【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】 作:イナバの書き置き
誰が悪いとか、何が悪い、という話ではない。
この1件については完全無欠に、リリィの誰にも落ち度はない。
ただ────全てに於いて、間が悪かったのだ。
『■■──■──■■■』
「皆で以前倒した、特型ヒュージ!?」
「どうしてアイツが……あの時、完全に倒した筈なのに……!」
「いいえ、以前の個体とは外見が違うわ。レストアでもない」
「つまり別個体って事じゃな……!前回の戦いで見掛けたとの報告は受けとらんが……!」
今──先日の戦闘の実況検分をするべく都内に集った梨璃、一葉、叶星、そして既に調査を終え百合ヶ丘に帰還する直前のミリアムは、何の前触れもなく現れた
それも1度二川アルトを重傷まで追い込み、百合ヶ丘に強襲を仕掛けてきたあのおぞましい「天使」──識別名「アンジェラス」と。
間違いなく戦力不足だ。
幾ら成長を重ねているとは言え、4人で相手取るにはかなり厳しいモノがある。
救いがあるとするならばかつての個体のように両腕にガトリングを接合されるなどの改造を受けておらず、原種そのままで出現した事だが────
『■』
「いかん梨璃、避けろ!」
「えっ────」
ほんの一瞬、安全が確保された筈の都内でヒュージが現れた事に梨璃が動揺したその瞬間に、アンジェラスの翼から無数の光弾が放たれる。
慌てて転がるようにしてその場を離れた梨璃にも、咄嗟にカバーに入ろうとした一葉とミリアムにも、攻撃を仕掛け注意を引こうとした叶星にも満遍なく。
砕かれた瓦礫が舞い上がり、軽装の少女達に降り注ぐ。
そう、原種でかつレストア個体でもないからと言って侮って良い相手ではないのだ。
生半可な構えでは即座に押し潰され、瞬く間に都内が地獄に舞い戻るのは確実となる。
故に──倒す。
速攻で、確実に、逃走を許さずに倒さなければならない。
「私だって……未熟だけど!」
「梨璃さん!?」
意外にも、先陣を切ったのは梨璃だった。
一葉の制止よりも一瞬早く飛び出した彼女はその持ち前の運動神経を活かして弾幕を掻い潜り、一気にアンジェラスの懐に飛び込んで──横一閃。
渾身の力で振り抜いたグングニルの刀身が無防備な胴体に叩き込まれる。
『■?』
「────っ!?硬っ……!」
だが、刃が通らない。
無機質な灰色の体表に浅い傷を残し僅かに体勢を崩すのみで、全く以て致命打とは言い難い。
勿論これを黙って見ているリリィ達ではなく、射撃形態へと変形させた各々のCHARMで天使への攻撃を試みるが──火花を散らすばかりでこれも外殻を穿つには至らなかった。
「っ、何だ……!?あのヒュージ、何かがおかしい!」
「レストアでもないのにあの打たれ強さ……一体どうなっておる!?」
完全に無敵という訳ではない。
梨璃のグングニルでも傷は付くし、絶え間無い援護射撃によってアンジェラスは迎撃も儘ならない程に体勢を崩している。
だが、
尋常ならざる外殻の硬さによって天使はリリィ達の攻撃を弾いてしまう。
ティルフィングのバスターキャノンやフェイズトランセンデンスなら或いは、と打開策が一葉の脳裏に過るが致命傷を与えるにはこれもやはり不足している。
つまり────ノインヴェルト戦術でなければ、撃破は不可能。
「私も前に出るわ。一葉とミリアムさんは司令部に救援要請を!」
「……分かりました!叶星様どうかご無事で!」
「すぐ戻るからな、待っておれ梨璃!」
3人の決断は迅速だった。
クラウソラスを剣形態に戻した叶星が跳躍し、それを見届ける前に一葉とミリアムは物陰に一旦退避。
そして──2秒もしない内に約25mの距離を詰めた叶星は梨璃の脇を駆け抜け、その勢いのままに剣を振り下ろした。
「やあああああっ!」
「叶星様!」
ガツン──と、やはり体表を軽く抉るのみで有効打にはなっていない。
それどころかCHARMを叩き付けた腕にジンジンとした痺れが跳ね返ってくる始末。
