羽丘の元囚人   作:火の車

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誤解

 パッと目を覚ますと、外はまだ暗いままでした

 

 頭が少しぼーっとした、寝起きの時間

 

 そんな中で、私は昨夜のことを思い出して、一気に顔が熱くなりました

 

イヴ(か、カンナさんと、こ、恋人同士になれるなんて......!///)

 

 枕に顔をうずめ、足をバタバタしてしまいます

 

 嬉しいという感情が爆発しています

 

 初めて好きになった人と、仮にとはいえ結ばれるというのは、こんなにも幸せなのかと驚いています

 

イヴ(と、と言っても、恋人とは何をするのでしょうか?///)

 

 デートはもうしてますし、キスも、その先も......

 

 あれ?私とカンナさん、すごく色々な段階を飛ばしてるような......

 

 それこそ、恋人がすることはほとんどしてますね

 

イヴ(恐らく、今の立場に満足していたら、カンナさんにはちゃんと選ばれません。ちゃんと、私が出来ることをしないと。)

 

 色々と考えていると、落ち着いてきました

 

 私は、カンナさんが求めているものの原石のようなものです

 

 本気が100%になってくれるよう、頑張らないと

__________________

 

 “環那”

 

 大企業の社長、アイドルと交際

 

 この文面を見れば、民衆はなんと思うだろうか

 

 金でアイドルを買った社長、金に目がくらんだアイドル、もしくは、タブーを犯したバカか

 

 ざっとこんなところだろう

 

 どっちにしても、あまりイメージはよくないだろうね

 

 まぁ、俺にはどうでもいいんだけど

 

環那(若宮イヴか。)

 

 登校中、俺は携帯で彼女のことについて調べていた

 

 モデルとしての彼女は綺麗だと思う

 

 アイドルの方は最初はこけたらしいけど、今は持ち直して、人気も出て来てる

 

 いつもの態度に反して、波乱万丈な人生を送ってるみたいだ

 

環那(こういう感じなのか。)

 

 友達としての彼女を知っていても、それ以外のことは知らなかった

 

 俺はテレビを見る人間じゃないし、興味はあったけど、見れてなかったし

 

 今初めて、ちゃんと芸能人としての彼女を見た

 

環那(知らないことばっかりだな。)

 

 俺は彼女を知らない

 

 昔から一緒のリサはともかく、今年であった燐子ちゃんや琴ちゃんよりも知らない

 

 そして、その3人とは明らかに何か違って

 

 でも、確信していることもある

 

 そんな存在だ

 

イヴ「__カンナさーん!」

環那「あ、来たね。」

 

 今は放課後で、俺とイヴちゃんはデートの待ち合わせをしてたんだ

 

 つい考え込んでしまった

 

 危ない危ない

 

イヴ「お待たせしました!」

環那「そんなに待ってないよ。」

 

 体感はそこまで時間経ってないし

 

 実際の時間も10分くらいしか経ってない

 

環那「昨日の今日で早速のデートだね。」

イヴ「はい!すごく嬉しいです!」

環那「そっか。それはよかった。」

 

 目の前にして思う

 

 この子、俺の彼女でいいの?

 

 改めて考える必要もないくらい美人なんだけど

 

環那「じゃあ、行こうか。」

イヴ「はい!あ、その前に。」

環那「?」

 

 イヴちゃんはふぅっと息をついた

 

 どうしたんだろう

 

 何か気になる事でもあるのかな?

 

イヴ「私!カンナさんの一番になれるように頑張ります!」

環那「え?」

イヴ「ちゃんと見ててくださいね!じゃあ、行きましょう!」

 

 イヴちゃんはそう言って、元気に歩き出した

 

 なんとなく、彼女の思考は分かる

 

 けど......

 

環那「えぇ......?」

 

 色々と誤解があるみたいだね

 

 これは、誤解を解くのが先か、イヴちゃんが目的を達成するのか先か

 

 いや......普通に話した方が楽だよね、これ......

__________________

 

 “イヴ”

 

 私たちはショッピングモールの中にあるカフェに来ました

 

 いつもは羽沢珈琲店ですが、偶には他の場所もいいですね

 

 アヤさんも最近、こんな感じのお店のお料理の写真を投稿してましたし

 

イヴ「わぁ!すっごくオシャレですね!」

環那「喜んでくれてるようでよかったよ。」

 

 このお店のお料理はどれもオシャレです

 

 これが映えと言うものなのでしょうか?

 

イヴ「こんなお店が出来てたんですね!」

環那「知り合った飲食関係の会社の社長が、新店舗を出すって話をしててね。そこで知ったんだ。」

 

 流石はカンナさんです

 

 色んな事業をしているらしいですが、繋がりもそうなんですね

 

 紹介されるのも、なんだかかっこいいです!

 

イヴ「美味しいですね!羽沢珈琲店とは違った感じがしますね!」

環那「まぁ、コンセプトが違うからね。」

 

 確かにそうですね

 

 ここも雰囲気がいいですが、羽沢珈琲店とはまた違います

 

 暖色と寒色のように

 

環那「羽沢珈琲店の地域の人に愛される店づくりはすごくいいと思う。」

イヴ「そうですね!なんだか安心しますよね!」

環那「そこにイヴちゃんがいるから、俺は引き寄せられたのかな。」

イヴ「!?///」

 

 カンナさんは考える仕草をしながら、そう呟きました

 

 私に言っているというよりは、独り言のような感じでした

 

イヴ「か、カンナさん......///」

環那「あ、ごめん。つい考えこんじゃった。」

イヴ「い、いえ......///」

 

 嬉しさと恥ずかしさが同時に襲ってきます

 

 でも、そうなんですよね

 

 カンナさんは今は私の彼氏なんです

 

 好きと言う感情もあるらしいですし......

 

イヴ「か、カンナさんには、特別でしたから......///」

環那「あはは、そっか。」

 

 バイトはお仕事ですが、好きな人が来たら意識してしまいます

 

 声も高くなりますし、笑顔にもなりますし、テンションも上がります

 

 誰にでも全く同じ対応をするなんて、出来っこないです

 

環那「そう言えば、イヴちゃんはいつから、俺のことを好きになってたの?」

イヴ「えぇ!?///そ、それは......///」

 

 こんな風に直球で聞いてくるのは、カンナさんらしいです

 

 すごく恥ずかしいですが、私は話しました

 

 カンナさんが羽沢珈琲店に来た時に、優しさに触れて、好きになったことを

 

 その間の私は、顔から煙が出そうでした

 

環那「なるほど。」

イヴ「うぅ......///」

環那「あの時のイヴちゃんは疲れてそうだったから、気を遣ったんだけど。いいこともするものだね。」

イヴ「今は、少しだけ違うんですけど///」

 

 今は、弱さのあるカンナさんが好きなんです

 

 それでも、誰かのために頑張るから好きなんです

 

 だから、私の気持ちもこんなに......

 

イヴ(こんなに、大きくなったんです......///)

環那「俺も__」

イヴ「だから、今の好きは前の何百倍も大きいです!だから、私、もっとカンナさんに好きになってくれるよう、頑張ります!」

環那「えっと__」

イヴ「まずは、あーんをしましょう!カップルっぽいことはヒナさんに聞いています!」

 

 私はそう言って、カンナさんにパンケーキを差し出しました

 

 カンナさんは特にためらうことなく食べてくれました

 

 まだまだ、この関係も始まったばかり......

 

 もっと好きになってくれるようにしないとですね!

 

 

 

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