羽丘の元囚人   作:火の車

150 / 200
遭遇

 燐子ちゃんと付き合い始め、かなりの日数が経った

 

 月も12月に突入し、もう完全に冬だ

 

 商店街などはクリスマス用の装飾が施されていて

 

 なんとなく、人々が浮足立ってる気がする

 

環那(クリスマス、か。)

 

 なんだか久しぶりだ

 

 ここ数年、関わることもなかったし

 

 この赤い装飾もどこか懐かしさを感じる

 

人見「クリスマスの予定でも考えられているんですか?」

環那「......なんで分かるのかな。」

人見「それはもう、恋人ができて、クリスマス直前。これでそれ以外を考えていたら大問題ですよ?」

環那「それはそうか。」

 

 正直、今年にこんな充実して12月を迎えると思ってなかった

 

 ほんとに運命が動かされたんだと実感する

 

人見「それで、どのような所に行く予定なのですか?」

環那「まだ何も考えてないよ。アイディアが出なくてね。」

人見「珍しいこともあるものですね。」

 

 悩みどころだ

 

 折角だから燐子ちゃんには喜んでもらいたいし、それと同時に俺の目的も達成したい

 

 この2つをいい形で達成したいけど、いい案が浮かばない

 

環那「俺は別に万能じゃないからね。分からないことだってもちろんあるさ。」

人見「ご冗談を。」

環那「冗談言ったつもりないんだけど。」

 

 俺のことを何だと思ってるんだ?

 

 神か何かだって思われてる?

 

人見「そんな環那さんに耳寄りな情報がありましてよ。」

環那「なに?それ、ちゃんと使えるやつ?」

人見「もちろん。私が誘惑した富豪の男の1人に連れていかれた、高級レストランです。」

環那「!」

 

 珍しくまともな情報が出てきそうだ

 

 それにしれも、高級レストランか

 

 俺と燐子ちゃんには縁のあることだね

 

 なんだか懐かしいな

 

環那「それで、味とサービスはどうなの?」

人見「もちろん、超一流ですよ。環那さんでも十分、満足していただけるかと。」

環那「それほどか。」

 

 人間としては全くもって信用出来ないけど、こういうのは信用できる

 

 それこそ、山ほど高級料理を食べてるだろうし

 

環那「もう少し詳しく教えてくれ。」

人見「かしこまりました。」

 

 それから、俺は人見にレストランについての詳しい情報を聞いた

 

 クリスマスまで時間はあると言えばあるし

 

 焦らずに思案していこう

____________________

 

 “燐子”

 

 12月、それは、とても大事な暦です

 

 特に12月24、25のクリスマスは恋人のいる男女にとって、距離を縮める絶好のチャンスです

 

 それは、私たちも例外ではありません

 

燐子「うーん......」

あこ「りんりーん。調子はどうー?」

燐子「ぜ、全然決まらないよ......」

 

 それで、私は今、クリスマスプレゼントを選んでる

 

 けど、全然わからない

 

 環那君の好きなものは......私、だったし

 

 余計にわからなくなった......

 

紗夜「なぜ私も呼ばれたのでしょうか。」

リサ「あたしは友希那の付き添いでもあるし。」

友希那「私も、ノアと過ごす予定があるから......///」

紗夜(湊さんまで!?)

 

 友希那さんもなんだ

 

 しかも、あの、エマちゃんと一緒にいた人

 

 すごく怖そうだったけど、環那君曰く、良い人らしい

 

リサ「それに、環那にはあたしもクリスマスプレゼントはあげるよ。燐子には悪いけどね。」

燐子「い、いえ......!そんなことは......!環那君は今井さんを一番の友達と言っているので......」

リサ「あはは、そっか。(ちょっとした冗談だったんだけどなぁ。)」

 

 元ライバルだけど、今井さんにはたくさん助けられた

 

 それに、環那君を長年支えてくれてた

 

 そんな人を拒否なんて出来るわけない

 

あこ「リサ姉、お友達っていうか、お母さんみたいだよね!」

リサ「やめて!それだと、あたしがおばさんみたいじゃん!」

友希那(......言われてみれば。)

紗夜(そう感じないことも......)

リサ「そこ!そういえば......みたいな顔しない!」

友希那、紗夜(バレた!?)

燐子「......ふふっ。」

 

 すごく、賑やかになった

 

 なぜか今井さんがいじられる形になったけど

 

 楽しいって思ってしまう

 

リサ「燐子も笑わないでよ~っ!」

燐子「ご、ごめんなさい、お義母さん。」

リサ「お義母さん!?」

あこ「あははっ!」

友希那、紗夜「......ふっ。」

リサ「も~!同い年なのに~!」

 

 今井さんはそう声を上げた

 

 それでまた、皆から笑いが起きた

 

 それから数分後、私たちはその場を離れ

 

 お買い物を再開した

____________________

 

 あれから1時間

 

 私は未だに悪戦苦闘しています

 

 全然、プレゼントが決まりません

 

燐子「うぅ......どうしよう.......」

あこ「決まらないねー。」

 

 環那君の他の好きなものが分からない

 

 アクセサリーとかも邪魔になりかねないし

 

 本当に何を送ればいいのか分からない

 

友希那「環那は何でも喜ぶと思うけれど。」

あこ「確かに。」

燐子「それは、そうなんだけど......」

 

 折角だから役立つものをあげたい

 

 服とかは今井さんがあげるらしいし

 

 かといって、普通のものじゃ彼女としてどうかと思うし......

 

燐子「環那君、欲がなさすぎるよ......もうちょっと、何かあったらいいのに......」

リサ「あはは、分かるー。環那ってプレゼントとか選びずらいよねー。」

友希那「よく悩まされたものだわ。」

 

 このままじゃ、なんだかダメだ......

 

 本人に聞きたいけど、サプライズにしたいし

 

リサ「ほかの店行ってみる?いろんなもの見たい方がアイディアも__」

環那「__ん?燐子ちゃん?」

燐子「!?」

友希那、リサ、紗夜、あこ「え?」

環那「リサ達もいるじゃん。」

 

 突然、背後から聞こえた声

 

 それを聞いて、背筋がピンってなった

 

 なんで、ここに......?

 

 私はそう思いながら、首をかしげて立ってる環那君を見た

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。