【悲報】ワイ、転生したら百合の間に挟まる仮面ライダーだった【ゆるして】 作:イナバの書き置き
カラン、と音を立てて少女の手から抜け落ちたブリューナクが路面に投げ出された。
「……お姉様?」
恐る恐る、と言った体で夢結はアークワンの指先に触れる。
内側にあった感触は川添美鈴の物とは似ても似つかない、小さな手。
幾度も傷付き、幾度も繋いだ少年の手だ。
しかし耳朶を擽る声のトーンは、間違いなく美鈴のもの。
冗談なら悪質が過ぎるし、本当ならどうしてそうなったのかが夢結には分からない。
それでも、真実はただ1つ。
「本当の本当に、お姉様?」
「勿論。忘れてしまったかい?」
川添美鈴は其処にいる。
アークワンの仮面越しに、少年の肉体を借りて──死んだ筈の人間が、他人の体に憑依して自分と会話している。
これ以上の奇跡など存在するものか。
どんな善行を積んだとて、どんな偉業を成し遂げたとて辿り着けない、正真正銘の奇跡に少女は直面していた。
「そんな……そんな、忘れたなんて……あの日からお姉様を忘れるなんて、一瞬たりとも……!」
ほんの数十秒前に決めた筈の覚悟が、悲壮なまでの決意が音を立てて崩れていく。
押し留めておこうとした感情の濁流が決壊したように溢れ出る。
喉は震え、呼吸も覚束無くなり、遂にはじわじわと溢れてきた涙を何度も拭いながら夢結はアークワンの手をしかと握ってその場に膝を突いてしまった。
「お姉様……っ、お姉様ぁ……!」
「よしよし。うん、夢結はよく頑張ったよ」
「私、わたしずっと……!」
「知っているとも。僕は夢結のシュッツエンゲルなんだから」
急速に元の艶やかな黒を取り戻しつつある少女の髪を梳きながら、美鈴は優しく言葉を紡ぐ。
そう、これは彼女にとっても過去の過ちを正す好機なのだ。
思い返してみれば──何と面倒な話し方だったか。
強化リリィとしての己に絶望し、記憶改竄等と言う望みもしない能力を手にした結果ひねくれてしまった美鈴はそれはもう回りくどく飾り立てた言葉を放っていたのである。
分かり辛さで言ったら厨ニ病集団で有名なシエルリント女学薗のリリィ達にも引けを取らないだろう。
しかし、言葉とは相手にその意味をキチンと伝えて初めて意味を持つ。
勝手に想っているだけの思いが相手に伝わる筈もない、と美鈴は漸く認識したのだ。
「でも、どうして……今になって姿を現したのですか……?お姉様はずっと、私を避けていると思って……」
「あー、それは……」
重要な──少なくとも夢結にとってはこの場の何よりも重大な問題だ。
語弊なく、しかし簡潔に自身の考えを伝えねばならない。
故に、暫し──と言っても加速した思考の中なので現実の時間では一瞬にすら満たぬ間だが美鈴は深く考え込み、やがてぽつりと呟く。
「日和見は止めようと思ってね」
「……日和見?」
「いや、実際夢結を避けてはいたんだ。顔を会わせるのも気まずいし、何より話したくても話せない事が沢山ある。そんな中で夢結と対面したってどちらも納得出来ないだろうって」
「それはっ、そうかもしれませんが……!」
「それにね。夢結と会話をしたらアークの予測が良くない方向に覆るんじゃないかって怯えてたんだよ、僕は」
アークの予測──即ち毎秒2億回のシミュレートによる二川アルトの行く末は、決まって死だ。
戦おうと、戦わなかろうと、アークワンに変身可能な限り必ず死ぬ。
それに外部から刺激を加え予測を覆すのが美鈴に与えられた本来の役目だが、彼女は寧ろ自分が直接関与する事で状況が悪化するのを恐れていたのだ。
