羽丘の元囚人   作:火の車

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改変

 少しすると、体育祭が再開されました

 

 借り物競争は午後のプログラムの最初の方で

 

 考える間もなく出番が来てしまった

 

日菜『次は借り物競争ー!みんな頑張れー!』

燐子(う、うぅ......)

 

 午前も一回だけ出たけど、やっぱり慣れない

 

 結局、午前の種目は全然ダメだったし

 

 ここは、なんとか最下位にならないようにしないと

 

イヴ「燐子さん?大丈夫ですか?」

燐子「若宮さん......は、はい、大丈夫ですよ?」

イヴ「そうですか?すごく緊張してるようですけど?」

燐子「ま、まぁ、緊張は......してます。」

 

 若宮さんは堂々としてる

 

 やっぱり、アイドルだなぁ......

 

イヴ「私も一緒ですので、安心してください!」

燐子「は、はい。」

イヴ「もうすぐスタートです!私たちは同じグループなので、行きましょう!」

燐子「!」

 

 私は若宮さんに手を引かれました

 

 それとほぼ同時に日菜さんのスタートの合図があって

 

 そのまま、スタートラインから出た

 

イヴ「行きましょう!」

燐子「わっ......!」

 

 若宮さんに手を引かれたまま走る

 

 いつもよりも速く走れてる気がする

 

 若宮さんのお陰なんだけど......

 

日菜「はいはーい!お題はこっちだよー!」

燐子「!?」

 

 お題を受け取る場所になぜか日菜さんがいる

 

 え、なんで?

 

 さっき、放送席でスタートの合図してたのに

 

イヴ「ヒナさん!お題をください!」

日菜「はーい!」

燐子(受け入れてる......!?)

 

 パスパレの皆さんの中ではこれが普通なんだ......

 

 ありえないことをしてるはずなんだけど......

 

日菜「2人のお題はこれね!」

イヴ「ありがとうございます!」

燐子「あ、どうも......」

 

 オーソドックスな二つ折りにされた紙

 

 一体、どんなお題が書かれてるんだろう......

 

 そう思いながら、私は若宮さんと一緒に紙を広げた

 

燐子、イヴ「!?///」

日菜「あはは~、顔真っ赤だ~。」

 

 お題を開けて、私たちの顔は熱くなった

 

 だって、これ......

 

燐子、イヴ(好きな人の、服......!?///)

日菜「頑張れ~。」

 

 日菜さんは呑気にそう言ってくる

 

 いや、あの、冗談じゃないんですけど

 

 これ、なんて言って借りればいいんですか?

 

 そのまま言ったら完全に変態なんじゃ......

 

イヴ「ど、どうしましょう......?///」

燐子「どうしようもなにも、借りるしか......///」

イヴ「ですよね......///」

日菜「あっ、同じものなら2人1つでいいよ~。」

燐子、イヴ「はぃ......///」

 

 私たちは恥ずかしながらも頷いて

 

 環那君の元に向かいました

 

 これ、どんな顔してお願いすればいいんだろう?

___________________

 

 色々と考えながら、環那君の所まできた

 

 どうやって頼もうか考えてたけど

 

 正直にお願いするしかないという結論に至った

 

燐子「か、環那君......!」

環那「(ん?燐子ちゃんにイヴちゃん?)どうしたの?」

 

 環那君はキョトンとした顔をしてる

 

 まぁ、そうだよね

 

 今から何が起きるか知らないんだもん

 

燐子「あ、あのね......その、服、貸してほしいの......///」

環那「服?(あー、日菜ちゃんか。お題を渡す所に移動してたし。)」

 

 うん、完全に変な女の子だね

 

 環那君は察してくれてそうだけど

 

環那「た、大変そうだね。上の服でいい?」

イヴ「すみません、カンナさん......///」

環那「いいよ。どうせ下はシャツ着てるし。」

燐子、イヴ「!!///」

 

 環那君はそう言って上の服を脱いで、シャツ一枚になった

 

 シャツの上からでも分かる筋肉

 

