やはり俺がVtuberになるのはまちがっている。   作:人生変化論

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最近のスマホの予測変換は凄く便利です。
例えば『は』と打つだけで『八幡』だったり『はーくん』と変換してくれるので、執筆速度が格段に上がりました。

ですが『ち』と打っただけで『超広大遠距離爆殺魔法』と変換された時には一回スマホ投げそうになりました。

そんな五話目です。


八幡は厨二病に出会う

金曜日。

全人類にとって至福の一日である。

金曜日というワードだけで心が踊り、救われたような気持ちになる。

だからね、全ての曜日の名前を金曜日にすればいいと、八幡思うんだ。

そうすれば聞いただけで気分が軽く...ならないわ、本質的には変わってないわ。

 

幼い頃から金曜日教金曜日信者だからな。俺レベルにもなれば金曜日と聞くだけで紅茶2Lは飲める。何も関係ない。

 

 

「......」

 

 

絶賛金曜日の六限中である俺は、じっと目を閉じていた。

教室を見回してみれば、俺と同様に夢の旅人と化している生徒が沢山いる。

 

金曜の六限、その授業が説明多めの数学ともなれば、眠気は回避できないだろう。

俺に関しては常時ステルスヒッキーを発動しているので、寝ていることがバレるはずもない。すやあ。

 

さて、諸君は俺がただ眠っているだけとは思っていないだろうか。

それは違う、断じて違う。

俺は眠りながらも、配信のネタを考えているのだ。

 

あの地獄を生み出した黒歴史暴露配信から、五日が経過した。

黒歴史暴露配信でそこそこ知名度が上がり、その流れに乗るため俺は毎日配信を行った。

毎日配信をするにあたり理紗さんは、

 

 

『いくらVtuberだっていっても、高校生活は一回きりだしな。八幡が部活やら生徒会やらやりたいってなら、私たちは止めねーぞ?』

 

 

と言ってくれたが、そもそもそんなつもりのない俺には関係のない話だった。

中学の時も帰宅部を貫いていたのだから、今更曲げるつもりもない。

よって俺の帰宅後は基本フリーなので、配信に時間を費やすことが出来たのである。

 

配信は雑談を主にして、二回ほどゲーム配信も行った。

俺が最初のゲームとして選んだのは、世界的に知名度が高い王道レーシングゲーム『マリ〇カート』である。

俺の中学校時代の青春はレート対戦と人狼が全てだったので、腕には自信があった。

ちなみにローカル対戦はしたことがない。当たり前だろう。

一人で延々とタイムアタックしていたのは、今ではいい思い出だ。

 

ちなみに、参加型でやったマ〇カは妨害しかなく、実に地獄だった。

 

 

・・・

 

 

「じゃ、持ちキャラのロゼ〇タ使うか」

 

・持ちキャラなのか

・ルックスで選んだの?w

・お前...惚れたのか、俺以外の奴に...

 

「ロゼ〇タ馬鹿にすんなよ。ママの絵本見てみろ、号泣しかできん」

 

・あれはマジで泣いた

・当時感動したなー

・それなに?

・↑ゲームにそういう話あるんよ

・ググるのオススメ

 

「特にこの体のラインいいよな」

 

・...?

・キモくて草

・さっきの話台無しで草

・私のロゼ〇タちゃんに近づかないで!

 

 

・・・

 

 

「くっ...わざと減速して甲羅当てたな...。一生恨むからな『もうやめたい』ッッ!」

 

・名前w

・もうやめたいは草

・やめたいと思いながら甲羅あてたのか

 

「いつかやり返すからそれまでやめんなよ」

 

・やさしい

・あらやさしい

・手のひらくるっくるw

・そう言いながら十一位なんだよなぁ

 

 

・・・

 

 

「もう色々疲れたんだが...愛人共妨害し過ぎなんだよ」

 

・これが俺たちの愛よ♡

・伝わったかしらん

・あらあらうふふ

 

「いや鳥肌たつからやめてくれ」

 

・は?

・は?

・いつもお前がやっとることぞ?

