【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】 作:イナバの書き置き
本編になってた。
不思議だ。
後一応新章です。
第21話「それが運命だとしても」
『────り!梨璃!うーん!聞こえてるのかなぁ?』
『まぁいっか。それでね、梨璃。時間がないから今から私が言う事をよーく聞いて欲しいんだけど』
『私、エデン──理人に付いていく』
『梨璃や皆の事が嫌いになったりした訳じゃないよ!百合ヶ丘の皆は大好きだし、一葉や叶星も好き!』
『でも……』
『でも、このままだとアルトが死んじゃう!もうボロボロなの、腕が穴だらけで指も千切れちゃいそうなの!』
『理人は助けてくれるって言ってるけど……やっぱりアルトを一人にはしておけない。隣にいてあげたいよ……』
『大丈夫だよ、心配しないで。理人はいい人だし、きっと無事に帰れるから』
『だから──────待ってて』
「────これが結梨ちゃんから届いたメッセージって事ね」
「……はい」
百合ヶ丘女学院は工廠科棟、マッドサイエンティストとして名を馳せる真島百由の研究室にて、部屋の主が発した問いを一柳梨璃は俯きながら肯定した。
既に新宿でのエリアディフェンス崩壊から1週間が経過している。
元々関東のガーデン代表が集まって今後の方針を検討する防衛構想会議に出席する予定だったが、今回の1件で先ずは都内の復旧を優先するべきとなった結果話は流れてしまった訳だ。
一柳隊、ヘルヴォル、グラン・エプレの3レギオンもまた1度解散して各ガーデンへと帰還するよう要請を受けていたが────
「梨璃ちゃん、ちゃんと寝てる?」
「……ごめんなさい。あまりよく寝れなくて……」
「でしょうね。折角可愛い顔をしているのに台無しじゃない」
「あはは、そう言う事はミリアムさんに言ってあげて下さい……」
控え目に言って、梨璃の具合は良くなかった。
当然と言えば当然だろう。
皆を守ると、誰にも恥じぬ戦いをして見せると意気込んでおきながら何の抵抗も出来ないままエデンに気絶させられ、次に目が覚めた時には全てが終わっていたのだから。
誰だって気に病むし落ち込みもする。
況してや、
「……なんで、なんでこんなダメなんでしょうね」
「……」
「アルトくんが1回死んじゃった時も、私は何も出来ませんでした。その後も何度も何度も止めようとして、その度に間に合わないんです」
「……」
「どうして……」
聞く所によれば──ではあるが、仮面ライダーエデンによって気絶させられ夢結によってシェルターに運び込まれた梨璃、一葉、叶星の内1番最後に目覚めたのが梨璃だったと言う。
どうやら先に起きた2人は重い体を引き摺って戦場を駆け回り避難民の誘導やスモール級の掃討に務めていたらしく、動けないなりに自分の役目を果たしていたのだ。
(無理もないわね……)
それは──それは誰だって自分に嫌気が差すだろう。
百由だって同じ状況に置かれたならば程度の差こそあれ己の不甲斐なさに消沈していた筈だ。
だから梨璃の気持ちはよく分かる。
労ってやりたいと思うし、どうにか重荷を背負ってあげたいとも思う。
しかし、今の真島百由には心を鬼にしなければならない理由があった。
「──────夢結は?」
そう、白井夢結。
向こうがどう思っていかは百由にとっては中等部からそこそこ長い付き合いをしている、友達。
彼女の様子が気掛かりだ。
何せ少年達が戦いに赴いた後百由と共にその場に残された夢結の悲痛さと言ったら、ハッキリ言って梨璃の比ではない。
『……嫌。嫌よ……!置いていかないで……私も、私も連れて行って……!』
『無理だって夢結!今は体を休めないと死んでしまうわよ!』
『放して百由……!私は行かなければいけないの!もう2度と……2度と
『だからってその体で行くのは無茶じゃない!お願いだから落ち着いて!』
ルナティックトランサーを行使し疲弊した夢結には、最早百由を振りほどく力すら残されていなかった。
だから羽交い締めにされたままただ手足をばたつかせて、ぼろぼろと大粒の涙を流しながら全てが終わるまで泣きじゃくるしかなかったのだ。
そうして戦闘が終結して──アルトと結梨が行方不明になったと知った時、夢結の心は今度こそ砕けてしまった。
今の彼女は自室に籠り、布団を被って何かに怯えるように震えるしかない。
同室の秦祀が気を利かせて食事を持っていっているものの、それもちゃんと食べているのか。
間違った事をしたとは微塵も考えていないが、今回の1件で親しい(と一方的に思っている)彼女から憎まれているだろう百由に直接様子を窺いに行く勇気はなかった。