 見た目は細く見えるのに、すごくガッシリしてる

 

燐子(た、逞しい......///そ、そうだよね、私を抱きかかえたまま走れるくらいだし......///)

イヴ(プロのスポーツ選手の方に会ったことがありますが、その誰よりもすごいです......!///)

環那「これでいい?て言うか、一つでいいの?」

イヴ「だ、大丈夫です///ありがとうございます///」

環那「そう?なら、はい。」

 

 私は環那君から服を受け取った

 

 脱いだばかりだからほんのり暖かい

 

 それに、すごく良い匂いがする

 

イヴ「し、失礼します///」

燐子「すぐに返しに来るね......///」

環那「そんなに焦らなくていいよ?それよりも、転ばないようにね。燐子ちゃん、若干だけどイヴちゃんのペースについていけてないから。」

燐子、イヴ「///」

 

 環那君は優しくそう言いながら送り出してくれた

 

 それをかっこいいと思う半分恥ずかしいと思う半分で

 

 私と若宮さんはそそくさとゴールの方に向かった

___________________

 

 “環那”

 

 燐子ちゃんとイヴちゃんに服を渡した後

 

 俺は飲み物を取りに自分の席に戻った

 

 シャツだけになったけど、ちょっと暑いからちょうどいい

 

リサ「環那!?何その格好!?」

環那「ん?あぁ、借り物競争で貸しただけ。」

リサ「あー、そう言うことね。」

環那「?」

 

 リサはこっちをマジマジと見てる

 

 なんだろう

 

 リサに関しては別に珍しいものじゃないと思うけど

 

リサ「環那、前よりも鍛えてるね。」

環那「あ、分かっちゃう?」

リサ「腕とか大分変わってるじゃん!それに、全身もさらに引き締まった感じする!」

環那「腕立てと腹筋は今でもしてるからね。今は一日1000回くらい。あとは体幹も取り入れたかな。」

周りの生徒(1000!?)

リサ「おー、大分増やしたね?中学の時は500くらいじゃなかったっけ?」

環那「なんか慣れちゃってさ、全然足りないから増やしたんだ。」

周りの生徒(えぇ、今井さんも普通に受け入れてる......?)

 

 まぁ、ほんとは器具とか欲しい

 

 けど、流石に置く場所もないし、買ってないんだよね

 

 ジムに行こうと思ったけど、時間ないんだよね

 

環那「そう言えば、友希那は?午後は種目ないはずだけど。」

リサ「お花摘み行ってるよー。」

環那「そっか。」

 

 なら、これ以上の言及はなしだ

 

 あんまりデリカシーのないことは出来ないしね

 

環那「じゃあ、俺は飲み物回収したしバイバ__」

リサ「はい、ちょーっと待った?」

環那「ん?」

 

 俺はリサに首根っこを掴まれ

 

 そのまま引き留められた

 

 リサ、どこにこんな力隠してるんだろう

 

リサ「綱引き、もう次だけど、どこ行くのかなー?」

環那「えー、参加しなきゃダメ?」

リサ「勝つなら環那の力も必要だと思うけど?」

環那「過去のデータ見た感じ綱引きで入るポイントはイマイチだし、今の順位は3位で綱引きで負けてもリレーに勝てば1位になる位置にいる。わざわざここを全力で取る理由がないんだけど......」

 

 ここまで想像以上に順調に進んでる

 

 後はリレーの勝利というノルマを達成すれば終わる

 

 いわば、王手の状態だ

 

 そんな状況でがむしゃらに戦うのは得策じゃない

 

リサ「こういうのは戦略とかじゃないの!勝てるとこは全部勝った方がいいじゃん!」

環那「そうかなー?」

リサ「そうだよ!ほら、行くよ!」

環那「うえー。面倒くさいー。」

 

 俺はそのままリサに引っ張られた

 

 綱引きの集合時間ジャスト

 

 これは、俺の戦略負けだ

 

 でも、一つ良い?

 

 俺、今、シャツ一枚なんだけど?

