私のステータスプレートがオカシイ 作:お試し匿名
大迷宮に入ると豹変してしまうので、おそらく最初で最後のハジメくん(純善)です。
南雲ハジメにとって、水面灯は特段これと言って印象深い相手ではない。
時折非常識な行動をよりによってダイスで決めるダイスキチではあるが、それ以上のものを感じたことはなかった。
(……楽しそう)
ただ、両脚のハンデを抱えながらも毎日を自分の好きなことをして過ごしていることには、好感と共感を覚えていた。
彼の座右の銘は、『趣味の合間に人生』。彼女もそうだとは思っていないが、でも
(まぁ、僕がいきすぎてる自覚はあるけど……)
ゲームや漫画が好きだから、その手の職についてる両親の手伝いをして、自分の技術を磨いている。
ソレに熱中して、日々寝不足なのだ。
ダイスキチと趣味キチ、大した違いはないのかもしれない、なんて考えていた。
それは、異世界に来てから良くも悪くも深まったと言える。
低い能力値に使えない技能である自分。
何故か違うステータスと魔物蔓延る異世界で戦えるとは思えない技能の彼女。
そんな彼女からの頼みも特に断る理由が無かった。
勝手な親近感を覚えていた上に、自分の錬金スキルの鍛錬にもなる。
(昨晩のうちに読み終わったけど、これ作るならある程度サイズを知らなきゃじゃん)
スリーサイズ、とまでいかなくても身長と腕や足周りの数値が分からないと作りづらい。
朝から食堂を見渡すが、目的の少女の姿はなかった。
急いで朝食を済ませ、鍛錬が始まる前に見つけようと歩き回る。
「あ、いた。ねぇ、今ちょっと良いかな水面さ、ん?」
暫くして、何処かの部屋の前に佇んでいる彼女を見つけた。
ボーっとしていた彼女はこちらを見返す――その瞳が、あまりに無機質で一瞬別人だと錯覚してしまう。
「ん? あれ、おはよー南雲くん。どうしたの?」
「う、ん……えっと、昨日借りた本なんだけど」
しかし、一度瞬きした彼女はいつものように笑うと、挨拶を返してくれた。
彼女に用件を伝えると、笑顔のまま「OK」と了承してくれる。
「ついでだから、この部屋の廃材使えないか訊いてみよっか」
「そうだね」
部屋にいた理由も使えそうなものが無いか漁っていたからだと言って、その後の会話も違和感はなかった。
「それじゃ、出来次第渡すよ。って言っても、僕のスキルじゃ早々出来そうにないけど…」
「ううん、気にしないで。出来たらいいなぁって思っただけだし、ゆっくりでいいよ」
「ありがと。じゃ、また」
「またね」
にこやかに手を振る彼女の表情は、確かに人のそれだったと、この時の南雲ハジメは思っていた。
「……――さて、今頃どうしているでしょうね」
彼が居なくなった後の愉しそうに歪んだ
割と友人に近い認定した相手を疑うってこの頃ならしないだろうなって。
脳内にダイスロールを提示してくるネキの名前を決めてみよう
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脳内ネキ
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ナビネキ
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ダイスネキ
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お姉ちゃん
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そこに命名表があるじゃろ?