「怯える……?お姉様が……?」
「僕だって人間だよ?怖い事の1つや2つ位あるさ。現に、僕の行動で夢結が傷付いてしまったらなんて考えると震えが止まらない。どうしようもない位怖いんだ」
美鈴は自身の死の間際に夢結の
しかしそれを行った事でこの2年間夢結が苦しんできた事実を知っているからこそ、怖じ気付いてしまった。
自分が関わる事で彼も死ぬより辛い目に遭うんじゃないか──そんな疑念が美鈴に手を出す決断を躊躇させた。
己の内側に根を下ろした恐怖から目を背けてしまったのである。
「でも、アルトを見ていたら『そろそろ向き合わなきゃ』って思った」
「アルトを……」
「うん。知っての通り彼は『
「……」
「馬鹿も馬鹿、矛盾と自己否定に満ちたとんでもない大馬鹿さ。けど、アルトは仮面ライダーに挑んだ。やり方は間違っていたかもしれないけれど、それでも真っ正面からトラウマに立ち向かったんだ。だから……僕も向き合わなきゃけない、立ち向かわなきゃけない。1人でやらせるなんてリリィの名折れだし、夢結のシュッツエンゲル失格だ」
「そんな事……」
「それで、その────」
アークワンに変身した二川アルトが選んだ手法は、全く以て正しいとは言えない。
心配してくれる周りの気持ちを考えもせず、誰が傷付くかも考えず、凡そ一切に於いて独り善がりだったと言っても何ら過言ではない。
ただ、逃げはしなかった。
目を逸らそうとしても諦められず、間違ったやり方ながら愚直なまでに立ち向かい続けた。
その一点に限っては──間違っていない筈。
「今更だけど、一緒に戦って欲しい」
だから、美鈴も起つ。
起たねばならないのではなく、自らの意思で決起する。
白百合の名を背負ったものの責務を成し遂げようと言うのだ。
そしてそれは、決して1人では完遂出来ない。
欠陥だらけな少年とは別ベクトルに凸凹で、それでも少年と同じように格好つけるのを止められない少女は支えてくれるシルトがやっていけないのだ。
だからこそ、それを誰より知っているからこそ、白井夢結は────
810:ご機嫌よう名無し様 ID:7+gl6RI8x
うおおおおおおおおお
811:ご機嫌よう名無し様 ID:sAASf/Gsn
いけえぇぇぇぇぇ!!!
812:ご機嫌よう名無し様 ID:h3ZpCOcJO
やれー!
ぶち殺せー!
813:ご機嫌よう名無し様 ID:BLOOD2017
えっ
何これ
814:ご機嫌よう名無し様 ID:yKhgSMF7x
道中の雑魚も纏めて引き潰してけー!
815:ご機嫌よう名無し様 ID:fuR2bbWgB
何って……夢結様と一緒にギガント級ヒュージ共を神奈川との県境まで押し出しとる最中やん
816:ご機嫌よう名無し様 ID:BLOOD2017
えっ
じゃあこの何か凄い黒炎みたいのに包まれてる実況画面は……?
817:ご機嫌よう名無し様 ID:WjVQ5aXz1
いいよいいよー!
順調に進んでるよー!
818:ご機嫌よう名無し様 ID:9Y0wM/W5c
何って……百仮面ライダー合の新フォームやん
819:ご機嫌よう名無し様 ID:BLOOD2017
えっ
えっ
えっ……?
820:ご機嫌よう名無し様 ID:pghe9H4j6
残り128秒ー!
821:ご機嫌よう名無し様 ID:BLOOD2017
え?
今百仮面ライダー合渋谷にいないの?
822:ご機嫌よう名無し様 ID:u1nlUBpKR
うん
823:ご機嫌よう名無し様 ID:jvjnwtSfE
ウッス!