___________________

 

 と言うわけで、俺は入場口まで引っ張られた

 

 服は来る途中に燐子ちゃんに返してもらった

 

琴葉「あ!来てくれたんですね!南宮君!」

環那「リサに引っ張ってこられた。」

琴葉「そうなんですね!ありがとうございます、今井さん!」

リサ「いえいえ~。」

 

 琴ちゃんって実は人の話聞いてない?

 

 綱引きは参加するつもりなかったのに

 

 相変わらず、この2人は熱血だなぁ......

 

琴葉「行きましょう!皆さん!」

クラス「おー!」

環那「はぁ......」

友希那「行きましょうか。」

環那「仕方ないね......」

 

 俺はすっごい嫌々入場した

 

 リレーすら拒否した俺が綱引き?

 

 ありえないでしょ

___________________

 

 と言うわけで入場した

 

 もう全クラスは配置終了してる

 

 まぁ、俺は琴ちゃんの隣にいるんだけど

 

琴葉「なんであなたはここにいるんですか!?」

環那「綱引きは他に任せるよ。勝つ意味もないし。」

 

 もう勝ちはほぼ決まってる

 

 リレーで勝つなんて簡単なことだ

 

 こんなところで無駄な体力なんて消費しない

 

『それではー、レディ......ゴー!』

 

「行くぞー!!」

 

 審判の合図と同時に綱引きが始まった

 

 始まったばかりだからか、力はまだ拮抗してる

 

 これは、長くなりそうだ

 

琴葉「頑張ってくださーい!」

環那「......」

 

「オーエス!オーエス!」

 

 この掛け声、意味あるのかな?

 

 声を出すだけじゃ意味がない

 

 これの本来の目的はタイミングを合わせること

 

 ほぼ同じ人数同士なら、いかに力を集約できるかで勝敗が決まる

 

 うちのクラスはその点、まだまだ分散気味だ

 

琴葉「みなさーん!引かれてますよー!頑張れー!」

 

「まだまだー!!」

「みんな力入れろー!!」

 

 ちょっとずつ、引かれ始めてる

 

 まだ粘ってるけど、状況は劣勢もいい所だ

 

 友希那とリサとエマが転んで怪我しないように見ておかないと

 

琴葉「がーんばれ!がーんばれ!」

環那「そんな声出して疲れない?」

琴葉「何言ってるんですか!皆さん頑張ってるんですよ!応援しないでどうするんですか!」

環那「そ、そう。」

琴葉「あなたも声くらい出してください!」

環那「......はーい。」

 

 この子の価値観も俺とは違う

 

 戦略よりも先に、感情で動く

 

 俺からすれば考えられないことだ

 

琴葉「引いてますよー!もうちょっとー!」

環那(......可愛い。)

 

 純粋にそう思う

 

 幼子のような純粋は雰囲気

 

 真珠のように綺麗な心

 

 汚したいようにも、そのまま見ていたいようにも思える

 

 そんな琴ちゃんが、本当にかわいい

 

環那「......ふっ。」

琴葉「南宮君?」

 

 “琴葉”

 

 南宮君は小さく笑うと綱の方に歩いていきました

 

 どうしたのでしょうか?

 

 あんなに嫌がっていたのに

 

環那「俺にも人間的な部分が残ってたんだね。」

リサ「!?(なんか、いきなり軽くなった!?)」

友希那(信じられないわね。)

エマ(お兄ちゃんの筋力はどちらかと言えば瞬発力に優れている。けど、単純なパワーも常人からすれば異次元。)

 

 彼が綱を握るとミシミシと言う音がし

 

 綱の動きが一切なくなりました

 

 双方から力がかかってるはずなのに、ピクリとも動きません

 

環那「仕方ない......琴ちゃんの願い、叶えてあげるよっ!!!」

琴葉「!!」

 

『う、うわぁー!!!』

『きゃー!!!』

 

 彼がそう言って、思い切り綱を引いた瞬間

 

 相手のクラスは絶叫に包まれました

 

 人間はいないかのように綱ごと引きずられ

 

