【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】 作:イナバの書き置き
CHARMフリップ、とは。
保持したCHARMを指とか手のひらとかを使ってクルクル回す行為である。
ペン回しのCHARM版と言えばもっと分かりやすいだろうか。
CHARMは鋼鉄と精密機械の塊なんだから回せる訳ないじゃん、と思われる方もいるかもしれないが不思議な事にマギが通れば重量は低減されるので実際は可能だ。
また、これが自然に出来るという事は己の得物に精通している証明であり、百合ヶ丘のような規模の大きいガーデンでは先ず真っ先に教わる技巧である。
当然ながら梨璃ちゃんとか二水ちゃんみたいな一見CHARM捌きが不器用そうな娘でも出来るし、結梨ちゃんだって出来る。
と言うか梨璃ちゃんは積極的にやろうとしないだけ、もしくは戦闘中に挟んでる余裕がないだけで普通にやる分には滅茶苦茶上手い。
ちなみに俺は出来ない。
ああ、出来ないさ。
だって仕方ないじゃん、不器用なんだもの。
それにCHARMみたいな一振り何百……いや、下手をすれば何千万円も何億もしそうな高級品をクルクル回すとか小市民な俺にはとても出来ないのだ。
当然のようにやってる百合ヶ丘のお嬢様方は金銭感覚ぶっ壊れてるぜ!
そう、思っていたのだが────
「うっそぉ……」
「あら、中々上手ですね」
「う、うん……ちゃんと出来てると思うよ」
神琳さんと雨嘉さんの超百合コンビが見守る中、確かに俺の手の上では自分のグングニル・カービンが回っていた。
それだけではない。
今はスタンダードに地面と水平にして回しているだけだが、さっきは新体操のバトントワリングか何か──或いはアニメの魔法少女みたいに色々な姿勢、状態で回せてしまったのである。
「で、でも昨日まで全然上手くいってなかったのに急に出来るようになるなんて凄いね」
「そうですね。でも、きっと上手くコツを掴むまでに時間がかかっただけなんでしょう。1度だけの偶然ではなくこれ程繰り返して出来るのならそれはもうアルトくんの技術です」
「そ、そうかなぁ……何か照れるなぁ……」
何か心の中がむず痒くなってきて、思わず顔を背けてしまう。
いやだって、当然だろう。
雨嘉さんや神琳さんみたいな凄腕リリィから褒められたとすれば誰だって舞い上がるに違いない。
と言うか舞い上がらなければおかしい。
でも。
(いやぁ……雨嘉さんも神琳さんもマジで御免なさい……!)
でも──雨嘉さんの本気で凄いと思ってそうな声音が痛い。
神琳さんの生真面目なコメントが心にぶっ刺さる。
だって、昨日まで俺ホントにCHARMフリップ出来なかったんだもの。
今日の朝起きて飯食って歯磨きして閑さんに貰った宿題見直して、そんで訓練所で閑さんが来るまで待ってる間何となく暇だったから試したら出来ちゃっただけなんだもの。
しかも最悪な事に、そうなった原因に思い切り心当たりがある。
『試しに僕の技術を君の頭にインプットしてみたけど、気分はどうだい?出来ない事が出来るようになるって言うのは素晴らしいだろう?』
ほら出た。
後悔の海から思考を引き揚げれば、ほんわかした雰囲気の雨嘉さんと神琳さんの背後で壁に凭れかかった美鈴様がニヤついているではないか。
人と会話をしている時に何の前触れもなく出現したり、勝手に戦闘技能やら知識やらをインストールしたり、ここ数日ずっとこんな調子なのだから困ったモノである。
いや、戦闘センスが割と壊滅的な俺に知識やコツを与えてくれる事自体は別に悪くはないし、何なら感謝したいとすら思っている。
ただ、突然やるのはだな──とは思わずにいられない。
朝目が覚めた瞬間に名前すら知らなかったガーデンの情報が思い浮かんだり、教本の内容を丸々ぶちこまれたりされたら流石にビックリしてしまうのだ。