「ごめんなさい……お話は出来るみたいなんですけど、今は誰とも話したくないって……」
とは言え、やはり梨璃1人の力でどうにかなるような問題ではなく。
会話は成立するものの外に出る事は敵わない──それが白井夢結の現状だった。
「そう……ごめんなさい、辛い役目を押し付けてしまって。ホントは私がやるべきなのにね」
「いえ、いいんです!百由様がお姉様の事を想ってくれているのは私でも分かりますし、お姉様を元気付けてあげたいのは私も同じです!」
むん、と梨璃はガッツポーズを取っているが、空元気である事には変わりない。
だからこそ、仲間達も集ったのだろうが。
カリスマがどうとかではなく、梨璃の人柄。
自分が苦しい時ほど他人を思いやれる彼女の性分が一柳隊を結成に導いたのだ。
それ故に──既に動き出している者だって、何人もいる。
「百由様おるかー……って梨璃?」
「あら梨璃さんご機嫌よう。体調はもうよろしくて?」
「ノック位しましょうよお二人とも……」
何の前触れもなく──それこそノックすらせずに研究室へと雪崩れ込んで来たのはミリアム、楓、二水の3人組。
彼女らが行動を共にしている事自体は然して珍しくもないが、このようにどかどかと押し掛けるような真似をするのは中々見られたモノではない。
「……どうだった?」
「み、皆……?どうしたの?」
だが、これで良いのだ。
真島百由はずっと楓・J・ヌーベルが来るのを待ち構えていた。
そして全く事態に追い付けず首を傾げる梨璃の前でコホン、とわざとらしく二水が咳払いし────端的に結論を述べる。
「グランギニョル社から協力の約束、取り付けました!」
「いよっしゃあああああッ!」
絶叫、そしてガッツポーズ。
座っていた椅子から跳び跳ねるようにして立ち上がった百由は、その「黙っていれば超美人」な顔を歓喜一色に染めて天を仰ぐ。
そうだ、これを──この瞬間を真島百由は待っていた。
暗澹たる時間の中を、この為に耐え凌いできたのだ。
故にこそ、喜びもひとしお。
何だったら今にも踊り出しそうな位活力に満ちる己を抑えつつ、楓に問う。
「具体的にはどれくらいまで?」
「第3開発部のメンバーも再召集して、開発に協力させるとお父様は仰っていましたから……試作機の確保も直に済むでしょう」
「天下のグランギニョル社の技術力を借りられるとなれば百人力じゃの」
「マ、マジ……?最高じゃないそんなの……っ、こうしちゃいられないわ!今から図面起こすからぐろっぴ手伝って!」
「え、えーっと……」
しかし──何も分かっていない者が、1人。
当然ながら梨璃である。
突然3人が押し掛けてきた事もそうだが、そのノリでワイワイやり始めた流れに彼女は1ミリも乗れなかった。
まぁこの4人に比べれば学業的に劣る所のある梨璃では付いていける筈が無いのだが──それにしても何だ。
一体何の話をしているのだろうか。
「梨璃さん、私達が何をしようとしてるんだろうって、そう思いましたね?」
「え、まぁ、うん……」
「えぇ、えぇ!そうでしょうとも!私が梨璃さんだったら絶対に気になりますもん!」
そんな梨璃の様子を見かねたのか、或いは興奮を共有したかったのか知らないが二水は鼻息も荒いままに手帳を開き、あるページまで捲るや否や勢い良く突き出す。
其処に説明など、不要だ。
何故なら、口で語るよりもその方が余程簡潔で的確だったからだ。
「これ、どう思います!?」
「どうって、それは────え?」
取材の時に使っているモノとは違う、革の表紙に意識を一瞬奪われつつ目を向けて──梨璃は呆気に取られた。
だって、其処に書いてあったのはあまりにも想定外だったから。
まるで考えた事もなくて、それなのに希望に満ちていると一目で分かったから。
そう────
少年の帰還を前提とした、少年の為の新たな剣を創る計画が動きだそうとしていた。
556:ご機嫌よう名無し様 ID:QclsiFIQP
……もう1週間か
イッチ無事かなぁ
557:ご機嫌よう名無し様 ID:2fWI0qDUk
どうだろ
死んではいないと思うけど
558:ご機嫌よう名無し様 ID:loxhMH1I1
いや死んでるかもしれないぞアレは……
何せエデンが盾になって結梨ちゃんがヘリオスフィア使ってイッチ自身も防御姿勢取った上で両腕ぐちゃぐちゃだからな……
559:ご機嫌よう名無し様 ID:dLqNLlcbl
一色さんが即座にカバー入ってたとは言えショック死も失血死も普通にありそう
やっぱヘルライジングやべーわ
560:ご機嫌よう名無し様 ID:hhax4gdq+
とするとメタルクラスタの防御だけで五体満足だった映画の社長やっぱおかしくない?