824:ご機嫌よう名無し様 ID:KpMg6juL8
そうだけど
825:ご機嫌よう名無し様 ID:6S5Kupsjy
大分前に……離れましたかね
826:ご機嫌よう名無し様 ID:knLegDGYe
大分(数十秒前)
827:ご機嫌よう名無し様 ID:kFbXIUU8O
すんごい勢いで上がってく出力を推力に変換してるアークワンと原理はよく分かんないけどノインヴェルトで集めたマギを推進力に変えてる夢結様のコンビだからしゃーない
雑に強い
828:ご機嫌よう名無し様 ID:NaVTciTXn
ほら見ろよ必死になって踏ん張ってるのにメイルストロムくんごと運送されてくイビルアイくんをよぉ!
829:ご機嫌よう名無し様 ID:FH6NQOEBr
バエルの特格かな?
830:ご機嫌よう名無し様 ID:BLOOD2017
ま、マジか……
それならゼロツープログライズキー発掘してきた意味無かったかなぁ……
831:ご機嫌よう名無し様 ID:IS+gd135x
……
832:ご機嫌よう名無し様 ID:yJTQPgRLo
……
833:ご機嫌よう名無し様 ID:wYMbvU0Yu
……え?
834:ご機嫌よう名無し様 ID:BLOOD2017
え、何この空気
俺なんかしちゃいました?
835:ご機嫌よう名無し様 ID:SdAfeFfK8
したが!?
大いにしたが!?
836:ご機嫌よう名無し様 ID:IGoabuivW
待って待って
>>813は今百仮面ライダー合の世界にいんの?
837:ご機嫌よう名無し様 ID:BLOOD2017
いるけど……
838:ご機嫌よう名無し様 ID:/fZyKhLT0
馬鹿ー!!!
839:ご機嫌よう名無し様 ID:buPBVDcr9
書き込んでないではよ行けー!!!
840:ご機嫌よう名無し様 ID:pcLj+1gE8
百仮面ライダー合を死なせる気かー!!!
841:ご機嫌よう名無し様 ID:Z9D2ZDIrG
今良い感じだけどこれぜっっったいダメなヤツだからな!
何か勝てそーってなった時に不意打ちとか食らうヤツだからな!
842:ご機嫌よう名無し様 ID:fHpi8ZOeF
>>813?今神奈川との県境にヒュージが集中していて、百仮面ライダー合が半分位を受け持っています。すぐ来れますか?
843:ご機嫌よう名無し様 ID:BLOOD2017
あ、あん、はっ、はい、2分後には、いっ、行けまっす!
844:ご機嫌よう名無し様 ID:wfk9DglIx
もっと早く来れませんか?
845:ご機嫌よう名無し様 ID:BLOOD2017
あ、ああ、はい、なるべくはっ、はっ、早く行きまっす
846:ご機嫌よう名無し様 ID:7VJ6S4ctV
怪文書で会話してないではよ行けアホ
847:ご機嫌よう名無し様 ID:BLOOD2017
はい……
『悪意』
踏み下ろした右足が大地を砕く。
それは一見すると中国武術に於いて打撃の威力を増幅する為に行われる「震脚」のように見えるが──装甲に覆われたアークワンの靴底は、コンクリートを踏み抜きその下の地面へと潜り込んでいた。
そう、これは次の攻撃へと繋がる予備動作に過ぎず──
『恐怖』
ドォ、と大地を割って噴き上がった黒炎がヒュージの足を焼き、幾つもの巨大が地に倒れ伏す。
如何なヒュージとて、歩けぬならば敵に肉薄する事は叶わない。
そればかりか逃げる事も、避ける事すら奪われたのと同義であり──空に向かって突き上げたアークワンの両手から、黒い光弾が打ち上げられる。
『憤怒』
上空で停滞した光弾から降り注ぐは、無数の雷。
移動手段を剥奪されただ空を見上げるしかなくなったヒュージたちに向かって、無慈悲にも雷撃が殺到する。
最も効率的で、最も残酷で、最も理不尽への怒りに満ちた虐殺行為だ。
外殻を焼かれ、内部組織を破断され、時折痙攣するばかりになったヒュージ達にはただ無惨に屍を晒す以外の末路は許されていない。
