【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】 作:イナバの書き置き
第1話「死ぬよ」
1:??????? ID:MSZ0703AB
初めまして
あまりインターネットに触れる機会がなかったからスレッドの建て方とかもよく分からないけど、これで良いのかな?
何か間違っていたら教えてくれるととても助かるよ
2:ご機嫌よう名無し様 ID:LLmSkNTL9
・僕
思うに今の僕の存在は奇跡みたいなモノじゃないかな?
リリィには直接干渉したくないアークと精神的に追い詰められて自分の中に拠り所を作りたいと思うようになったアルトが無意識の内に作り出した、限りなく川添美鈴に近いアークの使者──つまりアルトの魂に付着していた魂の残滓と、伝聞や噂話を含むありとあらゆる情報の「川添美鈴」を元に再現されたのが僕だ
でも本人だけじゃなくて他人から見た川添美鈴も入っているのだから、少々理想化されてるきらいがあるけど僕は川添美鈴以上に川添美鈴なのかもしれないね
・夢結
僕の大切なシルト
話すととても長くなりそうだから一言に纏めるけど、この2年間で随分と凛々しくなった
百合ヶ丘の上級生として、シュッツエンゲルとして誇りに思うよ
でも寂しがりやだったり感情を上手く伝えていけないのは相変わらずみたいだね
・アルト
今は彼の体と魂を借りてこの掲示板にも書き込みをしている──つまりは僕の宿主だ
まさかあの時助けた少年がこんな事になっているなんて思いもしなかったけど、それも運命と言うモノなのかもしれない
夢結に負けず劣らず抱え込む気質みたいだし、取り敢えず僕が体を借りている間はゆっくり休ませてあげることにしよう
・梨璃
夢結のシルト
僕と同じカリスマ持ちで、中々健気でかつ一途みたいだね
そういう所が夢結と深い信頼関係を築けた理由なんだろうけど、夢結が僕以外の誰かとシュッツエンゲルの契りを結ぶなんて少なくとも生前は考えもしなかったな
直接顔を合わせていたら……妬いていたかもしれない
3:ご機嫌よう名無し様 ID:ivb65MXHa
え?
……え?
4:ご機嫌よう名無し様 ID:xQptBRwkq
これマジ……?
いや冗談抜きでマジなの?
百仮面ライダー合がふざけて美鈴様エミュしてるとかじゃないの?
5:ご機嫌よう名無し様 ID:WVw560RGL
えぇ……?
色んな転生者見てきたけど現地人がスレ立てとか初めてだぞ……
6:ご機嫌よう名無し様 ID:bA1qebleo
魂レベルで結合してれば書き込む事自体は出来るらしいけど、大抵の現地人は突然妙な状況にぶちこまれて戸惑ってるっぽいからこんな堂々と利用してるのはやっぱおかしいよこれ
なりすましか百仮面ライダー合の自演の方がまだ説得力ある
7:ご機嫌よう名無し様 ID:6Dp5TSKei
てか仮に自演じゃないとしていつ美鈴様と魂レベルでの結び付きを得たの……?
8:??????? ID:MSZ0703AB
>>4
>>5
>>6
>>7
自演扱いは心外だなぁ
僕はちゃんとここにいるよ
アルトが1度死んでしまって、由比ヶ浜ネストに魂が取り込まれてから彼の内側でずっと眠り続けていただけさ
9:ご機嫌よう名無し様 ID:oqTa9tvff
ヒエッ
10:ご機嫌よう名無し様 ID:VKPw+wzNL
え、じゃあ
「夢結様のダインスレイフがネストに与えていた影響を百仮面ライダー合も受けていた」……ってコト!?
11:ご機嫌よう名無し様 ID:4ZwaXJumd
あっ……ふーん(察し)
やっぱこれ百仮面ライダー合ヤバいんとちゃうか?
12:ご機嫌よう名無し様 ID:/PmApm+lS
細胞が完全に人間判定受けてるのとグランギニョルの実験に協力してるからギリギリ許されてる感あったのに……
13:ご機嫌よう名無し様 ID:ZqFWHrx1C
お?
アークの使者が活動始めてるって事は久々の生存罪適用案件か?
14:ご機嫌よう名無し様 ID:xix1Q4aM+
普通に考えて生存罪に「久々」は無いんだよなぁ……
15:ご機嫌よう名無し様 ID:TPKvH88ta
てか眠ってたって書いてるけどそれなら美鈴様(仮)はいつ目覚めたんだ……?
