羽丘の元囚人   作:火の車

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何気ない時間

 あの5人にアドバイスを送った後

 

 俺は誰もいない教室に来た

 

 いやぁ、俺も優しくなったよね

 

 別に好きでもない人間にちゃんと丁寧に教えたし

 

環那(いや~、良いことすると気持ちがいいね~。)

琴葉「結局、教えてあげたんですね。」

環那「あ、琴ちゃん。」

 

 琴ちゃんが教室に入ってきた

 

 仕事ないのかな?

 

 2学期ってもう受験本番って感じの時期だと思うけど

 

環那「って、見てたのー?」

琴葉「えぇ。職員室の窓から。」

環那「え、覗き?やだわー。」

琴葉「違いますよ!?」

 

 まぁ、もちろん冗談なんだけどね

 

 でも、見てたなら来たらよかったのに

 

 みんな大好き浪平先生なんだし

 

琴葉「それで、どういう風の吹き回しなんですか?あなた、クラスメイトのことは嫌いなのでは?」

環那「もちろん嫌いだよ?けど、琴ちゃんのためだし、聞かれたら答えるよ。」

琴葉「私のため、ですか?」

 

 琴ちゃんは不思議そうに首を傾げた

 

 この子、気づいてないのか......

 

 鈍感主人公なの?

 

環那「琴ちゃんも、俺1人で勝つより、他の5人がある程度頑張った方がうれしいでしょ?」

琴葉「それはまぁ、教師の立場としては。」

環那「そういうことだよ。俺は琴ちゃんが好きだろうから、喜んでほしい。」

琴葉「そうですかー......ん?今、なんと?」

環那「好きな人には喜んでほしいって。」

琴葉「ちょっと変わってません!?///」

 

 琴ちゃんは顔を真っ赤にして慌ててる

 

 え、今更その反応?

 

 そんなことある?

 

琴葉「そ、そんな急に告白されても困りますよ!///」

環那「そんな生娘みたいな反応されても......」

琴葉「しかたないでしょう!///慣れてないんですからっ!///」

環那「彼氏いない歴=年齢だもんね......」

琴葉「余計なお世話ですよ!///」

 

 ほんと、この子と話してると面白い

 

 弄り甲斐があるというか

 

 こういうところ、可愛いんだよね

 

環那(......この子の笑顔は、俺が守らないとね。)

琴葉「全くもう///たらしなんですから///」

環那「あはは、誰にでもこんななわけないじゃん。」

琴葉「......バカ......///」

 

 琴ちゃんは小さな声でそう呟いた

 

 はぁ......かわい

 

 最初から分かってたことなんだけどね

 

環那「それで、琴ちゃんは仕事は良いの?」

琴葉「大丈夫ですよ。なので、もう少しあの子たちを見ていきます。」

環那「じゃ、こっち来なよ。」

琴葉「......隣の意味、あります?///」

環那「俺が嬉しい。」

琴葉「......分かりましたよ///」

 

 それから、しばらく2人で外を眺めた

 

 こういう静かな時間も、いい

 

 これのことを幸せって呼ぶのかな

 

 そんなことを少しだけ考えていた

___________________

 

 放課後、俺は用があって花咲川に来てる

 

 その用ってのは、生徒会長様に命令されて

 

 体育祭の関連書類を持ってきただけどね!

 

 あー、あの生徒会長怖いよー

 

環那「__燐子ちゃーん、いるー?」

燐子「あれ、環那君......?」

 

 生徒会室に入ると

 

 そこには燐子ちゃんに紗夜ちゃん

 

 あと、金髪の小さい子がいる

 

 おー、花咲川の生徒会レベル高い

 

紗夜「どうかしましたか?」

環那「我が校の生徒会長様のお願い(強制)でこれを持って来たんだ。」

紗夜「あぁ......(そうでした。この人、日菜のこと苦手でしたね。)」

燐子「環那君、お茶飲む?淹れたけど。」

環那「早くない?まだ教室に入って30秒くらいしかたってないんだけど。」

 

