10月31日の今日はハロウィンだ
まぁ、日本のハロウィンは外国のものとは趣が違って
渋谷が大変な事になるイメージしかない
環那「さーてと、準備は出来たかな。」
そんな日の朝、俺はキッチンでそう呟いた
そして、少し移動してリビングに置かれてるソファに腰を下ろした
環那(おっと、結構メール来てる。)
パソコンを開いてみると、仕事関係のメールが大量に来てる
まぁ、主に面接の話だけど
今年はなぜか面接の応募者が多くて
それの対応で大変だ
環那「社長が学生である俺に変わったから、舐められてるのかな。」
仕方ないとは思うけどね
まぁでも、そんなに甘くするつもりはない
むしろ、今までよりも厳しくなるかもね
確固たる覚悟を持った若者って、そうはいないから
エマ「__お兄ちゃん、おはよう。」
環那「あ、おはよう、エマ。」
エマ「朝からお仕事?」
環那「ただのメールの確認だよ。」
俺はそう言ってソファから立ち上がり
エマの前に歩み寄った
ほんと、美少女は朝から美少女だ
環那「寝ぐせ、ついてるよ。」
エマ「んぅ......///」
エマの寝ぐせを撫でながら直していく
エマはくすぐったそうにして
上目遣いでこっちを見てくる
エマ「お兄ちゃん、朝から激しい......///」
環那「誤解を招く表現はやめてね?」
もう流石だよ
俺にツッコミをさせるなんてね
流石は俺の妹だよ
環那「まぁいいや。エマ、今日の準備はちゃんとできてる?」
エマ「うん。衣装はちゃんと準備した。可愛い?」
エマは嬉しそうに自作した衣装を見せてきた
一週間で作ったクオリティじゃないのは当然として
売り物とも比にならないほどの出来栄えだ
環那「可愛いよ。」
エマ「ありがとう///」
環那「今日は楽しむんだよ。」
エマ「うん///」
そう言って、またパソコンに目を落とした
はてさて、俺はいつまでこの子の保護者でいれるんだろう
兄離れする日も、そう遠くないんだろうなぁ
って、楽しそうに自作の衣装を眺めてるエマを見ながら、そんなことを考えた
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少し時間が経って、俺とエマは学校に来た
流石に文化祭ほどじゃないけど、校舎は飾り付けされてる
今年は生徒会が積極的に動いてくれて、新しい行事が出来た
そのおかげでエマも楽しそうだ
タイミングが良かったというべきかな?
環那(さて、エマはクラスの方に行ったし、俺もその辺フラフラしよ。)
親の役目はお見送りまでだ
それ以上の邪魔はしちゃいけない
環那(ある程度やることは決まってるし。とりあえず、あの2人探そうかな。)
と思ったけど、どこにいるんだろ
今回は出店とかがあるわけじゃないからそこからの予想できない
まぁ、あの2人の正確で想像はできるけど
それはあくまで過去からのものだからね
環那(こんなに人間の行動が予想できないのは久しぶりだ。)
2人が変わったかもしれないし、変わってないかもしれない
友希那がどんな風にノア君と話してるのかもわからない
環那(......まぁ、ちょっと様子見するくらいでいいんだけどね。)
そんなことを考えながら、少し歩いて
ホールまで来た
ここでは、吹奏楽部とか吹奏楽部の演奏があるって聞いてる
もしかして、案外ここにいたりして
環那「......あっ。」
友希那「お菓子、食べる?」
ノア「......遠慮する。」
環那(すごい安直な場所にいるじゃん。)
俺は慌てて近くの柱に身を隠した
よし、折角だしカワイ子ちゃんたちを見守ろうか
そして、弄ろう!
“ノア”
......ここに来てすぐ、湊友希那に捕まった
なぜ、俺が来るタイミングが分かった
奴から知らされてたとしてもおかしいぞ
友希那「ノアは、音楽は好きかしら?」
ノア「嫌いではない。」
友希那「そう。」
何を話せばいいのか分からんな
元から人間と話すのは得意ではないが
それにしてもひどいな
ノア「......(ほう。)」
舞台の上では、この学校の軽音部?が演奏してる
学生レベルと思ってたが、これが結構うまい
努力が見えてくるような演奏だ
ノア「悪くないじゃないか。」
友希那「......そう?」
ノア「あぁ。(なんだ?)」
こいつ、雰囲気が少し変わったな
怒り......のような感情を感じる
上っ面はそこまで変わってないが
友希那「......歌は、負けないわ。」
ノア「そうか(?)」
こいつの歌唱力は知ってる
プロからも注目されてると聞く
奴曰く、別格らしい
友希那「ノアは、恋をしたことがある?」
ノア「ない。」
友希那「私はあるわ。」
ノア「知ってる。南宮環那にだろう。」
友希那「......えぇ。」
ノア(......どうすりゃいいんだ。)
あいつから任されたのはいい
だが、どうすればいいか分からねぇ
俺は奴とは違うからな
友希那「......でも、今は違う。」
ノア「!」
友希那「環那のことは好きだった。けど、私の中では過去になった。」
ノア(それが答えか。)
過去、か
奴は最初から、ここまでを見ていたわけか
自分自身を湊友希那にとって過去にすることによって、自分のいる地点にまで引っ張る
あいつは悪であることで、この女をコントロールしたんだ
ノア「なら、貴様は今を生きてるんだな。」
友希那「えぇ。」
ノア「そうか。なら、いいんじゃないか。」
全て、あいつの狙い通りと言うことだ
湊友希那は今を生きてる
誰も不幸にならない、よくできたシナリオだ
友希那「ねぇ、ノア。」
ノア「なんだ。」
友希那「もう少し、会えないかしら。」
ノア「!」
たくっ、あの野郎
結構な女をこっちに押し付けてきやがって
......こんな目で言われちゃ、拒否しにくいことこの上ない
ノア「......いいだろう。」
友希那「!」
ノア「だが、頻繁に連絡してくるな。メッセージアプリは好かん。」
友希那「えぇ!」
俺がそう言うと、湊友希那は嬉しそうに頷いた
これでとりあえず、頻繁な連絡はなくなる
だが、湊友希那と会うのが多くなりそうだ
俺の要求はかなえられ、湊友希那にもプラスを生む
ほんと、気に食わん
全て、奴の掌の上ということか