その痺れに顔をしかめつつぐらりと揺らいだアンジェラスを蹴りつけ、飛び退きながら銃弾を叩き込む。
「凄い……私もっ!」
叶星の無駄1つない一連の動きに感服しつつ、梨璃もまた己の戦いを実践する。
即ち、連撃。
1回で駄目なら10回。
10回で駄目なら100回。
多少なりとも外殻は削れているのだから、砕けるまで斬り込み続ければ良い──それが単純極まりない彼女の結論だ。
しかし、其処に至るまでの少女の葛藤は並大抵ではない。
そもそもからして、彼女には「新宿で何の役にも立てなかった」という負い目があるのだ。
エデンの襲撃により気絶させられ、次に目が覚めた時は都庁の上部が消し飛んでいて、少年と結梨は行方を眩ましていて──一体何の為のリリィか。
何の為の隊長か。
己の意義を悩んで悩んで悩み続けて、結局梨璃は「やれる事を精一杯やる」という在り来たりで──だからこそ最後まで続ける事が難しい結論へと至った。
これまで通りで、これからも変わらない。
それ故に最適解でもある。
「その調子よ梨璃さん!」
「はい!叶星様!」
2人のリリィに滅多打ちにされ続けるアンジェラスは体勢を立て直す事すら許されず、その火力を腐らせるしかない。
そう、例えどれだけ強力な銃であっても撃たせなければただの棒切れ。
過去に出現した個体より防御力は高いが俊敏性に欠け、衝撃も殺せないこの個体に反撃の機会は全くと言って良い程に存在しなかった。
「お待たせしました!相澤一葉、戦線に復帰します!」
「司令部への伝達も終わったぞ!ワシらは増援が来るまで足止めすればOKじゃあ!」
そうしている内に連絡を終えた一葉とミリアムも戦線に復帰する。
正に多勢に無勢。
一撃一撃がほんの僅かなダメージにしかならないとしても、積み重なればやがて重大なモノとなる。
例え殺せずとも行動不能にするだけならばこの4人でも十分であり──此処まで来てしまえば、誰の目から見ても決着は時間の問題と思われた。
だが、しかし。
先にも述べた通り、彼女達は全てに於いて
それが今日でなければ、或いは1時間でも後だったならば結末は違ったのだ。
それでも今、この瞬間に────事は起こった。
『■!?──■、■■』
「なっ……!?」
どうにかリリィ達を振り払おうと翼を広げたアンジェラスが、突如赤黒い光線に射抜かれる。
2回、3回、4回──リリィ達単体では成し得なかった外殻の貫通がいとも容易く行われ、噴き出した体液がびしゃびしゃとアスファルトを青く染める。
そして、力を失い地へ墜落するヒュージの向こうに
「────」
「アルト、くん……!?」
黒い鋼鉄を纏った人型を梨璃はそう識別した。
体外にパイプと部品が露出した、アークワンの出来損ない。
あの特徴的な白い仮面すら取り付けられていない、機械部が剥き出しの死相。
それは間違いなく──かつて少年が百由のラボからキーを奪取する際に1度だけ変身したとされる仮面ライダーアークゼロである。
「でも、だとしたら、こんな────」
「信じられん……一体どうなっておる……!?」
そのアークゼロが、
それが当然の事だと言わんばかりに並び立った2体の悪鬼が、何を言うでもなくリリィ達を睥睨していた。
あまりにも奇怪過ぎる事象に叶星やミリアムも困惑を隠せず──いや、違う。
「────」
「なん、ですかこれは……?」
まさかの
つい今しがたまで人々が行き来していた通りの向こうから、新たなアークゼロが歩いて来る。
それどころかビルの上から、マンホールの中から、花屋の中から──文字通り至る所から顔を現したかと思うと、非常に緩慢な動作で徘徊を始める。
そして────
「────」
最初にアンジェラスを射殺した2体のアークゼロは、徐に
350:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
【悲報】ワイ、まだ百合ヶ丘に帰れそうにない
351:ご機嫌よう名無し様 ID:Eku8k8Bnb
草
352:ご機嫌よう名無し様 ID:NVxrEkHIb
えぇ……?