・ブーメラン刺さってますよ

・傷ついたので高評価します

 

「...。次はレート対戦にするか」

 

・スナイプします!

・行くぞ皆!スナイプの時間だ!

・相手を愛人で埋めつくしてあげよう

 

「......」

 

 

・・・

 

 

というような具合で、愛人共によって集中砲火を浴び、虐められた配信だった。

その後行ったレート対戦でも、妨害によって最下位になった俺がゴールしようとすると、ゴール前で愛人共が全員待っているという事件が発生。

おい煽んなふざけんな。

 

そんな愛人たちには、俺から『超広大遠距離爆殺魔法(エクスプロージョン)』をお見舞しておいた。

俺含め既に瀕死である。

 

ゲーム配信をしつつも、毎日配信を行う。

少しでも認知度を上げようと思っていたのだが、やはり現実はそう簡単には行かなかった。

チャンネル登録者も少しずつ伸びてはいるが、それでも数百人程。企業系Vtuberの凄さを改めて感じた五日間である。

 

食品業界を始めとした生産系の界隈では当然のことだが、『ブランド品』が売れる傾向にある。

ブランド品が売れる理由は多々あるが、一番大きいのは安定感がある所だろう。

例えば有名な革系の商品を販売するブランドは、誰もがその名前を聞けば「高そう」と思うだろう。

食品でも、「黒毛和牛」と聞くと高そうで美味しそうなイメージを抱く。

要するにVtuber業界も同じで、有名な企業であればあるほど、一定の安定感と面白さがあるのだ。

 

例えば一ノ瀬花蓮も所属する「わんちーむ!」の新人は、初配信で既にチャンネル登録者数一万人を超えることが多い。

そこから先は自分の実力勝負とはいえ、やはり大型企業の知名度と拡散力は大きい。

その点俺のような極小企業のVtuberは、難しい所だ。

 

意識を思考に傾けていると、いつの間にか授業終わりのチャイムが鳴った。

途端にクラスのウェイウェイ系の男子が「カラオケッ!カラオケッ!」と叫び出す。

なに、皆カラオケ族の一味なの?そんなんだったら俺はひとりカラオケの村長になっちゃうよ。

ちなみにひとりカラオケ族はお互いに干渉しません。興味もなければ関わる気もないです。

 

正体不明のカラオケ族を横目に、てきぱきと荷物をまとめる。

全国帰宅速度大会で優勝した俺だ。帰宅速度に関しては自信がある。というか自信しかないレベル。

学校では多少声を低くして生活しているため、そこまで身バレする危険性もないが、長居するのも良くはないだろう。

あ、そもそも会話しないか。

 

廊下に出たとき、ほんの少しだけ肌寒さを感じた。

季節はすっかり春へと移り変わったというのに、やはり学校の廊下の寒さは異常である。

校庭からはサッカー部と陸上部の威勢のいい声が響く。

そんな青春の1ページを、俺には縁がないと右から左へ聞き流した。

 

高校に入学してからの日々は、中学の頃と大して変わりがない。

違うことといえば俺の「ウケるー」事件を知るものが居ないこと、そして今はVtuberという仕事があることだろうか。

 

下駄箱から靴を取る。そこに一枚の手紙が入っていて、クラスのマドンナとのラブコメが...なんてことは無く。

ちなみに俺は引き出しに入れれば良くないかしらん?と思ってしまうタイプである。

最近では扉の付いていない下駄箱も多いし、何より下駄箱にチョコとか衛生的にどうなの...。と思ってしまうくらいにはひねくれている自覚がある。

 

ともかく、そんなイベントが起きないくらいには、俺の高校生活は平穏だった。

と、思っていたのだが。

 

 

「おっ、八幡ー!こっちデース!」

 

 

生徒の注目を浴びながら、俺に手を振るこの男。

黒塗りの外車に寄りかかりながら、いつもの服装で笑みを浮かべる社長を見つけるまでは。

 

 

◇◇◇

 

 

「それにしても、沢山の生徒さんガワタシのことを見ていましたネー。もしかしテ、これが一目惚れでスカ?」

 

「そうだといいっすね......」

 

