あの最終回はやっぱ何度見ても感動しますね…
良かったら是非皆さんのオーズの感想を聞かせてください!
01 過去と家族と動き出した歯車
動き出す影、ゼロの始動
ゼロには過去が無かった。
ゼロには記憶が無かった。
ゼロには家族がいなかった。
+37 終わりの始まり
かつてゼロと呼ばれた少年、零司はその後映司に引き取られ、映司の家族と
して迎えられた。
最初は家族ごっこに意味が無いと言ってきた零司であったが映司の優しさも
あり段々と今の状況になれてきていた。そんな矢先にある荷物が届く。
「おーい、レイーまた父さんからの郵便だ。開けるからこいよー」
一軒家の一室、パソコンの前で作業をする零司の部屋の前に一人の男が立っている。
零司は面倒くさそうな顔をするも、郵便物の中身が気になったか、
渋々男の方へ行く。
「それで誠司兄さん、今度は何処から?」
郵便物をもつ男、誠司は零司に兄さんと呼ばれた。
火野誠司、火野映司の長男にして零司の兄である男だ。
このように送り物が来ることが良くあるのか、2人とも見慣れた反応をする。
零司がここに来て数年、なんだかんだで零司もこの生活に慣れてきていた。
「えーと…… 書いてないな。 全く、父さんと母さんは一体どれだけ世界を巡れば気が済むんだよ。」
父である映司と母比奈は、現在海外勤務中だ、
と言ってもほとんどが映司の研究の為で比奈がそれについていく形ではあるが。
映司は世界中は飛び回りメダルに関する研究を進めている。
今やその分野では知らぬ人がいない一流の研究者だ。
アンクと言うグリードのメダルを復活させるため、鴻上ファウンデーションと協力し、
世界中でメダルに関する資料や、データを集めているらしい。
そして裏では、各地に散った組織や財団Xの事を追っているのだ。
「父さんの事だ、ついでに人助けでもしてるんだろ。
全くいつものことだが、困ったものだな……」
軽くため息をつきながら口にする。
あの人は自身の夢と同等に他人の事を考える。そんな人だ。
「ハハッ、まあ、あの父さんの事だ、心配ないさ。」
誠司は大げさに笑い答える。
いつも兄さんは場を和ませようと、笑っている。
俺には到底できないことだ。他人の顔色を疑い、場の雰囲気を和ませる。
記憶がない改造人間である、俺には絶対に出来ない。
でも、今はなぜだかそれを余り悔んだりはしない。
なぜだろうか、仮初であるはずの家族が確実に俺の中の何かを変えていったのは事実だ。
それは一体何なのだろうか。
「どうしたー、レイ 難しそうな顔して、そんなに父さんの事が気になるのか?」
「いや、大丈夫だ。そっちじゃない。むしろ…… いや何でもない。」
兄さんがなぜいつも笑ったりしていられるのかと聞きかけるが、やめた。
これは、他人に聞いて分かる事じゃない。自分で答えを捜す物だ。
「ちょっと誠司、いつまで話してるのよ。さっさとソレ、開けない?」
居間の方から女性の声が聞こえてきた。
その声に驚き、兄さんは足早に居間の方へと駆けていく。
「ごめん、ごめん、今行くよ奈々姉。」
火野奈々、同じく火野映司の娘、一応誠司より上で俺にとっても姉だ。
どうやら兄さんは姉さんに頭が上がらないらしい。
不思議だ。姉弟といっても2人は双子、確かに姉さんの方が少し先に生まれたらしいが、
それを今まで引きづる何て、やはり本物の家族には何かあるのだろうか。
ますます、不思議になる。
養子と言う形で引き取られた俺を兄さんや姉さんは俺を家族として迎えてくれた。
赤の他人である俺を疑いもせずに家族に迎える。そんな考えがずっと理解できないでいた。
この家族になってからは疑問の連続だ。
俺はその疑問を解決しようといつも考える。それが人間になる為の一歩だと思い。
モノであった俺がヒトとして暮らす事に意味を見出す為にも。
「どうしたレイー、開けちまうぞー」
「ちょっと、少しは零司を待ちなさいよ。それでも兄貴なの?」
「……その言葉そっくりそのままお前に返すよ。」
「えっ?」
兄さんと姉さんは相変わらず、口げんかをしている。いつもそうだ。
2人は事あるごとに何か良い争いをしている。
そんなに意見が合わないのなら口をきかなきゃ良いと以前言ったことがあったが、
その時は、2人ともなぜか悲しんでいた。
今思えば、あれは的外れな言葉だったのだろう。現に2人は笑っている。喧嘩しながらも
ときどき苦笑を見せている。
「よしっ、開けるぞ。」
なんだかんだで、全員そろいやっと本来の目的である箱の開封に至る。