 燐子ちゃんってこんなに早く動けたんだ

 

 ちょっと驚いたよ

 

環那「まぁ、いただくよ。」

燐子「うん......!」

 

 俺は言われるがまま

 

 燐子ちゃんの横の席に座った

 

 いやぁ、こういう時の勢いすごいよね、燐子ちゃんって

 

有咲「あのー、紗夜先輩?」

紗夜「はい?」

有咲「私、あの人のことすごい見たことあるんですけど......?」

紗夜「恐らく、テレビか何かで見たのでしょうね。」

有咲「......やっぱりですか?」

環那「ん?」

 

 ツインテールちゃんがこっちを見てる

 

 どうしたんだろ?

 

 こんな燐子ちゃんを初めて見たとか?

 

環那「どうしたの?ツインテールのカワイ子ちゃん?」

有咲「い、市ヶ谷有咲と申します。南宮社長。」

環那「そんな呼び方しなくていいよ?俺は普通の高校生だし。」

紗夜「普通ではありません。」

 

 ひどい

 

 俺はほんとに普通の高校生なのに......

 

環那「まぁ、そっか。ある意味俺は普通じゃないかもね......はぁ、社長やめたい......」

紗夜「社長がどうのこうのという問題ではないんですよ。あなた自身が異常なんです。」

環那「えぇ!?そんな、ひどい......!」

紗夜「思ってないでしょう。」

 

 あれ?バレた?

 

 紗夜ちゃん、結構俺のこと見てるよね

 

 もしかして、意外と好かれてる?

 

環那「そんな冗談は置いといてっと。」

有咲(あの流れ、冗談なの!?)

環那「それで、有咲ちゃんは俺に何か用かな?」

 

 さて、カワイ子ちゃんの話を聞かないと

 

 さっきから俺をチラチラ見てるし

 

有咲「いや、あの、いつも使ってるパソコンを作ってるのが南宮さんの会社で、会見もリアルタイムで見てて、すごいなぁと思ってて。」

環那「あ、そうなの?有咲ちゃんみたいな可愛い子に見てもらえてて光栄だな__痛っ!」

燐子「むぅ~......!」

 

 有咲ちゃんと話してる途中

 

 突然、太ももに鋭い痛みが走った

 

 横にいる燐子ちゃんにつねられたんだ

 

 その表情は頬を膨らませて、ジトーっとした目でこっちを見てる

 

燐子「環那君、市ヶ谷さんにデレデレしてる......!」

環那「し、してないしてない!俺っていっつもこんな感じだよ!?」

燐子「市ヶ谷さんのこと、可愛いって言った......!」

環那「り、燐子ちゃんの方が可愛いよ!」

紗夜(大変ですね。)

有咲(この2人、付き合ってんの?)

 

 どうしよう

 

 痛みと可愛さを同時に感じてる

 

 これなら何されても許せそう

 

燐子「今井さんや、浪平先生や、若宮さんよりも......?」

環那「え?あ、えっとぉ、そこは流石に同率という__いたたたたっ!」

燐子「そこは嘘でもいいから一番って言って......!」

環那「ご、ごめんごめん。」

 

 女の子って難しい

 

 また新しい知識が出てきたんだけど

 

 次から気をつけよう、マジで(真剣)

 

環那「でも、俺は本気で燐子ちゃんを世界一可愛いと思ってるから。そこは心配しないで。」

燐子「っ!///......それはちょっと、言いすぎだよ......///」

環那「あはは、そう?」

 

有咲「あの、紗夜先輩。この2人って......」

紗夜「付き合ってないですよ。ただ、特別なんですよ。彼にとって白金さんは。」

有咲「燐子先輩すご......」

 

 それからしばらく

 

 俺は燐子ちゃんと話しながら

 

 紗夜ちゃんと有咲ちゃんとも程々に話した

 

 鬼の生徒会長(※個人の見解)に頼まれてここに来たけど

 

 楽しかったし、いいかな

 

 

 

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