羽丘の元囚人   作:火の車

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お迎え

 どうやら、上手くいったみたいだ

 

 友希那は今までに見た事のない笑顔を浮かべてる

 

 まぁ、ノア君は渋い顔してるけど

 

 そこはツンデレってことで

 

環那(いやぁ、気分がいい気分がいい。)

 

 やっぱり、こうやってコソコソしてる方がいいな

 

 何と言うか、落ち着く

 

 そう言う性格なのかな

 

環那(さて、ここからどうするか。)

 

 目的は果たしたし

 

 後は邪魔にならないようにしとくだけだ

 

 俺がいると輪を乱すし

 

環那(まっ、いつも通りここでのんびりしとこ。)

 

 今いるのは屋上だ

 

 一応、今日ここは立ち入り禁止になってる

 

 何か特別な事でもない限り誰も来ないでしょ

 

リサ「__かーんーなー!こんなところでなにしてるの!」

環那「あ、いたね。特別。」

リサ「何言ってんの!」

 

 まぁ、そりゃ来るよね

 

 だって、存在自体が特別なんだもん

 

 こりゃ強いよ

 

環那「てか、その魔女の衣装可愛いねー。」

リサ「いきなり!?///」

環那「スカート短いから、パンツ見えてるよ?今日は水色だね。しかも、結構すごいの__」

リサ「何見てんの!」

環那「おっと。」

 

 寝転んでた俺は蹴ろうとしてるリサの足を避けて

 

 空中で一回転してから立ち上がった

 

 中々、キレのある蹴りだった

 

リサ「スケベ!変態!」

環那「まぁまぁ。それで、リサは何でここに?」

リサ「切り替えはや!?」

 

 面白いなぁ

 

 てか、昔、一緒にお風呂入ってるのに

 

 今更パンツで恥ずかしがる?

 

リサ「もう、いいや。あたしは環那を呼びに来ただけだし。」

環那「普通に楽しんでればいいのに。」

リサ「あたしは環那と楽しみたいの!」

環那「もの好きだねー。」

 

 分かり切ってることだけど、リサは変わってる

 

 いい子で一括りにもできるけど

 

 若干もうその次元じゃないんだよね

 

リサ「環那ほどじゃないよ。」

環那「いやいや、俺からしたらリサの方が異常だよ。そんな優しい性格で疲れないの?」

リサ「別に疲れないけど。」

環那「バッテリー容量どうなってるの?」

 

 これじゃ、リサが優しいのか優しさがリサなのか分からないな(?)

 

 ほんと、呪われてるんじゃないって思う

 

環那「はぁ......俺はリサが心配だよ。悪い奴に騙されそうで。」

リサ「まぁ、環那に数えきれないほど騙されてるしね。」

 

 全く持ってその通りだよ

 

 すぐに俺の嘘に騙されるし

 

 見るからに嘘って分かるものを信じるし......

 

環那「......まっ、俺がいれば何の問題もないか。」

リサ「え?」

環那「リサを騙すのは俺の仕事ってこと。」

リサ「なにそれー!」

 

 出来れば、一生騙されてて欲しい

 

 いや、そこは俺の腕の見せどころか

 

環那「まぁ、それはそれとして。結局、俺にどうしてほしいの?」

リサ「そりゃあ、一緒に楽しみたいけど。どうせ聞いてくれないじゃん。」

環那「それは分かんないよ?」

リサ「え?じゃあ__」

環那「リサがパンツ見せてくれたらいいよ。」

リサ「スケベ!!///」

 

 軽い冗談なのに

 

 ほんと、こういうのに耐性ないよね

 

リサ「はぁ......///環那ってパ......下着とか見るの好きだっけ?///」

環那「いや、別に?恥ずかしがってる顔見るのが好きなだけ。」

 

 むしろ、それを楽しむものじゃないの?

 

 それ単体で見ても別に楽しくないでしょ

 

 他は知らないけど、俺はそう思ってる

 

リサ「か、環那って、意外と変態なんだね......///」

環那「意外も何もド変態だよ。統合されたときに色々変わったし。」

リサ「あの環那ってそう言うのも持ってたの!?」

環那「そうだよ。」

 

 あいつ、性欲の8割は持ってたし

 

 それが戻ってきて自覚したもん

 

 俺って割とド変態って

 

環那「まぁ、理性はあるから今までとそこまで変わらないけどね。」

リサ「結構素直に下着見てたじゃん!///」

環那「頭の上に立ってむしろ見せに来てたんじゃ......」

リサ「見せてないよ!///バカ!///」

 

 まぁ、バカだよね

 

 俺自身もそう思うもん

 

リサ「そ......そんなに見たいなら、お願いされたら、少しくらい......///」

環那「え?じゃあ__」

リサ「い、今はダメ!///」

環那「えー。」

リサ「残念そうな顔しない!///いつも表情変わらないくせに!///」

環那「あはは。」

 

 まぁ、意図して表情変えてるんだけど

 

 揶揄い甲斐あるなー

 

 なんか、リサを揶揄ってるときに生を実感する

 

環那「まぁ、仕方ない。いいもの見せてくれたお礼に、今日はリサに付き合うよ。」

リサ「なんでちょっと『仕方ないなぁ』みたいな雰囲気出してるの!?」

環那「出してないけど。」

 

 今日のツッコミはなんだかキレがあるな

 

 すごくやりやすい

 

リサ「......燐子たちに言いつけるからね///」

環那「それは......流石に勘弁願いたい。」

リサ「言うもん!///環那、皆のパンツ見たがってるって!///」

環那「どこでその曲解生まれたの!?」

 

 なんかとんでもないこと言ってる

 

 どうしようか

 

 ここは上手く機嫌取っとかないと

 

 後で大変なことになる

 

環那「ま、まぁ、遊びに行こっか。今日はある程度の願いはかなえるよ。」

リサ「......あたしの機嫌、そう簡単に治らないからね///」

環那「あ、あはは。」

 

 結局、このイベントにも参加か

 

 まぁ、仕方ないでしょ

 

 なんか上手い感じに輪を乱さないようすればいいや

 

 

 


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