 

せめてスーツなら分かるが、いつもの赤ジャケットとサングラスで校門にいれば注目されないわけがない。

 

俺は現在、社長が運転する車の助手席に座っていた。

何故このような状況なのかと言えば、それなりの理由はある。

実は今日、つまり金曜日はオフィスでの定期会議をすることに決まっているのである。

次の一週間の配信の内容を計画することになっていた。

故に俺は、 配信のネタを必死に考えていたのだ。

考えておかないと理紗さんが怒る。いかり理紗である。おこ理紗である。こわい。

俺は社長の二の舞にならないと決めているのだから。

 

社長はたまたま俺の学校の近くを通ったため、ついでに迎えに来てくれたそうだ。

来てくれたのは有難いが、しばらくは好奇の目で見られることが確定した。

 

 

「...八幡。今日までのVtuber活動は、どうでしたカ?」

 

 

突然真面目なトーンで言った社長を、横から眺める。

サングラスの奥に隠された視線は前を向くだけで、その表情は分からない。

 

 

「まぁ、そこそこは」

 

「まだ一週間ですからネ。これからですヨ」

 

 

Vtuberはそれなりに楽しくて、それなりに心が抉られて、それなりに全力でやれている。

要するに、これが充実してるってことなのだと思う。

俺にしては珍しい話だ。

進路希望に堂々と「専業主夫」と書くのが八幡くおりてぃ。そんな俺が充実していると感じるのだから、Vtuberという世界は性に合っているのだろう。

 

 

「Vtuberは難しい仕事だと思いますガ、楽しんでやれるのが一番デース」

 

「...楽しいとは、思えてますよ」

 

「それは良かっタ。楽しいといえば、やさいじゅーすさんとの絡み、見ていて楽しかったデース!」

 

「あぁ...」

 

 

本当のことを言うと、この五日で最も変わったのはやさいじゅーすさんだった。

黒歴史暴露配信の時、誰よりも早くコメントを残すやさいじゅーすさんを見たのは、どうやら間違いではなかったらしい。

というのも、やさいじゅーすさんはまるで俺のチャンネルを監視しているのかの如きスピードで配信枠に入り、コメントを残していくのである。

しかもあの人ずっといる。配信始まる二時間前からずっといるのだ。

 

極めつけはやさいじゅーすさんのトゥウィッター。

一日に数枚も俺のファンアートを上げるのだ。

おかげでエゴサをするとやさいじゅーすさんのイラストしか出てこない。こわい。

なおかつ本業のイラストレーターとしての仕事もこなしているのだから尚更こわい。

あの人もしや寝てないんじゃないのか?そう思って聞いてみたのだが、

 

 

『はわわわ、はーくんが心配してくれてる...。良いんだよ私の心配なんかっ。それよりも新衣装案百枚あるから、今度選んでね!あっ、なんなら今でも...』

 

 

っべー。ナチュラルに新衣装案百枚とか言っちゃうやさいじゅーすさんマジ卍。初めて使いましたこんな言葉。

 

やさいじゅーすさんの行動は当然愛人達にも伝わっていて、配信では「姉御」と呼ばれ親しまれている。

配信でコメントされる度に、姉御姉御とコールされているのはよく見かけた。あれ、俺より慕われてる?

 

 

「初対面の時とキャラ変わりすぎて困惑してるんすけど」

 

「ハハ......彼女の父親曰く、少しばかリ性格に難があるようでシテ」

 

「難?」

 

「彼女の父親は、とある大企業の社長でしてネ。社長仲間としてよくディナーをシに行くのデスが」

 

 

何故大企業の社長とウチの社長が会うのかはひとまず置いておくとして。凄く気になるけれども。

つまりやさいじゅーすさんは、良いところのお嬢様ということか。

確かに初めて通話した時、何処か落ち着いていて品を感じたのは事実だ。お嬢様と言われても納得できる。

 

 

「学生時代、どうやらトラブルがあったらしク、鬱のようになってしまいまシテ。実家の御屋敷の部屋かラ、出てこないようなんデース」

 

 