特に後者は講義の真っ最中にやられた為思わず叫んでしまいそうになり、教官にも変な顔をされてしまったのだからもう本当に勘弁して欲しい。
「私もアルトに負けないように、頑張る……!」
「ええ、私達もうかうかしていられませんね。雨嘉さん、この後は自主訓練にいたしませんか?」
CHARMフリップにしたって、要するに努力でコツを掴んだのではなく美鈴様の力で
こうして奮起している2人を見ていると益々申し訳なくなってきてしまうのだ。
だが、2人に美鈴様の事は喋れない。
現在俺の頭の中に美鈴様がいる事を知っているのは二水ちゃん、梅先輩、鶴紗さん、楓さんの4人のみである。
流石に1人では手に負えないと悟った二水ちゃんが梅先輩に相談をし、偶々同席した鶴紗さんが巻き込まれ、ついでに何とも言えない様子で廊下を歩いていた二水ちゃんをこっそり尾けてきた楓さんが飛び入り参加するというすったもんだがあった末に、夢結様への暴露は東京圏防衛構想会議の後にすると決まったのだ。
(当然、だよな)
夢結様は、きっと俺が心配をかけまくったせいでとてつもなく疲れている。
気丈に振る舞っているけどアークゼロに関連する疑いが残っている俺を守る為に奔走しているのだから、誰の目から見ても張り詰めすぎているのは明らかだ。
そんな中もし美鈴様の事を暴露してしまったら、夢結様は精神に大きなダメージを負ってしまうのはほぼ確実だろう。
だって、表面上は落ち着いていても依然として美鈴様が夢結様の傷なのは明らかなのだから。
「そうだね。じゃあ訓練所の利用申請を取りに行ってくるよ。神琳は此処で待ってて?」
「いえ、どうせなら一緒に行きましょう。その方が効率が良いですから」
「い、いってらっしゃい……」
兎に角、夢結様の心を第一に。
梨璃ちゃんや雨嘉さんみたいに隠し事が苦手な人とか、神琳さんやミリアムさんみたいに当人には隠せても親しい人には見抜かれてしまいそうな人にはまだ話せない。
それが俺達の結論だ。
だから、心苦しく思ってはいるが意気揚々と控室を出ていく2人にも黙っているしかない。
「儘ならないなマジで……」
『おや、疲れてしまったのかい?』
「誰のせいだと思ってんですか」
パタン、と閉じた扉を見送りながら深い溜め息を吐く。
本当に、儘ならない。
人を頼れたのだから誰かに頼られる側にだってなれる筈だと思えど、事態の深刻さは自分がどうこう出来る範疇を既に大きく超えている。
自分を含めて一柳隊11人の力が揃えば何だって出来ると思うのに、それを機能させられない時の何と心細い事か。
「ごめんな、夢結様」
『……大丈夫。アルトが気にする事じゃないさ』
何にせよ、今出来るのは夢結様への謝罪と死なない為の努力だけ。
閉まった扉の方を向いていて表情が見えない美鈴様は本心なんて言ってくれやしない。
全く以て、世界そのものが本当に百合の間に挟まった者に優しくなさ過ぎると溜め息を吐いて────
「話があるのですけれど、今時間はありまして?」
『……うん?』
ノックも無しに勢い良く開いた扉が、美鈴様の幻影を掻き消した。
『──本当に、アルトが気にするような事じゃないんだ』
『キミはまだ気付いていないのかもしれないけれど、僕は何時でもキミの体を借りる──乗っ取る事が出来る』
『つまりはこれまでの数週間、何時でも夢結と話すチャンスはあったって事さ』
『でも、僕はそれをしなかった』
『夢結に抱き締められた時を除いて、僕はずっとアルトの中に引きこもって技能を高める手助けしかしなかったんだ』
『ヘタレ。軟弱者。シュッツエンゲル失格。そう思ってもらって構わない。全部終わった暁には殴られる覚悟だってできている』
『……正直に、言ってしまえば』
『怖いんだ』
『もし今の僕が夢結と話せたとして、拒絶されるのも
