環那(はぁ、困った。)
空が紫っぽくなってきた朝方、俺はそんなことを思った
今、俺にはいくつか解決しなきゃいけない問題があるけど、なかなか大変だ
会社、組の皆のこと、琴ちゃんのこと
それぞれが重要で重大な問題だ
環那「どうしようか......」
どこから手を付けるべきか
これからの組の活動についても考えないといけないし
会社の方もこれから変わっていく時期だ
無理なことはないけど、中々の重労働だ
なにより......
環那(しばらくは琴ちゃんに時間を使うつもりだったのに、予定が狂ったな。)
流石に今の琴ちゃんを放置するのは問題がありすぎる
かといって、他2つも放置できない
環那(仕方ない。人見を使うか。)
これらを1人で片付けるのは不可能だ
会社と組のことは、あいつに任せよう
それで、俺は最も重要な問題に着手することにする
環那「まずは、琴ちゃんをどうにかしよう。」
取り合えず、考えてる策はある
それを実行してから、後々のことは考えよう
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“琴葉”
チュンチュンっと、スズメの鳴く声が聞こえます
いつもならすぐに起きて学校に行く用意をするんですが、今日もお休みです
教師の仕事は好きですが、お休みはありがたく思います
琴葉(彼は、いるのでしょうか。)
環那『__ただいまー。』
琴葉「!」
まだ眠気が覚めない中、彼の声が聞こえました
ビニール袋の音が聞こえます
お買い物に行ってたのでしょうか?
環那「起きてる?琴ちゃん。」
琴葉「あ、はい。」
彼は扉を開けて、顔をのぞかせました
その様子を見て、私は安心しました
まるで依存症です
彼は学校に行ってないといけないのに、彼がいないと安心できないんですから
環那「調子はどう?」
琴葉「今よくなりました。」
環那「そっか。それはよかった。」
今の、結構ちゃんとアピールしたんですけど、受け流されました
彼のことなので、気づいてないなんてことはないはずないんですが
分かっててしてるのでしょうか
環那「朝ごはんはどうかな?今日はコーンスープとバケットだよ。」
琴葉「食べます。」
私はそう頷いて、ベッドから出ました
慌ただしさの欠片もないこの朝
彼と一緒にいられることが、嬉しくてたまりません
この日々がずっと続けば......なんて思います
けど、そんなことはありえないというのは、今までの彼を見ていれば容易にわかることですよね
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“環那”
琴ちゃんの朝食を済ませて、俺はソファに座ってる
隣にはもちろん、琴ちゃんがいる
最近はずっとこんな感じな気がする
環那(さて、どうするか。)
精神面はまぁ、そこそこ安定してる
篤臣さんが亡くなった時に比べれば、だけど
しかも、俺がいるとき限定だし
環那(さて、どうするか。)
いつもの俺なら、出来るだけ正常な状態に戻そうとする
それが出来てこそ、解決だから
でもなぁ......
琴葉「?」
環那(こういう状態も、悪くないんだよなぁ。)
このままこの子を依存させるっていうのも悪くない
特にそれで困ることもないし
てか、可愛いし
琴葉「どうしましたか?」
環那「いや、可愛いって思ってただけ。」
琴葉「っ!///」
あ、顔赤くなった
ほんと、俺の周りの女の子はうぶだなぁ
たかが言葉だけでこんな風になるなんて
琴葉「......///」
環那「いつもみたいに年齢言っとく?」
琴葉「......あなたに年齢なんて、意味ないですから///」
環那「よくわかってるね。」
可愛いけど、ツッコミがないのも落ち着かないな
ボケとしての本能かな?
いや、これは弱ってるから、多少は治るのか?
環那(やっぱり、家にいるだけじゃ、ダメかなぁ。)
折角しばらく休みだし、外に出るのもいいかな
何の因果か、あれも残ってるのもあるし
ちょうどいい使いどころだろう
環那「ねぇ、琴ちゃん。」
琴葉「は、はい///」
環那「折角の休みだしさ、旅行行かない?最近、忙しくて、疲れてるでしょ?お互いに。」
琴葉「旅行、ですか?」
俺がそういうと、琴ちゃんは首を傾げた
やっぱり、この子忘れてるね
自分で渡したくせに
環那「俺にくれたでしょ?温泉旅館の。」
琴葉「......あ、そういえば。」
環那(ほ、ほんとに忘れてたのか。)
なんというか、さすがだ
これでこそ琴ちゃんだよ
俺は呆れつつもそう思った
環那「で、どうする?行く?」
琴葉「いいですね。行きましょう。(あなたのなら、どこへでも行きますが......)」
環那「そっか。じゃあ、明日行こ。」
琴葉「急ですね。いいですけど。」
琴ちゃんはそう言って、コクンと頷いた
これにもツッコまないかー
ま、今はいいんだけどさ
琴葉「じゃあ、準備しますね。」
環那「うん。忘れ物はしてもいいよ?向こうで何でも買えるから。」
琴葉「大丈夫ですよ。」
琴ちゃんはソファから立ち上がって、自分の部屋に行った
それを見送って、俺は小さく息をついた
さて、どうするか
環那(とりあえず、リサにエマの面倒頼むかー。)
俺はそんなことを考えて、リサに電話を掛けた
さてと、この旅行中にどのくらい持ち直せるか
これによって、この休み明けに仕事行けるかに関わる
まっ、何とかしようとすると空回りしかねないし
琴ちゃんと一緒に楽しむことを考えるか