 間の旗はすごい勢いで自陣の方に倒れました

 

審判「え......?」

環那「審判、コールは?」

審判「え、えっと、あ......え、A組の勝利!!」

 

 審判のそのコールを聞いても唖然とするしかありませんでした

 

 私はまだ、彼を過小評価していたと思い知らされました

 

 心のどこかで、まだ限界が

 

環那「ほら、勝ったよ!」

琴葉「えーっと、あの、いくつかツッコミどころがあるんですが、長くなるので一つだけ言いますね?」

環那「?」

琴葉「綱、切れてるんですけど!?どんな力で握ったらこうなるんですか!?」

環那「え?あ、ほんとだ。」

 

 彼が握っていた部分の綱は見るも無残に切れています

 

 いや、握りつぶしたという表現が適切なのでしょうか?

 

 どちらにしてもあり得ないことなのは確かなんですけどね?

 

環那「3年が最後でよかったー。」

琴葉「そう言う問題じゃありませんが!?」

環那「まあまあ、勝ったんだから許してよ。」

 

 彼は笑いながらそう言ってきます

 

 いや、勝つのは良いんですけど

 

 あまりにもあっさりで感動も何もないんですが......

 

琴葉「な、なぜいきなりやる気を出したんですか?あんなに嫌がっていたのに。」

環那「え?そりゃあ、琴ちゃんに応援されたかっただけだけど?」

琴葉「!?///」

環那「あまりにも応援してる琴ちゃんが可愛くてさー、参加してみた。」

 

 笑いながらそう言う彼

 

 こんな大衆の面前で......

 

琴葉「い、いきなり何を言ってるんですか!?///」

環那「なにかおかしなこと言った?」

琴葉「お、大人を揶揄うのはやめなさい!///」

環那「揶揄ってないよ。俺は真剣。」

 

 真顔でこんなことを言ってきます

 

 この人は本当に......っ

 

リサ「ねー、環那ー?あんなに早く終わらせたら応援される間もないよー?」

環那「......あっ。」

友希那「完全に抜けてたって顔ね。」

エマ「ドジを踏むお兄ちゃんもかっこいい......!///」

リサ「いや、それはおかしくない?」

 

 この人、天才なのかおバカなのか分かりませんね

 

 純粋に抜けてるようにも見えますが

 

 この抜けた感じも計算のようにも見える

 

 それだけ、天才だということなのでしょうか

 

 そんなことを思いながら、私は小さく笑いました

 

 “環那”

 

環那「あー、ドジ踏んだ。やっちゃったー。」

 

 今回はマジでドジった

 

 琴ちゃんの願いを叶えるって目的を優先しすぎて、つい力を入れすぎちゃった

 

 てか、あれくらい耐えてよ

 

環那「もう一回ないの?」

友希那「あなたが切ったから不可能よ。」

環那「二重でやらかしてるね......」

 

 力加減は失敗しないと思ってたけど

 

 俺もまだまだだ......

 

 詰めが甘かったな

 

環那「はぁ、琴ちゃんからの応援はまたの機会に取っておこうか。」

琴葉「勝ったのにショックを受けてるのなんてあなたくらいですよ。」

環那「勝つことは分かってたじゃん......」

友希那「勝つことは前提なのね。」

 

 まぁ、負けることも考えるけどね?

 

 楽観的な思考はあんまりよくない

 

 悲観的すぎるのもダメだと思うけど

 

日菜『__あー、あー。』

環那、友希那、リサ、琴葉「!」

 

 綱引きを終えて皆と話してると

 

 スピーカーから今度は日菜ちゃんの声が流れてきた

 

 なんだろう、この嫌な予感は

 

日菜『この後のリレー、このまま行くとちょっと面白くないよね?』

 

 うわー、やばいやばいやばい

 

 この流れはどう考えてもヤバい

 

 面倒なことになる予感しかしない

 

日菜『そこで!リレーのルールを変えるよ!』

環那「......」

 

 まぁ、やっぱりそう来るよね

 

 ほんとに余計な事するね

 

日菜『それで、具体的なルールだけどー。まず、リレーの基礎ポイントは0にする!』

環那「は?」

リサ(素の反応してる。)

 

 その言葉に俺は驚いた

 

 基礎ポイント0?