しかし、未だ果敢にもアークワンに挑もうとする異形の姿がある。
『憎──────』
これまで淡々と怨嗟の言葉を唱えていた音声がぷつりと途切れる。
巨大な鏃としか表現し難いこのラージ級個体は、飛行可能な種族であった為に初撃の震脚を受けずに済んだ数少ないヒュージの一体だった。
少なくない直撃を受けながらも何とか黒雷を切り抜けたこの鏃は、一直線にアークワンへと加速し──不自然な位迷いなく振り抜かれた裏拳に、為す術なく粉砕される。
『残念。僕がいる限りアルトの後ろは絶対に取れないよ』
そう──今や少年と少女の2人体制で補われたアークワンの視界は360度を完全にカバーされており、死角と呼べる領域は一切存在しない。
よしんば二川アルトの隙を突けたのだとしても、実戦に裏打ちされた美鈴の警戒を掻い潜る事は不可能。
故に直接目視せずとも彼女の指示に従って拳を振るえば、それは必中必殺のカウンターとなる。
残り22秒。
最早何人足りとも──例えアルトラ級が何の前触れもなくこの場に出現したとしても、傷の1つすら付ける事は叶わない。
何故なら、拳の一発であらゆる障害は砕かれ、蹴りの一撃であらゆる問題が灰塵と帰す力を持った存在が、歴戦の戦士の判断能力と視界を手にしたのだから。
この時点で、アークワンはこの世界に於けるあらゆる存在を凌駕した完全無敵の存在と化していた。
元々、
実際、飛電或人が変身したアークワンであれば態々キーの出力を限界突破させずとも難なく凌ぎ切れたに違いない。
つまり、そのスペックをここまでしなければ発揮出来ないアルトに問題があると言う事だろうが──だが、それは逆に言えば後22秒しか無敵でいられない事の証明でもある。
オーバーライドした結果際限なく増大し続ける出力に、プログライズキーそのものが耐えられないのだ。
既にベルトの内部で半ば溶解しているキーの存在を知ってか知らずか、屍の山を作り続けて尚ヒュージの攻勢が途切れる気配は見えなかった。
『……』
無法の極地にして、本来あるべきリリィとヒュージのパワーバランスを単騎でひっくり返しかねない今のアークワンに触れられる者はこの世界の何処にも存在しない。
人間と
だって、ゼロワンの中にいるのは彼一人だけなのだから。
二重人格ではなく、完全に独立した別個の存在が一人の肉体に収まっていると言う完全な反則をアークワンが犯している以上、比較の前提から成り立たない。
だが──ゴバッと土石を巻き上げながら地中から出現したエヴォルブは、既に口内に極大のマギを蓄積させていた。
『……成る程。リベンジマッチ、って感じかな』
以前相討ちとなった個体とは、別の個体。
しかもご丁寧に前回の隙を潰して来ている。
他のあらゆる同胞たちを囮に使いつつアークワンの変身制限ギリギリまで待機し、チャージが完了次第奇襲を仕掛け──至近距離から新宿区を壊滅させた光線を放ち、どす黒い陽炎となって身を守る余剰エネルギーごとアークワンを蒸発させる。
スマートで、パワフルで、確実な作戦だ。
これまでの視野が狭くなりがちな二川アルトであれば先ず反応など出来やしなかっただろう。
仮に事前に気付かれたとして、回避も防御も無意味な状況であれば致命傷を負わせられたのは間違いない──戦っているのが二川アルトただ一人
『────来た』
掲げたダインスレイフに、光球が滑り込む。
「お待たせしました、マギスフィアです!」
『ありがとう、来夢ちゃん』
来夢、夢結、一葉、瑤、幸恵、純、アルト、美鈴──そしてアークワン。
アークワンが1人で大型ヒュージの注意を惹き付けている間に、ノインヴェンルト戦術は大詰めを迎えていたのだ。
「お姉様、アルト。後は2人に任せるわ」
「頼みますよ、アルトくん!」
「正直、これ以上は無理かも……」
「即興でも、上手く行くものね……」
「花形は譲ったのですから、トドメもキッチリ貴方達の手で刺して欲しいものですわね……!」
もうこれ以上はない。
長期戦で疲弊し、マギも枯渇寸前になったリリィ達はこれ以上戦う事は出来ない。
