私のステータスプレートがオカシイ 作:お試し匿名
ふて寝からガチ寝に移行し、目が醒めた時には朝になっていた。
眠気覚ましに部屋の扉に近づいて『聞き耳』を振る。
聞き耳(70)43。
寝起きに成功は中々のダイス運。
ついでに誰も居なかったようで、何も聞こえなかった。
次は廊下に出て『目星』。
目星(74)28。
成功、勿論昨日見たままの廊下であり、情報は出なかった。
朝早い時間に起きた為だろう、やけに静かだ。
そこまで確認したところで晩ご飯を食べていなかったせいか、お腹が小さくなった。
(確か食堂の方向は)
―ナビゲートを振りますか?―
サラッと聞き流していたため、曖昧な方向しか分からず少し立ち止まっていると、脳内に声が響いた。
技能を勧めてくるこの声、一応女性音声だし、推奨ネキ(仮)としておこう。
昨日の感じに頼み事も聞いてくれるみたいだし、仮名はあった方がいいだろう。
(推奨ネキ、よろしくぅ!)
―……
明るく脳内で話しかけてみたら、なんとセルフでコロコロ言ってくれた。
意外とノリがいいぞ、この子っ!
ナビゲート(45)28。
(しかも成功だァ!!ついでに忍び歩きもお願いします!)
忍び歩き(47)52。
今度は失敗。慣れ慣れし過ぎたのかもしれない、空腹と半分ヤケな感じのテンションなせいだろう、
普通に歩きながら食堂に到着し、早朝からでも食べられるものを注文する。
この時間から起きている人は少ないが、居ないわけではない。魔族との戦争関連で早朝鍛錬している騎士さんとかもいるらしく、賑わってこそないものの、人影はちらほらまばらに存在している。
(そういえば、みんなは今日から訓練だっけ)
少し気になって訓練している場所まで行ってみることに。
勿論、技能は振る。
忍び歩き(47)37。
隠れる(10)25。
ナビゲート(45)33。
隠れるは失敗したため、杖の音も含めた歩行音を一切せずに移動を開始。
ナビゲートのおかげか、頭の中で勝手にマッピングが描かれていく。
本来何回か通らないといけない様な、少し入り組んだ道もこの一回で覚えられそうだ。
(おぉ、やってる……うわぁ)
広場に着くと、男の子は木剣や薙刀などに目を輝かせ、女の子も専用の衣装とやらを渡されてお喋りしていた。
勿論戦闘職だけの人の集まりであって、適当に素振りしているだけでも様になって……おや?
(あれって、南雲くん?)
戦闘職の皆がブンブン武器を振るう中、片隅で何処となく雰囲気が暗い少年が居た。
彼は非戦闘職の錬成師だというのに、訓練に参加するつもりみたいだ。
そのまま眺めていると、やはり一人だけ動きが……ダメだ。武器を振るっているというより、武器に振り回されている。
この世界の『天職』というのは、初期で此処までの差を出してしまうらしい。あとはステータスの違いもあるだろうが、この差は簡単に埋められるものじゃないだろう。
(そんなの、分かってることだけど)
それでも何もしないよりは全然いい。
こんな物騒な世界に呼び出されたのだから、武器の振り方くらいは覚えて損はないはずだ。
ただ、それが身に着くのが他の人よりずっと遅いわけで。
「……推奨ネキ、ナビゲートお願い」
ナビゲート(45)23。
灯は一人の少年の頑張りを見て、自分も頑張ることにした。
ヤケじゃなく、冷静に考えて……ダイスを振る!
「いざっ王立図書館!」
そして移動には『忍び歩き』と『隠れる』を振るう。
休憩で成長ロールが行われるらしいが、もうこの辺は癖にしておいた方がいいという判断だった。
忍び歩き(47)85。
隠れる(10)8。
「~~~~っ!!」
初期値『隠れる』の成功に思わず叫びかけ、両手で口を押えた。
折角うまく身を隠しているというのに、叫んでは台無しである。
足音はするが、周りの練習音やら生活音に紛れる為、特に誰に見つかるわけでもなく図書館へと辿り着いた。
―図書館を振りますね?―
「あ、はい」
推奨ネキがまさかの確認を取ってきたので、思わず返事をしてしまった。
この脳内女性音声ネキにも、正式な名前が欲しいなぁと思いつつ、ダイスを振る。
図書館(60)55。
目当てはこの世界のことと、
勇者の名前を使えば色々持ち出していいみたいだし、勝手に本を漁ってみる。
―アイデアを振ってください―
(え、なになに、なんなの推奨ネキ!?)
この世界に関する本を読み漁っていると、唐突な『アイデア』要求。
推奨ではなく、これは要求ダイスなので強制的に振らされる。
アイデア(55)11。
脳内に入れたばかりの情報が勝手に整理されていき、あることに気付いた。
この世界はやけに『エヒト神』の信仰が高い。他の神の存在も
余りにも偏り過ぎている、何者かの意思を感じる。……というか、このダイスを振れということだって……。
―高次存在による作為的な意志を感じた『アカリ』は、SANチャック0
(って、えぇぇえええええ!?サンチェック!?SANチェックするの!?私発狂するのぉ!?)