16:ご機嫌よう名無し様 ID:voN+rQBbh
時期と場合によってはマジでロクな事にならなそう
特に薬漬けにされてた時とか悪意のオンパレードだったろうし……
17:ご機嫌よう名無し様 ID:t3oJdkEoL
その辺りどうなの?
教えて美鈴様(仮)ー!
18:??????? ID:MSZ0703AB
>>11
ヤバいと言えばヤバいんじゃないかな
今の所僕はアルトの体を使わなければ何処にも行けないし、機械は誤魔化せてもリリィの目は誤魔化せないだろう
下手に動いて夢結達にバレてまったらあらゆる意味で大変だ
>>15
>>16
凄いな、君達の予想は概ね間違ってない
正確には新宿でアルトがアークワンを復活させた直後からアークは僕の構成を始めていて、キチンと形になったのがG.E.H.E.N.A.に収容された時位だったと思うけど
まぁ兎に角、僕が「僕」として意識を持ち始めたのは彼処にいた時で正しいね
他に何か知りたい事はあるかい?
19:ご機嫌よう名無し様 ID:dqKAyuHiv
最悪の予想当たってて草
いや草じゃねぇよ……どうすんだよこれ……
20:ご機嫌よう名無し様 ID:FThxaLzkc
ぷももえんぐえげぎぎおんもえちょっちょちゃっさっ(錯乱)
21:ご機嫌よう名無し様 ID:DYNlcNyDc
ただでさえメンタルやられ気味なのにその上頭の中に美鈴様(不定期で乗っ取ってくる)とか百仮面ライダー合マジで壊れるんとちゃうか?
22:ご機嫌よう名無し様 ID:Xfh+EIWnk
バレなかったらプライベート皆無かつ美鈴様の事黙ってる罪悪感で潰れ
即バレしたら夢結様のメンタルケアで潰れる
そんな未来が俺には見える……!(ジオウ特有の未来予知)
23:ご機嫌よう名無し様 ID:3Jryw5HoO
七難八苦とかそう言うレベルじゃないだろこれ……
24:ご機嫌よう名無し様 ID:zC7xH/Xh5
てか美鈴様復活したら夢結様大丈夫かな?
姉妹に挟まれて脳壊れない?
25:ご機嫌よう名無し様 ID:pKyRhit//
百仮面ライダー合と違ってちゃんとした百合が成立するから別に構わないんじゃないかな
寧ろ見たいしゼロワンをなぞってアズにするんじゃなくて美鈴様を選んだアーク様には心の底からグッジョブと言いたい
26:ご機嫌よう名無し様 ID:91iJvcVqQ
ガワは百仮面ライダー合な訳だし精神的百合かぁ
絵面はアレだけど人によっては新たな地平拓けそうだな……
27:ご機嫌よう名無し様 ID:4KtjNZvCJ
まぁ夢結様は泣いて喜ぶんじゃないかな
何せ自分が殺したと思ってた疑似姉が他人の体使ってとは言え蘇ったんだぜ?
そりゃあもうハグしてキスしてベッドインよ
28:??????? ID:MSZ0703AB
……何だって?
29:ご機嫌よう名無し様 ID:VsLvrADfe
はい?
30:??????? ID:MSZ0703AB
>>27
ハグしてキスしてベッドイン?夢結が?
それは有り得ない
31:ご機嫌よう名無し様 ID:bfHc3DFC5
え、あ、はい
32:ご機嫌よう名無し様 ID:P6ugRdCC+
何かいきなりキレだしたな……
33:??????? ID:MSZ0703AB
いいかい、よく聞いてくれ
仮に僕と夢結が再会を果たしたとして、夢結が感極まってハグをするなんて事は絶対に有り得ないんだ
中等部の時からそうだ、夢結は向けられる好意には鈍感な癖にボディタッチにとても敏感で握手するのでさえかなり時間がかかった
僕が膝枕を堪能出来るようになるまで何年かかったと思う?
2年だぞ、2年
それだけ夢結のガードは固いし崩すのだって容易じゃないんだから僕の正体が露見したとしていきなりハグなんてする訳ないじゃないか
まぁ間違いなく泣かせてしまうとは思うけれど先ずは軽く手に触れるとかそれ位から始まると考えるが当然だね
幾ら成長したからってベッドインなんて以ての外さ
分かってくれたかな?