『ちゃんと向き合うべきなのは分かっているんだけど、アルトとキミが顔を合わせる度に足が竦んでしまう』
『全てを押し付けて逃げているだけ。キミが思っている以上に僕はキミに頼りきっている』
『──それに』
『夢結の記憶だけは』
『記憶だけは何としても封じておかないと──』
『……重ねて言っておくけれどこの件に関しては本当に、心の底から申し訳ないと思ってるよ』
『だからこそ、なんだけど』
『この上もしキミを死なせてしまったりしたら』
『僕はどうやって己の不義理を償えば良いんだい?』
850:ご機嫌よう名無し様 ID:TOkd+KBkM
どうするんすかこれ
851:ご機嫌よう名無し様 ID:yfeend8tK
いや……分からん
全然分からん
852:ご機嫌よう名無し様 ID:z8Zpqg7k2
どうするってかどうなってんのこれ
853:ご機嫌よう名無し様 ID:KqAEE1lMf
あーもう(状況と感情が)滅茶苦茶だよ
854:ご機嫌よう名無し様 ID:FGb6Uqo7v
①百仮面ライダー合が二水ちゃんに相談する
②二水ちゃんが一柳隊の中でも特に(夢結様関連なら)口が固そうな梅先輩、鶴紗さん、ヌーベルを召集して事態を説明する
③鶴紗さんとヌーベルはさっさと話すべきだと意見したが梅先輩が滅茶苦茶反対する(夢結様のメンタルが持たなそうらしい)
④最終的に東京圏防衛構想会議が終わって百合ヶ丘に戻ったら話すことで合意。尚、その間実は美鈴様が百仮面ライダー合に知識や技能をインストールしまくっていた事(あまりの急成長に指導していた閑さんが訝しむレベル)が判明←今ココ
855:ご機嫌よう名無し様 ID:yelvTIr/C
うーんこの
856:ご機嫌よう名無し様 ID:xoJhOVDGu
防衛構想会議がもう後数日に迫ってるからしゃーないとは言え無断でインストールするのはヤバい(確信)
857:ご機嫌よう名無し様 ID:WWA8pGkyT
百仮面ライダー合もズルしてるみたいであんま気分良くないみたいだしな……
858:ご機嫌よう名無し様 ID:KzlBlhdX2
しゃーないはしゃーないけどこう……何かスッキリしねぇなぁ
859:ご機嫌よう名無し様 ID:Qg0Fwhcp2
あーあー!
どっかに百仮面ライダー合の実力でも問題なく倒せてかつゴブリンみたいに気負う必要もなくぶちのめせる敵とかいないかなー!
860:ご機嫌よう名無し様 ID:Bqvez4BeQ
ヒュージがいるやん
861:ご機嫌よう名無し様 ID:7aKcDzWqH
ヒュージをゴブリン扱いするには個体差が激し過ぎるやろ……
862:ご機嫌よう名無し様 ID:s+8J8rHGL
東京タワーレベルの大きさのゴブリンとか見たことないが……
と言うかヒュージ=ゴブリンだとするとゴブリン相手に生存競争してる事になるんだがそれは……
863:ご機嫌よう名無し様 ID:I7eyBM7j+
まぁでも美鈴様インストールでめっちゃ強くなってるみたいだしこのまま行けば普通に構想会議生き残れるんとちゃう?
864:ご機嫌よう名無し様 ID:f5vp8BtL1
そうだと思いたいけどヒュージさんは全体的にビックリドッキリメカ味が強いし……
865:ご機嫌よう名無し様 ID:vZQfUvg5H
特殊なヒュージだから特型なのにどいつもこいつも特殊なんだが???
866:ご機嫌よう名無し様 ID:5a9rfIAfW
逆に普通のヒュージを全然見掛けないんすけど良いんすかそれは……
867:ご機嫌よう名無し様 ID:zxlKMQsn+
てか正義の味方が敵ぶっ飛ばして気持ち良くなる事メインに考えちゃダメでしょ
868:ご機嫌よう名無し様 ID:bA5jw7xka
……
869:ご機嫌よう名無し様 ID:CuH6RemRE
いや……そうだけどさぁ!
全く以て仰る通りなんだけどさぁ!
正義の味方だって人間なんだが!?