SAN(70)63。
ダイスロールは成功、SAN値が減ることはなかったが、あまりのことに驚いた。
確かにステータスプレートにはSAN値も表示されていたし、もしかしたらという思いもあった。
だが、発狂するなんて経験は勿論ない。覚悟も何も出来てはいなかった。
(うぇー……元の世界に帰るためには、この世界の人も知らない、異世界転移を解明しないといけないのにぃ)
だが、彼女はクラスメイトの戦闘職の者達と違い、この世界からの帰還方法を探すことにしている。
必然と、この世界の人の知らないこと……すなわち、この世界の
どの程度かは分からないが、ある程度のチェックは覚悟しておいた方がいい。
(今更戦闘に移行、とはいかないだろうしなぁ)
戦闘が苦手というのもあるが、それ以上に『回避』に関する値が低すぎる。
回避の初期値(12)、DEX(敏捷、器用)に関してはまさかの(6)。いや、相手のDEXが不明瞭だから、対抗ロールがあるかは分からないため、DEXはあまり気にしなくていいのかもしれないが……。
ともかく、戦闘中に行動は遅く、避けるのも困難な……ぶっちゃけ、只の的である。
(ん~、ねぇねぇ、推奨……ダイス……ネキ、私が回避を使うとしたら、ボーナスとかつかない、ですか?)
何か方法はないかと、
ダイスに関することなら応えてくれるようで、脳内に返ってきたのは非情な現実だった。
―探索者『アカリ』は脚の負傷により、回避ロールには
「おぅフ」
そりゃそうである。この脚を如何にかしない限り、そもそも戦闘中に機敏に動くことなんて出来はしないのだ。
ローラーシューズでもあれば少しは違うだろうが、ここは『騎士』という……地球からすると骨董品みたいな者が居る世界。
移動手段も馬が主だし、そんなものは作りでもしない限り――。
「ぁ」
本の山とは別に数冊の『錬成』に関する書物。
それをみて、当たり前にそれが作れる可能性がある少年を、アカリは思いだした。
(頼んでみよ……その前に腹ごしらえかな)
気づけば時間は過ぎ、昼を回っていた。
灯は昼食をとることにし、借りる本以外は戻して図書館を去った。
ナビゲート(45)40。
そして、目指す場所は訓練も終わってへとへとな彼が居るであろう部屋。
南雲ハジメくんが……異性の部屋である。
(うわ、なんか緊張してきた)
小中は水泳に打ち込み、中学後半はダイスに嵌ってきた彼女。
用事があるとはいえ、こうして異性の部屋に訪れることなんて初体験である。
少し震えながら、扉をノックする。
「はーい、どちら様……?」
「あ、えっと」
別にSANチェックに失敗したわけではないのに言葉が出てこない。
完全に緊張に負けてしまい、頭が真っ白な灯の頭に、救けの声が響いた。
―信用の成否によるボーナス、及び説得を振りますか?―
(振りますぅぅぅぅ!!!!)
信用(50)83
説得(30)5。
(ク・リ・ティ・カ・ル!ありがと、ネキぃぃぃいい!!!)
―ダイス結果に私の意思は関係ありません―
(返事うれしぃぃ!!)
もうどんな反応ですら構わず喜ぶ灯に、何かを言うべきではないとの判断か、それともただ呆れただけか、歓喜の声に対しネキは返事を返すことはなった。
「あのね、南雲くん。ちょっとお話というか、お願いがあってきたの」
「はなし?」
「うん。あ、そうだ。これ、錬成や錬成師に関する本」
「え?あ、ありがと……?」
「この本のお返し、ってわけじゃなくて、その……私の脚のことで相談があって……」
ちなみに、頭の中で狂喜乱舞している灯とは裏腹に、口は優し気に南雲ハジメに語りかけており、彼に『錬成』に関する本を渡し、ついでにローラーシューズ
その日は色々相談やお互いのステータスに関する愚痴などを言い合って、気づけば彼の部屋に長居してしまったのは、余談である。
『技能成長』
成長可能:聞き耳 目星 ナビゲート 忍び歩き 隠れる 図書館 説得
聞き耳(70)95。+3(73)
目星(74)42。+0(74)
ナビゲート(45)68。+9(54)
忍び歩き(47)88。+6(53)
隠れる(10)96。+8(18)
図書館(60)19。+0(65)
説得(30)47。+5(35)
アンケートを追加してみました、気が向いたらよろしくお願いします。
脳内にダイスロールを提示してくるネキの名前を決めてみよう
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脳内ネキ
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ナビネキ
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ダイスネキ
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お姉ちゃん
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そこに命名表があるじゃろ?