 

 何言ってんだあの子?

 

日菜『それで、タイムごとにポイントを決めて、それで優勝を決めよう!具体的なポイントの区分は張り出すから見てね!』

「~♪」

環那「!」

 

 ルール説明が終わったと同時に俺の携帯が鳴った

 

 送り主は分かってるよ?

 

 でも、なんで俺の連絡先知ってんだろ

 

 そう思いながら、俺は画面を見た

 

環那(......マジ?)

 

 そこに書かれてるのは恐らくポイントの区分だ

 

 走りさえすればある程度のポイントは入る

 

 でも、例年に比べたら圧倒的に少ない

 

 A組がここから逆転優勝するには......

 

環那「......!」

友希那「どうしたの?そんなに焦った顔をして。」

リサ「なにかヤバい連絡きたの?」

環那「......不味い」

友希那、リサ「え?」

 

 逆転する30点は1分20秒以内

 

 足りない、タイムが全然足りてない

 

 付け焼刃のバトンパスで誤魔化すのは厳しいタイムだ

 

 練習時間だって、1週間ちょっとなんだから

 

環那(俺1人で覆すのにも限界があるぞ。どうするどうするどうする?)

琴葉「み、南宮君?」

環那「どうしたの、琴ちゃん?悪いけど、今はそんなに構ってあげらな__」

琴葉「優勝できなくても、あなたの責任ではありません。」

環那「!?」

 

 琴ちゃんは穏やかな声でそう言った

 

 背中に添えられた手がくすぐったい

 

琴葉「あなたの中で優勝する道筋は出来ていたのでしょう?けど、今回は急なルール変更もありました。流石のあなたでも、あれだけの後出しをされれば覆せません。」

環那「......」

琴葉「何もあなたがすべての責任を負うことはありません。あなたで無理なら全員が納得します。」

 

 ......ほんと、この子は分からない

 

 こんな教師らしいこと言っといて、一番悔しそうじゃん

 

 大人ぶった子供そのものだ

 

 ......だからこそ、許せない

 

環那(......これだから天才は。)

 

 天才は人を平気で傷つける

 

 常人とは感覚が違うから人の気持ちに鈍感になるんだ

 

 分かってる、そんなことは何年も前に

 

環那(......だが。)

 

 あの子のことは流石に許せない

 

 俺のことが嫌いなら、俺だけを痛めつければいい

 

 なのになぜ、他を巻き込むんだ

 

 純粋な子までも愚弄できるんだ

 

環那「......琴ちゃん。諦めるのは、まだ早いんじゃない?」

琴葉「え......?」

環那「俺はまだ、無理なんて言ってないよ?」

 

 俺は笑いながらそう言った

 

 大丈夫、まだ不味いだけ

 

 この世には100%も0%もない

 

「け、けどよ!」

「流石にこのタイムを覆すのは......」

環那「出来る。」

「えっ?」

環那「今までより、君たちが速くなればいい。」

「は、速く......?」

 

 いや、少し語弊がある

 

 1人1人が速くなる必要はない

 

 5人で平均して目標タイムになればいいんだ

 

環那「今まで君たち5人の平均タイムは16秒だ。それを2秒速くして、1人あたり14秒で回れれば、可能性はある。」

「いつもより、2秒......」

環那「それが出来れば、俺が何とかするよ。」

 

 それでも残るのは10秒以下

 

 世界トップ10に入るくらいで走らないといけない

 

 うへー、キッツい

 

 けど、やる他ないよね

 

環那「安心して、琴ちゃん。」

琴葉「!」

環那「勝つからさ。」

琴葉「ど、どこにいくんですか!?」

環那「......準備。」

 

 俺はそう言って一旦その場を離れた

 

 ほんと、大変だ

 

 大切な子の笑顔を守るのって

 

 

 

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