何やってんの……?
353:ご機嫌よう名無し様 ID:jpM78kZYB
い、一件落着したんじゃ……
354:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
いやー何かまた都内が大変みたいで急行しなきゃいけないから現地解散だってさ
これならトレーラー断って普通に電車で帰ってれば良かったかなぁ
でも見て見ぬ振りもしたくないし……
355:ご機嫌よう名無し様 ID:DA/KizYLK
またゲヘカスくんとヒュージくんか壊れるなぁ
356:ご機嫌よう名無し様 ID:70W5i/kx6
マジでアイツら人類生かす気あんのかよ
研究の為って建前ですら既に通らんレベルなのにさぁ
357:ご機嫌よう名無し様 ID:017pRLA1n
こないだの都内襲撃だってG.E.H.E.N.A.がエリアディフェンスの装置を破壊したから起こった訳だしな
何がしたいんだ一体
358:ご機嫌よう名無し様 ID:wEjfPXA3V
挙げ句シンクネットとかいうクソオブクソを作るだけ作って放置してるの何なん?
仮にも自分達がやった事なんだから責任位取れや
359:ご機嫌よう名無し様 ID:x3jCj+lpK
結梨ちゃんの事例見る限りG.E.H.E.N.A.の責任の取り方って研究試料として使い潰すか消して無かった事にするかの二択っぽいから更正は期待するだけ無駄だろ
360:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
>>352
それがさぁ……よく分かんないんだよね
361:ご機嫌よう名無し様 ID:FkVUruPET
は?
362:ご機嫌よう名無し様 ID:V62tz0iKy
そこ1番重要な所でしょ
何でちゃんと聞いてないん
363:ご機嫌よう名無し様 ID:iXczGJZse
無能
364:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
今刃さんから話を聞いてるんだけど
・何かヒュージが暴れてる(大体は小型)
・何かよく分からないのも出現
・更に何か仮面ライダーっぽいの(社長やエデンではないらしい)がいて、ヒュージと戦ってる
・でも仮面ライダーっぽいのがヒュージ殲滅を優先してるのか建物の被害に気を配ってないみたいで怪獣大戦争の様相を呈している
らしいです
365:ご機嫌よう名無し様 ID:YUBfpjMDr
あーもう(23区が)滅茶苦茶だよ
366:ご機嫌よう名無し様 ID:pCCVKKzAq
勝手に戦え!過ぎる……
367:ご機嫌よう名無し様 ID:N9idc2RxD
1ヶ月もしない内に2度も襲われる都民の皆さんかわいそう
368:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
情報が錯綜し過ぎてA.I.M.Sの人達も何が何だかよく分かってないみたい
369:ご機嫌よう名無し様 ID:OkEaXAJev
そういう時こそイッチの出番なんじゃねーの?
アークと接続(物理)したんだから情報収集位は出来るでしょ
370:ご機嫌よう名無し様 ID:dFOnUEDcy
そう言えばそうだな
働け百仮面ライダー合
371:ご機嫌よう名無し様 ID:p6f1zMQop
リリィにもA.I.M.Sにも迷惑かけてるんだからこんな時位役に立て百仮面ライダー合
372:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
>>369
もうやってる
やってるけど……
373:ご機嫌よう名無し様 ID:E1wv62TGx
けど?
374:ご機嫌よう名無し様 ID:22Xexa3Yq
なんや
はよ言わんかい
375:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
何やこれ
〔添付:新宿付近一帯に複数体の黒い人型が展開しているように見える衛星写真〕
376:ご機嫌よう名無し様 ID:KGVx/k13/
何って……何だろ
人っぽいけど
377:ご機嫌よう名無し様 ID:DSnR86Dku
仮面ライダー……?