870:ご機嫌よう名無し様 ID:aMzsGYVOu
曇らせは最後がハッピーエンドって前提があるからこそ楽しめるんだよね
871:ご機嫌よう名無し様 ID:N05SFPQf2
あらゆる意味で不自由過ぎて笑っちゃうんすよね
872:ご機嫌よう名無し様 ID:qqP6IIsXA
何でこうコイツだけ主人公補正的なアレが無いんですかね
今んとこパワーアップイベントがグリスのツインブレイカー二刀流レベルでしょっぱいんスけど……
873:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
たすけて
874:ご機嫌よう名無し様 ID:QfRojXF40
!?
875:ご機嫌よう名無し様 ID:81QJaFboP
またですか……
876:ご機嫌よう名無し様 ID:xXBj42EPs
コイツいつも窮地に追い込まれてんな
877:ご機嫌よう名無し様 ID:teVYTY4e8
今度は何スか
ギガント級ヒュージスか
878:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
ゆゆさまにばれた
てかぬーべるさんがばらした
879:ご機嫌よう名無し様 ID:claX9QmUY
あっ
880:ご機嫌よう名無し様 ID:F475+H8ze
お、終わった……
881:ご機嫌よう名無し様 ID:BNMaL7BIW
何やってんの楓さん!?
882:ご機嫌よう名無し様 ID:JWUfUbdC+
窮地を超えた窮地
割とマジでピンチと考えられる
883:ご機嫌よう名無し様 ID:vnOWXtk4t
いやまぁ梅様には悪いけど黙ってたら黙ってたで百仮面ライダー合が先に潰れるだろうし・J・は間違ってないと思うよ……
884:ご機嫌よう名無し様 ID:cD6pVBnKP
確かに・J・は責めらんないな
と言うより誰が悪いって話でもないし
885:ご機嫌よう名無し様 ID:XvbiBmlAm
つー訳でその、まぁ……頑張れ
886:一般転生悪意(浄化) ID:aRKs01+???
えっ
887:ご機嫌よう名無し様 ID:E12CJ68QI
いやマジで頑張れ
夢結様のメンタル(とヌーベルの責任)はお前のクソザコトーク力に懸かってる
888:ご機嫌よう名無し様 ID:VCxKE86C5
・J・も梅様との約束破ってまでリスク侵してんだし冗談抜きで百仮面ライダー合次第な所はあるぞ
889:ご機嫌よう名無し様 ID:9W/FlefQ0
まぁぶっちゃけ美鈴様が直接話すのが1番助かるんだけど
890:??????? ID:MSZ0703AB
いや、今回はパスかな
僕が夢結と話しても全員得しないし
891:ご機嫌よう名無し様 ID:LngrytEg8
損得の問題じゃないと思うんスけど
892:ご機嫌よう名無し様 ID:yFWDA5+Jw
ガチのマジで夢結様は慕ってるんだし1回位話しといた方が良いんじゃ……
それに結局百仮面ライダー合に何があって死ぬのかも分からないまんまだし……幾らなんでも説明不足過ぎるよ……
893:??????? ID:MSZ0703AB
……ごめん
ここ数日、新宿御苑前に学舎を構える私立ルドビコ女学院では異様な活気が蔓延していた。
ある者は山積みにされた段ボールをあちこちへと運び、またある者は豪奢な座席を抱えては廊下を駆けていく。
生徒である若き少女達はただ1人の例外もなく何かしらの作業に従事し、休む事なく歴史ある校舎を右往左往していた。
それは先の戦いで壊滅した都庁付近の警戒に赴いていたリリィ達ですら同様であり、彼女達は帰還するなりCHARMを置き休憩すら取らずに作業に加わるのだ。
そして今、飲料水のペットボトルが詰め込まれた段ボールを空き教室に置いて一息吐こうとしている薄桃色の髪の少女──
「はぁ、ふぅ……ほ、ホントに忙しいですね百合亜様……」
「……仕方ないわ。ルドビコが今回の東京圏防衛構想会議を提言した以上、主催者として私達が場所を提供するのが筋と言うモノよ」
「それにしても、これは……」
あまりにも大袈裟過ぎるんじゃないですか。
そう呟いた聖恋の疑問は尤もだ。
確かにルドビコ女学院は先の戦いで有耶無耶になった防衛構想会議を改めて行うべく東京近郊のガーデンに所属するレギオンを召集した──謂わば主催者である。