箱は辞書くらいの大きさで中には何か重い物が入っている。
良く見ると、取扱い注意のラベルが貼られてるあたり、何処かの土産物か、それとも何かの資料か。
「なっ……」
「これって……」
「………」
箱の中には不思議な形の物体。一般人であれば何だかわからないが、俺達家族は知っている。
これがいかに重要なものか。本来これが父さんの手を離れることなど無いはずだと。
そして同時に疑問が生まれる。一瞬良くできた偽物なのでは?とさえ思う。
「……オーズドライバー!? なんでこいつが!?」
兄さんが驚き、取り乱す。
流石にこれには俺も驚いた。父さんが常に肌身離さず持ち運んでいるオーズドライバー。
世界にこれ一つしかない非常に重要なもので、使い方次第ではとても危険なものだ。
最も、父さんしかこれを扱う事が出来ないのだが。
それを、俺達に渡すなど、普段の父さんの行動からは信じられない。
「待って、手紙が入ってるわ。」
箱の下には、一枚の手紙が入っている。
いまどき紙の手紙なんて珍しい。そこが父さんらしいが。
「あなた向けよ、零司。」
少々驚いたが、これほどの事態何か込み入った事があるのだろう。
手紙をひったくるように受け取ると、栓を切る。
『零司へ
これをお前に託す。詳しくは話せないが、今は零司が持っていた方が良いと思う。
俺はまだ帰れそうに無い。なにかあったら鴻上さんに頼んでくれ。
まだ確信は無いがおそらくイクスが再び活動を開始した。
気持ちは分かるがくれぐれも無茶な真似はするなよ、………』
そこまで読んで、俺の抱いてた感情が露わなる。怒りだ。
俺をこんな体に改造したイクス。あの事故依頼動きを見せていなかったが、
まさかもう動き出してたとは。
奴らは、奴らは何としても俺の手で……
「零司!」
姉さんの言葉でハッとなる。
拾い上げた手紙を読んだのか、事態を把握しているようだ。
俺の出生は2人とも既に知っている。無論俺がイクスの事を殺すほど憎んでいることも。
しかし、これは俺の問題だ。2人を巻き込むわけにはいかない。
これは俺の復讐であって俺個人の問題だ。
だから……
「大丈夫だよ、姉さん、兄さん。今頃復讐なんて考えないさ。
父さんがこんな事をするくらいだ何か意味があるんだろう。」
「零司……あなた……」
姉さんは一瞬悲しそうな顔をしたが、俺の言葉に安心したのか、いつもの笑顔に戻る。
似合わないしかめっ面をしてた兄さんも姉さんにつられ、いつもの表情に戻った。
それで良いんだ。2人には俺みたいな顔は似合わない。
いつも笑顔でいてこそだ。
だからこそ、2人は巻き込まない。
俺一人で……
(必ずイクスを潰す!!)
2人が寝静まった夜、零司はゆっくりと玄関のドアを開ける。
先ほどは2人にはああ言ったが、本心はやはりそうはいかなかった。
自分を改造したイクス、自身の過去の秘密を握る奴らが再び動き出したと知っては動かずには居られなかった。
(ごめん、姉さん、兄さん、やはり俺は戦う事しか出来ない。)
強く握りしめたその手には、とある物が握られていた。
本来それを使う事は出来ないが、どう言うわけかこっそり持ってきてしまったようだ。
まるで何かに引かれるように。
しかし、2人に悟られぬように鳴らないこの状況、零司自身も、自分一人でどうにかなると考える
ほど愚かではない。
(本望ではないが仕方ない、この状況頼れるのは奴しかいないか……)
躊躇っている物の、2人に内密で事を進め、一式の装備を手に入れるためには、
かなりの力を持つ者の助けが必要となる。
そんな者、世界に奴しかいない。
なぜか奴とは気が合わず、奴の事は何処か苦手だった。
しかし、この際しょうが無い。
ポケットからデバイスを取り出すと少ない連絡先の一番上を選択する。
「……鴻上か、話しがある。取引だ。
お前ももう知ってると思うが、奴らが動き出した。お前の欲しがるアレのデータをくれてやる。
そうだ、そちらにとっても良い話しだ、文句は無いだろ。
とりあえず地下にあるアレとバースドライバーを寄こせ。今から取りに行く。」
to be contenuud
設定解説コーナー
今回はメダルの種類について説明します。
本編に登場したのはコアメダルとセルメダルの2種類でしたが
本作品では新たにセルビット、ビットコア、ゼロメダルを追加しました。
もちろん私が考えた独自設定です。
各々については後の後書きで詳しく説明しますが、
セルビットがセルメダル、コアビットはコアメダルの電子版と考えてもらって結構です。
ゼロメダルについてはいずれ……