に見えるような見えないような
いや豆粒みたいなシルエットだからよく分からんな
378:ご機嫌よう名無し様 ID:b077eAoW9
シンクネットは人造ヒュージ作ってたしそっち絡みか?
379:ご機嫌よう名無し様 ID:zTg9IQ6ed
うーん……もうちょっと拡大出来ないの?
380:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
衛星の性能が低くてダメみたいですね……
ゼアへのハッキングは流石にやりたくないし
381:ご機嫌よう名無し様 ID:eoRh4z9hE
拡大出来ないのは仕方無いけどお前ゼアへのハッキングだけは絶対にやるなよ!?
振りとかじゃなくてマジで!
382:ご機嫌よう名無し様 ID:2XCfOvlcP
ゼアに悪意感染しちゃいましたは謝って済むような問題じゃないんだわ
人類存亡の危機なんだわ
383:ご機嫌よう名無し様 ID:T9pSHHAq5
これ以上世界の危機を増やすのは止めて差し上げろ
384:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
やらんて!
ゼアへの干渉がどれだけヤバいのかは俺にだって分かるよ!
385:ご機嫌よう名無し様 ID:UAo2yuU3n
ホントかー?
ホントに分かってるのかー?
386:ご機嫌よう名無し様 ID:GuZqWuqaF
嘘つけコイツよわよわだから絶対ハッキングするしかない状況に追い込まれるゾ
387:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
信用無いな俺!
388:ご機嫌よう名無し様 ID:9edbl4qzk
ある訳ねぇだろハゲ
389:ご機嫌よう名無し様 ID:my7DBzuOk
何かある毎にやらかしてるのに何故信用があると思ったのか
390:ご機嫌よう名無し様 ID:40vneD/KY
どうせ今も二水ちゃんとイチャコラしてるんだろうし
391:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
そりゃあまあ、はい
〔添付:手を繋いだまま頬をほんのりと赤く染めている二水の画像〕
392:ご機嫌よう名無し様 ID:E0UhakZYs
は?
イッチさぁ……
393:ご機嫌よう名無し様 ID:nbNjI0FUw
おいテメェコラ
やっていい事とわるい事があるのが分からんのか
394:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
うわ
395:ご機嫌よう名無し様 ID:uDzp3dEQL
今度は何よ……
396:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
何かいきなり滅さんと迅さんと雷さんが気絶したんだけど
397:ご機嫌よう名無し様 ID:2syeUSv29
!?
398:ご機嫌よう名無し様 ID:zW2corTgm
え……え!?
マジ?
399:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
マジよ
何なら写真貼ろうか
400:ご機嫌よう名無し様 ID:TV2nJcWGo
しなくていいよ
いいけど……3人同時に意識を失ったとなると……
401:ご機嫌よう名無し様 ID:w9/pqS844
待て
それはヤバいぞ
本当に洒落にならないぞ
ほんの数分前にまで、異常は無かった筈だった。
何の変哲もない、ごく一般的な瓦礫撤去のボランティアの筈だった。
それが一体どうして「このような」事態になってしまったのか、片平七海にはまるで検討も付かなかった。
「────っ、あ!」
背後から振るわれた何の技巧も無い、テレフォンパンチ以下の拳が咄嗟に頭を下げた少女の頭上を轟音と共に通過する。
直撃すれば七海の頭は地面に落ちた石榴のように内容物を撒き散らす事になるだろう。
そんな単純極まりない暴力を無力な子供に振るうのは、やはり機械の悪鬼──アークゼロだった。
