羽丘の元囚人   作:火の車

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興味と本気

 学校と仕事を終えて、俺は家に帰ってきた

 

 食事と風呂を済ませて、部屋に入ると、どっと疲れが来た

 

 細胞一つ一つが重くなってるみたいで、動くのが怠い

 

環那「......ふむ。」

 

 ベッドに寝転んで、携帯を開いた

 

 さて、俺は今、イヴちゃんに電話をかけようとしてるわけなんだけど、ここで問題が起きた

 

 なぜか、俺は通話ボタンを押せずにいるんだ

 

 緊張している......のか?

 

環那(......よし、取り合えず、かけるだけかけてみよう。)

 

 携帯を操作し、通話ボタンを押した

 

 無機質な機械音が静かな部屋に響いている

 

 自分の心音がハッキリと聞こえる

 

 そうしていると、すぐに機械音が途切れ......

 

イヴ『はい!もしもし!』

環那「元気だね。」

 

 元気がでるような、可愛らしい声が聞こえて来た

 

 少し聞いただけで、なんとなく、楽になった気がする

 

環那「イヴちゃんは今、何してた?」

イヴ『今はお部屋でのんびりしていました!』

環那「そっか。」

 

 この子、のんびり出来るんだ

 

 なんだか、ずっと動いてるイメージがあった

 

 元気な子だからね

 

イヴ『カンナさんはお仕事でしたよね?お疲れ様です!』

環那「ありがと。まぁ、それほど......」

イヴ『?』

 

 いつもの癖で、余裕振ろうとした

 

 けど、それにとんでもない怠さを感じた

 

 それと同時に、もう一つ......

 

環那「......そうだね。きっと、疲れてるから、イヴちゃんの声を聞きたいんだろうね。」

イヴ『そうですか!なら、私、たくさん話します!』

環那「そんなに張り切らなくてもいいよ。」

イヴ『いえ!私もカンナさんとお話するのが楽しいので!』

 

 俺と話すのが楽しい、か

 

 変わった子だ

 

 こんなこと言う子は、ほんとに人類の1%未満だろう

 

イヴ『私、カンナさんのことをもっと知りたいです!』

環那「俺?」

イヴ『はい!カンナさんは未だに謎多き人物ですから!』

 

 別にそんなことはないと思うんだけど

 

 特に隠すこともないし

 

イヴ『カンナさんの好きなものは何ですか?』

環那「好きなものは特にないかな。」

イヴ『そうなんですか?』

環那「うん。俺が好きなのは、イヴちゃん達だから。ものじゃないかな。」

イヴ『!///』

 

 ものが者なら、あってはいるのか?

 

 まぁ、いいや

 

 なんとなく、響きとしては嫌だったし

 

環那「逆に、それ以外はないんだよね。」

イヴ『そ、そうなんですか///』

 

 と言っても、厳密には少し違う

 

 根本的に、イヴちゃんは他の3人とは違う

 

 俺がこの子に抱いてる感情は......

 

環那(なんとなくだけど......)

 

 自分を強く見せる必要がない......と感じてる

 

 一緒にいるだけで、癒されるような

 

 使命感も何もなく、一緒にいられそうな、そんな感じかな

 

環那「俺の好きな4人は、全員同じわけじゃない。イヴちゃんは、少し違う。」

イヴ『それは、よく言っていましたね///』

環那「イヴちゃんと一緒にいると、楽なんだ。リサとは少し違う感覚で。何というか、君といる時間はいつも優しい感じがする。」

イヴ『そ、そうなんですか?///それは、嬉しいです......///』

 

 一緒にいて安心する

 

 俺がそう思うのは、結構珍しいと思う

 

 リサ達の前じゃかっこつけようとするけど、イヴちゃんの前ではそうじゃなくても良いって思ってる節がある

 

 俺の好きになった子は、不思議な子ばっかりだな

 

 “イヴ”

 

 最近、カンナさんと一緒にいることが増えました

 

 リサさん達がお忙しいのもあると思うのですが

 

 それでも、やっぱり多いです

 

イヴ「な、なんだか、すごく褒めてくれますね///嬉しいんですけど......///」

環那『俺は元々、イヴちゃんへの評価は高いよ。』

イヴ「そうではなくて、その......今のカンナさんはまるで///」

 

 可能性はたしかにないとは言えませんけど

 

 でも、あのカンナさんがこんなに分かりやすく態度に出すのでしょうか?

 

 だって、カンナさんですから

 

環那『どうしたの?』

イヴ「今のカンナさんの態度では......勘違いしてしまいます///」

環那『勘違い?」

 

 もしかしたら、私のことを好きになってくれたのかも、なんて......

 

 自惚れなのは分かっています

 

 でも、そうであってほしいと思うことは、仕方ないんです

 

イヴ(もし、そうなら......///)

環那『それ、意外と勘違いじゃないかもだよ。』

イヴ「え......!?///」

環那『なんとなく、考えてることは分かるよ。』

 

 カンナさんはそう言った後、少しだけ間が空きました

 

 私は何を言えばいいのか分からなくて、口も開けません

 

 ど、どうしましょう

 

環那『俺、イヴちゃんと付き合ってみたい。』

イヴ「!///」

環那『これは興味と本気、両方ある。』

 

 興味......というのは、恐らく一緒にいると楽と言ってたことでしょう

 

 そう思ってもらえるのは嬉しいです

 

 でも、本気というのは、つまり、そういうことですよね?

 

環那『純度100%っていうわけじゃないから、嫌なら__』

イヴ「い、イヤじゃありません!///」

環那『そ、そう?』

イヴ「興味もあるけど、本気もあるんですよね......?」

環那「うん。俺は、イヴちゃんが好きだよ。ちゃんと。」

イヴ『!///』

 

 その言葉が、すごく嬉しく感じました

 

 恐らく、カンナさんの中では、他の人と同じくらいの好きだと思います

 

 興味の方が多いでしょう

 

 でも、こうんな風に好きな人に言われるというのは、嬉しいです

 

環那『じゃあ、イヴちゃんh俺と付き合う......ってことで良い?』

イヴ「はい!///よろしくお願いします!///」

環那「こちらこそ。イヴちゃんのこと、俺にたくさん教えて。」

 

 こうして、私とカンナさんは付き合うことになりました

 

 まだ、お試しのようなものだとは思いますが

 

 これから、カンナさんの一番になれるように頑張ります!

 

 

 

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