ホントに人間?
561:ご機嫌よう名無し様 ID:3WPXdLcLH
社長はほら……社長だし……
562:ご機嫌よう名無し様 ID:2Jbm0XiHR
1時間に3回死にかけたにも関わらずそのまま戦い続ける超人と根性だけが売りの肉体年齢10歳児を比較してはいけない(戒め)
563:ご機嫌よう名無し様 ID:5BfqiMGJ/
まぁ特型消し飛ばしてから暫くは意識あったみたいだしエデンのナノマシンで治療受けてたから大丈夫でしょ
多分
564:ご機嫌よう名無し様 ID:fAOqqRqeP
それより結梨ちゃんが心配なんだが?
565:ご機嫌よう名無し様 ID:WfXb86mho
結梨ちゃん……結梨ちゃんなぁ
何でエデンに付いてったんやろなぁ
566:ご機嫌よう名無し様 ID:xlkHzv6Sh
分からぬ
心変わりは絶対に無いから何か目的があるんだろうけど……
567:ご機嫌よう名無し様 ID:XK6V3eQmq
まぁイッチを死なせない為に縮地連打とかしてたんだからエデンに連れてかれるイッチが心配だったんじゃないの?
百合ヶ丘じゃあんなになったイッチ治せなさそうだし
568:ご機嫌よう名無し様 ID:Leqn+3TKc
そう信じたい
569:ご機嫌よう名無し様 ID:2GFXqQ864
せめてメッセージの1つ位残して置いてると良いんだがな……
無言失踪は100%梨璃ちゃん病むわ
570:ご機嫌よう名無し様 ID:HW1+MV4DE
でもちょっと病んでる梨璃ちゃんは見てみたいかも
571:ご機嫌よう名無し様 ID:WOVW5jAYF
>>570
は?
572:ご機嫌よう名無し様 ID:VRMSWdBgu
>>570
許されると思うな
573:ご機嫌よう名無し様 ID:Rn1N5yjyr
>>570
お前を殺す
574:ご機嫌よう名無し様 ID:LSiZ3NAOD
>>570
梨璃ちゃんは元気一杯な笑顔が1番に決まってるだろぉ!?
575:ご機嫌よう名無し様 ID:gfj7Btsls
ボロクソ言われてて草
でもこの理不尽極まりない世界に曇らせは不要なんだよなぁ
576:ご機嫌よう名無し様 ID:xEQtqTG45
曇らせは架空だから良いのであって現実にしたらダメってそれ1番言われてるから
577:一般転生悪意(復活) ID:aRKs01+???
おいっすー
578:ご機嫌よう名無し様 ID:Jq+LkWp62
!?
579:ご機嫌よう名無し様 ID:2r5/sRZKH
イッチ!?
580:ご機嫌よう名無し様 ID:vk00yeKpY
イッチだ!
百合の間に挟まる不届き者の帰還だ!
581:一般転生悪意(復活) ID:aRKs01+???
治療受けたり色々やってたら何やかんや生存報告遅れましたわ
申し訳ない
582:ご機嫌よう名無し様 ID:rgqKuDmg2
ええんやで
583:ご機嫌よう名無し様 ID:RTDuQkNk1
生きてただけ御の字や
584:ご機嫌よう名無し様 ID:R57BMUJor
で?
何処で何してたん?
585:一般転生悪意(復活) ID:aRKs01+???
具体的に何処かは分からんけどG.E.H.E.N.A.の研究所で治療受けてた
ワイは兎も角結梨ちゃんは一色さんの最優先保護対象だろうし下手な扱いはされないだろうと思ってたけど(そもそも付いてきた事自体を除けば)まぁ想定通りや
〔添付:ギブスで固定された両腕の画像〕
586:ご機嫌よう名無し様 ID:SC9ULNG9B
両腕もうそんなに治ってるんだ
目も当てられない位ぐちゃぐちゃだったから心配してたけどそれなら大丈夫そうだな
587:ご機嫌よう名無し様 ID:+viytmWkF
もう戦える?
588:一般転生悪意(復活) ID:aRKs01+???
無理
多分殴った瞬間またぐちゃっとなる
589:ご機嫌よう名無し様 ID:+tYmUothi
想定通りってのは何で?