学校は本当に色々あるからな。

例えば俺のウケる事件、俺じゃなきゃ引きこもってる。つーか引きこもりたいまである。

 

 

「イラストレーターの仕事は......?」

 

「彼女は仕事依頼をメールで受けてますかラ。部屋で仕事をしているようですヨ」

 

 

最近はネット上で活動するイラストレーターも多い。

絵を発信する場もあれば、トゥウィッターがあることにより仕事も依頼し易いのだ。

イラストレーターだけでなく、俺たちVtuberにとっても活動し易い環境と言えるだろう。

 

 

「お金も一般的な会社員より稼いでいる様でしテ...父親も、あまり強く言えないのでス。もっとも、彼がやさいじゅーすさんを溺愛していルというのも要因のひとつなのデスが」

 

 

娘を溺愛する気持ちは分かる。

俺も小町が結婚することになったら発狂する自信があるからな。

相手の男をカマクラに猫パンチさせてやる。ふにゃってなって終わりか。

ならば、カマクラの遊び道具である猫じゃらしで攻撃してやる。ふぁさってなって終わりか。

 

 

「じゃ、何で俺の依頼を引き受けてくれたんすかね」

 

「うーん......私も彼に依頼の内容を言ってもらうよう頼んだだけですのデ、そこまでハ。偶然、というわけではないのでしょうガ......」

 

 

やさいじゅーすさんは、自身が気に入ったラノベしかイラストを描かないことで有名だ。

社長が依頼した時は俺がスカウトされる前だったので、本当に何故引き受けてくれたのかが分からない。

彼女が引きこもっていて、父親も扉越しに伝えたというのなら、なおさら。

 

直接聞いてみようにも、デリケートな話の可能性がある為簡単な話ではない。

こういうときにウェイウェイ突っ込んでいける陽キャではないのだ。むしろ話から顔を逸らすレベルである。

 

 

「理由はともかク、彼は喜んでまシタよ。何も聞こえなかった彼女の部屋から、笑い声が聞こえるようになっタと」

 

「......それはそれで、怖いんですけど」

 

「ま、まぁ...こうも言っていましタ。『感謝している』と。もしかしたら、案件も来るカモですヨ?」

 

 

案件というのは、商品の告知目的で来る依頼のことである。

案件が来たVtuberは配信で紹介したり、実際に商品を使ったりプレイしたりして告知を行う。

もちろんだが、人気のVtuberほど案件の数は多い。最近ではVtuberが世間に受け入れられてきており、CMに出演するVtuberも増えているのだ。

とはいえ、案件はそう易々と依頼されるものではない。俺も当面は無縁の話だろう。

 

というか俺には分かるぞ。

感謝していると言いながら、会った時は「儂の娘の笑いを取りおって...ゆ゛る゛さ゛ん゛ッッ!」って言いながらちゃぶ台返ししてくるタイプの人だ。

ふっ、甘いな。俺だったらちゃぶ台返しならぬカマクラ返しで攻撃してやる。あっ、ごめんなさいカマクラ先輩ゆるして。ちゅー〇あげますから!

 

 

「ちなみに、八幡はどんな案件をやりたいのデス?」

 

「......マッ缶の案件とかだったら、喜んで引き受けますよ」

 

「マッ缶......あぁ、あの黄色い。ワタシの記憶でハ、物凄く甘かった気がしますガ...」

 

「人生は苦いから、コーヒーは甘いくらいがいいんすよ」

 

「急に熱ガ篭もりましたネ......」

 

 

俺は将来『人類コーヒー甘甘化計画』を実行しようと目論む人間だからな。

ちなみに内容は、この世にある全てのコーヒーに練乳をぶち込むというものである。

たぶん五分で断念する。もう既にした。

 

 

「...ン?」

 

「渋滞ですかね」

 

 

信号で止まったのだが、前の車が一向に進まないのだ。

よく見るとかなりの車が詰まっており、進む気配もしない。

 

 

「事故か何かデモあったのでしょうカ」

 

「どうします?理紗さん待ってるっすけど」

 

「そうですネ...では、裏道で行くとしまショウか」

 

