羽丘の元囚人   作:火の車

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文化祭準備

リサ「__おーわったー!」

 

 あれから一週間が経って、テストが終わった

 

 全員、何とか乗り切れたっぽい

 

 恐らく、花咲川の皆もメリっちも大丈夫でしょ

 

リサ「文化祭だよ!文化祭!」

環那「そう言えば、今日から準備始まるんだっけ。」

リサ「そうそう!」

 

 文化祭の準備期間は一週間ほど

 

 それくらいあれば十分でしょ

 

 特にうちは準備に前向きなのが多いし

 

リサ「よし!じゃあ、行くよ!環那!」

環那「え、どこに?」

リサ「そりゃあ、必要な機材とか材料とか!」

環那「あー、なるほど。荷物持ちってわけね。」

リサ「そういうこと!」

 

 相変わらず、人使いが荒い子だ

 

 まぁ、別にいいんだけど

 

リサ「行くよ!」

環那「はいはい。友希那、エマ、行ってくるよ。」

エマ「私も。」

環那「いいや、他の所を手伝ってあげて。エマがいれば、クラスが回りやすいし。」

エマ「うん。」

友希那「行ってらっしゃい、2人とも。」

 

 2人に見送られ、俺とリサは教室を出た

 

 さて、一体に何を持たされるんだか......

___________________

 

 正面玄関の方に来ると、大きな段ボールがあった

 

 ......しかも5個!

 

 他のクラスのも混ざって__

 

リサ「じゃあ!これ運んでね!」

 

 ないですよね

 

 てか、いつの間にこんなの準備してたの?

 

 恐らく、注文したのは琴ちゃんだろうけど

 

環那「うわー、普通に重そう......」

リサ「泣き言言わない!男子でしょ!」

環那「男子は男子も、一部の筋肉ゴリゴリ男子しか持てないよ?こんなの。」

リサ「じゃあ、環那は出来ないの?」

環那「いや。」

 

 俺はそう言って段ボール5個を持ち上げた

 

 いや、そりゃあね?

 

 出来るか出来ないかで言ったら出来るよ?

 

 でもさ、ちょっと面倒じゃん?

 

リサ「環那もこれで筋肉ゴリゴリ男子だね!」

環那「自分で言っといてなんだけど、なんか嫌だねそれ。」

リサ「あはは!環那の柄じゃないよね!」

環那「そうだよね。」

 

周りの生徒(なんであんなの持ちながら涼しい顔してるんだ......?)

 

 持った感じ、いろんなものが入ってる

 

 結構、マジな感じでやるみたいだ

 

 まぁ、そっちの方がエマも喜ぶでしょ

 

環那「てか、なんでリサはついて来たの?」

リサ「え?何となくだけど。」

環那「あ、はい。」

 

 まぁ、そんなことだと思ったよ

 

 昔から何かと一緒にいたがる子だったし

 

環那「じゃあ、さっさと運んじゃおっか。」

リサ「うん!頑張れ☆」

環那「はいはい。頑張りますよ、お姫様。」

リサ「!?///」

環那「ん?」

 

 リサがいきなり固まった

 

 な、なんだ?

 

 元気になったり固まったり、忙しいな

 

リサ「い、いきなりそう言うのはちょっと......///」

環那「今さら?」

 

 耐性なさすぎじゃない?

 

 軽い冗談だったのに

 

リサ「さ、流石に恥ずかしいじゃん!///お、お姫様とか......///」

環那「まっ、俺にとっては似たようなものだよ。俺を使える人間なんてリサを筆頭に数人だけだよ?」

リサ「ほんとに......もう///」

 

 さて、冗談も程々にしないと

 

 あんまり友希那とエマを待たせるわけにもいかない

 

 さっさと戻ろう

 

環那「行くよ、リサ。」

リサ「う、うん///」

 

 俺は顔を赤くしたリサにそう言い

 

 教室に向かって歩き出した

 

 リサの扱いには慣れてるけど

 

 こういう可愛い所はいつ見てもいいなぁ

___________________

 

 “リサ”

 

 と言うことがあったけど、文化祭の準備が始まった

 

 環那に遊ばれたのは置いといて

 

 テンション上げて頑張って行こう!