そう、梨璃達の前に出現した個体群が全て等という美味い話がある筈もなく、彼らは都内全域に現れては無軌道な破壊活動に勤しんでいるのだ。
「はぁっ……はぁっ……!」
そして破壊活動に巻き込まれた不運な市民の1人こそが、他ならぬ片平七海だった。
彼女はその華奢な四肢から想像するよりはずっと力強い走りで必死の逃走を図り、幾度となく追っ手が振り下ろす拳からギリギリの所で逃れ続けている。
アークゼロの挙動が緩慢なので一見すると回避は容易く思えるが、これは並大抵の人間に真似出来る行為ではない。
リリィかよく訓練された軍人でもなければ、ただ振り回すだけでも絶大な破壊力を発揮する悪鬼らの拳を避けるのは至難の技なのだ。
その上馴染みの無い土地と圧倒的な身体能力差という不利を背負いながらも彼女が逃走を続けられる理由は、偏にその「勘の良さ」があるからだ。
過去に
しかし、彼女が己の命を危険に曝した理由は全く無関係の話。
(……上手く逃げられたかな、皆)
乱雑に投げつけられた瓦礫を避けながら、恐らくは初めて命を脅かされたらしい大して仲が良い訳でもないクラスメート達の混乱した様子を思い返す。
七海は彼女達からこの正体不明の人型を遠ざける為に、誰に望まれるでもなく自ら進んで囮役を買って出たのだ。
されど其処に友情や決死の挺身はない。
ただ単純に自分が逃げ回ればその分他の人々がシェルターに避難できると考えただけの話で、その過程で自分が死のうが逃げおおせようが七海からすれば別にどうでも良かった。
(……まぁ、別にいいか)
七海の心は家族が死んだその時から凍ったまま。
例え己が命の危機に晒されていようが、特に何か思う事はない。
寧ろ気になると言えば、右手に握り締めたままのキーだ。
カードキーと言うにはやたらと分厚い上に、何か顔のような意匠を感じる紫のキーを七海は何故か手放せずにいた。
(何、これ……何でこんなモノ持ってるんだろう私……)
走りながら考える事ではないのだが──疑問を抱かずにはいられない。
高々瓦礫の間に挟まっていたキー1つに七海が拘る理由など全くなく、その不気味なデザインも相まって今すぐ放り投げて逃げる事に専念してしまいたい位だった。
しかし七海は現にキーを握っている。
次の一瞬で頭を砕かれ死ぬかもしれないと言うのに、後生大事に板キレを握り締めているのだ。
あまりにも不可解。
そしてそんな事に意識を割いているのだから──簡単に足を掬われもする。
「あっ……!?」
ちょっとでも注意を向けていれば軽々飛び越えられる筈のコンクリート片。
それに蹴躓いた七海は受け身すら満足に取れぬまま何処とも知れぬ通りに交差点の真ん中にもんどり打って倒れ込んだ。
咄嗟に周囲を確認するが、リリィや市民は1人としておらず悪鬼と自身の2人だけ。
ただ拳を避ける事だけに集中し過ぎた結果誰の助けも求められぬ場所まで迷い込んでしまった訳だ。
同じ。
家族が死んだ時と何もかも同じで、助けが来るのはいつも手遅れになってから。
別にそれを責めようと言うのではない。
確かに
「は、ぁ……」
ただ単に、安息があった。
やっと家族の元に逝ける、と。
それもただ無意味に息絶えるのではなく、誰かの役に立って死ねるのだと七海は安堵の溜め息を吐いた。
「やっと、かな……」
ごろんと寝返りを打ってみれば、青い空と輝く太陽。
そして此方をじっと見下ろす真っ赤な瞳。
センサーを集中させた結果、眼球周辺の皮膚を剥いだかのような意匠を持つアークゼロの左目は相も変わらず無機質だった。
そして、悪鬼の拳がゆっくりと持ち上げられ────最期の瞬間を、七海は見る事が出来なかった。
(あ、れ。どうして……腕が勝手に────)
そう、目を瞑り両腕で頭を守ろうとしたのは決して七海自身の意思によるモノではない。
例えどれだけ執着が無かろうと生物であるならば必ず備えている生存への本能が、迫り来る圧倒的な「死」からどうにかして彼女を遠ざけようとしたのだ。
しかし、悪意の拳は無慈悲にも振り下ろされ──
強張った七海の指が、偶然キーのスイッチを押し込んだ。
都内を徘徊する無数のアークゼロに、「中身」と呼べるモノはおよそ一切存在しない。
