合同練習の日から1週間が過ぎ
今日はついに体育祭当日だ
琴ちゃんは俺が作った弁当をもって先に家を出た
俺とエマもその少し後に家を出て
今はいつも通りの通学路を歩いてる
エマ「お兄ちゃん。今日もいい天気だね。」
環那「うん、そうだね。絶好の体育祭日和ってやつだ。」
いや、少しだけ気温が高いか
人によっては熱中症とか気をつけないと
エマ「あの凡人たちはどう?少しはマシになった?」
環那「さぁ?彼らの能力は未知数だからね。でもまぁ、ちょっとはマシになってるんじゃない?」
あの日から、彼らの練習は見てない
そもそも、俺には必要ないものだ
どっちみち、勝ちは確定してるんだから
環那「何はともあれ......」
エマ「!」
環那「優勝しに行こうか。うちの可愛い担任のために。」
エマ「一応、恩はある。力を貸すこともやぶさかじゃない。」
環那(素直じゃないなぁ。内心は琴ちゃんに懐いてるのに。)
俺はエマの様子を見て小さく笑った
この子もなんだかんだ、楽しんでるのかな
環那(仕方ないなぁ。)
今日はちゃんと、本気出そうか
可愛い妹の思い出と可愛い同居人のために
俺はそんなことを思いつつ、エマと一緒に通学路を歩いた
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教室につくと、もうクラスのメンバーは盛り上がってた
正直、入るの死ぬほど面倒くさいけど
行くところもないし、取り合えず教室に入った
リサ「あ!おはよう!環那!エマも!」
環那「おはよ。」
エマ「おはよう。」
友希那「二人はいつも通りね。」
教室に入ると、2人が声をかけてきた
リサはいつもよりテンションが高い
友希那はいつも通りだ
友希那「2人の調子はどうかしら?」
環那「いつも通りだよ。」
エマ「私も。」
リサ「いやいやー!今日はもっとアゲて行こうよー!」
環那「熱い熱い熱い。」
今日のリサは真夏の太陽だ
もうちょっと近づいたら皮膚が焼けそう
相変わらず、行事の時のリサの盛り上がりはすごいな
環那「友希那、今日は少し気温が高いから気を付けてね?」
友希那「えぇ、分かってるわ。」
そんな会話をした後、俺は鞄を机に置き
チラッと時計の方を見た
そろそろ、来るかな
と、思った時、放送が鳴った
日菜『__放そーう!』
環那「やっぱり。」
リサ「?」
日菜『3年A組、南宮環那君!今すぐあたしの所に来なさい!』
......こんなアバウトな命令ある?
いや、大体予想つくからいいんだけど
ほんと、悪魔はヤバいな......
環那「ってわけで、行ってくるよ。」
リサ「大変だねー。」
環那「ほんとだよ。あの子と出来るだけ2人になりたくないのに。」
友希那「本当に苦手なのね。」
環那「怖いもん。」
あー、行きたくない
けど、行かないとタダじゃ済まない
と言うわけで、俺は日菜ちゃんの元へ向かうことにした
“友希那”
リサ「いやー、それにしても。」
友希那「?」
環那が教室を出た後
リサがふと口を開いて
私とエマはそんなリサの方を見た
リサ「環那、変わったよね。」
エマ「そうだね。」
リサがそう言うと、エマが頷く
変わった、と言えばそうなのかしら
いや、でも......
友希那「......そんなに変わったかしら?」
リサ「え?」
友希那「環那はずっと、ああいう感じだと思うわよ。変わったとするなら、周り。」
今まで、私たち3人しかいなかった
けど、今はRoselia、若宮さん、浪平先生、エマと
環那を取り巻く環境は劇的に変わった
友希那「環那は広い世界を知っただけ。根本的な部分は変わって......」
変わってない
その言葉は口から出ず、喉の中で掻き消された
なぜか、自分の言葉に違和感が生じた
リサ「友希那?」
エマ「どうしたの?」
友希那(あれ......?)
環那はずっと、ああいう感じだった
そのはずなのに、妙な違和感がある
なんなの、これは......?
リサ「友希那!?真っ青になってるよ!?大丈夫!?」
友希那「え、えぇ。」
リサが心配そうにこっちを見てる
けれど、今は気にしてる心のゆとりがない
友希那(何なの、この霧がかかった感じは......?)
全くと言っていいほど思い出せない
けれど、気持ち悪い
私は、今の環那しか知らないはずなのに......
リサ「ほんとに大丈夫?」
友希那「大丈夫よ。心配性ね、リサは。」
エマ「......」
琴葉「__みなさーん!おっはようございまーす!今日は優勝目指しますよー!」
友希那、リサ「!」
エマ「琴葉、うるさい。」
浪平先生が教室に入って来た
ということは、もう時間
結局、環那は帰ってこなかったわね
リサ「友希那?体調悪かったらあたしか環那に言いなよ?」
友希那「えぇ。」
エマ「......」
私はリサとそう軽く言葉を交わした後、席に着いた
それからは浪平先生から注意事項などを聞いて
時間が来てから、校庭に移動した
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“環那”
えー、しばらく時間が経ちまして
俺は今、司会席にいます
開会式は俺の名進行で滞りなく進んでる
いやぁ、俺って結構才能あるかも
環那「ふぁ~ぁ......開会式終わり......」
琴葉「眠そうですね。」
環那「あ、琴ちゃんじゃん。どうしたの?」
司会席でダラダラしてると琴ちゃんが歩いて来た
クラスの方は良いのかな?
琴葉「朝、あなたがクラスにいなかったので、声をかけに来たんです。」
環那「あ、そうなの?」
わざわざ来たんだ
そんな気にしなくていいのに
変な所で律儀だなぁ
琴葉「今日は頑張りましょうね!」
環那「熱いよ。」
俺は溜息をつきながらそう言った
テンション高すぎるよ
どんなに楽しみだったんだか
琴葉「あなたは落ち着きすぎですよ!」
環那「騒ぐタイプでもないしね。」
琴葉「年取ってますねー。」
環那「余計なお世話だよ。」
まだまだ若いはずなんだけど
まぁ、いいや
琴葉「それで、調子のほどはいかがですか?」
環那「普通。いつも通りだよ。」
琴葉「なら、南宮君は勝ち確定ですね!」
環那「負けはしないよ。」
てか、不調でも負けられないでしょ
絶賛今話してる子のためにも
これもあれか、何とかの弱みってやつか
環那「まぁ、安心しなよ。優勝するからさ。」
琴葉「はい!期待してます!」
環那「任せて。」
それから、俺は琴ちゃんと一旦クラスの方に行った
さて、体育祭の始まりだ
取り合えず、さっさと優勝して、琴ちゃんを喜ばせよ