34:ご機嫌よう名無し様 ID:/gInhIb1U
(絶句)
35:ご機嫌よう名無し様 ID:mhJx9dy9e
な、何か……百仮面ライダー合経由で夢結様からから聞いてた美鈴様像と違うな……
36:ご機嫌よう名無し様 ID:TaA6dWzx/
優しくてカッコ良くて常に余裕たっぷりなお姉様って夢結様言ってたんじゃ……
37:ご機嫌よう名無し様 ID:eY15Jaltf
シルトに対して拗らせてる解釈違い絶許系厄介お姉様にしか見えないが???
38:ご機嫌よう名無し様 ID:lpuhF/xib
このシルトにしてこのシュッツエンゲルありって事で良いんじゃないスか(投げやり)
39:ご機嫌よう名無し様 ID:/cEbKI/tx
何はともあれこのお姉様が脳内に常駐する事が確定した百仮面ライダー合は御愁傷様と言うか……その、お疲れ様です……
40:??????? ID:MSZ0703AB
生きてた頃は体面とか夢結から見た「理想のお姉様」をやらなきゃいけなかったからね
別にそれが嫌って訳じゃないけど、僕は本当はそんな上等な人間ではないんだ──それこそ無防備に首筋を晒している姿を見たら邪な想いを抱いてしまう位には
それは今でも変わらないし、その手の柵がなくなっている此処ではっちゃけるのが当然だろう?
41:ご機嫌よう名無し様 ID:Yhkg/Sda1
ひ、開き直ってやがるこのお姉様……無敵か……?
42:ご機嫌よう名無し様 ID:2ArwjFliH
アークの使者としての役目を秒で放棄してる気がするんですけど大丈夫なんすかね
43:ご機嫌よう名無し様 ID:sUWg1YWYV
困ったこのお姉様夢結様の事しか語らないぞ……?
44:??????? ID:MSZ0703AB
>>42
自分が他人の意識の中で生かされている意味はしっかりと理解しているから安心してほしい
単に動くタイミングが今ではないってだけなんだ
45:ご機嫌よう名無し様 ID:fiBCa0z3l
今じゃないって事はまた何かあるんすね……
46:ご機嫌よう名無し様 ID:yjxX0G+ze
新宿で散々やりあったばかりなのにまだ何かあるんスか
47:ご機嫌よう名無し様 ID:Zi2OdXl/p
アークの利益に反しないなら内容を教えて貰っても?
48:??????? ID:MSZ0703AB
別に構わないよ
積極的に話す事ではないけれど隠しておく事でもないし、元々アルトには精神に余裕がある時を見計らって告げるつもりだった
49:ご機嫌よう名無し様 ID:pt7A45urn
うーんなるべく穏やかに────
50:??????? ID:MSZ0703AB
予言しよう
数日後にルドビコ女学院で開催される東京圏防衛圏構想会議は無事に成功を収める
これは喜ばしい事だね
でも、問題はその後だ
このままだとアルト、君は
温泉の全てがそうと言う訳ではないが、天然で湧いたそれらの多くはマギの回復を増進する効果があるとされており、態々源泉から引っ張ってきた湯を利用しているガーデンも散見される。
百合ヶ丘もそんなガーデンの内の1つだ。
10人20人どころか40人が1度に入ったとしても悠々と手足を伸ばしていられるような大浴場は贅沢な源泉掛け流しであり、敷地内の足湯もまた保温、美肌効果を高めるとして生徒には人気のスポットとして利用されている。
その内の1つ、学院の外れにある人気の少ない足湯に二川二水とアルトの姉弟は足を浸していた。
「あ゛ぁ゛ー……血行が良くなるんじゃあ……」
「お、おじさんみたいですよアルトくん……」
久方ぶりの、「何もない日」だった。
講義がある訳でも、アルバイトが入っている訳でも、ヒュージやシンクネットが襲来する訳でもない。
ここ数ヶ月の激闘と言う言葉すら生温い戦いの連続から解き放たれ、ようやく訪れた束の間の休息。
これをどうして謳歌せずにいられようか。
抱える事情が事情だけに何の気負いもなく──と言う訳にはいかないが、それでも姉弟水入らずの時間を楽しむ余裕位はあった。
と言ってもリリィに並々ならぬ想いを抱くこの2人が顔を合わせれば必然的に話題はそちらへ向くのだが。
「百由様が俺向けのCHARM作ってくれてるって本当なの?」
「はい!楓さんのツテで現在はグランギニョルに移籍している元キャメロットキャッスル社第3開発部を再召集した上で壱さんが使っているアロンダイトの専用カスタムですからね!工廠部の皆さんもこれ以上にない位盛り上がってますよ!しかも噂によればあの天津麻嶺様まで参加するとか……!私も記者の端くれとして見逃せません!」
「そ、そっか……何か、グングニル・カービンを改造してもらったばかりなのに申し訳ないなぁ……」