当然会議の為に訪れたレギオンを歓迎する義務があり、東京地域の防衛を3分割する「東京御三家」の一角としてその威厳を示さねばならない。
しかしそれにしても、警戒から戻ってきたばかりの生徒総動員してまで準備を進めねばならない程なのかと問われれば甚だ疑わしい。
表面上は明るくとも何かの強迫観念に追い詰められているように聖恋には思えたのだ。
だが、百合亜の返答は極めて簡潔だった。
「ガーデン存亡……いえ、東京全域の危機なのよ、今は」
「えぇっ!?そ、そんな……確かに先生はもう殆どいないけど、まだオレ達でどうにかやっていけてるじゃないですか!?」
「今は、ね。この先どうなるかは分からない」
現在、ルドビコ女学院は教導官が殆ど戦死した事で国定守備領域を守り抜く力を喪失していると考えられる。
生徒達は
故にこそ、防衛構想会議は全会一致を以て内外に団結を示さねばならない。
特型ヒュージの頻出に対応出来る事実、ないしは可能な状況を形成しなければ東京一帯の閉鎖すら検討される──つまり、ルドビコは東京及び其処に暮らす何百万もの人々と一蓮托生の関係性に置かれているのだった。
尤もこれでもし持て成しの杜撰さから不興を買ってしまうなんて事があったら、笑い話にすらならないだろうが。
「正直に言って、御台場女学校に声を掛けて貰ったのはこれ以上にない幸運だったわ」
「そうなんですか?」
「ええ。もう支援は打ち切られているとは言えルドビコは親G.E.H.E.N.A.のガーデンだもの。反G.E.H.E.N.A.を強烈に打ち出しているガーデン──例えば百合ヶ丘のようなガーデンが反発する事は当然考えられるわ。けれど、同じ反G.E.H.E.N.A.の御台場女学校が1番に賛同してくれれば……」
「主義主張の垣根を超えて団結を呼び掛けられる?」
「そういう事よ」
理路整然と示される結論に、段ボール箱から取り出したミネラルウォーターのペットボトルを並べつつ「なるほどなぁ」と聖恋は呟く。
やはり、考えの深さが違う。
聖恋とて何も考えていない訳ではないし、寧ろ彼女なりにルドビコや東京の未来を思索してみたりもするがどうしたってシュベスター──百合ヶ丘やエレンスゲにも見られる「擬似姉妹制度」で結ばれた「姉」には到底敵わない。
人格面、戦闘技術、あらゆる点で尊敬出来る百合亜は大局的な物事の見方でも非常に優れているのだ。
「でも、何で一柳隊なんですかね」
「?」
「他のガーデンは殆どトップレギオンが来るんですよね?だったら百合ヶ丘もアールヴヘイム……は無理でもレギンレイヴ、サングリーズル、ローエングリンみたいな代表的なレギオンが派遣されるのが普通なんじゃないですか?」
一時はヒュージと断定され捕獲命令まで発令された一柳結梨とあらゆる意味でイレギュラーな二川アルトが所属する一柳隊の知名度は良くも悪くもかなり高い。
大型ヒュージの複数体撃破、ネストの破壊、先の戦闘でも大きな戦果を残している。
だが、百合ヶ丘を代表する強豪レギオンなのかと言われればそうでもない筈だと聖恋は自問自答する。
だから何故一柳隊なのか。
特段悪感情は抱いていないが、何か嫌な予感がしてならなかった。
「『仮面ライダー』は止むを得なかったとは言え都庁周辺を根刮ぎ吹き飛ばしてしまった。当然その責任は問われなければならない」
「それは、そうですけど……!まさか10歳の子供相手にレギオン集めて裁判しようって言うんですか!?」
「それは違うわ、聖恋。本当は私達も、他のガーデンも単に彼の実力と現状を知りたいだけ。肩を並べて戦うかもしれない相手の特徴を把握するのは当たり前の事だし、制御出来ないと言うのなら戦闘に参加させない選択肢もあるわ」
「いや、でも……!」
理屈は分かる。
百合亜の説明はきちんと理解しているし、納得も出来る。
しかしその為に数多のリリィの前に年端も行かぬ少年を引き摺り出すと言うのは人情を重んじる聖恋からすればどうしても受け入れられない事だ。
加えて彼が新宿の戦闘の後G.E.H.E.N.A.の一派に拉致され一時薬物の投与を受けており、挙げ句今も本調子でないのだとすれば例え百合亜が相手であっても声を荒げずにはいられず──そんな聖恋を百合亜は冷静に説き伏せる。
「聖恋が考えるような事は絶対に起きない──起こさせないわ。ルドビコは彼に恩義があるもの」