 

リサ「エマー!何か手伝うことある?」

エマ「......絆創膏が欲しい。」

リサ「え!?どうしたの!?怪我でもしたの!?」

エマ「うん......」

 

 エマはノソっとした動きで振り向いて来た

 

 その時だった

 

エマ「口が切れちゃって、痛い。」

リサ「きぁああああ!!!」

 

 エマの口元が大きく切れてた

 

 まるで大きな刃物で切ったみたいに

 

 しかも大量に血も出てて

 

 あたしは慌てて、教室に置いてある救急箱を取りに行った

 

リサ「あ、あれ!?救急箱は!?」

環那「どうしたの?リサ。」

リサ「か、環那!ちょうどよかった!エマが怪我してて、救急箱知らない!?あと、救急車も__」

環那「ねぇ、リサ。俺も探し物してるんだよね。大切なものなんだけど、ついなくしちゃって。」

リサ「え、どうしたの?って、今、そんな場合じゃないよ!」

環那「いや、ほんとに困るんだって。」

 

 環那は本気で困ったような声をしてる

 

 え、どうしたの?

 

 あの環那がこんな声出すなんて、絶対にやばいじゃん

 

 そう思って、あたしはバッと振り返った

 

環那「右腕失くしちゃったんだけど、どっか落ちてなかった?」

リサ「ひゃあああああああ!!!」

 

 腕!?腕なんで!?

 

 てか、エマも環那も重症じゃん!

 

 どっちから助ければ__

 

エマ(パーン!)

リサ「__え?」

エマ「ドッキリ。」

環那「だいせいこーう☆」

リサ「へ?」

 

 あたしが焦ってると

 

 エマがいきなりクラッカーを鳴らした

 

 え、なに?ドッキリ?

 

エマ「これは特殊メイク。本番用に試してみた。」

環那「この義手、取り外しできるんだよ。いやぁ、それにしても、面白いくらい怖がってたね。」

エマ「うん、大成功。」

リサ「大成功じゃなーい!」

 

 あたしはそう叫んだ

 

 本気で心臓止まりそうだったんだけど

 

 この天才兄妹はなにしてるわけ?

 

リサ「バカ!バカバカバカ!」

環那「あははー。」

エマ「中々に面白かった。本番もこの調子で行こう。」

リサ「心臓止まるよ!?」

 

 あたしは2人に向かってそう叫んだ

 

 あんなのしたら年齢制限かかるよ!

 

 子供が見たらトラウマになるよ!?

 

友希那「リサ?何を騒いでるの?」

リサ「友希那?聞いてよー、環那とエマが__」

友希那「驚いて、目が取れてしまったわ。」

リサ「」

 

 その瞬間、目の前が真っ暗になった

 

 ダメだ、これ、ガチすぎる

 

 天才が本気になったらこうなるんだ

 

 どうしよ、テンション上げてたのに

 

 正直、もう、胃が痛い......

 

 “環那”

 

環那「おっと。」

 

 俺は倒れたリサを受け止めた

 

 ちょっとやりすぎたかな?

 

 まぁ、リサが特別怖がりなだけだと思うけど

 

友希那「すごいわね、これ。一瞬本物に見えるわ。」

エマ「実際のホラー映画で使われるものにも負けないクオリティだと思う。」

環那「でも、作りこんでるうちに少しだけサイズが大きくなったかもね。直径24mmくらいに出来たら完璧かな。」

エマ「なら、基礎の部分を少し縮小して......」

 

 エマは楽しそうに眼球の調整を始めた

 

 楽しそうで何よりだ

 

環那「......さて。」

 

 俺は抱きかかえたままのリサを見た

 

 このままにしててもあれだし

 

 取り合えず、保健室には運ぼうか

 

 そう思い、俺は教室を出た

 

 

 その30分後

 

 俺とエマと友希那が目覚めたリサに説教を食らったのは

 

 まぁ、言うまでもないね

 

 

 

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