目を輝かせて言葉の津波を浴びせる二水に圧されつつ、少年は傍らに置いたCHARMの収納ケースに触れる。
其処に収められているのは先日少年が振るったCHARMであり、百合ヶ丘でもトップクラスの技術者の真島百由が手掛けたグングニル・カービンの改造品。
技巧に乏しい少年がアークワンの腕力で扱う事を前提として追加パーツで剛性を高めたりレーザーサイトを装着されたそれは、彼が仮面ライダーではなくリリィとして認められた証拠である。
態々手間を取らせてまで改造をしてもらった事への申し訳なさはあるが、それ以上に漸く皆と同じラインに立てた嬉しさがあった。
「ぶっちゃけ梨璃ちゃんとかに回してあげた方が良いと思うんだけど俺……」
「そうですか?私は十分持つ資格があると思いますよ」
「いや、だってさぁ……あんなに頑張っててネスト破壊の功績まであるのに未だにグングニルなんだぜ?もっとこう……俺より先に何かあって然るべきでしょ」
であるが故にこそ新たなCHARMを作ってもらう事に対して抵抗を覚えているのだ。
少年は自身が初心者向けのグングニル・カービンすら満足に扱えているとは言い難い半人前であると自覚している。
にも関わらずもう次のCHARMを──それも本来は壱専用のユニーク機であり、運用費用が恐ろしく高いグラムすら凌ぐ超高級機を与えられてしまって良いのか。
それはある種の
そんな疑念がどうしても過ってしまう。
「でさぁ、閑さん達の貴重な時間削ってまで特訓付けて貰ってるワケよ。これもう明らかに贔屓されてね?ってなるじゃん?」
それに拍車を掛けているのが、アークワンに一切頼らない戦闘術を求めたアルトが近頃受けている訓練──否、修行であった。
梨璃と同室であり百合ヶ丘屈指の理論派である伊東閑が率いるLGシュバルツグレイルによって行われる戦闘指南は午前9時から午後6時まで(昼食、適度な小休憩あり)に及び、実技訓練が終わっても夕食まで反省のミーティングを行うという凄まじい密度をしているのだ。
しかも、特例で授業欠席の許可を貰ってまで。
最早至れり尽くせりなんて生易しい領域ではない。
お陰様で彼の実力は短期間の内に四分の一人前から三分の一人前程度まで飛躍的な成長を遂げていたが、それにしたって若き少女達の時間を自分なぞの為に使わせているとなれば不安にならざるを得なかった。
『────それで良いのかな?』
「……!」
そして、疑念に苛まれる少年を更に煽り立てる者がいる。
『掲示板を読んだならアルトはもう理解しているだろう?死ぬんだ、このままだと』
「……アルトくん?」
『出来る事は何でもするべきし、力を借りられるなら誰からだって借りるべきだと僕は思うけどね』
彼女──川添美鈴は少年の反対側にいつの間にか姿を現し、その白く艶かしい足先で湯を撹拌していた。
しかし彼女の語りが二水に届く事も、仕草が認識される事もない。
当然だ。
だって今少年の視界に映っている川添美鈴はアークが脳に干渉して見せている幻影でしかないのだから。
『でも、夢結に頼るのはあまりオススメしないかな。夢結は頼りにならない訳ではないけど、こう言う複雑でこんがらがった事態には向いてないからね。もっとストレートな力押しが必要な場面で頼ってあげると良い』
「成る程、ね」
『それこそ今目の前にいる二水に相談してみると言うのはどうかな?きっと力になってくれるさ』
二水の向こうから薄く微笑む仕草も、語り口も、何もかもが胡散臭い。
そもそもアーク(と少年自身)が生み出したアークの使者なのだから当然と言えば当然だが、一見して既に胡散臭くて面倒臭そうな人間を夢結様は相手していたのかと思うとある意味尊敬の念が芽生えすらした。
いや、夢結の評価を信じるならば一挙手一投足が胡散臭く見えるだけで本当は誠実で頼りになる「お姉様」なのだろうが────何故だか、言葉が心の内側に染み込んでくる。
「信じてもいいんですか?」
『勿論。僕はアークの使者なんだから、アークと一体化しているアルトに悪さをする筈が無いだろう?』
「俺には、ね。でも二水ちゃんにはするかもしれない」
『信用が無いなぁ』
「貴女が生身なら即座に信用してたんですけどね」
「アルトくん、何を言って────」
話術の巧さ、とは恐らく違う。
こうして少し二水から意識を外しただけでも美鈴に引っ張っていかれそうになってしまうのだ。
これが人を支配するレアスキル。
カリスマの上位互換であるラプラスの力なのかもしれないと少年は内心で舌打ちした。
(……ヤバいな)
『何がヤバいんだい?』
しかも心まで読んでくる。
少年の精神に取り憑いた
(折角二水ちゃんとゆっくり出来るって時にこのお姉様は……!)
