシンがアークドライバーを形成する。
無慈悲にも、キーがベルトに装填される。
少年の足元が砕け、勢い良く湧き上がった汚泥がその小さな身体を呑み込む。
形成された
そして──少女にとって最大の絶望が、再度顕現する。
◯二川アルト/仮面ライダーアークワン
(夢結様はもうボロボロだし梨璃ちゃんの安全を確保してもらわないといけないしあの特型も最短で抹殺しないとヤバいから此処は俺達でどうにかするしかないな…)とか思ってる。
ちゃんと直接言え。
アークワンに変身するのはちょっと躊躇いがあるけど必要があるならやる。
◯仮面ライダーエデン/一色理人
(一柳梨璃を死なせる訳にはいかないし、自分のせいでエヴォルヴが投入されたなら早急に潰さねば…)とか思ってる。
ちゃんと直接言え。
実はアークワンの破片を収集していたやべー人。
◯飛電或人/仮面ライダーゼロワン
(夢結ちゃんはもうボロボロだしアルトを一人で先行させるのはダメだ…!)とか思ってる。
ちゃんと直接言え。
戦闘能力が極まっている人。
基本的にアルトに強化が行くのでその分変身者としての資質が限界突破。
あくまでも目安だが或人ライジングホッパー=サウザー位のイメージ(変動する可能性アリ)
◯真島百由
(夢結にこれ以上無茶はさせられないし梨璃ちゃん達が心配ね…)とか思ってる。
ちゃんと直接言え。
マギディヴァイダーはガバガバだった前回から改良したので安心安全だゾ!()
◯ひめひめ/仮面ライダーデュランダル
(アルトは一人にしておけないでしょ…!?)とか思ってる。
事が事なので一時休戦も普通に受け入れる。
◯白井夢結
勝手に話が進んで行くのだけれど…(困惑)
つい今しがたまで殺しあっていた相手と共闘とかちょっと意味分からないと考えている。
でも実際夢結様は1度敵と見なしたら容赦無さそう。
◯二川二水
つい最近尊死した浴衣姿もとっても可愛い二水ちゃん。
◯土岐紅巴
つい最近尊死した二水ちゃんのソウルフレンド。
正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)
-
二水
-
結梨&梨璃&夢結
-
ぐろっぴ&百由様
-
一葉
-
恋花&瑶
-
千香瑠&藍
-
灯莉
-
ひめひめ&灯莉&紅巴
-
叶星&高嶺
-
その他一柳隊メンバーなど