日曜日、俺は今日リサの家に向かってる
この辺りに来るのも久し振りに感じる
いや、実際に久しぶりか
どうせ、俺の家族は引っ越してるからってここには来なかったし
環那「__ん?」
リサ「あ、環那!」
俺が懐かしさを感じつつ歩いてると
向こうでリサが立ってるのが見えた
リサは俺に気付くと嬉しそうに手を振ってこっちに走ってきた
環那「わざわざ待ってたのー?中で待ってればいいのに。」
リサ「待ちきれなかったの!」
環那「時間的には別に変らないけどねー。」
リサ「気持ちの問題だよ!」
リサは弾けるような笑顔でそう言った
いつも表情は明るいけど、この表情は中々見れなそう
クラスの男子は羨ましがるだろうなー
リサの人気すごかったし
リサ「早く行こ!」
環那「そんなに引っ張らなくてもー。」
俺はそう言いながらもリサについて行き
4年ぶりになるリサの家に入って行った
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家に入って、俺はリサの部屋に来た
あんまり見た目的には変わってない
けど、化粧品とか置いてあったりとか細かい変化はある
リサに化粧がいるかと言われると......まぁ、いらないね
リサ「ほら、座って座って!」
環那「うん、分かった。」
リサはベッドに座って横を叩いてる
俺はそれを見て、リサの隣に座った
ベッドで男女が2人並んで座ると絵面が危ないよね
俺はそんな事を思いながらリサの言葉を待った
”リサ”
環那があたしの隣にいる
嬉しい、そんな気持ちが溢れてくる
離れ離れになって4年間寂しかった
でも、環那は戻ってきた
リサ(......どうしよう、思いっきり抱き着きたい。)
そんな欲が出て来る
抱き着ける距離に環那がいる
環那の匂いがする
環那「リサ。」
リサ「え!?ど、どうしたの!?」
環那「いや、気になることがあって。」
リサ「気になること?」
あたしが首をかしげると
環那は後ろの壁を指さした
そこにはRoseliaのポスターが貼ってある
リサ「あ、そっか。環那はRoseliaのこと知らないんだ。」
環那「Roselia?」
リサ「友希那が作ったバンドであたしもベースしてるんだ。」
環那「友希那が、バンドを?」
リサ「うん!」
流石に環那も驚いてるみたい
音楽が好きなことは知ってただろうけど
流石にバンドを始めたのは予想できなかったんだ
環那(そっか、夢に一歩近づけたのか。)
リサ「なんだか嬉しそうだね?」
環那「友希那の歌の才能は知ってるから、やっとそれを見てくれるステージに立ってくれたのは嬉しいよ。」
環那は嬉しそうに笑ってる
それを見て、あたしは少し複雑に思った
あんな事されたのに、環那は友希那を嫌わない
なんで、こんなに嬉しそうなの?
なんで、あたしと2人でいる時より嬉しそうなの......?
リサ(むぅー......)
環那「そっか、バンドかー。」
環那はポスターを眺めてる
自分が載ってるポスターをジッと見られると少し恥ずかしい
まぁ、視線は基本友希那なんだけどね
昔っから運動会とか林間学校とか
環那は写真があればいつも友希那を探してた
リサ(あっ、ペン置きっぱなしだ。)
環那「わっ!」
リサ「!?」
ベッドの枕もとを見ると
この前、ちょっと作詞した時に使ったペンが置いてあった
あたしは先に片付けようと思って
環那の向こうにあるペンに手を伸ばした
すると、環那は驚いたような声を出した
それにあたしまで驚いてしまった
リサ「ど、どうしたの!?」
環那「い、いやー、ポスターに集中しすぎたよ。」
リサ(ポスターに、集中?)
あたし、確かに環那の横から手を伸ばした
けど、あんなに驚く?
まるで、見えてなかったみたい
いや、でも環那はそう言うところあるし
本当なのかもしれないけど......
あたしがそんな事を考えてると、環那が口を開いた
環那「友希那もリサも成長したみたいで嬉しいよ。」
リサ「う、うん、ありがとう(?)」
環那「じゃあ、何か他の話をしよう。」
リサ「いいよー、何がいい?」
環那「俺がいない間の話とか聞きたいな__」
友希那『__リサ?』
環那、リサ「!?」
環那が話してる途中、窓の向こうから友希那の声が聞こえて来た
これは流石にヤバい
これバレたら流石に喧嘩になる
友希那『誰かいるの?』
リサ(か、隠れて環那!)
