あれからしばらく、環那君と水族館を楽しんだ
のんびり歩いてデート出来るのはすごく楽しかった
環那君のお仕事の関係で、こんな風に過ごせる日も中々ないし、すごく嬉しい
しかも、まだまだ一緒にいられる
クリスマスって、こんなに幸せな日だったんだ
環那「どうだった?久しぶりの水族館。」
燐子「すごく楽しかった......!」
環那「あはは、そっか。」
私がそう答えると、環那君は嬉しそうに笑った
出会ったころからは考えられない、無邪気な笑顔だ
本当に変わったんだなぁ......
燐子(この変化に、少なからず関係してるんだ......)
そう思うと、感慨深い
初めて会ったときは、遥か上の次元の人間ってわかって、ただただ怖かった
いや、今でも次元は違うんだけど
なんというか、凡人に寄り添えるようになったのかな?
環那「どうしたの?」
燐子「なんだか、嬉しくなって。」
環那「今日はずっと嬉しそうだけど。」
燐子「そうなんだけどね、環那君、変わったなぁって思ったから。」
環那「急だね。」
まぁ、毎日、こんな風に環那君のこと考えてるけどね?
電話かけるのも、声が聞きたくなって私からになるし
......言ってて恥ずかしくなってきた
環那「燐子ちゃん、よくそれ言うよね。まぁ、燐子ちゃんからすれば、相当な変化だったんだろうけどね。」
燐子「本当に変わったよ。すごく、笑顔が上手になったよ。」
環那「......そっか。」
環那君は歩きながら、少し遠くを見つめた
少し鋭くなった、真剣な時の目だ
どうしたんだろう?
燐子「環那君?」
環那「あぁ、ごめんごめん。少し考え事してた。」
燐子「?」
考え事?
この次の予定とかかな?
そういうの、ちゃんと考えるタイプだし
環那「この後はホテルに戻って、ディナーがあるよ。すごく評判良いから、期待してて。」
燐子「楽しみだけど、緊張するよ......」
環那「あはは、大丈夫大丈夫。誰にも文句言わせないから。」
燐子「あ、危ないことしちゃダメだよ......?」
一瞬だけ、声のトーンが下がった
この時の環那君は本気だから危ない
仮に私に文句を言う人が現れたら、今までの人たちみたいになる
環那「あはは、冗談だよ。今はね。」
今は!?それっていつかはやるってことなんじゃ......
これは止めないと
環那「まっ、ホテルに帰るまでも色々あるからね。」
燐子「え?」
環那「さぁ、そろそろ外だよ。」
燐子「!///」
環那君に手を握られた
そして、軽く引かれるようにして歩き
水族館から出た
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燐子「__!!」
水族館から出て、最初に感じたのは驚きだった
まるで、来た時とは別の世界みたいに光り輝いてる
これは......
燐子「イルミネーションだ......!」
水族館前の広場が、イルミネーションに照らされてる
星空が地上に落ちてきたみたい
環那「この辺りのイルミネーション、評判良いんだよね。デートスポットに良いって。」
燐子「流石、環那君......!」
環那「まぁ、大切な日の為に準備するのは当たり前だからさ。」
環那君はそう言いながら、軽く私の手を引いた
少し照れてるように感じる
本当になんとなくだし、あんまり考えられないけど
環那「ホテルに帰るまで、この景色を思う存分楽しんでよ。」
燐子「環那君もね?」
環那「もちろん。燐子ちゃんといて楽しくない時なんてないからね。」
燐子「う、うん///」
環那「あはは、可愛いね。」
そんな会話の後、私たちは歩き出した
寒いはずなのに、全然そう感じない
それだけ、全身が熱くなってる
環那「......ねぇ、燐子ちゃん。」
燐子「?」
環那「こういう風に過ごせるのって、幸せだね。」
燐子「!......うん、そうだね。」
ふと出た、そんな感じの言葉だった
まるで、平和な今をかみしめてるように感じらえて
環那君の今までの人生を知ってる身からすると、その言葉が嬉しい
私が、そうさせられた理由の一つだと思うと、余計に
そう思いながら、私は環那君にくっついた
少し歩きずらいけど、それでもいい
だって、この環那君との時間を、もっと味わいたいから
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“環那”
心拍数が上がってる
その理由は、綺麗に着飾られたレストランでも、学生が普通来ないような高級ホテルでもない
俺に影響を与えるのは常に、大切な人間にだけだ
すなわち、今目の前にいる、運命に人なんだろう
燐子(す、すごいレストラン......呼吸忘れちゃいそう......!)
環那「......」
まぁ、その運命の人の緊張は俺の比じゃないけどね
おかげで俺は意外と落ち着いてるよ
環那「緊張してるね。」
燐子「こ、こんな所はじめてだから......」
環那「あはは、だよねー。」
初々しいね
俺に比べれば大体が初々しいくなるとか、そう言うのはナシだよ?
燐子ちゃんは特別なんだよ
燐子「環那君はすごいね......全然いつも通りだし......」
環那「別にそうでもないよ。」
燐子「え?」
そう言うと、燐子ちゃんは驚いたような声を出した
まぁ、燐子ちゃんとは理由は大きく違うけど
緊張は別に俺もするからね
環那「ただの食事なら、普通に楽しむけどね。」
燐子「?(ただの食事、なら?)」
さて、どのタイミングで切り出すか
いや、考えるまでもなく食事後なんだけど
やばいな、思ったより緊張してるかも
「お待たせいたしました。オードブルをお持ちしました。」
環那「あぁ、ありがとうございます。」
燐子(緊張、してる......?)
環那「あ、料理の説明は俺がするよ。リサーチは完璧だからさ。」
そんな会話の後、燐子ちゃんが食事を始めたのを確認した後に俺も食事を始めた
さて、一旦、食で心を落ち着かせるか
込み入った話はそれからだ