「裏道」

 

 

俺が尋ねる前に、社長はアクセルを踏んでいた。

車と車の間をすり抜け、細い細い道に侵入する。

思わず驚いてしまうくらいギリギリの道だった。

住宅と住宅の間の道のため、一歩間違えれば大事故である。

 

 

「ちょ、対向車とか来たらっ」

 

「そのために今からアクセル全開にしマース!大丈夫、ここは人も車も滅多に来まセンっ!舌を噛まないよう気をつけてくだサーイ!」

 

 

それくらい細いから誰も通らないって事じゃねえか誤魔化されんぞ。

社長はニヤッとした笑みを浮かべ、ハンドルを強く握った。

途端、上がるスピード。轟くエンジン音。揺れる車内。

強いGが俺を襲う。気分はさながらハリウッド映画のカーチェイスである。

 

 

「フーッ!楽しいですネ、日本じゃなかなか出来ないですカラ!」

 

「いや何言ってんだ、って痛っ!?」

 

 

舌噛んだ。

 

 

ヒヤヒヤする爆走は、ほんの数分で終わりを迎えた。

本当いつか捕まるんじゃねえかなこの人。

 

細い道を抜けた先は、オフィスのあるビルのすぐ近くだった。

確かに速かったが、日本でやることではない。

 

 

「どうでス、直ぐに着いたでショウ?」

 

「社長も汗ダラッダラじゃないっすか」

 

「いやあ実ハこの車、割と冗談でないくらい高くてですネ...傷ついたりシたら、かなりの額かかるんデース」

 

 

ふー、と汗を拭いながら、社長は駐車場に車を入れる。

だったら素直に渋滞が解消されるのを待てばいいのに、と思うのは俺だけだろうか。

 

 

車をバックさせている、その時だった。

「ガガガガガッ!」という音が、俺たちの耳に入って来たのは。

 

 

「ア」

 

「...あ」

 

 

結果だけ言うとしよう。

車の爆走では無事だったのに、その後の駐車場で壁にぶつかり傷がついたという、なんとも酷いオチであった。

 

 

◇◇◇

 

 

ようやくオフィスに着いた俺は、疲れたという一心でドアを開けた。

社長?駐車場で体育座りしながら泣いてるよ。

 

さて会議するかしらんと視線を上げると、そこには言い争う二人の女性がいた。

一人は、いつものようにスーツを着崩す理紗さん。

そしてもう一人は、俺が全く知らない女性...いや少女である。

 

身長は低い。小学生くらいだろうか、いわゆるロリと呼ばれるくらいの身長だった。

金色の肩程度まである長い髪に、蒼い瞳。誰が見ても外国人と答え、美少女と口を揃えるような容姿。

そんな少女が、理紗さんに対して声を荒らげていた。

 

 

「だーかーらーっ、花咲望を出しなさいって言ってるのよ!ここに居ることはもうわかってるの!」

 

「まずお前は誰だよっ、つかどうやってウチのオフィスの場所知ったんだよっ!?」

 

 

どうやら理紗さんも知り合いではないようだ。

というか、理紗さんが困惑している所なんぞ初めて見た。

 

俺も困惑していると、少女が俺に気付いて言った。

 

 

「腐った目...黒い服...っ!間違いないわ、あなたが花咲望ね!」

 

「いいえ人違いです」

 

「ふん!それは嘘ね...私の直感EXが、あなたが花咲望だと告げているわっ!」

 

 

やばい人だったかもしれない。

理紗さんがハンドサインで『逃げろ』と言ってくる。この状況でどう逃げろと?

 

 

「ノコノコやってきたあなたに、私の真名を告げてあげる...。私は魔界の第一皇女にしてわんちーむ三期生、アリス・オミソルシルっ!私の闇の力にひれ伏すがいいわ!」

 

 

なんだ、ただの厨二病か。

 

 

 

 

 




いったいどんなVtuberなんだ...(遠い目)

前回は沢山の感想ありがとうございました!
ここまで反応を頂けるとは思わず、本当に感激しております!とても励みになりますっっっ!

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