挙げ句の果てに休日を二水とのんびり過ごすと言う夢を叩き潰されたとなれば、如何にリリィを尊敬している少年とて怒りに震えるしかなかった。
だが、打つ手はまだ残されている。
「二水ちゃん」
「どうしたんですかアルトくん!?さっきからおかしいで────」
「今さっき美鈴様から聞いたんだけど俺、後数日で死ぬらしいぜ」
「へ?」
『ふぅん?』
何故なら、今の彼は他人を頼れない状況に追い込まれているのでもなければ、自分1人で全てを打開しなければならないと思い込む程追い詰められてもいないのだから。
例えヘルライズキーの使用によってほぼ全域が更地になってしまったのだとしても、例え教員のほぼ全員が戦死しガーデンとしての機能をほぼ喪失しているのだとしても、新宿駅の周辺一帯が私立ルドビコ女学院の国定守備範囲である事には変わりない。
よってルドビコのリリィ達は頼るべき大人がいないまま地域の守護を続行しており、現在は都内の他ガーデンの力を借りる事で辛うじてその使命を全うしていた。
着崩した制服、首にかけたヘッドホンが目立つ茶髪の少女──御台場女学校2年、LGヘオロットセインツ所属の
「どうしよっかなー、これ。すぐ戻りたいんだけどなー」
積み上がった瓦礫の陰から窺う先、半ば倒壊したビルの中にひしめいているのは、数週間前の新宿戦で何体か確認された特型ヒュージ──クリオンと命名された、その名の通りどことなくクリオネを彷彿とされる異形の集団。
発見したのは偶然だった。
夜間での掃討ともなれば視界は悪く、彼女が所属するヘオロットセインツ及び共同で事態に当たっているLGロネスネスとルド女のLGアイアンサイドは散開して各個索敵を行う事になり──それにしても酷い惨状だなー、等と考えつつぶらぶら歩いていたら偶々目に入っちゃったのが現状なのである。
「いやー、多分純達はまだ気付いてないよなぁ……」
これが単なるミドル級の集団であれば捌けるのだろうがビルの中にぎっしり詰まっている連中が全て特型なのだとすれば1人ではとても手に負えず、取り敢えず何か打開策を思い付くまでは物陰に隠れているしかない。
控え目に言って、絶体絶命一歩手前の窮地だった──尤も、そんな事は楪とてよく理解していたが。
楪は全リリィの中でもトップクラスに位置する精鋭だ。
御台場迎撃戦には第一部隊で参加し、現代に於ける回避系テスタメントの戦闘スタイルやノインヴェルト戦術上のブリッツパスを確立させた立役者。
戦闘、戦術面での功績を挙げれば枚挙に暇がなく、後輩や仲間に対する面倒見の良さも文句なし。
態度や身の振り方に威厳らしきモノは欠片も見当たらないが、それも言い換えてしまえば誰にでも気安く接する事が出来る人当たりの良さと表現すべき超人なのである。
そんな彼女が自分の状況を見誤るなど先ず有り得ない話だった。
「まぁ、覚悟は決めとくか?」
手にした
すっくと立ち上がり、躊躇なく歩み出るはビルの正面──即ち、ヒュージ達の眼前。
銃口を突き付けながら、挑発的な笑みと共に少女は宣戦布告を叩き付ける。
『■、■■?』
「来なよ」
休眠していたのか色を失っていたヒュージ達に、光が灯る。
1つ、2つ、3つ、4つ──瞬きする内にビル内部を埋め尽くした青い鬼火はその全てがヒュージが活動を再開したサイン。
しかしビルそのものが発光しているのではないかと思える程の光量は、他のリリィ達に位置を示すサインともなるのだ。
「皆が駆け付けるまで相手になってあげるからさ」
で、あれば後は時間を稼ぐだけで良い。
