「おいおい! 嘘だろ! ショック吸収をパワーだけで無効化しやがった!!!」
久しぶりにキツかった……
「ふぅー、やっぱり衰えたなー。現役だったら3、4発で吹き飛ばせたのに200発も殴っちまったぜ」
ぐっ! 流石に脇腹も制限時間も限界か……なんとか力を入れて出血防いでるけどそろそろマッスルフォームが切れそうだ! あとひと踏ん張りなんだ!
「……クソ……このチート野郎! どこが衰えてるんだよ......あいつ嘘を教えやがって......なにが現役より1/10もないだよ......あの覇気......くっそ脳無を飛ばされたのが......黒霧、もう一体と共に呼び戻せないのか!?」
「さすがにどこへ飛ばされたのかすら分からないとなると......それともう一体の方は例の少年に四肢を切られ、再生してもこっちに来れないようにお姫様が拘束しているようです」
「糞がっ! 何が最強の怪人だよ! 高校生に負けてんじゃねえか。糞! 糞!」
「死柄木弔、落ち着いてください。何もオールマイトが無傷で脳無に勝ったわけではありません。脳無に受けたダメージは確実に表れています」
「......」
「さらにオールマイトの弱点はあそこで立ち尽くしている」
「うん......そうだよな......やるっきゃないな。目の前にラスボスがいるんだ」
あと一歩でも動けばトゥルーフォーム......
「何よりも脳無の仇だ」
来るのか! ったく!
「「オールマイトから離れろ!」なさい!」
「緑谷!?」
血城さんの娘さん!? 緑谷少年はワープ個性の首元を、血城少女は血糸で私を引き寄せつつ手だらけヴィランへ武器を投擲している。
「そんな技! 二度も通用しませんよ!」
!! 緑谷少年に向かって手だらけヴィランの手が触れそうになる。
「いっってぇぇぇ!!」
来てくれたか!
「ごめんよ、みんな......遅くなったね。すぐに動けるものをかき集めてきた」
「1-A クラス委員長飯田天哉!! ただいま戻りました!!!」
「そりゃあ大人しく帰す訳がないでしょ!!!」
やっと来てくれたのか……
「1-A委員長!!! ただいま戻りました!!!」
雄英のヒーロー達を引き連れて飯田少年が戻ってきた。
「終わりだ。ヴィラン共この距離から捕獲可能な“個性”は13号!」
「絶対逃がさない!」
「終わりだ。ヴィラン」
「っ!?」
「いえ、終わらせませんよ」
突然の殺気を感じて緑谷少年の首を掴んで下がる。13号の意識が落とされている。
「おや、とっても感覚の鋭い方……♡」
「おい、なんでお前がここに」
「そりゃああの方が回収してこいと仰られたので......えいっ☆」
「糞......キッツ......」
手だらけヴィランの頭を軽くこずいただけで意識を落とした......
「貴様……何者だ……」
あの忌々しいアイツのような殺気だった。
「あちきは赤羽翠……以後お見知り置きを。俊典さん♡」
「ここにはヒーローが何人もいるんだ! 諦めて投降しろ!」
スナイプが構える。
「あらヤダ……それじゃあ帰らせてもらいますわぁ」
「こんなに警戒している中どうやって!」
「こうして入口から帰らせていただきます」
「あの私はワープで帰れるのですが......」
「あらあちきが出来ないとでも?」
!?!? いつの間に!? 人間2人抱えてこの人数に見られているのに誰一人として入口に近づくまで気づかないことがあるのか!? それがやつの個性か!?
「ま、待ちなさい!」
ミッドナイトが追おうとするが既にそこにいなかった。
「ハウンド・ドッグ!」
「いや、もう校内にはいない……」
「オールマイト! 平気ですか!?」
誰かが近寄ってきてくれてるけど今はやめてくれぇ!!! 何とか土煙に隠れてるけどやばぁぁぁぁい!!! ん?
「......あぁ、セメントスありがとう」
どうやらセメントスがコンクリートの壁を作ってくれたようだ。
「いえ、私も貴方のファンですから貴方が見せたくないなら隠しますよ」
「ありがとう」
***緑谷
なんとかヴィランは退けたものの主犯格をまんまと逃がしたことで僕達は苦い思いを味わうしかなかった。
命の大切さを学ぶ授業だったはずがいきなりの実践に戸惑う者も多かった。世間はもっと関心が高いようだが。