590:ご機嫌よう名無し様 ID:BxHVn2xGO
何か企んでんの?
591:一般転生悪意(復活) ID:aRKs01+???
>>589
シンクネットが何処まで楽園創造の準備を整えてるか知りたかったから元々エデンに連れていかれてる所までは想定してた
時期を見て脱出するつもり
592:ご機嫌よう名無し様 ID:KNC/54XM7
なるほど
593:ご機嫌よう名無し様 ID:NnZN9gghE
それ他の人に言った?
594:一般転生悪意(復活) ID:aRKs01+???
一応結梨ちゃんにメッセージに残しといて貰うように伝えたけどちゃんと伝わってるかは分からん
595:ご機嫌よう名無し様 ID:yKQlfWxrT
それなら……いいのか?
596:ご機嫌よう名無し様 ID:bTxXGi1xg
事後承諾じゃね?
まあいっか……
597:ご機嫌よう名無し様 ID:3rtvCs3t5
で、どうだった?
598:一般転生悪意(復活) ID:aRKs01+???
微妙
・ショットライザーとスラッシュライザーっぽいの(アバドライザーって言うんだっけ?)の生産
・人型に培養中のヒュージ細胞(?)
・ナノマシンの生産
は確認したけどもう少し様子を見たい
599:ご機嫌よう名無し様 ID:eSPTDZxr0
うーん……どうなんだろ
生産中って事はまだ準備は済んでないんだろうけどヘルライズキーがな……
600:ご機嫌よう名無し様 ID:FwXEtwhho
仕方ないとは言えアレがもうエデンの手に渡ってるのもあまり良くないよなぁ
早めて来てもおかしくはない
601:ご機嫌よう名無し様 ID:w+7xrAcNU
てか結梨ちゃんは何で付いてきたの?
602:一般転生悪意(復活) ID:aRKs01+???
俺を1人にしたくないのと
エデンがいきなりフラっとやって来て言いたい事言って帰るのは不公平だと思ったから逆に押し掛けて言葉責めしたいんだって(意訳)
603:ご機嫌よう名無し様 ID:YQLWTA+zw
草
やるなぁ結梨ちゃん
604:ご機嫌よう名無し様 ID:q1uqIiS5B
カルト宗教の本丸に乗り込んで説得試みるとか行動力の化身じゃん
すげーな結梨ちゃん
605:ご機嫌よう名無し様 ID:iDkO43YcT
世界滅ぼそうとしたら結梨ちゃんに罵って貰えるってマジ?
ソードオブロゴス抜けます……
「楽園を造るのはやめて」
「……それは出来ない」
この1週間で、このやり取りが何度繰り返されただろうか。
その度に男は型に嵌まった様な返答を返し、少女はあどけなさの残る表情を曇らせる。
しかし目の前に立つ少女──一柳結梨の決意が変わる事はなく、シンクネットの信者によって支配されたG.E.H.E.N.A.ラボの応接室で革張りの重厚な椅子に腰掛ける一色理人は深い溜め息を吐いた。
「何度言っても無駄だ。君が何を語ろうが私が考えを変える事は無い」
「ううん、理人は
拒絶の意思を示す楽園の創造者に、当然のように「止まる」と結梨は言い放つ──「止める」ではなく。
誰かの妨害で計画を阻止されるのではなく、己の意志で中断すると少女は言うのだ。
馬鹿馬鹿しい、と理人は心の中で吐き捨てた。
実際、純然たる事実として彼は「善き人」が何の苦痛もなく暮らす事が出来る楽園の理想に囚われている。
結梨1人の言葉で揺らぐような甘い理想ならば虚構の宗教に実態を持たせ、何百万人もの信徒を抱えるおぞましい集団に変える事など出来はしない。
だから一色理人は止まらない。
そして、
甲州撤退戦で1人死に損ない、人間としての体を棄て、あまつさえ人類の防人たるリリィが集うガーデンを襲撃したと言うのに今更止まれる筈が無いのだ。
真っ当な人間に戻るにはあまりにも罪を重ね過ぎている。
故に、不退転の決意を以て正否を問わず理人は計画を実行に移すだろう。
「絶対に、止まるよ」
「……」
それでも、結梨は止まると言う。
アメジストの瞳に確固たる光を灯し、ただ「止まる」と言い続ける。
「────っ」
その力強さに──理人は思わず目線を逸らしてしまった。
だって、あまりにも眩しいから。
もう自分の中には残っていないモノだったから。
そして何より──死んでしまった恋人に、とてもよく似ているから。
(……恐れている、のか。私は)
形でも色でもない、純粋さが結梨と「彼女」はよく似ていた。
だから理人は結梨を恐れている。
ただ見詰められるだけで、自分の行いを「彼女」に非難されているように感じてしまい、無意識の内に萎縮してしまうのだ。
それだけではなかった。
「だって、理人は悪い人じゃないもん」
「────っ!」
お前に何が分かる、と叫びそうになった己を必死に抑えながら理人は俯いた。
そうだ──何が分かる。
ナノマシンで侵食してしまったが故に過去を知ったアルトと違って、結梨は何も知らない。
こうして研究所に連れて来るまではマトモに会話すらしていない。
なのに、「悪い人」ではないと彼女は言い切った。
何の躊躇いもなく、それが当然であるとでも言わんばかりに。