引き際を見極めつつ数を減らしていれば、新宿駅周辺に散らばっていた仲間達はあっという間に駆け付けるだろうと言う確かな信頼が彼女にはあった。
故にこそ、恐怖の一欠片も無いままトリガーに指を乗せ────
散発的に響く銃音が、「それ」の聴覚に届く。
──また、だ
また、誰かが戦っている。
それが「それ」にとっては酷く不愉快だった。
だって、この世界で戦っている「誰か」と言えばその大半は年端も行かぬリリィかマディック
そんな現実が「それ」は兎に角気に食わなかった。
そして、気に食わない音がもう1つ。
『──そろそろ時間だ、動け』
こいつ。
この無遠慮で、無愛想で、正しく望まれた役割に成りきった男の声。
彼が「ディケイドをやらせてもらっている者」として門矢士に殆ど塗り潰されているのは重々承知しているが、それにしたって同じ転生者なのにも関わらず世間話の1つすらしようとしないのが無性に苛立って仕方なかった。
──だが、まぁ良い
「それ」の心は歓喜に打ち震えていた。
やっと。
やっとだ。
この数週間の間
──変身
「それ」が囁くと同時、身を包んでいた赤い結晶がメキメキと異様な音を立てながら急成長を始める。
土を掻き分け、瓦礫を砕き、かつて都庁だったそれを樹木のように枝分かれしながら伸びる結晶が下から上まで一気に貫き────粉々に
純然たる「悪」がいた。
同情の欠片も必要ない悪の化身がマントをたなびかせ、蛇の仮面を貼り付けて立っていた。
とてつもなく「ヤバい」悪──仮面ライダーブラッドが、其処にいた。
◯二川アルト
死亡予告されたけど死線が多すぎて慣れてきた系百仮面ライダー合。
LGシュバルツグレイルからみっちり特訓を付けて貰ってるので実力は多少上がった(四分の一人前から三分の一人前位に)
割と余裕ぶっこいてるのは二水ちゃん達に相談すればどうにかなると思ってるから。
楽観視していると言えばそうだしやっとこさ仲間をちゃんと頼る気になったと言えばそれも正しい。
◯川添美鈴
イマジナリーだけどイマジナリーじゃないお姉様。
百仮面ライダー合以外からは見えないし生前のあれやこれやの荷物が降りてるのでアークの使者兼夢結様ウォッチャーに転身。
百合の間に男が挟まったら表面上は何とも無さそうだけど内心では許さないタイプだと考える。
◯二川二水
何か弟分が美鈴様の幻覚見てる…死亡宣告もされてる…こわ…打開策考えましょう…な姉。
精神的支柱なので其処にいるだけで百仮面ライダー合にとてつもないバフがかかる。
◯川村楪様
カリスマで引っ張るよりかは皆と肩並べて進んでくタイプの超強いリリィ。
あらゆる面で滅茶苦茶頼れるから凄いんだよね
◯???/仮面ライダーブラッド
一般通過闇の力悪い奴ら(総員1人)
当作では他の方の作品ではあんまピックアップされなそうなライダーを積極起用していきたいなと考えていたりいなかったりしているけどそもそもからして最初はブラッドで書くつもりだったんだこの百仮面ライダー合。
パンドラボックス云々とリリィを上手く関連付けるのが出来なかったから秒で諦めましたが…
話的にはブラッドと言うかBe the oneが大切。
正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)
-
二水
-
結梨&梨璃&夢結
-
ぐろっぴ&百由様
-
一葉
-
恋花&瑶
-
千香瑠&藍
-
灯莉
-
ひめひめ&灯莉&紅巴
-
叶星&高嶺
-
その他一柳隊メンバーなど