今は苦戦しているリリィ達だって、1体倒せばすぐに気付くだろう。
人間の変身者はおろか単に筋肉の役目を果たすだけの人造ヒュージすらおらず、空っぽなスーツがまるで意思でもあるかのように振る舞っている事──そしてこのアークゼロとシンクネットは殆ど無関係である事に。
確かにシンクネットは破壊活動を嬉々として行うだろうがそれは教祖であるSが許可した場合のみであり、今回のような無軌道な暴虐を彼が許す筈はない。
そもそもからして彼らは楽園創造の儀式を始めるまでは極力水面下で活動するべき彼らがデモンストレーションでも無いのに此処まで悪目立ちする意味もないのだ。
ならばこの悪鬼は何なのか。
結論から言ってしまえば、アークゼロは悪意と一体化した「概念アーク」の差し金である。
無差別な破壊活動を行いつつ今後の対ヒュージ戦闘を牽引しそうな人物を殺害する事で事態をより悪い方向に拗れさせようとしているのだ──その方が悪意に満ちた世になるから。
そんな単純かつふざけきった理由で梨璃達は襲われ、七海も命を絶たれようとしている。
止めようにも、飛電或人を除いた仮面ライダーは全員甲州にいる。
正に完全無欠のチェックメイト。
物語を動かす筈の少女達は、あまりにもアッサリと退場させられるしかないのだ。
あぁ、だが──概念アークには如何にも「悪」らしい油断をした。
考慮しておくべき疑念を解決せず、潰しておくべき懸念を払拭しなかった。
それ故に────
「────?」
七海に殴打しようとしていたアークゼロは、その拳がいつまで経っても頭を抱える少女に届かない事に思考する脳が存在しないにも関わらず困惑した。
それどころか、全く動かない。
腕そのものが空中に固定されたしまったかのように、押す事も引く事も叶わないのだ。
これは何なのか。
この現象は一体何なのか。
アークゼロは己の腕を切断する事も視野に入れつつ、状況の分析を始め──
其処でいつの間にか拳を掴んでいる
◯二川アルトとリリィの皆さんとA.I.M.S.と謎の1000%
何か都内が大変な事になってるし戻ろうとしたら滅亡迅雷組が倒れるしでてんやわんやトレーラーな面々inGトレーラー。
でも百仮面ライダー合と二水ちゃんはずっと手を繋いだままだし夢結様はまだ目元が赤いし結梨ちゃんと1000%はお話してる。
◯梨璃ちゃんと一葉と叶星様とぐろっぴin新宿
ラスバレやれば分かると思うのですが(ぐろっぴ以外)滅茶苦茶破廉恥な軽量制服を着用している。
作ったのは百由様らしいけど一体どうなってるの?
後何かアークゼロが大量発生してるけどどうなってるの?
◯アークゼロ
悪意と一体化したアークさんがやらかした自然現象に近い何か。
そこら辺から沸いてくるし製造元辿ろうとしても意味がない。
火力は本家アークゼロから据え置きだけど動きはトロいし予測もしてこないし武器も作らないのでその気になれば子供でだって転ばせる位は出来る。
なおアーク的には「やってみたは良いけど思ったより大したことない」ので次はもっと別のアプローチをかけようとしている。
でも概念アークが活性化した直接のトリガーは百仮面ライダー合がシンクネットのアレ加減を目撃した事なのでやっぱり百仮面ライダー合が悪い。
◯片平七海
才能とか素質とかそう言う面ではガチのマジで普通の人。
けれどそれがZAIA本社からすれば必要な要素で…
◯仮面ライダー滅亡迅雷
悪を以て悪を滅する最強最悪のカウンター。
当作では「ソルド計画」に選ばれた人間の中で最も戦闘経験が豊富な4人からデータを吸い上げ顕現した。
この世界でのソルド計画が何なのかはまた次回…
正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)
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二水
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結梨&梨璃&夢結
-
ぐろっぴ&百由様
-
一葉
-
恋花&瑶
-
千香瑠&藍
-
灯莉
-
ひめひめ&灯莉&紅巴
-
叶星&高嶺
-
その他一柳隊メンバーなど