「見れば分かるよ。悪ぶってるだけで全然悪い人じゃない」
信じられない程の善意を一柳結梨は持っていた。
人の身勝手な業によって生み出され、今もなおおぞましい悪意に晒されているのに、全くそれを意に介さず跳ね返し続けている。
こんな──こんな優しい子に、絶望しかない大人が敵う筈が無いのだ。
もし理人が体をナノマシンに置換していなければ、きっと彼女に自分を説得させている罪に耐えられず胃液が出てくるまで吐き続けていただろう。
──いや、もう既に耐えられなくなりつつある。
「……これ以上話す事は何もない。出ていけ」
「……でも」
「出ていき、なさい」
「……わかった」
しまった、言葉が強すぎた──と思った時には既に遅く、結梨は哀しそうな表情のまま扉の向こうへ消えて行く。
ただ、それだけ。
静寂が戻った応接室の中で、理人は頭を抱えて机に突っ伏した。
「……守らねば」
何としても、彼女と少年は守ってやらねばならない。
もう十分過ぎる位に危険な目に遭ってきたのだから、と悪鬼に成り損ねた男は呟く。
そう、この研究所もまた悪意の権化である事には変わらない。
寧ろ理人が唱えた出任せの選民思想に集る屑中の屑が運営しているのだから、より悪質と言えるだろう。
何なら純粋にヒュージの真理を解き明かそうとしているだけまだG.E.H.E.N.A.の方がマシですらある。
こんな所に「善き人」を長期間滞在させる訳にはいかない。
下手をすれば結梨と少年も彼らの餌食になってしまう可能性がある。
ならば────
「────やはり貴方に頼るしかないか、天津さん」
部屋の隅に飾られた、1枚の写真──ゼロワン計画発足の時に集った企業代表達の写真を眺めながら、楽園の創造者は自嘲気味な笑みを浮かべた。
◯二川アルト
ヘルライズキーを作るならその後の事もちゃんと考えている男。
なお事後報告の模様。
自分1人で行くつもりが結梨ちゃんも付いてきて結果オーライな気もするしG.E.H.E.N.A.関係者を近付けたくないような気もするのでちょっとモヤモヤしている。
それはそれとして時が来たら施設壊して逃げるわ…
◯一柳結梨
精神攻撃担当。
人の悪意について思う所がない訳ではないがそれよりも善性を信じている。
梨璃ちゃんとか百合ヶ丘のリリィは皆優しいからね。
◯一色理人
罪悪感に苛まれてるし精神攻撃が滅茶苦茶効くし悪人向いてないよ。
結梨ちゃんの光属性っぷりに消し飛びそうになってる。
◯二川二水
そもそも百仮面ライダー合が死んだとか一ミリも思ってない。
寧ろアークワン再出現と聞いて「これグングニル・カービンじゃ無理ですね…と思い新しいCHARMも用意しようとしている強者。
弟を信じる姉力の権化。
◯AC-32SP アロンダイトSP(の企画案)
二水が提案したLGアールヴヘイムの一員である田中壱が用いている高級CHARM「アロンダイト」を二川アルトの為に新造する計画。
精神不安緩和機能や高出力砲などを搭載している上に荒っぽく使われる事も考えられ非常に剛性が高く設計されているが運用費用が非常に高い。
その為楓に働きかけて「グランギニョルの社割」を適用しようとした結果、何故か楓の父経由で開発部に話が通り魔改造を施す事になった。
挙げ句百由も乗っかってくる始末なのでどんなおっそろしい代物が出来上がるのかミリアムは戦々恐々としている。
それはそれとてCHARMアロンダイト死ぬほどカッコよくて好き
正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)
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二水
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結梨&梨璃&夢結
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ぐろっぴ&百由様
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一葉
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恋花&瑶
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千香瑠&藍
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灯莉
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ひめひめ&灯莉&紅巴
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叶星&高嶺
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その他一柳隊メンバーなど