羽丘の元囚人   作:火の車

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恐怖の対象

 “リサ”

 

 体育祭の合同練習は色々とやることがある

 

 開会式、各競技ごとの集合と入場、閉会式と

 

 このあたりの調整は必須だって環那が言ってた

 

リサ(おぉー、壮観だなぁ。)

 

 2校の全校生徒がいるし

 

 そりゃあ、人数は多くなる

 

 でも、ただひたすらに思う

 

 この人数で体育祭やるの?

 

リサ「あれ、そういえば環那いなくない?」

友希那「そういえばそうね?どこに行ったのかしら。」

エマ「お兄ちゃんは仕事に行ってる。」

リサ「仕事?」

 

 環那の仕事ってなに?

 

 日菜に頼まれてたやつ?

 

環那『えー、テステス。ただいまマイクテスト中。』

リサ「ん?」

友希那「これは、環那の声ね。」

 

 なーんで司会なんてしてるの?

 

 まさか、日菜が頼んだの?

 

 絶対に人選ミスじゃん

 

 確実に遊ぶもん

 

環那『これより、花咲川学園、羽丘学園合同体育祭を開催いたします。本日、司会進行、実況を務めさせていただきます、南宮です。』

日菜『同じく実況担当!羽丘学園生徒会長の氷川日菜だよー!』

 

リサ「実況?」

友希那「何やってるの?」

 

 こんなの絶対に悪ふざけじゃん

 

 あの2人、相変わらずやりたい放題だ......

 

環那『それではプログラム1番、両行校長先生による開会の挨拶です。』

 

 環那がそう言うと

 

 まずはうちの校長先生が朝礼台に上がった

 

 てか、結構真面目に進行してる

 

 まぁ、この状況じゃ流石にふざけないよね(フラグ)

 

羽丘校長『えー、この度はお忙しい中、この合同体育祭の開催に携わってくれました両行の先生方、および関係者の方々に深く御礼申し上げます。このような素晴らしい日に__』

環那『はい。校長先生、ありがとうございましたー。』

羽丘校長「え?」

 

リサ「えぇ!?」

エマ「これは話が長くなりそうだから切ったね。」

リサ「そんなことある?」

友希那「面倒くさかったんでしょうね、多分。」

 

 真面目だと思ったけど、やっぱり滅茶苦茶だ

 

 いや、やめてあげなよ

 

 確かにうちの校長って話長いけどさ

 

 ちょっとくらい聞いてあげてもいいじゃん

 

 話の内容だって考えてるだろうし(慈愛の女神)

 

環那『本日はあくまで予行練習のため、挨拶などは省略させていただきます。』

羽丘校長「あ、そ、そうですか......」

環那『それでは続いて、花咲川学園校長の挨拶ですが、省略させていただきます。それでは、プログラム2番、両行生徒会長による挨拶です。皆さん、耳の穴かっぽじってよく聞きましょう。』

 

全生徒(対応の差!?)

リサ「もう滅茶苦茶だよ(諦め)」

友希那「本番もこの調子なのかしら?」

 

 それから、環那は独断で進行していって

 

 日菜と燐子はちゃんと挨拶の練習をした

 

 ただただ思うよ

 

 本番、大丈夫かなって......

_____________________

 

 “環那”

 

 司会進行も結構楽しい

 

 日菜ちゃんから頼まれた(脅された)けど

 

 まぁ、これなら別にいいかな

 

環那『それでは、各競技の集合を連絡します。1500m走、100m走に出場する生徒は会場右側の入場ゲートに集合してください。』

 

 それだけ言って、俺はマイクから離れた

 

 中々つかれた

 

 結構しゃべりっぱなしだったな

 

琴葉「南宮君。」

環那「ん?どーしたの?」

琴葉「あのですね、もうちょっと校長先生に優しくしてあげませんか?」

環那「えー。わざわざおっさんの話なんて聞きたくないじゃん。」

琴葉「なんでこういう時は正直なんですか!?」

 

 琴ちゃん、それは暗に肯定してるよ?

 

 後ろでおじいちゃんたちが渋い顔してるけど

 

 まぁ、いいや

 

環那「まぁまぁ、本番になったらちゃんとするからさ。やっぱり、燐子ちゃんは本番を想定した練習しないと緊張しちゃうだろうし、あとはバランスをとってだからさ。」

琴葉「まぁ、そう言うことなら......」

日菜(いいんだ。)

燐子(いいのかな......?)

 

 さて、口から出まかせも終わったし

 

 俺は俺の仕事しよっと

 

 まぁ、ここで座って実況するだけなんだけどね

 

燐子「あっ、私はクラスに戻らないといけないから、またね。」

環那「え、もう?もっとゆっくりしていけばいいのに。」

琴葉(ここは家じゃないんですが......)

燐子「あの、お昼ごはん、一緒に食べたいな......?///」

環那「」

 

 はい、可愛い(即死)

 

 この子は本当に庇護欲を掻き立てられる

 

環那「オッケー。じゃあ、お昼休みに合流しようか。」

燐子「うん......!///じゃあ、また後で......!///」

環那「うん、またねー。」

 

 燐子ちゃんは駆け足でクラスに戻って行った

 

 あー、可愛かった

 

 俺はもう今日は満足だよ

 

日菜「......うわー、だらしない顔してるねー。」

環那「っ!!(殺気!!)」

 

 って、日菜ちゃんか......

 

 なんで女子高生アイドルにこんな殺気が出せるの?

 

 今、首筋にひんやりとした感触があったんだけど

 

日菜「イヴちゃん呼ばなかったら、友希那ちゃんにりさちーに燐子ちゃん、あと浪平せんせーにイヴちゃん泣かせたこと言っちゃおうかなー?」

環那「......な、何がお望みでしょうか?」

日菜「お昼、イヴちゃんもちゃんと呼ぶこと。いい?」

環那「は、はい。元から呼ぼうと思ってましたし......」

 

 この子に逆らえる気がしない

 

 ハッキリ言って、怖い

 

 熊や猪なんて目じゃないよ

 

環那(この子に逆らうと、マジで首を掻っ切られる気がする。恐ろしい。)

日菜「それならいいよ!じゃあ、業務を邁進したまえ!」

環那「か、かしこまりましたー。ごゆっくりー、生徒会長サマー。」

 

 日菜ちゃんはそう言い残し、どこかへ歩いて行った

 

 あー、やっと解放される......

 

 寿命、4年くらい縮んだ......

 

琴葉「流石のあなたにも苦手な人間はいるんですね。」

環那「いや、あの子見てみなよ。マジで怖いから。」

琴葉「可愛い子じゃありませんか。」

 

 そう、琴ちゃんは知らないんだ

 

 あの日本刀を思わせる冷たい瞳を

 

 死を覚悟するレベルで怖いから

 

環那「最近、あの子が近くに来ると、動悸が激しくなるんだ......」

琴葉「!?(そ、それは......!?)」

環那「......俺は人生において、今までこんな恐怖は感じたことはない。あんなに純粋な殺気、初めて感じた。」

琴葉「そう言うことですか......(怖がりすぎでは......?)」

 

 あの子と争うことは金輪際ない(断言)

 

 怖いもん、すごく

 

 敵対する可能性があったら、全力で関わらないよ

 

琴葉「まぁ、仕事をしましょうか。」

環那「そうだね。えっと次は......」

 

 俺はプログラムを確認し

 

 次のアナウンスの準備をした

 

 取り合えず、お昼までは真面目に仕事しよう

 

 日菜ちゃん、怖いし......

 

 

 

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