新宿──即ちルドビコの守備地域に出現したエヴォルヴは、しかし到底彼女達の手に負える存在ではなかった。
一切の障害物が意味を為さない光線の火力と強靭な再生能力は事実として百合亜達を絶望の淵へと追いやる脅威だった。
しかしその脅威を影も形も無くなるまで消し飛ばしたのが仮面ライダーアークワンであり、二川アルトなのだ。
「受けた恩義は返すモノ。そうでしょう?」
「……それは、そうですけど」
「聖恋の懸念は間違っていないわ。でも、そうならない為に私達がいるの」
リリィは助け合いだ。
G.E.H.E.N.A.の軛の中で必死に抗い続けたからこそ、心の底から百合亜はそう言える。
そしてその対象はルドビコ内部に限った話ではない。
(やれるだけの事はやってみせる────)
まだ顔すら直接見た事のない恩人。
彼は今、何処で何をしているのだろうか。
(何が出来るかなんて、まだ分からないけれど)
黒木・フランシスカ・百合亜はもうすぐそこまで近付いた出会いの瞬間に、想いを馳せる。
◯二川アルト
相変わらずメンタルガタガタな百仮面ライダー合。
ただし二水ちゃん達に相談出来たりしてるのでガタガタ度合いで言えばかなりマシな方ではある。
どっちかと言うと知識と経験インストールでズルしてるような気分になっており、そちらの方が余程引っ掛かっている…が、それはそれとして美鈴様関連もそれなりに重荷になっているのは間違いない。
ちなみに当人が述べる通り滅茶苦茶手先が不器用(要領が悪い訳ではない)
◯川添美鈴
お姉様のお姉様
元々百仮面ライダー合が死ぬのを防ぐ為にアークから派遣されたので強化には肯定的(ただし無断かつ何の前触れもなくやる)
百仮面ライダー合の死因について詳しく話さないのは「話した場合より死亡率が高くなる」と言う予測がアークによってされており、美鈴は「下手に関わり過ぎると死ぬ確率が高くなるのでは?」と判断したため。
また、
しかしアークはこれに異論を挟まなかったので、特に疑問を感じないまま地道な強化に勤しんでいるが…?
◯楓・J・ヌーベル
多分一柳隊の中で一番メンタルが強い人。
正直この人が折れるような事態があったら本当にヤバいと思う。
尚、今回投稿がアホ程遅れたのは「ヌーベルは何があろうと約束を破るワケない」と考える自分と「ヌーベルはそれが最善択だと判断したら全ての責任を取りつつ約束を破る場合もある」と思う自分がいて心が2つある~、となっていたため。
本当に申し訳ない。
◯ルドビコ女学院
御台場と合わせて舞台版の顔みたいな所があるガーデン。
でもラスバレだと描写とか情勢の解説少なくてイマイチどうなってんのかよく分からない都内の古豪。
なので詳しい事が判明するまでは取り敢えず独自解釈を盛るペコしていく。
正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)
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二水
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結梨&梨璃&夢結
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ぐろっぴ&百由様
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一葉
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恋花&瑶
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千香瑠&藍
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灯莉
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ひめひめ&灯莉&紅巴
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叶星&高嶺
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その他一柳隊メンバーなど