故に、極光を湛えた魔剣の鋒をエヴォルブに向けて──ぐちゃり、と鎧が溶解する。
『……やっべ!』
限界時間が訪れたのだ。
ダメージが浸透した肉体を強制的に動かしていた強化筋肉が解ける。
赤黒い輝きを放っていたアークドライバーが光を喪い、白亜のプレートが砕け散る。
「ここでか……!」
こうなってしまっては、最早マギスフィアを放つ事は不可能──余波で自分が消し飛びかねない。
「何でこう、毎回綺麗に終われないんだよ……!」
結局新宿の二の舞になってしまった己に毒づきつつも、少年は鋒を逸らさなかった。
距離が近すぎるが、だからと言って逸らしても負ける。
エヴォルブに対して生半可な攻撃を加えようものなら、逆に熾烈な反撃の餌食になるだけだ。
だから、動かない。
二川アルトは、何れだけ絶望的な状況でも逃走だけは決してしない──況してや、リリィたちの想いの結晶であるマギスフィアを託されているのなら。
(──どうする?)
『……さて、どうしようか』
思考が重なった一瞬、しかしアルトも美鈴も明確な打開策に辿り着く事はなかった。
進むも退くも今更遅いし、後退はあり得ない。
そうして、完全に液体と化したプログライズキーが2人の焦りを表すかのようにボタボタと地面に垂れ落ち──それでも、諦めると言う選択肢は有り得ない。
そんなもの、もう十分だったから。
「夢結様!」
「アルト!お姉様!」
すかさず飛び出してきた夢結に背中から抱えられ、落下しながら改めて構えなおす。
これならば絶対に外さない。
万が一にも外す可能性が残されていたならトリガーを絞れなかっただろうが、夢結程のリリィに支えられ美鈴程のリリィが射撃の補助をしてくれるならば如何に射撃がヘタクソな少年とて必中を確信するだろう。
しかし、それは夢結をノインヴェルトの爆風に巻き込んでしまうと言う事であり──同時、直上から投げ落とされた「それ」が少年の頭を直撃する。
「い゛っ!?たぁ……っ」
『ゼロツー、プログライズキー?何処から……』
それは間違いなく、新宿で喪失した筈のゼロツープログライズキーだった。
何れだけリリィ達が探しても見付からず、アークワンの演算を以てしてもその行方が判明しなかった切り札が、突然空から降ってくる。
不可解な状況に少年少女が揃って首を傾げる中、ふわりと一人でに浮き上がったキーは壊れたドライバーに装填され──砕け散ったベルトの破片と戦士の鎧を、あるべき形に創り直す。
そう、元よりこのアークドライバーはゼロツードライバーが変化したものだったのだ。
そしてそれはアークと少年自身がゼロツーのスペックを扱100%出し切れないと認めたからこその、一時的な措置に過ぎない。
で、あれば。
もし今なら
アークドライバーがあるべき形状へと回帰するのは、必然と言えよう。
「……無事に、為し遂げたか」
かつて「海ほたる」と呼ばれていた人工島の上からでも、仮面ライダーブラッドの視覚センサーを以てすれば虹色の爆発は容易く視認出来る。
そして光の粒子となり、煤けた空へと消えてゆくマギスフィアの残光を認めれば──あのやたらと危なっかしくて、やたらと考えなしな駆け出し仮面ライダーが為すべきを為したのは明白だった。
──あの「門矢士」も随分と人遣いが荒い
本当ならキーを落とすだけではなく、直接顔を見せて激励なり猪突猛進癖を諌めるなり、或いは態々異世界まで呼び出されて穴掘りをさせられた事への文句を言ってやりたい所だったが、それは別に構いやしない。
これは元より他人の物語であって、仮面ライダーブラッドになってしまった男が口を挟むような話ではない。
「仮面ライダーシリーズ」の番組内で異界から呼び出されるライダーが概ねそうであるように、或いは
そう一人で納得して、潮風を浴びていると──再び視覚センサーが異常を検知した。
「態々台北から東京湾まで同胞を助けに来る……いや、単に好機を逃さぬつもりなだけか。目敏い奴らめ」
荒れた海の中で揺らめく、夥しい数の光の点たち。