環那(どこに!?)
環那は慌てて周りを見て
取り合えず、窓の方に近づいて死角になる部分に隠れた
それを確認してあたしは安心して窓を開けた
リサ「や、やっほー友希那!」
友希那「えぇ、それで誰かいないの?」
リサ「あー、友達と電話しててね!それだよ!」
友希那「そう?」
友希那は納得した様子を見せた
よかった、環那のことはバレなかったみたい
あたしはそれで内心ほっとした
リサ「それで、友希那はどうしたの?」
友希那「新曲の歌詞が出来たのだけれど、リサの意見も欲しくて。」
リサ「オッケー!見せて見せて!」
あたしは友希那から歌詞を受け取った
これは、前から考えてた新曲
次のライブで披露ってことになってて
そろそろ仕上げないといけない時期だった
あたしは歌詞に目を通していった
リサ「__うん、いいね!」
友希那「そう、よかったわ。」
リサ「これなら行けるよ!」
友希那「じゃあ、紗夜たちにも送っておくわ。」
友希那はそう言って歌詞が書かれた紙をしまった
用がこれだけだからいいけど
ここからはこれ以上は騒げないなー
友希那の方に聞こえたらヤバいし
友希那「それと、少し話があるのだけれど。」
リサ「え、な、なに?」
友希那「......南宮環那のことよ。」
環那(!)
リサ「環那が、どうしたの?」
あたしは少し声のトーンが落ちた
あれ以来、友希那は特に何も言ってこなかったけど
急になんなんだろう
友希那「リサは嘘の情報を流して何がしたいの?」
リサ「環那を環那として評価して欲しい、それじゃ駄目?」
友希那「なら、最初のままで正しかったと思うけれど。」
リサ「......正しい?」
友希那「!!」
環那(!)
あたしは友希那の方を睨んだ
多分、今はすごくイラついてるんだと思う
なんで友希那は環那を認めないのか
環那はあんなに友希那の事を応援してるのに
リサ「環那の話を何も聞いたことないくせに、なんで否定しか出来ないの?」
友希那「それは......」
リサ「そもそも、友希那に環那を否定する資格はないって自覚した方が__?(環那?)」
環那(シー、それ以上はダメ。友希那が泣いちゃうよ。)
環那は指を一本立ててる
もう、なんで友希那には優しいんだろ
あたしは少しため息をついて友希那の方を見た
リサ「じゃあ、あたし友達待たせてるから戻るね。」
友希那「え、えぇ、また。」
リサ「じゃあね。」
あたしはそう言って窓とカーテンを閉めた
そして、向こうで友希那がなどを占めたのを確認して、あたしは一息ついた
環那「全く、リサは怒り過ぎだよ?」
リサ「でもさ......」
環那「いいんだよ、俺は。」
環那は笑いながらそう言った
なんで笑えるんだろう
あんなに友希那のこと気にかけてるのに
しかも、環那は......
環那「俺は友希那を酷い人間にしたいわけでもないし、リサとの仲を険悪にしたいわけじゃないからね。」
リサ「なんで、そこまで友希那の事を?」
環那「幼馴染だからね。」
環那は一言そう言った
幼馴染だから、そんなアバウトな理由
それだけでこんなに優しくなれるの?
あたしは心底それを疑問に思った
環那「俺は友希那を優しい女の子って信じてるから。幼馴染が信じてあげないと寂しいものだよ。」
リサ「まぁ、そうだよね。(ねぇ、環那。)」
あたしは心の中で環那に話しかけた
さっきの言葉は環那にも刺さる
あたしは少し悲しくなって、環那の服の裾を掴んだ
環那「リサ?」
リサ(環那も寂しいの?その笑顔に下には何が隠れてるの?)
環那(どうしたんだろう。)
あたしには分からない
環那がどんな感情を抱いているのか
長い間環那を見てるあたしですら分からなくて
今は環那の近くにいる事しか出来なかった