それが男の言う通り台北から海流の流れに乗って北上してきたヒュージの一団であるのは、蛇の特性によって異常なまでの知覚能力を有するブラッドからすれば露骨過ぎる程に明白だった。
現在の首都圏内のあらゆるガーデンにこれをどうにかする術はない。
先の新宿襲来の傷も癒えぬ内にやって来た突然の総力戦にリリィ達は疲弊しきり、個人としての最大戦力とも言える二川アルトが死力を振り絞って
だから、二川アルトは「どうあっても死ぬ」。
先に台北からの集団を殲滅しようが、都内に潜む特型を根絶やしにしようが、二度の連戦に少年の肉体は耐えられず死に至る──それがアークの結論。
幾ら美鈴が少年に関与しようと演算結果が変わらなかった、ただ一つにして絶対的な根拠。
最初から原因が外部にあったのだから、何をしたって変わりようがなかったのだ。
今、この瞬間までは。
ベルトのハンドルを回す度に、ブラッドの全身から溢れ出すどす黒いエネルギーが拡散する。
これは本来「仮面ライダーブラッド」が為すべき行為ではない。
「本来」ブラッドの変身者は地球を破壊せんとする異星人であり、彼等の活動原理に則るならばこのままヒュージの侵攻を見送るのが最適な判断と言えるだろう。
しかし、今回ばかりは。
人としてのカタチすら奪われ、仮面ライダーの役割に押し込められた一人の転生者として、同類に餞を贈るならば。
その日、人類に多大な被害を齎すであろう災厄の1つが人知れず消滅した。
◯二川アルト/アークワン エクスターミネーション/仮面ライダーゼロツー
或人社長を1とすると大体0.3社長位(耐久力除く)の主人公。
アークワンに変身中は0.5社長位になる。
挙げ句殆ど全てのリリィより戦闘センスが無い上に心構えも全然出来てないので悪意の力で自分にバフをかけるしかなかった…が、美鈴様の補助を得て漸く1社長になれた。
とは言えメンタル面は漸くスッキリしてきたので今後はリリィに助けられる側から助ける側になると思われる。
◯川添美鈴/アークワン エクスターミネーション/仮面ライダーゼロツー
戦闘センスで言えばアルトとは正反対だが拗らせ方の方面は似ている。
取り敢えず夢結様とコミュニケーション取ってもろて…
◯仮面ライダーブラッド/???
役割的には「鳴滝が召喚したライダー」。
なので必要以上の事はしないしやる事やったら直ぐ帰る。
でも同じ転生者の誼みでサクッと死亡要因を片付けてくれたりはする。
正直に言って戦闘無しで考えたら誰との絡みが見たい?(あくまで参考である事をご了承下さい)
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二水
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結梨&梨璃&夢結
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ぐろっぴ&百由様
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一葉
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恋花&瑶
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千香瑠&藍
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灯莉
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ひめひめ&灯莉&紅巴
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叶星&高嶺
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その他一柳隊メンバーなど